「はぁ・・・」
明久はため息をついていた。
「どうしましょうか・・・」
「ある意味私達も原因だよな・・・」
「あのままってのもきついわよね」
幽香達の話、それは明久の姉、玲のことだ。
そう、あの姉弟喧嘩から明久の様子が変なのだ。
「何かといいながらも姉弟だもんね・・・」
「・・・」
「どうしたの?霊夢」
「いやホントにそのことなのかな・・・ってね」
「どういう意味?」
「だってもしそうなら謝るにしろ、仲直りにしろできるでしょ?」
幽香達は顔を見合わせ、
「確かにそうよね・・・」
「じゃあ何でだろう?」
「それがわからないのよね・・・」
「今思うと明久が何を思ってるとかぜんぜんわからないわよね・・・」
「能力的理由もあるでしょうけどね。さとりでもわからないんだし」
『あらゆる状況下で我を貫く程度の能力』・・・
認識かであれば干渉系のあらゆる能力を無効に出来る能力。
「さとりの話だと明久の心は見えないそうよ」
「「「見えない?」」」」
「えぇ。まるで壁があるように能力を無効にされるんじゃなくて『視えない』らしいわ」
「じゃあどうしたらいいかしら・・・」
《方法はあるわよ》
「「「!?」」」
「・・・誰?」
《はじめまして。刹那って言ったらいいかしら?》
そこにはひし形の結晶・・・明久が刹那と呼んでいるアクセサリーだった。
「どうすればいいの?」
《あら信じるのね》
「えぇ、貴女からはあの時の『刀』と同じ感覚がするからね。それに・・・アンタでしょ?あん時に出てきたの」
《覚えてたのね・・・とりあえず、さとり妖怪と数人ならいけるわ。
さとりの能力と紫の能力によって・・・》
「なんで教えてくれたの?」
《明久は相方。悩んでればそれを解決してほしいと思うのは当たり前でしょ?
それに、貴女達なら知ってもかまわないと思っただけよ》
「じゃあ夜ね」
こうして明久の心の中に行くことが決定した。
________
「集まったわね・・・」
今ここには、
紫、霊夢、咲夜、慧音、幽香、妹紅、さとり、そして刹那(アクセサリー)がいた。
「でどうすればいいのかしら?」
《明久は今寝ている。だからさとりの能力で心を読んで、紫の能力で境界を曖昧にして入り込む》
「で、私達を選んだ理由は?」
ここにいるメンバーを選んだのは刹那だ。
《きっと貴女達なら耐えれると思ったから》
「耐えれる?何をだ?」
「・・・」
《貴女は見たことあるわよね。ほかの人は実際に見たらわかる》
「・・・でははじめますね」
・・・・・・・・・・
「・・・ここは・・・」
そこは闇・・・見えるのはさっきにメンバーと、
「・・・来たわね・・・」
「貴女が・・・刹那?」
そこには金髪銀眼の女性が立っていた。
「そうよ。こっちにいらっしゃい。貴女達が知りたいものが見れるわ」
言われるようについて行くとそこには3つの扉・・・
「これは・・・」
「コレが明久の心・・・」
「え?コレが?」
「待ってください。心と言うことはこの部屋が明久を表すとしてなぜ・・・3つ?」
「なるほど・・・3つあるから・・・さとりには見えなかったのね」
「その理由は中を見たらわかるわ」
「じゃあ・・・こっち開けるわね」
妹紅は右の扉を開けた。そこには、
「明久?」
「これは・・・」
ベッドに眠る明久とたくさんのテレビ。
所狭しと置かれたテレビには、色々な物が写っており、
見た感じ明久が見てきたもののようだ。
「コレが明久の日常・・・表として出ている顔よ。
過去、今を見つめ、楽しんでいるともいえる世界」
「そうか・・・でもなんか殺風景だな・・・」
妹紅の言うとおりそこにはベットとテレビしかなかった。
「まるで・・・消えても問題なようにしてるみたいね・・・」
「・・・その理由はほかの部屋を見たらわかるわ」
「・・・じゃあ開けるわよ?」
右のドアを閉め、幽香が左のドアノブに触れると、
「みんな、覚悟しといてね」
「「「「・・・」」」」
