「9875……9876……」
倒立し、右人差し指のみを針の上に置き、倒立腕立てをしていた。
針は一本だけであり、指先には霊力を一点放出し刺さらないようにしている。
「9998……9999……10000!!」
明久は腕の力で跳び、ゆれて倒れそうになる針の上に、今度は左人差し指で着地する。
体をずらして針をまっすぐ立てると、
「1、2、3……」
また腕立てを開始した。
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「……10000!!よいしょっと」
「お疲れ様」
左も同じく一万した所で霊夢が現れタオルを渡してくる。
「私はそれは出来ないからね」
「いや、僕もやりなさいとは言わないよ?」
「どちらにしろ、アレだけハードな自主練したあとそれするってどうなの?」
「何時もやってることだからね、慣れだよ。
汗流してくるよ」
「ご飯も出来てるから。今日出かけるんでしょ?」
「ういさ~」
明久は自作成のお風呂へと向かった。
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ご飯も食べ終わり、神社の階段を下りていると、
「あ、おはよう」
「おっ明久じゃねえか」
「博麗神社に用事?」
「お参りだよ。今回新人も入ったからな!!」
「イ、痛いっすよ大将」
酒屋のおじさんが妖怪の青年の背を叩き、豪快に笑う。
「じゃ、新人の成功を祈ってくるわ」
「では」
「がんばってね~」
僕は二人と分かれ、ある場所へ向かう事にした。
【少年移動中】
「やっほう、こーりん久しぶり」
「明久、その呼び方止めないか?」
「霖之助って呼びにくいじゃん」
「もういいよ……」
森近霖之助、此処香霖堂の引き篭り店主である。
「今すごく失礼な事考えなかったかい?」
「そんな事ないよ?」
そしてあの魔理沙ががんばっている相手らしい。
何をがんばっているかは分かると思う。
しかし本当ごちゃごちゃしてる。いろんなものがあるな……
「えっと、ドラゴンボールが4個あるね」
「あ~魔理沙が拾ってきたのだね」
「……そっとしておこう」
まさか全部そろえる気なのか?
まぁ、他にはっと……これってキングス○ーン?
「紫が持ってきた物だね。かなりの力を持ってて、紫も一瞬力負けしそうになったそうだ」
一応は勝ったんだね……
「そう言えばこの前買って行った緋緋色金はどうしたんだい?」
「うん?あ~鍛冶場のおじさんに加工を頼んでるよ」
「ふむ、あの銃と言うものも然りでまたおかしい物が出来そうだね」
「失礼じゃないかな?」
「君だから仕方ない」
「はいはい、じゃあこれ買って行くよ」
「対魔術、防刃コートか。僕もこれはいい出来だと思ってたからね。
お目にかかってよかったよ」
「うん、伸縮性もいいからね」
僕はお金を払い、それを隙間に入れると里へと向かった。
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「こんにちは~」
僕は里の端……鍛冶場に来ていた。
「おう、明久か。丁度出来たぞ」
そう言って奥から現れたのは鱗に尻尾を持つ男性。
鍛冶場師の火渡和人、名前から解るように智理の父親であり、火蜥蜴の妖怪である。
ちなみに名前はおばさんがつけたらしい。
「ほれ、これでどうだ?」
そう言って渡されたのは2本の紅いトンファーブレード。
「切れはしないが、魔力などをまとわせれば切れるようになる」
「ありがとうございます。何時も無理言って」
「問題ないさ。それが俺の仕事だからな。あと投げナイフの修繕もやっておいたぞ」
「本当お礼しかいえないですよ……」
「金は貰ってるから問題ない」
「ですよね~」
いつも通りのやり取りをしていると奥から女性が現れた。
この人は智理のお母さんだ。
歳は(ピー)歳と言う。歳も歳だからおばさんと呼びなさいと言われている。
「あら、明久君来てたのね。お昼食べたかしら?」
「そう言えば昼か……」
「なら食べてかない?ちょうど智理と作って居た所だし」
「あ~ならご馳走になります」
僕はお昼を火渡家でとる事にした。
ちょっと智理がおばさんに弄られていたがそっとしておこう。
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「ん……」
僕は里の前で大きく背伸びしていると、日は沈んでいく。
「今日も何もなく……か」
あれ(紫のいたずら)以来異変らしい異変はない。
だがこれでいいのだ。
「うん?なんか変な事やってそうな気が……」
僕は隙間を開きその中へと飛び込んだ。
出た所は青空……唯其処には巨人、スサノオが居て……
「……あの馬鹿……」
-皐月-
「蹴り抜く」
足に気を籠め、スサノオに向けて急降下した。