「清水さんが美波を探しているのは分かるけど、久保君はどうして焦ってるだろう?」
「「「・・・」」」
僕がそう言うと、何故か三人とも押し黙ってしまった。
う~ん・・・清水さんが焦っているのから、久保君は一緒になって頑張って探しているんだろうか。
「まぁ、いいか」
「そうね、気にしたらダメよ」
「気づかないほうがいい」
「そうね」
「?」
『どこに・・・彼らはどこに・・・ん? 明かりが・・・』
『オネエサマ・・・ドコ?』
「んむ?どうやら久保と清水がチェックポイントに到着したようじゃな」
「あ、本当だ」
視線を戻すと迷路を抜けて二人が広い場所にでる姿が映しだされる。
勝負のために明かりが用意されているところを見ると、どうやらそこがチェックポイントで間違いなさそうだ。
『おう。来たみてぇだな。随分と待たされたぜ』
『お前らが俺らのお相手一組目だな。三年の実力をじっくりと見せてやるから覚悟しやがれ!』
そこに待ち受けていたのはお馴染み坊主頭とソフトモヒカンの二人組、常夏コンビだった。
『失礼。先輩方、ここに吉井君と島田さんは来ませんでしたか?』
『アぁ?ここに来たのはお前らが最初だぜ』
『え?そんなはずは・・・彼らは僕たちよりも先に行っていたはずでは・・・』
『吉井たちなら確か、途中で引き返して行くのが映っていた気がするな』
『そ、そんな・・・!じゃあ、僕たちは今までずっと無駄な時間を・・・!』
いや、無駄じゃないから・・・
『? よく分からねぇけどよ、
あいつらに会いたいのならさっさと俺たちに負けて教室に戻るんだな、サモン』
『そういうことだ。さっさと始めようぜ。サモン』
『『・・・サモン・・・』』
久保君と既に人の面影を失っている清水さんが常夏コンビと対峙して召喚獣を喚びだす。
ここを突破したら僕たち二年生の勝ちだけど・・・
「・・・久保たちは勝てる?」
「う~ん。清水も久保も、確かガチガチの文系だったはずだ。
物理での勝負となると、正直分が悪いな」
霧島さんの問いに雄二が応える。
「三年は受験に照準を合わせて勉強しているからな。
選択科目の物理で勝負をしにきたってことは、向こうはよっぽど自信があるみたいだ」
「つまりは、物理を指定してきたということはあの常夏コンビは理系じゃと、そういうことじゃな?」
「そういうことだ。まぁ、向こうは向こうで自分たちに有利な科目を選ぶのは当然だな。
俺たちが保健体育を指定したようにな」
物理
Aクラス 久保利光 324点 & Dクラス 元清水美春 103点
二年側の点数が先に表示される・・・
以前は、Aクラス内の平均点あたりだったはずだけど、相当頑張ったみたいだね。
「これは恐らく大丈夫じゃろう。 相手は常夏コンビじゃからな」
「そうだな。 雄二が向こうを挑発しておいてくれて助かったぞ」
あ、FFF団が復活してきた。
「・・・先見の明がある」
「流石に三年のトップクラス相手はきついからな」
「・・・多分無理だよ、雄二」
「そうね・・・」
「どういうことだ?」
常夏先輩は点数を見ても余裕を崩さない・・・って事は・・・
Aクラス 常夏勇作 412点 & Aクラス 夏川俊平 408点
「「「なにぃ!?」」」
「あれではまるでAクラスの優等生じゃ!!」
「・・・信じられない・・・」
「しくじった・・・! どうりで簡単に挑発に乗ってきたワケだ。
あのコンビがあんな点数を取るとは・・・!!!」
『んじゃ、せいぜい頑張ってみせろよ、後輩ども』
『散々、待たされたんだ。 ちょっとは粘ってくれよ?』
常夏コンビの召喚獣は、二人とも大きな槍を携えた鬼(牛頭と馬頭)。
彼らの召喚獣はあっさりと久保君たちを倒してしまった。
しかし・・・あの人たちの本質がわからない・・・
馬と鹿だったら・・・