アンケートご協力ありがとうございました。
結果は活動報告にて貼らせて貰っております。
「さて俺達の最後の攻撃だ。気を引き締めてくぞ!!」
「「「おう!!!」」」
気迫は十分、理由はあれだが。
「バッターはムッツリーニ、横溝、須川、明久、藤原の順だな」
「……わかった」
ムッツリーニはバットを持ち、
「……行って来る」
「任せたぞ」
「……妹紅」
「なに?」
僕は名前を呼ぶが、妹紅の方は見ずフィールドを見続ける。
「……了解、わかったよ」
「ありがとう」
僕は妹紅の頭に手を置く。別に見なくてもどこに居るか分かるしね。
「あら、妹紅だけいい思いしてズルイわね」
「あとで幽香も撫でて貰ったら?」
「そうね、あの時のプレイの御褒美に撫でて貰おうかしら」
……さて、試合を見よう。
第1球。スピードは有るものの、打てないことはない球。
やはりある程度は永琳も手加減して投げてくれるようだ。
「……」
『ストライッ!!』
ムッツリーニは様子見のためか1球目を見送った。
鉄人は永琳にサインを送る。
次に投げられた球は球速は前と同じく速い。
「……っ!!」
ムッツリーニは合わせる様にバットを振るうが、ボールはインコースからアウトコースへと……
二球目で釣り球って。
『ストライッ!!』
2ストライク……やばいな、後がない。
「……」
『トントン』
ムッツリーニは息を吐き、落ち着く為かバットで肩を2回叩いた。
第三球、投げられた球はアウトコースのスローボール。
しかしその球は途中で弧を描き、インコースへと入ってきた。
やばいかも知れない。速球の遅い球、しかも変化球だ。
「……打つ……!!」
しかしムッツリーニは慌てることなくバットを振り、
『カキーンッ!!』
打たれたボールはセカンドとファースト間を跳ね、ライトへと飛んで行く。
「おっと」
ライトに立っていたリアン先生は少し驚きながらもボールをキャッチするが、ムッツリーニはその隙に1塁へと走りぬけた。
「よし、後に続くぜ!!」
横溝君が声を上げバッターボックスへと立つ。
そして、
「オラッ!!」
なんと第一球目で打った。
サードとセカンドの間を抜けるか!?
「行かせん!!」
しかしなんとサードに居た大島先生が飛び込み、ボールをキャッチしたのだ。
「なっ!?」
『アウト!!』
今のファインプレーには流石の皆も絶句し、先生方は大島先生を賞賛していた。
「なんてこった。気迫が高まってるのは俺らだけじゃないようだな」
「みたいだね」
次は須川君か。
「吉井」
「どうしたの、須川君?」
「頼んだぞ、俺達の
「え?」
須川君はそれだけ言うとバッターボックスへと向かった。
どういう意味だ?
しかしその意味はすぐに分かった。
1ストライク、2ボール
それは4球目。ど真ん中のストレートだった。
「そこだ!!」
須川君は片手を先端近くまで持っていき、
『カコンッ』
ボールは跳ね、永琳の元に転がって行く。
あれは……送りバント!!
永琳はチラッと2塁を見、ボールを拾うと1塁へと投げた。
『アウト!!』
須川君はアウトとなったが送りバントは成功。
2アウト2塁だ。
「さて、僕の番だね」
「頼んだぞ」
「さて、どうだろうね」
僕はバッターボックスに立つと、
「ここで吉井か。面白い場面で出てきたな」
鉄人が話し掛けてきた。
「ここでヒットを打ってランナーを全員返還したら、
ちょっとしたヒーローですよね」
「こっちも教師のプライドがある。そう簡単には譲ってやれんな」
「譲ってもらえるなんて最初から思っていませんよ」
鉄人にそう応えて明久はバットを構える。
『ボール』
1球目は変化球だったがアウトコースののままだったので見送る。
「見えているか」
「まあそれなりに」
鉄人が永琳にボールを戻しサインを送る。僕はバットを構え直す。
『ストライク』
2球目も見逃す。
「どうした吉井。バットを振らないのか?」
「いや、まだ点差あるんで慎重になっているんですよ。
それに・・・作戦もありますし」
「作戦?何を考えている」
「まあ、ここで借りを作るのも悪くないと思うので」
「借りだと?……どういうことだ?」
「そうですね・・・僕だったら凄く悔しいんですよね。
大切なものが懸かった大事な勝負なのに自分が何もできずにいるなんて」
「……」
「自分の譲れないものを、他人に任せる事のやるせなさというか、
憤りというか、納得のいかない感じというか……」
「確かにそれは分かる。しかしそれがこれにどう繋がるのだ?」
『ストライッ!!』
「今日の主役は僕じゃないってことですよ」
『ボール』
僕は釣り球をそのまま見逃し、
「それこそ西村先生は何で敬遠しなかったんですか?」
合宿のあれとかを考える限り、僕の運動能力は知ってるはず。
「吉井こそ何を言ってる。
俺達は教師は、お前達の模範を示し、在り方を見せる存在だ。
向かってくる生徒を真正面から受けずに、何を教えられると言うんだ?」
僕は少し考え、笑った。
「そうですね。だからこそ……」
僕は鉄人を尊敬できる人だと思えるんだ。
僕は構え、永琳の投げてきたボールをバットで打ち放った。
センター近くにボールは落ち、僕とムッツリーニは様子見で1塁と3塁で立ち止まる。
「さて、妹紅頼んだよ」
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「次は藤原だ」
2アウトにはなったがきっと藤原は打つだろう。
そう俺へと回ってはこない。まぁ、勝てるんだそれで……
「おい坂本、起きろ」
『ガツン!!』
「いってぇ!?何しやがる藤……わ……ら?」
藤原はグリップをこちらに向け、バットを差し出してきた。
「打ちたいんだろう?」
「何を……」
「あのね、流石に私だって女なんだよ?こんな大事な所任されても困るよ」
藤原は溜息を付きながら言うが、お前の方が俺達より遥かに運動神経は良い筈。
「それとも何?さっき言ったのは嘘なの?」
「何がだ?」
「大事な……取り戻すんでしょ?」
「!!」
「は~、バレバレなんだよ」
「……明久か?」
「それもある」
……ハハハ、アイツにはグランドパークの時といい、借りを作ってばっかだな。
「ありがとな」
「渡すからには……絶対打てよ」
「当たり前だ!!」
『バッター藤原妹紅さんに代わりまして、坂本雄二君』
絶対に勝ってやる!!!