「いつつ…」
「ほら、もう少しで終わるから我慢しなさい」
うっ…永琳の口調がちょっと崩れてる…お、怒ってるのか?
「お主…思い切った行動に出たのう」
「あはは、それもそうだね」
僕は穴のあいた壁を眺める…あんまり大きな穴にはなってないみたいだね、よかった。
「さて、それじゃ嬉し恥ずかし戦後対談といくか。なぁ、負け組代表?」
「……」
おとなしいな…どうしたんだろう?
「いや、明久の気を当てられたんだろう」
「ご愁傷さまね」
「?何を話ておるんじゃ?」
「木下君は気にしなくていいのよ」
そこまで強くした覚えないんだけど…
「本来なら設備を明け渡してもらい、お前達には素敵な卓袱台をプレゼントする所だが、特別に免除してやらんでもない」
雄二の発言に、当然周りの皆がざわつき始める。
「落ち着け、皆。前にも言ったが俺達の目標はAクラスだ。ここはあくまでゴールじゃなく、通過点にすぎない。だから、Bクラスが条件を呑めば解放してやろうかと思う」
「……条件はなんだ?」
「条件?それはお前だよ、負け組代表さん」
「俺、だと?」
「ああ。お前には散々好き勝手やってもらったし、正直去年から目障りだったんだよな」
うわ…誰もフォローしないや…
「そこで、お前達Bクラスに特別チャンスだ。Aクラスに行って、試召戦争の準備が出来ていると宣言して来い。そうすれば設備については見逃してやってもいい。ただし、宣戦布告はするな。すると戦争は避けられないからな。あくまでも戦争の意思と準備があるとだけ伝えるんだ」
「……それだけで良いのか?」
「ああ、それだけで良い。ただし…」
そう言って雄二は…
「そのままじゃあ面白くねぇから、Bクラス代表がコレを着てさっき言った通りに行動してくれたら見逃してやろう(笑)」
Cクラス対策で秀吉が着ていた女子の制服を取りだした。
どこにしまってたんだろう…
「さ、坂本…」
「ん?なんだ藤原?」
「えっと、その…」
「坂本に相手を女装させる趣味があったなんて…驚いたわ(棒読み)」
「な!?風見、趣味じゃねえよ!!」
雄二が幽香にいじられるのは無視しとこう…それより永琳いつまで体触ってるんですか?
「壁を壊すような力を使ったんですから、他のとこに影響がなかったか調べてるのですよ」
心を読まないでください。
「ばっ、バカな事を言うな!この俺がそんなふざけた事を!」
「「「Bクラス生徒全員で必ず実行させよう!」」」
「「「任せて!絶対にやらせるから!」」」
「「「「「「それだけで教室を守れるなら、やらない手は無いな!」」」」」」
「うをおぉぉぉーーーーい!!?」
うん…すごい団結力だねBクラス…
「んじゃ、決定だな」
「くっ、よ、寄るな変たぐほぅっ!?」
「取り敢えず黙らせました。閣下」
「お、おう。ありがとう」
へ~いいパンチだな…
「じゃ、着付けに移るとするか。明久、任せた」
「えっ、僕!!?何か嫌だな…」
「じゃあ藤原あたりに…」
「わかったやるよ…」
まぁ、手紙のためだしね…と言うか女子に脱がせようだなんて…
「う、うぅ…」
「あ、やば…」
「落ちなさい」
『ガクッ』
幽香…頸動脈を絞めるって…
まぁ一年の頃何かしらと近づいてきてうざかった、って言ってたもんね。
「これってどうつけるんだ?」
女子の制服なんて着け方わかんないな…
「私がやってあげようか?」
「そう?悪いね。それじゃ、せっかくだし可愛くしてあげてよ」
「あ、それは無理。土台が腐ってるから♪」
…やばい、否定できない…
さて目当てのモノは、っと…
「…あった」
「何があったんだ?」
「うわっ!?…何だ妹紅か…脅かさないでよ」
「え?あ、ごめん。それよりその手紙何?」
僕の持っている手紙を見ても妹紅が聞いてくる。あ、そうか妹紅達知らないんだ。
「姫路さんの手紙だよ」
「ふ~ん、渡しとこうか?」
「そうだね、お願い」
さてと目当てのものは見つかっ…
『ガラッ!!』
「失礼します」
「え?上白沢先生どうしたんですか?」
慧音が来たことにみんな驚いてる…
あ、やばいかも…
「ちょっとね…あ、いた(ニコッ」
「!?」
慧音が笑顔でこっちに…逃げるなら…いや、もう遅いか…
『ゴツン!!!』
「!!!!!!?」
やパリ、こノ頭突きは痛イ!!
