なんだ・・・これ・・・
【学園長室】
「・・・学園長。コレはなんですか?」
鉄人は学園長に問うと、
「そう非難がましい目をするんじゃないよ西村先生。ちょっとシステムの調整に失敗しただけじゃないか」
「・・・これのどこがちょっとですか?」
「ちょっと見てくれが悪いだけさね」
「ほほぅ・・・そうですか・・・」
「ああそうさ」
「「・・・・・・」」
「・・・もうすぐ、夏、だねぇ・・・」
「学園長、遠い目をしても無駄です」
「はいはい、わかってるよ。それじゃ、復旧作業進めるから八意に連絡しておくれ」
「それは構いませんが。これが生徒に発覚したらどうするつもりです?」
「どうもこうもないさね。問題は見てくれだけだからね。ガキ共が騒ごうが、特に気にする必要もない」
「ということは?」
「なるようになる、ってだけさ」
「やれやれ・・・これだから、この学校は・・・」
_________________
期末から数日たったある日の事。
「なぁ、装備は一度リセットされたんだろ?俺、見てみたいんだけど」
そういえば永琳が期末後にそんなことするって言ってたな。
「じゃあ。一度、召喚獣を呼び出してみようよ。 皆がどんな装備になっているのか気になるし」
「そうだな。戦力の把握は試召戦争に必要不可欠だ。
幸いにも鉄人もいることだし、召喚許可をもらって確認しようぜ」
「じゃあ・・・てつじ~ん」
「藤原、西村先生と呼べと言っているだろう・・・で、どうした?」
妹紅が呼ぶと鉄人はすぐに来た。
「すいません。ちょっと先生にお願いがあるんです」
「お願いだと? おかしなことじゃないだろうな?」
幽香も笑顔で言うと鉄人は不思議そうな顔で言う。
「もちろんです。ちょっと召喚許可をもらいたいだけです」
「・・・」
ん?どうしたんだろう・・・
「まぁ、お前達なら問題ないだろうが・・・いいだろう、承認する」
歯切れが悪いというか・・・もしかしてまた問題があったのだろうか?
「では召喚してみるのじゃ。サモン!!」
そう言って現れたのは・・・
『ポンッ!!』(猫又)
「「「え?」」」
「なっ、ど、どういうことじゃ!?」
「・・・西村先生・・・」
「・・・吉井、そういうことだ・・・」
またやったんだ・・・学園長・・・
しかし・・・
「う~ん・・・これ多分だけど、試験召喚システムって確か、科学技術とオカルトと偶然で成り立ってるから・・・
オカルト的な要素が色濃く出てるんだろうね・・・」
「大方学園長のミスでしょ?」
「・・・そうだ・・・」
「何やってるんだ・・・あの人・・・」
「でもどういう基準で・・・」
「学園長の話を聞く限りでは、どうも召喚者の特徴や本質から喚び出される妖怪が決定されるらしい」
じゃあ、秀吉は・・・
「どうやら秀吉の特徴は『可愛い』ということらしいな」
「つ、ついにわしは召喚システムにまでそんな扱いを・・・」
「ドンマイね」
「ならば、俺たちも!!」
「俺達の本質はなんといってもジェントルマンだからな。
酷い召喚獣なんかが出てくるわけがない」
FFF団は自信満々に言うと、
「「「サモン!!」」」
『ポンッ!』(ゾンビの山)
「「きゃあぁぁぁ!!」」
「なるほど『性根が腐ってる』だな」
「いや、『汚物』じゃないかしら、いっその事」
「では、私も・・・サモンッ!!」
姫路さんの召喚獣か・・・
『ポンッ』(サキュバス)
「きゃぁああああっ!?」
姫路さんは召喚獣を隠すようにしてたった。
はぁ・・・
『ポイ』(FFF団に自作目潰し爆弾)
「「「ギャアアアアアア!!目がああああああ!!!!」」」
「で、どういうチョイスなんだろな」
「胸がでかいってことじゃないのか?」
「うわああああん!」
妹紅の言葉に、雄二が何のためらいもなく言ってのけた。
「『大胆』じゃないかしら?時々姫路さんって、とんでもない事を天然でやるし」
「うぅ・・・」
「ふふっ。瑞希ってば、可哀想に。
そんな大きな胸をしているからあんな格好の召喚獣が出てきちゃうのよ」
「うぅ・・・あんまりです・・・」
いや、胸じゃないって!
