「「お前らうるせぇんだよ!!」」
何とか落ち着こうとしてるのに・・・
あれ・・・あの二人は、
「騒がしいと思ったらやっぱりまたお前か! 吉井!」
「お前はつくづく目障りなヤツだな・・・!」
ひどい言いようだ。
「えーっと・・・確か・・・どちら様ですか?」
「明久、夏・・・変態先輩だよ」
「そうそう。ブラジャーを頭に付けたげs・・・変態よ」
「二人共それはしつれ・・・あ、ホントだね」
「おい!? 今言い直そうとしたくせにおれ達の顔を確認して言い直すのをやめなかったか!?
てか、もっと酷くなってないか!!?」
「お前等、おれ達を心の底から変態とモヒカンとハゲだと思っているだろ! 常村と夏川だ!
いい加減名前くらい覚えろ!」
「それで常夏先輩。どうしたんですか?」
「早く用件をいえよ、クズ共」
雄二クズは失礼だよ。クズに。
「テメェ・・・個人を覚えられないからってまとめやがったな・・・
てか、お前は最初から俺達を侮辱してないか!?」
「流石はあの吉井明久だ。脳の容量が小さすぎるうえに性格悪い相棒まで連れてやがる」
「ごめんなさい。覚える気がないだけです」
「「そっちのほうが失礼じゃ!!」」
「あんた達のほうが失礼だろ」
妹紅と幽香が戦闘体勢入ってるし・・・
「二人とも、抑えて」
「けど・・・」
「拳が汚れるから」
「それもそうね。あんな汚物は触りたくないわ」
「どんだけ侮辱する気だ!?」
「「「飽きるまで」」」
「明久が喧嘩腰だな」
「・・・珍しい」
「っていうかお前らうるせぇんだよ! 俺達への当てつけかコラ!」
「夏期講習に集中できねぇだろうが!!」
なんだか殺気だっているようにも見える。
受験勉強でピリピリしてるのかな?
「おいおいセンパイ方。そいつは酷い言いがかりじゃないか?」
確かにそうだよね。
「ここは旧校舎だが一応は音が響かないように整備はされてる。
それにあんたら新校舎、そんなとこまでひびくわけねぇだろ」
「そうですね。そこに関しては私も立ち会ってます。
文句があるのなら聞きますが?」
沈黙を貫いていた慧音が二人を見ながらそう言った。
「「うっ・・・」」
文句言えるわけないよね。だって・・・
「先輩方は・・・
勉強に飽きてフラフラしているところで僕達が何かやってるのに気がついて、
八つ当たりをしにきたってところですね」
僕が笑って言うと夏川先輩はバツが悪そうに目を逸らした。
「それじゃあ言わせてもらうがよ、坂本よぉ!お前らは迷惑極まりないんだよ!
学年全体での覗き騒ぎに、挙句の果てには二年生男子が全員停学だぞ!?
この学校の評判が落ちて俺たち三年までバカだと思われたらどうしてくれんだ!
内申に響くじゃねぇか!」
「先輩、学年全体といいましたけど・・・全員ではないですよ?」
「確かに文月学園のイメージが落ちたのは事実だが。
だけど、それが直接的に内申に響くわけじゃないだろ?
内申とは先生方がその人の学習活動や学校生活についてを書く文書のことなんだからな。
だから、お前等三年生がしっかりしてれば内申には響かないことになる。
それに文月学園のイメージはこの肝試しが成功すればあがる」
「逆にこんなことしてる暇があるのなら準備をしたらどうですか?
内申が微妙なら実力で取るしかないんでしょ?」
「ッメぇら上等じゃねぇ・・・」
「まったく・・・3年生はどうしてこうも厄介なことしようとするかね・・・」
夏川先輩が怒鳴ろうとしていたら学園長が来て呆れながらそう言った。
「「学園長!?」」
この場にいた全員が驚きの声をあげる。
「ストレス発散したいなら、あんたらも肝試しに参加すればいいじゃないかい
ここで小競り合いをしているよりは有意義さね」
そう言って学園長は夏川先輩と常村先輩達を見た。
「じょ、冗談じゃねぇ。こんなクズどもと・・・」
「黙りな。ちなみにアンタ等に拒否権はないさね」
淡々と学園長はそう告げる。
「そうね、明日の夏期講習・補習の最終日は全員参加の肝試しにしましょう」
永琳は(目が笑っていないが)笑顔でそう言うと、
何時の間に戻ってきたの?
