僕らはなんとかパパラッチをまき、ある喫茶店……というか毎回思うがここは喫茶店なのか?という店の前に来た。
「ここは?」
「うん?まぁ行きつけの喫茶店?かな」
「なぜ喫茶店に疑問符が?」
「それは入ったら君たちもわかるよ」
慧音は苦笑しセレナ達を連れて店へと入っていった。
最後に僕は入口の前で振り返り、隙間から銃を取り出すと即座にある一点をめがけて射撃をする。
そして隙間に戻し店に入ると、セレナ達が唖然とした表情をして立ち尽くす。
彼女のこういう表情は意外と……というか普通は見れないな。なぜなら……
「あ、いらっしゃいませ」
「いらっしゃい……って明久じゃないの」
なぜなら店にいたのは美男子、美女。しかしその服は明らかに逆である。
それでも違和感ないのだが……要するに男性諸君は女装趣味というか漢女(おとめ)という人たちであり、美女さんは純粋に女性物の服が着れない、という人たちだ。
「いつものとこでいいかな?」
「はい」
「じゃあ案内するよ」
「明久、あの方は女性ですよね?」
「あぁ……まぁそういう人たちもいるんだよ。肉体的には男でも心は女性、肉体は女でも心は男性ってね。あの人は純粋にスカートとか履けないらしいけど……普通に女性の服とかきたらに合いそうなのにね」
「ふふふ、そういうこと言うのは君くらいだよ。
まぁこんな性格だからモテないし、でもここは気に入ってるしね~」
「モテないって嘘でしょ」
「ははは、じゃあもし時があったら君にもらってもらおうかな?」
「「な!?」」
「ははは、僕にはもったいなさすぎるので辞退させてもらいますよ」
「さっ、ここだね」
彼女は扉を開くと、そこは個室の部屋だった。
喫茶店とは言え人に聞かれたくない、もしくは知り合いとしか話したくないという人もいたりする。
その為にこの喫茶店?は個室まである。おまけに防音で定員はボタンがあり、それを鳴らして呼ぶのだ。
「さて、じゃあこっちに来た理由聞いてもいいかな?」
僕たちは席に着き、話を切り出した。
友達に会うためとはいえ急すぎる。それ以上に彼女には連絡先を教えてるため、連絡くらいは入れれたはずだからだ。
「……実は明久にある依頼があってきました」
「ある依頼?」
「ゲベ……を覚えていますか?」
「確か霊夢をさらった奴だったな?明久からは罪により幽閉されたと聞いているが」
「はい、そしてその彼が……脱獄しました」
「脱獄?しかし……」
「はい、普通ならできません。しかし協力者がいたんです」
「調べた結果、その後ハンターが10名所在不明になっていました。彼らはゲベを慕っていた人たちでした」
セレナはそう言って少し話を切った。
何やら少し考え、その顔には影が差してるのがわかった。
「そして彼は日本に来てることがわかりました」
「うん?ちょっと待て、彼は?多分だがその協力者も一緒じゃなかったのか?」
そう言うとセレナは顔を俯かせ、エリーが口を開いた。
「ゲベが逃走して数日後、ある村で事件がありました」
「事件?」
「被害者現時点で99人。そのどれもが生きていますが……いえ、あれは生きていると言っていいのでしょうか?彼らは顔と、魂を失っていました」
そう言ってエリーは写真を取り出し、明久はそれを受け取った。
慧音には見えないようにしてそれを見ると被害者の一人だろう……
その顔はまるで何もなかったように部位は消えていた。
「……そしてその中に、その10名のハンターであろうものが発見されました」
「!!」
「そこには魔法陣、そして儀式の痕跡が有りゲベが行ったとわかりました……」
「そう、まるで何かを召喚した様な……」
エリーの説明の途中でセレナは口を開く。その目には涙を浮かべながら。
「そう、彼は……ゲベは何かの召喚の儀式を行い、その贄として村人……
自分をしたっていた者たちを差し出していたのです……」
セレナは強く拳を握り締めていた。
「本来このようなことを頼むべきではないと思います。
しかし私は……ゲベが許せない……自ら欲望に民を……自分を慕う者たちを……」
「セレナ……」
「……明久……明久?
さっきからだ……ま……」
慧音は先ほどから黙っている明久を不思議と思いそちらを見た。
明久は腕を組み、それによって表情は見えにくい。
しかしほかの慧音は……いや、3人は見てしまった。
その瞳はまるで虚空を見つめたかのように光は写さないほど……まるで感情を失ったかのようで3人の背筋に悪感が走る。
特に慧音は明久を知っているから、長年一緒にいるからこそわかった……
怒っている……静かに、ただ静かに……しかしその奥では全てを殺さんかの如き怒気を、殺意を潜めながら……
「……あっ……明久!!」
「……!!……あぁ、ごめん……とりあえず、そのゲベは何かを召喚したのかもしれない。
そして日本にいる。だから僕に依頼をってことかな?」
慧音の声に明久はハッとし、謝罪後話を続ける。
「いえ、依頼ではありません。セレナという私個人としての頼みです。
ゲベを……彼を、止めてください」
許せない……しかし彼もまた反旗を翻したとは言え彼女の仲間だったのだ。
だからこそ、倒してではなく止めてくださいだったのかもしれない……
一応お忍びなんでエリーは呼び捨てでセレナを読んでます。