「じゃあ次は島田だな? 戦乙女や雪女みたいなのが出てきたりして」
「確かに美波って割と好戦的だからね。そう言った戦闘タイプのが出てきそう」
「じゃあ、サモン!!」
『・・・ゴゴゴゴゴ!』(ぬりかべ)
なんか音が違うけど・・・
「・・・さて、ムッツリーニはどうなんだ?」
「そうだね、呼んでみてよ」
「・・・サモン」
ムッツリーニの近くに、血色の悪いマント姿の少年が現れた。
その姿から察するに、ヴァンパイア。
「成程、確かにいつも血を欲してるイメージがあるからな」
「若い女が好きという点も酷似してるよね」
「ねえアキ・・・」
「何?」
「・・・この召喚獣、ウチに何を言いたいのかしら・・・」
「『胸がない』でしょ?」
「幽香!?」
「(グサッ!!)・・・orz」
あ、落ち込んじゃった。
「もう、だめじゃないか」
「じゃあ私も出すわね、サモン」
そこにはいつもの格好の幽香。
てか幻想郷でのそのままだ。ただ、傘と花を持っている。
「・・・」
「うん、間違ってないね」
花妖怪だけに。
「じゃあ私も、サモン!」
妹紅も同じく。
「う~ん、私らは変わらないのかな?」
「ふむ・・・咲夜」
「呼んだかしら?」
いきなり隣に現れる咲夜。
「いや、本当に現れたね・・・
試験獣召喚やってくれない?」
「いいけど・・・サモン」
『ポンッ』(いぬさくや)
「あれ?変わってないね」
「『従者』『僕』・・・早い話『犬』ね」
「マントがついた位だな」
そう言ってると咲夜の召喚獣は僕の膝の上で丸まった。
「・・・主人は明久ね」
「そうだな」
「言いたい事があるなら言いなさいよ!!」
なんか三人で会話が始まったな。
「で、雄二はどうなのかな?」
「そうだな、サモン!」
雄二の呼び声に答え、現れる召喚獣。
鍛え上げられた肉体を露わにした、下にズボンをはいてるだけの姿。
そして・・・
「また手ぶらじゃないか!」
どうやら今回も、ゲンコツという攻撃方法らしい。
「で、一体何の妖怪なんだこれは?ズボンだけっていう、今までより退化してる装備なのはともかくとして、これだと変態だね」
「おい明久、ちょっとツラ貸せや」
「何か言い返せるとこある?」
「くっ・・・」
「まあまあ落ち着くのじゃ」
そこで、雄二の召喚獣がぶるぶると身ぶるいを始めた。
その口が大きく裂け、全身からすごい勢いで毛が生えてくる。
「なるほど、ワーウルフ・・・狼男か。じゃあ雄二の特徴は野性だね」
「明久はどうなんだ?」
そういや出してないな・・・
「サモン!!」
そしてそこに現れたのは・・・
包帯のようなもので目を覆い、
背中に黒と白の六対の羽根を持ち、
手には赤い大鎌の黒い外装・・・
「これは・・・」
「たぶん死神だな・・・」
「じゃあ後ろの羽根は何だ?」
「多分・・・『二面性』でしょう」
「そして『死』を表す死神・・・ね」
なんともまぁ・・・
「「「これはこれで有りね」」」
「え?」
「気にしないで」
「気にするな」
「気にしなくていいわ」
しかし・・・なんともまぁ・・・
禍々しいな・・・