「いくぞ、明久…」
「け、慧音…口調…」
「妹紅、黙っときなさい。巻き添え食らうわよ…」
「幽香…」
『ズルズルズル、ガラッ!!』
あ~痛みで口調が…それよりこの後説教か…
side妹紅
「な、なんなんだあれ…?」
「いや、慧音がマジギレしてただけ」
「そ、そうか…」
うん、坂本あんまり突っ込まなくて正解だ。
さてこの服は…ごみ箱に入れとこう…手紙、姫路さんに渡しに行こうかな。
少女移動中
「よっ、姫路さん」
「!?ふ、藤原さんですかどうしたんですか?」
「ハイこれ」
「!?これは…」
「事情は何となく察してる。あ、大丈夫だよ?明久は何も言ってないし中も見ていないから」
「その…吉井君は…?」
「慧音に説教されてる、まぁ今日のはやりすぎちゃったからね」
「そうですか…ほんと吉井君って優しすぎますよね」
「…そうだね」
私がどういう存在か知っても受け入れたり、10救うために自分をかえりみないほどだけどね…
「その、藤原さん」
「なに?」
「藤原さんは吉井君のことが…好きなんですか?」
…
「好きよ。私だけじゃない幽香もね」
「そう、ですか…」
「でも…」
「?」
「幽香もそうだけど、私達は『明久の相手は明久自身が決めること』だと思ってるの」
「…強いですね…」
「強くないわよ…まぁ、私にできることは選んでもらえるように頑張ることくらいだけどね」
全然気づいてくれないけどね…明久鈍感だもん。
「…」
「さて…帰るか…あ、あと姫路さん」
「なんですか?」
「私のことは妹紅でいいよ」
「じゃあ、妹紅ちゃんって呼びますね」
「ちゃんって…まぁ慣れるしかないか…じゃあね」
「はい」
さて幽香と合流して明久を迎えに行くかな。
その頃…
ただいま説教中
「壁を召喚獣といえ、素手で殴るとなんてどういうことだ!!」
「いや…なんていうか、ね?」
いや…どう説明したら良いものやら…
「…お願いだ…」
「え?」
ふいに抱き締められて…これは…涙?
「お願いだ…私達をあんまり心配させないでくれ…」
「…うん…ごめんね慧音」
ホント僕って女の子の涙に弱いな…
深夜・・・そこはBクラス。
戸締りを行われ普通なら誰もいない空間に一人の女性が立っていた。
「ふう・・・あの子も無茶するものね・・・」
その女性は苦笑しながら壁に出来た大穴を眺める。
「・・・きっとこのサイズで済ませる為に『魔眼』も発動したでしょうね・・・
まあ本気でやったらこの校舎が倒壊してしまう・・・それじゃあ本末転倒でしょうし・・・」
苦笑・・・困った顔をしているようでしていない。
どちらかと言うとやんちゃな弟を思い浮かべているような目。
「明久らしい・・・と言えばそうでしょうけど・・・もしこれで退学にでもなろうものなら私の裏工作が無駄になっちゃうじゃない・・・
まぁ、させないけど☆」
彼女は扇を穴のほうへ向けて振るうと入り口のほうへと向かった。
「はぁ~それにしてもあの学園長何考えてるのかしら・・・どう考えても危険でしょ・・・これは。
それにその実験として明久を押すなんて・・・」
そう言って取り出したのは一枚の紙。
「まぁ内容的にあの子しか出来ないでしょうけど・・・場合によっては釘を挿す必要もありそうね・・・
ある程度は目を瞑ってあげると約束したけど・・・明久にもしものことがあれば覚悟しときなさいよ」
そう言うと女性は入り口・・・いや部屋のかどの方へと歩いていき・・・消えうせた・・・
そして部屋には・・・誰もいなくなり元に・・・そう部屋の壁の傷なんて無かった元のクラスに戻っていた。