「ふむ…その方がいいかもしれないねぇ」
学園長はその意見を聞いて楽しそうに笑う。
「「な……っ!?」」
夏川先輩は驚いて目を白黒させていた。
「ただし、これはあくまでも補習と夏期講習の仕上げだからね。
補習と講習の参加者は余すことなく全員参加すること。いいね」
学園長はそれだけ言うと出て行く。
「やれやれ・・・ま、そういうワケだセンパイ。楽しくやろうぜ?
今までのことは水に流して・・・よ」
「お、お前らなんざと仲良くやるつもりはねぇ・・・」
「だろうな。俺もアンタらは気にくわないし・・・ってことで、こういうのはどうだ?」
「あぁ?」
「驚かす側と脅かされる側にわかれて勝負をする」
「二年と三年でわかれて、ってことか」
「あぁ。それなら仲良くやる必要は全くないだろ?」
「悪かねぇな。当然俺たち三年が驚かす側だよな?
俺たちはお前らにお灸を据えてやる必要があるんだからな」
「ああ。別にそれで構わない」
相手を怖がらせて笑おうということかな?
「決まりだな。・・・ルールは・・・」
そう言って雄二が取り出したのはA4サイズのプリント。
昨日考えた奴だね。
えぇっと、
・二人一組での行動が必須。 一人だけになった場合のチェックポイント通過は認めない。
※一人になっても失格ではない。
・二人のうちのどちらかが悲鳴をあげてしまったら、両者とも失格とする。
・チェックポイントはA~Fの各クラスに一つずつ。 合計四ヶ所とする。
・チェックポイントでは各ポイントを守る代表者二名(クラス代表でなくても可)と召喚獣で勝負する。 撃破でチェックポイント通過扱いとなる。
・一組でもチェックポイントを全て通過できれば驚かされる側、通過者を一組も出さなければ驚かす側の勝利とする。
・驚かす側の一般生徒は召喚獣でのバトルは認めない。 あくまでも驚かすだけとする。
・召喚時に必要となる教師は各クラスに一名ずつ配置する。
・通過の確認用として驚かされる側はカメラを携帯する。
・設備への手出しを禁止する。
・ペア相手を亡きものにしてペアを変わることを固く禁じる。
「あとはこれに設備を壊した時の代償とペア相手を消そうとした時の代償を追加する予定だ。
学園長が煩そうだからな」
ペアのほうはFFF団対策でもある。
多分あまり意味ないだろうけど・・・
「坂本。この悲鳴の定義はどうなっている?」
常村先輩がプリントを見ながら尋ねる。
「そこは声の大きさで判別するつもりだ。
カメラを携帯させるわけだし、そこから拾う音声が一定値を超えたら失格だ」
「そんな事ができんのか?」
「・・・問題ない」
ムッツリーニが親指を立ててサムズアップする。
カメラに関しては得意だもんね。
「チェックポイントの勝負科目はどう決める?」
「それについてはお互いに二つずつ科目を指定ってことでどうだ?」
「二つずつ? 三つずつじゃないのか?」
「ああ。 もう既に化学と現国と教師には話をしたからな。
受験で選択され易いその二つならそこまで有利不利もないし問題ないだろ?」
A~Fクラスなので、チェックポイントは全部で六つだね。
そのうち二つは現代国語と化学で決定済みで、残り四つをそれぞれが選ぶことになる。
「坂本よぉ。それなら・・・」
「なんだ?」
「ただ勝負するだけじゃつまらねぇから・・・罰ゲームを決めようぜ」
「出来るわけねえだろ」
「おいおい・・・坂本。さては、勝つ自信がねぇな?」
「あほか?アンタ等は」
「なんだと!?」
妹紅が呆れながらそう言った。
「この勝負は皆はまだ知らない。それなのに、
罰ゲームを相談なしに決めたら学年全体から非難されるに決まってるだろ?」
「そんなことも考えられないのかしら?」
「・・・ちっ」
「そう逸るなよ、先輩。
勝負がしたいのなら、あなた達はチェックポイントにいてくれたらいいんだぜ。
個人的な勝負をするし、な」
雄二が常村先輩を見てそう告げる。
「チェックポイントで直接対決か・・・面白れぇ。その話、乗ったぜ」
「それじゃ、勝負は明日ってことで。楽しみにしてるぜ、先輩?」
「クズどもが。年上の怖さを思い知らせてやる」
「変態に言われたくないわね」
「そうだな」
「二人とも、変態って・・・変態に失礼だよ」
「「それもそうね(だな)」」
「「まだ引っ張るか!?てめえ等!?」」
こうして気がつけば肝試しは3年生を巻き込んだ大規模な催しになっていた。