僕と幻想郷と召喚獣   作:只今更新凍結中

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視点は基本栖々希です。


私は、狼だから

「待たせたわね」

 

「其処まで待ってないよ」

 

「なんか一瞬殺気感じたけどどうかしたのか?」

 

確かに怒気と殺気は感じたね。

 

「いや、ただ明久って相変わらずだと思っただけよ」

 

「……あ~なるほど」

 

ちょっと待ちなさい、二人とも。

なぜ其処で僕を見る?てか何、その納得して呆れた目は!?

 

「明久、貴方知ってたんでしょ?」

 

「何が?」

 

「あの子が半妖って」

 

「うん、知ってたよ。で、それがどうしたの?」

 

「……伝えてあげたら?……ライバルが増えるなんて今更だし」(ボソッ

 

「ん?でも、僕にとってはどうでも良いことだしな~」

 

「明久にとってはそうでも、あっちにとっては違うかもしれないな」

 

「そうだね。じゃあ膳は急げだし、言って来るよ」

 

「いってら~」

 

「今日は私のところで4人でご飯にしましょう」

 

「わかったよ」

 

僕は気配を頼りに崎橋さんのところへと向かう。

しかし、なぜに森の方?

てか……少し急ぐか……

 

 

_____________

 

『明久は……私を妖怪だと知りながらも共にいるわ』

 

先ほどまでの風見さんとの話を思い出す。

彼は吉井君は、風見さんを妖怪と知りながら共にいる……

 

「悪いこと……しちゃったな……」

 

思えば昔からあの人の匂いは感じていた。

そんな人が吉井君を傷つけるはずが無いのだ。

匂いの持ち主が妖怪だったと言う事で暴走してしまったかもしれない。

 

「次あった時、謝らないとだよね……

それにしても……」

 

妖怪だとしても共にいる……

 

彼と会った中学一年……

私は自身の正体については昔親に聞いていた。

そして本やテレビを見ていくうちに気づいた。

 

人と化け物は相容れない……

 

私は小学校では人と距離をとっていた。

それこそクラスで私を覚えてる人はいないんじゃないかと言うくらい。

どうせ中学でもそれは変わらない……

そう思っていたのに……

 

『よろしくね』

 

それは美術の時間、隣同士似顔絵を描く授業だった。

そう、隣とは吉井君だった。

私は何時もどおり無視し、点数のため仕方なく絵を描こうとし……

 

描けなかった……

 

『……どうかした?』

 

『え?あ、なんでもない……』

 

見惚れてしまった……真剣に絵を描く彼に。

でも彼は人だ……私とは……相容れない……

自分にそう言い聞かせ、絵を描くことにした。

 

『はい、では描いた絵を相手に見せてあげてください』

 

私は自分の描いた絵を渡し、

 

『うわ……絵、上手だね』

 

『それなりに』

 

おかしい、適度にやる予定だったはずなのに、力を込めてしまった。

私は吉井君の絵を受け取り、驚愕した。

その絵は……僅かに微笑んだ絵……

 

『一瞬だけど崎橋さん、初めて笑ったからさ。

その絵描いたんだ』

 

一瞬、彼はじっと一瞬を見逃さず私を見ていたの?

それ以上に……

 

『私……笑ってたんだ……』

 

もう、笑えて無いと思ってた……

 

『え、え!?どうしたの!?』

 

『え?』

 

何を……あれ?絵に雫が……

 

『え?なんで涙が……』

 

『あ~何があったかわかんないけど……』

 

吉井君はポケットからハンカチを取り出し、渡して来た。

私がそれを受け取ると無言で、唯々頭を撫でてくれた。

なんて、暖かいのだろか……

 

 

それ以来ふと彼を目で追っていた。

彼は自身の血の匂いを纏わせていた。

彼は良く大怪我をしていた。

なぜだろうか?聞いてみる?いや……でも……

 

『吉井君……』

 

『ん?何、崎橋さん』

 

『何を……そんなにがんばっているの?』

 

大怪我してまで……何をがんばっているのだろうか。

 

『う~ん、ちょっと恥ずかしいけどね……』

 

『何?』

 

『友達を、家族を守るため』

 

はにかみながらも断固とした意思。

その時、私は思った……

彼は回りを護るために、自身を傷つける。

なら……

 

『そっか……出来ることがあったら言ってね』

 

私は、彼を護ろう……

 

 

 

 

 

 

「結構がんばったつもりなんだけどな……」

 

はっきりと分かるほどの風見さんとの実力差。

しかも手加減された状態でだ。

 

「……もし伝えたら……受け入れてくれるかな……」

 

 

 

 

 

 

「それは無いな」

 

「!!!だれ!?」

 

気付かないなんて……考えに浸りすぎた?

其処には黒装束の人間?がいた。

 

「人が化け物を受け入れるはずが無いだろう」

 

「……分かってる」

 

「いや、分かってないな。貴様のような出来損ないは特に無理だよ」

 

「……」

 

言い返せない。事実私は、半妖だから。

 

「お前みたいな出来損ない……」

 

言わないで……

 

「化け物如きが受け入れるわけが……」

 

言わないで!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「化け物なんかじゃない、その子は崎橋栖々希と言う一人の女の子だ」

 

「え……」

 

何で……吉井君が……

 

「さてと、まさか妨害までしてくれちゃって……

彼女に何をする気だ?」

 

次の瞬間、吉井君の殺気により地が悲鳴を上げ始めた。

 

「ちっ、こんなに早く来るとは……」

 

黒装束の人間は影を伸ばし、消えていった。

 

「大丈夫……?」

 

「うん」

 

私は……

 

「ねぇ、吉井君……

怖く、ないの?」

 

獣の耳、尻尾、そしてこの獣のように割れた金色の右目。

 

「うん?何か怖がる必要あるの?」

 

彼は頭に疑問符を浮かべ聞いてきた。

 

「え?」

 

「てか、へ~崎橋さんの右目って綺麗だね」

 

「……知ってたの?私が……」

 

「あぁ、半妖ってこと?知ってたよ」

 

「なら……」

 

「それがどうかしたの?」

 

彼は溜息を吐く。そしてやれやれ、と言うようなポーズをする。

 

「君は僕の友人の崎橋栖々希でしょ?

それ以上の何者でもないし、それ以外に回答ってあったっけ?」

 

「……」

 

あ~なるほど。

きっと彼は昔からこうで、風見さんも……

 

「崎橋さん?」

 

「……栖々希」

 

「え?」

 

「そろそろ下の名を呼んでくれてもいいでしょ?」

 

「呼んでいいなら呼ぶけど……栖々希、どうしたの?」

 

「ううん。唯……よかったなって思っただけ」

 

本当によかった、彼に会えて。

本当によかった、彼を護りたいと思って。

本当によかった、

 

 

 

恋をして。

ライバルはきっと多い。いや、確実に多いわね。

でも、私は狼だ。

 

「絶対狙った獲物は仕留める」

 

「あれ?なんか恐ろしいことを言ってるんだけど!?」

 

絶対、射止めて(自覚させて)見せるから、明久君。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




さて、途中チラッと登場した人……彼は重要な……(寝落ち
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