「……永琳、どんな感じ?」
その場は永遠亭……
そこに集まった少女達を代表するように紫は明久の治療……手術を行っていた永琳に声をかけた。
「……腕の接合、横腹の穴に関しては成功ね。腎臓、肺、肝臓……臓器の所々の傷も相変わらずの驚異的な回復力で治ってるわ。まぁ今回は刹那が肉体を共有して回復を手助けしてるけどね」
「そう……良かったわ」
「すまない……一人になりたいと言われたとはいえ……こんなことに」
「慧音のせいじゃないよ」
「逆に貴女がすぐに明久を見つけたから永遠亭に運べたんだから」
「しかし困ったものね……まさか犯人の接触、彩凛の誘拐……いや正体の暴露というべきかしら?」
「それについてだけど紫。もしかして貴女カメラ優先して明久助けなかったなんて言わないわよね」
「そんなことするわけないでしょ。自動撮影だから私も知らなかったわ」
紫はため息をつき先程まで見せていたビデオを戻す。
「しかし人を作るね……」
「コイツの言ってるあのお方ってのは人ってことではない、それこそ気まぐれで人を作れる存在ってことよね」
「えぇ、まだこの世界には人工人間を作る技術はないわ。それこそ私でも気まぐれで作るなんて無理よ」
「それは生物としての掟ね。私達は神にはなれないっていうさ」
「しかしあれだ……問題はそんなことより明久ね」
幽香の言葉にそこにいたみんなは明久が眠っているであろう部屋を見る。
「約束について話してそうそう……それもその幼馴染が攻撃にしてきたんだからね」
「……大丈夫よ」
「霊夢……」
「いつだってそう、明久はくじけそうな時だって歩みを止めない。
それこそ意外性1番の行動するわ」
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ふと、目が覚める。
そこは見慣れた、永遠亭の天井だった。
『明久、目が覚めたのね。丸一日寝てたわよ』
「……刹那」
心臓……動いている。耳、周りの鳥の声が聞こえる。
右腕……指まで感覚はあるし、切断面も見えない。
「……負けたんだね、僕」
「えぇ。あのあと慧音達が来て、永遠亭まで明久を運んだわ」
刹那は具現化し、椅子に座る。
「永琳が手術をすぐしてね、内臓はまで傷つけてたのよ?」
「……うっすらとだけど感じてた。ありがとう、刹那」
きっと運ばれるあいだも刹那が肉体を共有してくれてたのだろう。でなければあの出血で死んでいる。
僕は手を伸ばし刹那の頭を撫でた。
少しのあいだだけそうして、刹那は僕の手を取る。
「……今回の相手は唯では済まないレベルよ。それでも明久は……」
「やるよ。今回のことでもそうだけど人の幼馴染を盾に使ってくれたんだ、その謝罪くらいさせないと」
明久は身を起こすとなんだか違和感を感じる。
それは髪だ。いつの間にか、というより1日で後ろ髪は腰まで伸びてたみたいだ。
「怪我治すので細胞を活性させたからね。まぁ細胞分裂の限界とかは大丈夫よ」
「……じゃあ刹那、みんな呼んでもらっていいかな?あと君にもしてもらいたい事がある」
「なにかしら?」
「それは……」
明久は刹那にあることを伝える。すると刹那は息を切らせ、
「明久!!本当に貴方そんなことをする気ですか!!」
「可能性としてだよ。万が一がないとは言えない、それに今のままだと万全じゃない」
「………っ!!わかりました、貴方の意思を尊重します。
私はそういう約束も貴方と交わしてますから」
「ごめんね」
「謝るのなら心配かけさせないでください……」
刹那はそう言うと病室を出て行く。明久はそれを見送り……
「‥‥‥‥‥‥‥‥お腹すいた……」
シリアスをぶち壊す一言を言うのだった。
セレナたちただ今幻想郷居候中