僕と幻想郷と召喚獣   作:只今更新凍結中

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前回のアンケートより第1位となりましたこの題名。
皆さんのご期待に答えれるような内容かは不明ですがどうぞ。
時期的に永夜抄の前です。
独自設定等あります。


外伝
執事とお嬢様方 上


周りは真紅の部屋。

その部屋で僕は渡された服を着、ネクタイを結んでいた。

 

「何でこうなったのやら……」

 

僕は鏡を見るとそこには、執事服を着た少年(ぼく)がうつっている。

 

「確かにフランの練習相手は請け負ったけど、執事は請け負ったつもりは無いよ?」

 

「でも似合ってるからいいじゃないですか」

 

いつの間にかドア近くに立っていた咲夜がニコニコしながらそう答えてきた。

 

「それにその言葉、もう2週間言っていますよ?」

 

「それくらい疑問って事だよ」

 

「残念なことに今日が約束の最終日ですけどね」

 

何が残念なのか分からない。

まぁ請け負ったんだからやるけどさ……

フランとの練習は夕方、あっちで18時頃からだから時間はまだある。

僕はここ二週間で遣り慣れた朝の掃除をするべく用具室へと足を進めた。

 

 

________________

 

 

「今日は珍しくこんな時間から起きてるのね、レミィ」

 

私は紅茶を飲みながら隣で本を読むパチェをちらりと見、本を並べる明久に視線を戻した。

 

「なんか今日は目が早く覚めたのよ。

それに今日が最終日だし明久の仕事を眺めることにしただけ」

 

「はっきり言うならこのまま永久就職して欲しい位の手際のよさよ」

 

「あら、そんなに?」

 

「はい、お嬢様。パチュリー様が仰るとおり、私としても執事として働いてほしいくらいです」

 

咲夜は空になった私のカップに紅茶を注ぎながら答える。

 

「おまけに彼の魔法は調べがいがあるしね」

 

「パチェがそこまで言うって事はすごいのかしら」

 

明久は魔力で足場を作り、本をなおしていた。

私自身魔法はそれなりに知っているが詳しいわけではない。

 

「えぇ。なんせそうはお目にかかれない”無”って言う希少特性だもの」

 

パチェが目を輝かせながら答えてきた。

こんなパチェを見るのも久しぶりかもしれない。

 

「希少?そんなにすごいものなの?」

 

「私は魔法で火や水を操作するわよね」

 

「えぇ。そのおかげで何度もフランの暴走を止めてもらったわ」

 

「私達は魔力を消費してそれを変換、または空気中の物質に魔力を練りこんで操作して現象を起こすの。それが私達の魔法よ。

火なら魔力を燃焼させて発火。

水なら変換だとそこまでの量は作れないから空気中、または転移みたいにね」

 

「あら、水は変換させてたんじゃないのね」

 

「質量保存の法則と同じよ。消費する魔力の量=精製される水の量。

大量の水を作ろうとすればそれに見合っただけの魔力を消費するわ」

 

「で、それと”無”が希少なのはどういう関係があるのかしら?」

 

「”無”の持ち主はこの法則が成り立たないのよ」

 

「ん?よく解らないわ」

 

「図で書いたほうがいいわね」

 

パチェが紙を取り出し、何かを書いていく。

そして出された紙を私と咲夜は覗き込んだ。

 

「もし私が1Lの水を1魔力でつくれるとするわ。

そしたら私の一度に使える魔力が2000として、最高2000Lの水しかつくれない」

 

「まぁ、普通そうね」

 

「でも明久の場合は1の魔力で思いつくだけの水がつくれるのよ。それこそ”無”限のようにね」

 

「「え?」」

 

「それが”無”と言う意味。

2000Lつくったとして、私は何も出来なくなる。

でも明久は1の魔力しか使わないから後は操作する魔力は有り余ってる」

 

「それって……」

 

「えぇ、はっきり言って馬鹿げてる特性よ?

私達魔法使いが求める探究を根本からぶち壊すほどの代物。

それ以外にも私達は相手の魔法を解除する時は魔力を注ぎ込んで陣を侵食して破壊するの。

だからこそ魔法使いにとって魔力の総量と一度に使える使役量最も重要なモノよ。

でも”無”の特性持ちはそれが当てはまらない」

 

なんせ魔力を注ぎ込んだ瞬間、その魔法は”無”意味になるから。

 

パチェはそう言うと紅茶を飲み、

 

「本当、理を無視したような力。それを明久は持ってる。

あの眼と同様人間には強大すぎる力をね」

 

「……明久はその事は?」

 

咲夜は明久を見てパチェに聞いてきた。

 

「知ってるわ。そして……」

 

パチェは俯くと、

 

「『へ~そんなんだ~』ってぬかしやがったわ」

 

『ピシッ』

 

パチェが持っていたカップは罅が入りだし、紅茶がそこからこぼれ出す。

 

「私達がどんなに頑張っても手に入れられないものを、

それこそ世界の理を変えてしまうようなものを、『へ~』で済ませたのよ?」

 

怒気を滲ませていたパチェは本を運ぶ明久を睨み付ける。

とうの明久は一瞬ビクッとして周りを見るが、そのまま本棚の掃除を続けていた。

 

「明久からしたらその希少な特性はその程度のものらしいわ。

話しながら泣きたくなってきたわよ。

それこそ「神に愛された人間」は実在するって実感したわ」

 

「明久らしいですね」

 

「まぁおかげでいろいろと実験できるし、それに付き合ってくれることには感謝してるし。

ただこの期間が終わると毎日出来ないのが困り所ね」

 

「だからと言ってアレは頂けませんよ、パチュリー様?」

 

咲夜がなんだか黒い笑顔をしてるけどどうしたのかしら?

 

「……ちょっとした気の迷いだったのよ。

それに薬のせいでもあるからもうしないわ」

 

「パチェ、何をしたの?」

 

「……パチュリー様は明久を押し倒していたのです」

 

「は?」

 

「いや、本当に事故だったのよ!?研究で作った媚薬を小悪魔ががひっくり返しちゃって……」

 

「研究のために明久のDNAをよこせと」

 

「………!!!!????パチェ!!!!」

 

DNAって!!

 

「あの時の私はどうかしてただけよ!!

まぁ、後で血は貰ったけど……」

 

「………まぁ、何も無かったならいいわ」

 

何も無かったならそれでいい。

それにしても明久の血か……

ひどく気になる。

私は紅茶を口に含む。

今日は一段と渇くわね……




お嬢様方とはレミリアだけという意味ではない。と言う事です。

明久の魔力特性”無”
その原因は『虚無の神眼』のせいです。
まだこの時は気づいていませんけどね。

ちなみに明久の血は後に、短期成長剤の材料となるのはここだけの話。
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