「・・・ここは・・・」
僕は隙間を使い、幻想郷に来ようとしたのだが・・・
今回は失敗したことに札を持たずにやってしまった。
「・・・ちょっと苦しいな・・・」
周りは緑も・・・いや、草も無い。
あるのは不思議な結晶。
「見えにくい」
不思議な理由、それは死の線が見えにくいのだ。
《明久、気をつけて。何かいる》
「ギギギギィ・・・」
刹那の忠告と共に目の前に現れたもの、それは・・・
「・・・でか・・・」
周りの結晶と同じようなモノで体を作る・・・
「蜘蛛・・・」
僕より二回り・・・いや五回りくらい大きな・・・巨大な蜘蛛だった。
「・・・・!!」
いきなりだった。気が付くと僕は空高く打ち上げられていた。
「ゴフッ!!??」
見えたのは振り上げられた足。
衝撃が遅れてくるほどのスピードで殴られたのか!?
しかし体は直感で動いていたのだろう、腕には七ッ夜を握っており、
気づかぬうちに肉体強化等も済ませていた。
もし間に合っていなかったら・・・先ほどの一撃で死んでただろう・・・
それ以前に、全身が悲鳴を上げている。
そして吹き飛ばされたことによりあることに気が付く。
結晶は・・・水晶は手際よく接続した様な・・・いやもっと言いえて妙な表現があった。
蜘蛛の巣だ。
水晶によって作られた蜘蛛の巣・・・
「笑えない・・・」
まさに僕は、あれにとって獲物ってことか。
僕は空で身を翻し、着地すると、
「ココハ・・・ワレノチ・・・ケガスモノハシネ!!」
男とも女とも表現できる声が回りに響く。
「ホントこいつなんなのさ!?」
またしても振り落とされる足。
僕は本当にぎりぎりで避けることには成功したが、
「いつっ・・・」
服は破れ、脇腹が少し抉れていた。
人では感知できないほどの一撃。
感覚を研ぎ澄ませても影が一瞬見える程度だ。
「グオオオオオオオ!!!!」
考える時間すら危機的状況に繋がるか!?
僕は、実質最高記録とも言えるスピードで気を爆発させると、
「はぁああああああ!!!」
ー阿修羅覇王拳ー
『ドゴッ!!!』
神速で振るわれた足と神速で振るわれた拳のぶつかり合い。
「ぐっ!!??」
押し切られてたまる・・・かっ!!!!
ぎりぎりだが競り勝つことが出来、蜘蛛をボールの如く吹き飛ばした。
体勢を崩したのか地面を転がる蜘蛛。
しかし、多分まったく効いてないだろう。予想だがあの力も本気じゃないはず・・・
いやな方向に予想は当たり、蜘蛛はすぐに立ち上がり、こちらを向く。
しかしすぐには攻めてこなかった。
「キサマ・・・」
「?」
「キサマ、ホントウニニンゲンカ?ナゼコノチデイキラレル」
この地?
《明久・・・もしかしたら・・・》
(何かわかるの?)
