「よう、応援に来たぞ……ってなんだ?この状況」
「あっ、根本君」
一人呟く雄二を見て根本君は呆れ顔をしていた。
「根本君のほうはどうだった?」
「うん?あ~3-Bとの試合で延長打ち切りだ。
しかしあれはどうしたんだ」
「実はね……」
僕は先ほど間での状況を教えると、
「ほう……確かに同意のない婚姻届なら坂本の怒りも分かるな……
しかし本当に霧島が没収されたのは婚姻届なのか?」
「分からない。でもあの表情だと違う気がしてね」
「ある意味意見の食い違いでの喧嘩か」
「そうなんだよね~そういえば根本君の方はどうなの?」
「そこで俺の方にふるか……頑張り中だよ」
「そっか……頑張ってね」
「あぁ、お前も勝てよ」
「了解」
根本君は手を振り歩いて行った。
__________
そのまま雄二は戻ることもなく……
『これより生徒・教師交流野球決勝戦を始めます。皆さん、整列してください』
ベンチメンバーも含めて全員でグラウンド中央に駆け寄って整列する。
『プレイボール!』
『『『おねっしゃーーす!!』』』
一斉に頭を下げて、各自守備位置へ。
僕等はまずは守備からだ。
メンバーは、
2-F 打順
1番 サード 近藤吉宗
2番 ショート 福村幸平
3番 ファースト 藤原妹紅
4番 センター 須川亮
5番 セカンド 風見幽香
6番 レフト 横溝浩二
7番 ピッチャー 坂本雄二
8番 キャッチャー 吉井明久
9番 ライト 姫路瑞希
ベンチ 土屋康太(ムッツリーニ)、木下秀吉、島田美波
対する教師陣は……慧音とアリスは教科担当か……あんまり運動は得意じゃないもんね……
って永琳がベンチ……
「野球なんて、久しぶりですね、
最初は布施先生みたいだ。
化学
教師 布施文博 501点
vs
2-F 坂本雄二 149点
流石担当科目だけあって高いな……
真っ向勝負はきつい。
-アウトコース 低め 遅い球-
雄二にサインを送ると雄二はサイン通りのボールを投げてきた。
『ストライク!』
布施先生は動かなかった。
予想通り様子を見してきた。
当の本人も野球を暫くしていないと言っていた。
慎重にもなるだろう。
-インコース 高めに外す 遅い球-
二球目の指示はボール球だ。
「……っ」
『ボール』
布施先生ピクッと反応しつつも、なんとか堪えてその球を見逃した。
1ストライク、1ボール。
-インコース 低め フォーク-
何時も通りなら投げれたかもしれないが……
「!?」
ボールを投げた雄二はしまったと言う様な表情をする。
すっぽ抜けたのか遅く、力のないボールが投げられていた。
「!?っとと、と……」
しかし何故か布施先生はフォームを崩しつつバットを振ってくる。
バットの先に掠るように当たったボールは、勢いよく宙に上がっていく。
『アウトっ!』
打ち上げられた球はレフトフライとなり、まず1アウト。
危なかった……
「やれやれ……あまりに良い球が来たので焦ってしまいました……」
雄二の調子がよくない。
その言葉を表すように2番バッターの先生がヒットを打ち、1アウト、1塁。
次のバッターは、
「宜しくお願いします」
学年主任を務める高橋先生だ。
「お手柔らかに。───
化学
教師 高橋洋子 801点
vs
2-F 坂本雄二 149点
『『『ぶほぉっ!』』』
Fクラスの皆が一斉に吹き出す。
担当教師より高いよ(苦笑
さて、どうする?
『ここは勝負だ。高橋主任は野球に慣れていない』
雄二が高橋先生の手を見るように伝えて来る。
高橋先生はバットを持つ右手と左手の位置が逆になっていた。
『高橋先生。手が逆だな。それだと打ち難いはずだ』
「ああ、どうりで……アドバイスありがとうございます西村先生」
鉄人の言葉に高橋先生はバットを持ち直した。
-アウトコース 高めに外す 直球-
雄二が投げようと、セットポジションに入ったその時。
「ええと、こうでしたか」
高橋先生が姿勢を変え、バントの構えを取った。
『ストライク!』
コースを外しておいたので、バットに当たることなく球はミットに収まる。
送りバント?
『ここは黙って遅らせて、アウトを1つもらうぞ』
雄二がかまえ、
「ここで、こう……」
ゴンッと硬い音が響いた。
「プッシュバントかっ!」
バントはバントでも送りバントと違い、これはヒット狙いのバントだ。
雄二は驚いたように声を上げた。
「任せろっ!」
ボールの行方は、ショートを守る福村君の真正面だった。
身体の正面にきっちりグラブを構えて、捕球姿勢に入る福村君。
そして、ボールを受けとめようとすると、
「ごぶるぁあっ!?」
「「「えぇっ!?」」」
ボールと一緒に、福村君の召喚獣の上半身が吹っ飛んだ。
な、なんで!?今のはプッシュと言ってもバントだよね!?
それがどうして福村君の召喚獣が吹っ飛ぶほどの威力が出るの!?
「高橋先生、あれなら二塁まで行けます!」
「二塁ですか。わかりました」
冷静に頷く高橋先生。
そして、その直後。高橋先生凄い勢いで召喚獣を走らせ、二塁へと向かわせた。
一直線に。
マウンドの上を突っ切って。
「「「……は?」」」
その場にいる全員の目が点になった。
『……バッター、アウト』
審判が高橋先生の凡退を宣言する。
『高橋先生……。アウトなので、ベンチに戻ってください……』
『なぜですか?』
『そういうものなんです……』
どうやら高橋先生は野球のルールをしらないようだ。
以外といえば以外だが……
ルールブック等を読まなかったのだろうか?
『ほい……タッチ』
『えっ?』
ついでに須川君からボールを受け取った妹紅が、高橋先生の行動に驚いていた先生にタッチした。
ちなみに、
2-F 福村幸平 DEAD
福村君の召喚獣は静かに天に召されていた。
ベンチから誰か出さないとだね。