そう、すべてどうでもよかった
自我を持った時に私、博麗霊夢が最初に思ったのはその一言
妖怪とか、人間とかそこまで興味はない
努力もやるだけ無駄、報われるはずがない
ただ博麗の巫女だから此処の結界を管理し、妖怪を退治するだけ
そう・・・どんなに頑張ったってこの定めからは抜け出せない
努力したって無駄なのだ
奇跡なんてあるわけもない、そう思っていた・・・
だがしかし、それも間違いだと今ではちょっと思う
だって、その奇跡を起こし、努力でこの幻想郷のルールを変えた
頭は良いのにバカで、どうしようもない『兄』のような人がいるのだから
出会いは単純だった。
いつものように修行をさぼって、お茶を飲んでいると・・・
「やっとたどり着いた・・・てか妖怪多すぎだよ・・・」
まさかここまで来るモノ好きな人間がいるとはね・・・
見た目的に私よりちょっと上かしら…
まあ興味ないけど
「うん?あぁ人がいたんだね」
「さっきからいた」
「となり、いい?」
「好きにすれば」
「じゃあそうする」
・・・・
「・・・・・・」
「・・・・・・」
静寂、そう表現すればいいだろうか・・・
静か、だがしかし意外と不快ではない雰囲気だった・・・
「そう言えば、君名前なんて言うの?」
「・・・・霊夢」
「霊夢か~」
誰もつかむことができない私に、まるで普通のことのように触れてくる人。
「・・・・貴方は?」
「え?」
「名前」
だからなのかもしれない、『私』が初めて少しだけ興味を示したのは・・・
「あ、名前ね。明久、吉井明久だよ」
「・・・・明久」
「うん」
これが初めての彼との会合だった。
それからというもの、数日ごとだが明久はここに来るようになった。
修行をさぼってるとばれると、修行してるか見に来るため、明久が来たときだけ私はしぶしぶ修行をした。
だが不快感はなく、明久もそれにつき合ってくれたりしたためなぜだか普通に修行していた。
安定しなかった能力が安定したと言った時、まるで自分のことのように喜んでいた。
妖怪が衰退してしまい、妖怪から決闘ルール制定の要望を受けた時は一緒に考えて『スペルカードルール』を作った。
その後、魔理沙とも出会い、3人でいることが多くなった。
そして・・・・赤い霧の異変・・・
明久は私達を庇い凶弾に倒れた・・・
「お願い、明久!!目を開けて!!」
その時初めて涙を流した・・・まあその後何事もなかったようにあいつは起きてきたけど・・・
えぇ、そりゃムカついたわよ、私の涙を返せと。
しかしそれ以上に生きていたことにホッとし、嬉しかった。
その後も一緒に行動をし、異変を解決していった。
そのたび、明久はやさしすぎると実感した・・・
そして他の子と仲良くするたびに、ちょっと、ほんとにちょっとだが不快感を覚えた・・・
そして月へ・・・
私達を庇って傷ついた明久を見て怒りに飲みこまれ負けかけたが、
明久はその月人の使う神々の力に勝利した。
その時紫の話を聞いていたけど少しだがイラッときて・・・しかしなんだが納得した。
何かと言いながらあの時いたみんなが明久を信じていた。でも一瞬でも彼を信じれなかった自分がいた事に少し・・・
いや、とても悔しかった。
明久は、私の否定した努力をし、奇跡を起こし、運命も変え、幻想郷すら変えてしまった。
でも・・・・
もう15となるが・・・お茶をすすりながら現代で、学校なる物に通う明久を思い浮かべる。
ちょうど文がその光景の写真を取っていたので貰ったけど・・・
「結構・・・・似合ってるわね・・・」
執事服を着た明久が写っていた。
彼は変わらず、明久であり
私の『初めての友達』であり、
「・・・・・いつ帰ってくるのかな・・・」
まだよくわからないけど、不思議な気持ちにさせる、まだ自覚できていないけど、
今は『兄』のような人・・・