僕と幻想郷と召喚獣   作:只今更新凍結中

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それぞれの始まり 在りし絶望

少し時間はさかのぼって……

ゲベによって送り出された者たちはある程度移動すると形を持った。

しかしそこにはいるはずの生徒たちの影はなかった。

 

 

 

【Fクラス】

 

「■ ■ ■ ■ ?」

「何言ってるのかわからないわね。でもとりあえずなんで人がいないのかってことでしょ?」

 

Fクラスにていつもの格好に傘を持つ幽香は、まるで馬と鳥を足したような……

いや、それならまだ可愛げはあるか?そんな異形を前にする。

 

【Bクラス】

 

「■ ■ ■ ■ !!」

「そう叫ぶなよ。てか襲われるってわかっててそのままのはずないだろ」

 

妹紅は突如として話を聞かず飛びかかる狼……そう、まるで人と狼が混じったような異形を避け、炎弾を放つ。

しかしその弾は狼に触れた瞬間消え失せた。

 

 

【Aクラス】

 

「そしてこの周りは九雀さんと正人さん達の働きで誰もこれません。

おまけで夜宴の方達と紫が結界を張っているわ……外に行こうとしても無駄よ」

「…………」

 

咲夜は仮面を付ける無言の人型にナイフを構える。

 

【体育館】

 

「さてどうしたものかな……」

「きっと気配のある方へと広がった結果でしょうね」

「その結果がこれか……」

「いいじゃない。力の分配からしてあの3人の方がきついわよ?」

 

弓を持つ永琳。巻物を広げる慧音。

しかし慧音は昼だというのにその髪は薄く緑に輝き、角とゆらりと振られるしっぽを出していた。

「駆逐戦ね」

「できるだけ早く片付けて援護に向かおう」

「■ ■ ■ ■ !!」

 

その眼前には見渡す限り……いや天井まで這う、槍を持った異形達が蠢いていた。

 

 

____________________________

 

 

「……殺戮貴か……驚きだな?」

「僕が自分のことを英雄だとかヒーローって言うと思ったの?」

 

ゲベはまるであざ笑うようにいい、明久はそれに答えた。

 

「あぁ、人間ってのはそれを求めるんだろう?それになりたいと望むらしいからな」

「そういう人もいるね。でも僕には無理だな。

悪いけど英雄だとかヒーローだとかそんなかっこいいものじゃないよ」

 

明久は肩をすくめるようにしゲベを見る。

 

やはり……何かがおかしい……何かが足りない、何か欠落しているように感じる。

 

「で……どうするんだ?あの時何も出来ないで負けたお前が」

「そこは否定しないよ。でも生憎僕は諦め悪くてね……」

「諦めね……あのにんぎょ……」

「彩凛だ。人形呼ばわりすんじゃねぇ……」

 

ゲベの彩凛に対する言葉に明久から張り詰めるような殺気が漏れる。

地面は殺気により砂が少し浮き……いや、所々亀裂が入っていた。

 

「人形は人形さ。神からすれば人間などおもちゃに過ぎないのさ」

「まるで自分が神になったような言いぶりだね」

「そこまでおこがましくはないさ。ただ……選ばれたのさ。神と近きものになれる資格者としてね!!」

 

ゲベはそう言うと同時に腕を蔓のようにしならせ突き出してきた。

明久はそれを避けると駆け出し……横にステップする。すると先ほど明久が通ろうとした場所から黒い突起状のものが生えた。出処からゲベの足だろう。

明久はそのままゲベの眼前まで迫り拳を握り締める。

 

「!!!」

 

しかしその拳は振り抜かれることなく明久は距離を取るように下がる。その後を追うように蔓が迫るも最小限の動き……いや、まるで通らない場所が分かっているかのように下がった。

 

「なかなかの予測能力だな」

「……どういうことだ?」

「なに?」

「なんでお前から彩凛(・・)の……」

「あぁ……

 

 

 

 

取り込んだんだよ」

「……何?」

 

ゲベはどうでもいいことのように答える。

 

「どうも神の力とあの人形は混じってたみたいだからな。そのまま飲み込んだんだ。

だがまぁこの選択もあながち間違いじゃなかったようだ」

 

ゲベはにたりと笑い、

 

「さてどうする?お前はあの人形を助けたいんだろ?だが……俺を傷つければあの人形も傷つく。

それにやろうと思えばあの人形を盾にすることもできるんだからな」

 

そう言ったゲベの笑い声がグラウンドに響いていった。




さて、次回から視点別か……
ただ永琳と慧音の分はない……仕方ないんだ、雑魚戦なんて消化作業かけないもん。
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