「あきひさ、これ美味しいね♪」
フランが食べてるのは・・・ツバメの巣のスープだね。高級食材でもあるけど、
初めて食べるかも・・・
「あきひさ」
「うん?なに、フラン」
「あ~ん」
フランはレンゲを僕に差し出してきた。
「ありがとね」
せっかくのフランの好意だ。
ごく一部からの殺気がいたいけど・・・
「・・・美味しい」
「美味いんだが・・・どこかで食べたような・・・」
まぁ、妹紅は食べたことあるかもね。いろんな所旅してたらしいし。
「~♪」
フランも上機嫌だ。
滅多に食べられない高級食材に舌鼓を打ち、
最後に締めとなるデザートの杏仁豆腐を味わっているところで、霧島さんが雄二に話しかける。
「・・・雄二」
「何だ翔子?」
「・・・勉強の進み具合はどう?」
「まったくもって順調だ。心配はいらねぇ」
「・・・本当に?」
「ああ。次のテストではお前に勝っちまうかもしれないぞ?」
「・・・そう」
「そうしたら・・・俺は晴れて自由の身だな」
う~ん、雄二まだそんな事言ってるのか・・・
「・・・そこまで言うのなら・・・」
「ん?」
「・・・勝負、する?」
霧島さんにしては珍しい挑発的だね。
「勝負だと?」
「・・・うん。雄二がどの程度できるようになったのか、見てあげる」
「ほう・・・随分と上からの目線で言ってくれるじゃねぇか」
霧島さん、雄二を乗せるのがうまいな。
「・・・実際に、私の方が上だから」
「くっ。上等だ!勝負でも何でもしてやろうじゃねぇか!
本当の実力の違いってヤツを見てやらぁ!」
がんばれ雄二。僕にはもう君の勝ち目は見えないよ。
「・・・分かった。それなら、この後に出題範囲の簡単な復習試験で勝負」
「おうよ!今までの俺と思うなよ!」
「・・・それで、私が勝ったら、雄二は今夜私と一緒に寝る」
「は?」
うん?聞き間違いか?
「・・・だから私が勝ったら、雄二は私と一緒に寝る」
「なに言ってるんだお前!!」
「あきひさ~」
「なに?フラン」
「今日一緒に寝よう」
「瑞希、ナイフ取って。包丁か鈍器でもいいわ」
美波!?何する気!?
そして姫路さん!!君はどこから日本刀なんて取り出した!?
「・・・代わりに、雄二が勝ったら吉井と土屋と一緒に寝るのを許してあげる」
「驚くほど俺のメリットがねぇぞ!?」
あのさ、男同士なんだから許すも何もないと思うんだけど・・・
やはりこういうとこではまだ霧島さんずれてるね(苦笑
「良いな~。 そういうの、面白そうだよね。 僕も何かやりたいなぁ」
様子を見ていた工藤さんが笑顔で割り込んできた。
「・・・愛子も勝負する?」
「それも良いけど、折角だから「工藤さん?明久にちょっかい出すなら・・・」そ、そんな事しないよ」
?なんか今ちらりと僕見て、幽香が口を挟んだね。
「どうせならさ試験皆で受けて、その点数で部屋割りを決めないか?」
妹紅の言葉に、
「それは面白そうだね♪」
「はい、勝負です!」
「そうね!が、頑張るわ!」
工藤さんはノリノリで、姫路さんと美波はなんだか僕をちらちらと見ながら同意し、
「幽香は?」
「妹紅・・・はぁ、いいわ、参加する」
フランはどうしようか・・・
僕はちらりとフランを見ると、
「フランも受ける~」
「え、でも・・・」
「わかるの?この子・・・」
姫路さんと美波はフランを見ながら問う。
まぁ、見た目相応なら悩むとこだが・・・
「大丈夫よ。この子それなりに頭はいいわ」
紅魔館には図書館、そしてパチュリーもいるしね。
僕も一時期見てたし。
結構フランは頭はいいほうだ。
「・・・じゃあ、まだ開けていない新品の模擬試験を持ってくる」
「待て翔子! 俺はまだ承諾してないぞ!」
「・・・決定事項。さっき雄二は勝負するって言った。反対意見は認めない」
「ぐ・・・!そ、それはそうだが・・・」
逃げ場はないんだけど・・・
って、雄二!?
雄二が霧島さんには見えないような角度でジュースの入ったコップを傾けるのが見えた。
そして・・・
「っと、すまん翔子! 服にかからなかったか?」
いや、わざとでしょ・・・幽香達もため息をついていた。
「・・・大丈夫」
「いや、大丈夫じゃない。お前には見え辛いかもしれないが、服の裾のその辺にかかったみたいだ」
「・・・なら、着替えてくる」
「そうした方がいいだろう・・・それなら、ちょっと早いが先に風呂にしないか?
腹ごなしも兼ねてな」
「・・・分かった。それなら先にお風呂にする」
「んじゃ、模擬試験はその後だな」
「・・・うん」
何やってるんだか・・・
「じゃあ私達も入ってくるわ」
「そうだな」
「覗く時は気づかれない様にね」
いや、覗かないから。
「アキ、覗いたらわかってるでしょうね!?」
「そうですよ!」
そんなに信用ないのか・・・僕・・・
「はいはい、行くわよ」
「早く入ろうね~」
「あ、妹紅ちゃん、痛いです!?」
「ちょっと!?幽香!?あと木下も・・・」
「だからワシは男じゃ!!」
僕はフランを膝に乗せながら見送ることにした。
どんまい、秀吉。