『ガチャッ』
「「「「「「「!!!」」」」」」」
その部屋は異質・・・視界に見えるは点と線。
そして部屋に広がるは・・・血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血・・・
その部屋を染めるのは・・・赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤・・・
「くっ!!」
『バタン』
幽香は耐えれなくなりドアを閉めた。
周りのみんなも顔を蒼くしていた。それこそ血を見慣れているともいえる幽香と紫ですらもだ。
「・・・あれは・・・」
「明久の力・・・」
刹那の言葉に霊夢は、
「まさか・・・あの点と線は・・・」
「そう『直死の魔眼』よ。そして血は明久が抑える衝動」
「・・・殺戮衝動・・・ですか・・・」
さとりは呟く、そうここにいる数名は見ているから・・・明久のトラウマを・・・
いや、明久の奥底に封じられている
特にさとりはこの部屋(内面)を直接見てしまい、危うい所を刹那に追い出されたのだ。
「明久は・・・コレを抑えながら・・・いつもを過ごしてるの?」
「・・・最後の扉開けるわね?」
刹那は中央の扉に開けた。
その先にあったのは・・・白い空間・・・そして囲むように沢山の扉。
「こ、これは・・・」
「コレが明久の起源・・・すべての元」
「・・・霊夢達が来るなんて、君の仕業かい?刹那」
そう言って声をかけてきたのは明久・・・
「あきひ・・・いや、違う。あなたは誰?」
「ふふ、さすが霊夢。まぁ、僕は姿がないからね。明久の形を取らせてるもらってるだけ。
う~ん、名前はアキって呼んでよ」
彼は笑いながらそういうと、
「君達は彼の心を見たんだよね。感想はどうだったかな?」
「・・・どうでもいいわね」
「どうでもいい?」
「たしかに驚いたりしたけど・・・」
「今更気にすることでもないし」
「私からすると明久にとって『あの時のこと』が大切な事だって思ってもらっててうれしかったわ」
「「「「「「「それに、明久は明久だし」」」」」」」
「・・・ハァ」
刹那はため息を吐くと眉間を押さえ、
「まあある意味刹那の予想通りだね」
彼はニコニコとしながら彼女を見た後、
「ここはねいろいろな所に繋がってるんだ」
「いろいろな所?」
「そう、明久が馬鹿だったかもしれない世界、やさしさを忘れてしまってる世界・・・
それこそ心が壊れたり、死に向かってる世界もある・・・」
「・・・」
「でも・・・ここは大丈夫だね。ここには君達がいる。
ほんとはね最初は2つしか部屋はなかったんだよ?」
「2つ・・・ですか?」
「そう二つ・・・理由としては・・・」
「私・・・ですね」
「刹那が・・か?」
「明久は幼い時・・・いや、生まれた時から能力によって私と繋がっていたの。
だからこそ誰よりも早急に成熟したとも言えるし、世界を見てしまい、勝手な形が出来てしまった」
「でも、君達にあって・・・彼は『自分』を新しく作り始めた。
それこそ自分の手でね」
それこそ新しく世界を創るように・・・
アキは霊夢達から距離を取り、開いた場所に行く。
「だから・・・彼をお願い。彼は強いかもしれない・・・
でも同時にとても脆い。だからこそ、彼を支えてほしい」
そう言うとアキの後ろに『扉』が現れ、
「さぁ、もう時間だ・・・彼を・・・明久をよろしくね」
扉を開き振り向いたアキは・・・いや扉の主はそれだけを言うと扉を閉めた。
________
「・・・戻ってきてなんだけど・・・現実味がないわね・・・」
「たしかに・・・」
「でも現実なのよね・・・あれは」
「まさか『世界』と繋がってるのは想定外だったわね」
「といっても明久は明久ですけどね」
「こうやって・・・眠ってれば普通の少年のようなんだがな・・・」
「私達にはわからないような世界を見てるのよね・・・」
少女達は静かに眠る