《ORT・・・》
「へ?」
ORT・・・水星のアルテミット・ワンとも呼ばれ、アリストテレスの一体『タイプ・マアキュリー』・・・
存在するだけでさながら「固有結界」の如く周辺環境を改竄し、ORTがすんでいた環境へと改変させる特殊能力「水晶渓谷」を持つ、志貴さんから聞いていた・・・
「死徒二十七祖第5位・・・そして・・・」
「・・・」
「五千年ぐらい早く地球に到着してしまったドジッ子!!」
「ドジッコデハナイ!!!!」
しかしそうか・・・ならここは水晶渓谷・・・
やばいな・・・多分逃げられない。先ほどの動き、そして話が本当なら周りにいい迷惑だ。
「勝手に侵入しちゃったのは謝るけど、死ぬわけにはいかない!!」
「ホウ・・・ワレニカトウトイウカ、ニンゲン・・・!!」
人のままじゃ・・・勝てない・・・なら・・・
僕は迫り来る足を眺め・・・
「『ウ・・・ウォオオオオオオオオオ!!』」
咆哮と共に光に包まれ・・・龍人化し、
その足にむかって拳を振りぬく。
『ドゴンッ!!!』
「グオッ!?」
「『クッ!!』」
攻撃は互いに吹き飛ばされ、
「『ッ!!!』」
拳の龍鱗はひびが入り、血が流れていた。
しかし・・・
「グッ・・・マサカワレニキズヲオワセルカ・・・」
僕の一方的な負けではないらしく、少しだがORTの足にもひびが入っていた。
僕はすぐに傷を治すと、跳び、
ORTともそれに合わせるように跳びあがると、
「「『グォオオオオオオオオオ!!!!』」」
神速の攻撃のぶつけ合い。
技なんて無い。ただの人で言う殴り合いだ。
僕の拳がORTの足を削れば、ORTの足が僕の腹蹴り飛ばし、
僕の蹴りが顎を砕けば、僕は肋骨を砕かれる。
腕から刃を出し、腕を切り裂けば羽の一部を切り落とされ・・・
僕達は互いに体を砕き、最速で直し、また砕き合う。
__________
「いたた・・・」
僕は地面に横たわっていた。
龍人化は解け、服もボロボロ。
周りは水晶は砕け散り、何も無い・・・
この原因となったもう一体はと言うと・・・
「グゥウウウ・・・」
全身にひびが入り、足も何ヶ所か砕け、隣に倒れていた。
「マサカ・・・マケルトハナ・・・」
「いや、どう見ても相打ちでしょ・・・こっちも動けないし・・・」
そう・・・何とか相打ちになった・・・でもあらゆる骨と言う骨はひびが入り、
筋肉は切れかけている・・・力も残り少なく、今は薬を飲み、
霊力等の回復を促し、総動員で骨とかの修復をしている。
「・・・イヤ・・・キサマ・・・ホンキデワレヲコロシニキテイナカッタダロウ」
「・・・なんでそう思うの?」
「キサマハ、アノメヲモッテイタ。ソシテスガタヲカエタトキ、ワレヨリモタカイチカラヲカンジタ」
確かに、僕は勝ちにはいったけど、ORTを殺しには行っていない。
「だって・・・どう考えても僕は侵入者だ・・・特に君達のような存在はあんなふうな対応をしてくるのはわかりきってたしね」
「ソレガナントイウノダ?」
「僕は君を殺す気なんてなかった・・・ただそれだけだよ」
「・・・フシギナガキダ・・・」
「ガキじゃない、明久、吉井明久だよ」
「・・・アキヒサ・・・ソレガワレヲタオシタオマエノナカ」
「相打ちだけどね・・・ORT。いや、タイプ・マアキュリーって呼んだほうがいい?」
「・・・ORTデカマワン・・・シカシ、カラダガオモウヨウニウゴカヌナ・・・」
「はは、ごめん」
「カマワヌ。タノシカッタシナ・・・」
「僕は懲り懲りだよ・・・」
ORTはそう言うとゆっくりと立ち上がった。
さすが・・・回復スピードも半端ない・・・
「・・・マタ、クルガイイ・・・キサマ・・・アキヒサナラカンゲイシヨウ・・・」
「ありがとう・・・またドジして地球に来ないでね?」
「ドジイウデナイ!!」
ORT奥へと歩いていった。
僕は手にあるものを見る。
それは透き通った水晶・・・かのj・・・ORTの一部だ。
「あんま女性殴る趣味無いんだけどな・・・」
はぁ・・・帰ったらどうしよう・・・
結果だけいうと、ボロボロの姿で行くことになってしまい、
理由を話すと紫と永琳は驚愕し、そして皆から説教を食らった。
僕は水晶を見ると、水晶は生きてるかのように脈打つ・・・
ORTも元気なんだろう・・・
ORT・・・僕は・・・ここで散りそうです・・・
みんなの説教で・・・