僕と幻想郷と召喚獣   作:只今更新凍結中

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どうも、なが~くお待たせしました。


不死がただの少女に戻れる場所

幽香の戦いが始まっていた頃、ほかの3組の戦いももちろん始まっていた。

 

「あ~めんどくさいなぁ!!!」

「■ ■ ■ ■!!!!!」

 

妹紅は舌打ちするようにして狼のような異形を見つめぼやく。

いくら自分の持つ術を使おうとあの異形に対して効果が薄すぎる。火に対して耐性が強いのやら……

 

「流石にフジヤマヴォルケイノまでかすり傷はショックだよ」

 

妹紅はため息をつきながら振り下ろされた爪を避ける。その爪は弾幕ごっこをしている彼女の目から見ても速いものの……

ただそれだけだ。

いくら速かろうと予測して避けることはできる。

何しろ……

 

「こっちとら毎回高速移動で攻撃してくるのとやり合ってるんでね!!あんたみたいなタイプの対処法を知らない訳無いだろ!!」

 

そのまま飛ぶように体をひねり打ち出された左のハイキックが異形の顔面を捉える。

その相手というのはほかでもなく明久なのだが……明久の場合は高速移動だけではなく隙、無意識下でできる意識の欠落場所を的確に突いてくる。おまけにこの頃はそれにその高速移動からはありえないほどの体捌きによるアイソレーションによる実体を持った様な幻影まで産み出す始末。

 

「あんたは確かに早いけど……直線的すぎる!!」

 

殺す気ではこないけどね!!めっさ怖いのよ!?的確に急所を手加減してても打ち込んでくるし!!

でもそのおかげで私はこの妖術による戦闘だけじゃなく体術も練習できた!!

妹紅はもう一回転するように右足を振り上げるとその右足に炎がまとわり付く。

確かに効果は薄い……でも効いてないわけじゃない!!振り下ろした炎を纏う右足はかかと落としの要領で脳天を捉え、地面へと叩きつける。

妹紅は着地すると後ろに跳んだ。異形は叩きつけたれ埋まった頭を抜き出す。

 

「うへ……やっぱ効いてないのな……」

 

やはり生半可な炎じゃ傷つかないか……でもあれは……

そう考えているといきなり背中になにか当たる感触を感じた。

 

「あっ……やべっここ室内……」

 

室内で戦っていたことを忘れ驚いた一瞬。その一瞬を異形は見逃さず体をしならせ、

 

『ドスッ!!』

 

高速で突き出された爪は妹紅の胴体を貫き、血飛沫が飛び散った……

 

 

______________________

 

 

その頃、

 

「ほらどうした!!!!」

 

ゲベは次々と腕をしならせ明久を襲う。明久はそれを驚異的な体捌きにより次々と避けていった。

しかし一定距離を広げたまま攻撃することなく、明久はじっとゲベを見ていた。

 

「ははは!!!あの人形が心配か!?まぁそりゃそうだよな!!」

「……口数が多いな……」

「滑稽だな!!あの時教会の兵器を殴り飛ばしたとは思えない!!

それもそうか……そりゃ神の使い……いや……神だ……

ハハハ、俺は、神ダ。ハハハ、ハハハハハハッ!!!!」

 

次々と繰り出されるムチ、時折弾丸のように飛んでくる土塊を避けながら明久は思考を巡らせる。

精神が不安定すぎる……というより違和感しか感じれない。

 

「……つまらねぇな……そうだ、これならどうだ?」

 

そういうゲベの背中から第三の腕が生え魔法陣が展開される。

 

「なっ」

「俺はこれでも魔術もできるんでね……倒壊する学び舎を見てるんだな」

 

轟音とともに打ち出された雷撃に明久は防ごうとするもツルがそれを妨害する。

電撃は簡単に言うと雷と同じだ。放電路の進行速度は秒速150から200km……雷電流の速度は10万kmに達する。

電撃は轟音とともに校舎へと向かい……

 

 

 

 

 

 

 

弾かれた。

 

「なに?」

「ここを崩させるわけにはいきません……ゲベ」

 

爆風による粉塵が貼れるとそこには杖を持つセレナが立っていた。

 

「これはこれは教皇……わざわざこんな異国の地まで来られるとは……

それにその防壁……流石代々バチカンの最高の守りと言われるだけありますね」

「……私達のやるべきことは民を守ること……なぜです、ゲベ……なぜあのような……」

「なぜ?力のためですよ。守るにも戦うにも力がいるでしょ?」

「狂っている。そのために貴方を慕った部下達を生贄にしたって言うのですか!!??」

「いいことじゃないですか。なんせ最強の力の糧になれるんだからな!!!」

 

ゲベは高速で移動してセレナへとその異形の腕を突き出す。セレナは手を突き出し障壁を展開した。

 

「っく!!!!」

「ハはハは!!!確かにアンタの障壁は人間としては硬い!!だがっ!!」

 

次の瞬間障壁にヒビが入りゲベの腕が障壁を貫いた。

 

「神の力をもらった俺には……ぬるい!!」

 

そしてその腕はセレナを貫かんとするも、突如として横から現れた腕に掴まれ防がれた。

 

「なっ!?」

「……あ、明久?」

 

明久はそのままゲベの頬を殴り飛ばす。

 

「ガッ!!!???」

 

ゲベは少したたら踏むように下がり、明久はそれに歩いてゆく。

 

「くそがっ!!!」

 

げべの横薙ぎに振り払った腕を明久は右腕で防ぎ振り払うと右拳で顎をそのまま殴り抜き、裏拳、そして胴、左拳で顔面にストレートと連打を叩き込む。

ゲベは威力に耐え切れず軽く吹き飛ばされ、明久は振り返るようにセレナを見ると……

 

「ありがとう、セレナ。後は僕の仕事だ」

「明久……頑張ってください」

「……うん、約束は守るよ」

 

明久はそう微笑むとゲベのもとへと歩いていく。ゲベはふらりと立ち上がり血を吐き捨てる。

 

「貴様……あの人形が俺の中にあるってのにいい度胸だな!!!!」

「……でも出すのに時間かかるようだね……ダメージは君に通ってるし」

「てめぇ……あの人形が傷つくのが……」

「あぁ、そんな脅しは無駄だよ。もう決めたからね……何、もし彩凛が怪我してたとかなったら責任を取るだけさ……あぁ、そっちのほうが怖いかも……」

 

明久は笑ってそう言い、途中から少し遠い目をする。

だがこれでいい……これは賭けなのだから……

 

 

_____________________

 

 

 

妹紅の体を貫き、異形はにやりと口を歪ませる。しかしその腕はがっしりと捕まえられた。

 

「!!!!????」

「あぁ……痛いわね……明久との約束破っちゃったじゃない!!!」

 

妹紅は口から血を下らせ、しかし異形の腕を掴み離さない。

 

「あら、なんで死なないって不思議?あいにく私は死ねなくてね……」

 

妹紅は掴んだ腕とは反対の腕で胸元から札を取り出し投げる。

それはまるで二人を囲むように結界を張り、妹紅は拘束を強めた。

 

「これを使いたくなかったけど……この結界は特別製だから壊すのは至難だよ?」

 

結界……いや、明久と紫の能力により自分たちの周りの空間を切り離すもの。

 

「さて……普通じゃアンタは倒せないみたいだしね……根性比べと行くわよ!!」

 

そう言うと妹紅から炎湧き出し、異形と妹紅を包み込む。その炎はただの炎ではなく真紅に輝いていた。

 

「■ ■ ■ ■!!!???」

「不思議かい!?炎が自分を焼くのが!!あいにくこの炎は普通じゃなくてね!!!」

 

この炎は普通じゃない……それこそ天照の炎に……いやそこまで行かなくとも修行により地獄の炎の中で身につけたもの。

それこそ不死であるはずの自分たちですら気を抜けば殺さんとせん炎。

 

「制御がきつくてね……」

「!!!!????」

 

相手が燃え尽きるが先か……自身の力が尽きるが先か!!

 

「!!!!????」

 

異形はもがき、その爪で妹紅をひき裂く。しかし妹紅はそれでも拘束をはがさず、火力を上げていく。

 

「……アンタは……いや主か?誰でもいいや、あんたらは私の止まり木(よりどころ)に怪我をさせたんだよ……」

 

妹紅は自身も焼きながらも異形を睨みつける。

そう不死と言われ……呪われたモノとして老いず、死ぬこともできない私を認めてくれた彼……

千年近く生きて忘れかけていた……いや忘れていないつもりで目をそらしていた。

恋をしてもいずれ別れる。たとえどんな相手でも自分を置いていく……そんな現実から目をそらしていたこと。

 

「明久は……私を妹紅として見てくれる……不老不死の蓬莱人じゃなくて妹紅として……

私も明久の前だとただ一人の少女(妹紅)でいられる……なんの変哲もないただの本当の自分として……」

 

だから許せない。明久の幼馴染を盾にして傷つけたこいつらを……明久の心を踏みにじるこいつらを。

 

「あのバカだから許すだろうからね……でも今は……消し飛べ!!!!!」

「!!!!!!!!!!!!」

 

結界内は一瞬にして真紅に染まり、それが収まると同時に結界が解ける。

そこに立っていたのは妹紅だけだった。

 

「……あ~嫉妬ってのはわかってるけどさ。発散できたかな……しかし服ボロボロってか心なし程度しか残ってない……」

 

燃え尽きてほぼ全裸に近い服装になってしまった残骸を捨てると急激な妖力の上昇。そしてそれが収まるのを感じた。

 

「幽香も終わったみたいだし……着替えるしかないか……」

 

あの炎でもう力は残ってない。戦闘はもう無理かな……

 

「しかし全裸で歩くわけにいかないしな……服持ってきてもらわなくちゃ……」

 

どうやって持ってきてもらうかを考えながら妹紅は座り込んだ。

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