side雄二
「映画館でもあれば楽なんだがな」
「・・・・・・折角一緒にいるんだから、そんなのはダメ」
翔子に却下されたので、仕方なく面倒が少なくて妙な雰囲気にならないようなアトラクションを探す。
すると、そんな俺たちにヒョコヒョコと着ぐるみが近寄ってきた。
確か表紙に載っていたキャラクターだ。
『お兄さんたち、フィーが面白いアトラクションを紹介してあげるよ?』
着ぐるみから聞こえてくるのは若い女の声。
ボイスチェンジャーなどを搭載していないのか、その声は普通の人間の声だった。
「じゃあ、フィーとやら。お前のオススメを教えてもらえるか?」
『あ。う、うんっ。フィーのオススメはねっ、向こうに見えるお化け屋敷だよっ』
フィーとかいう狐の手が噴水を挟んだ向こう側に見える建物を示す。
ふむ。廃病院を改造したとかいう例のアレか。
「そうか、ありがとう」
『いえいえっ。楽しんできてねっ』
「よし翔子。お化け屋敷以外のアトラクションに行くぞ」
翔子の背中をおして歩き出す。すると慌てたように俺の腕をつかんできた。
『ままま待って下さいっ!どうしてオススメ以外のところに行くんですか!?』
「どうしてもクソもあるか。お前もあの似非外国人の仲間だろう?だったら、お化け屋敷には余計な仕掛けが施されているのは明白だ。わざわざそんなところに行く気はない」
『そ、そんなの困りますっ!お願いですからお化け屋敷に行ってください!』
「断る」
そのお願いとやらの為に残りの人生を捧げる気はない!
断固として否定し、俺は自由を謳歌するんだ!・・・・今更だが、なんか聞き覚えのある声だ。
気のせいか、クラスメイトの優等生に思えてならない。こいつも確認しておくか。
「そういえば、明久が上白沢先生と一緒にここに来ていたぞ」
『えぇっ、明久君が!?それはどこで見たんですか!?』
本当にこいつらは、揃いも揃って・・・
「おい姫路。アルバイトか?」
『そんな事より、明久君をどこで見たんですか!教えてください!!』
姫路からはいつも以上の強い殺気が感じられる。
まさか姫路までここまで堕ちるとはさすがFクラスというべきか・・・・・・
少し明久に同情するな・・・
そんな姫路の対応をしていると、姫路の方から携帯の音が鳴る。
『もしもし、美波ちゃんですか。・・・・・明久君が!?・・・・はい、分かりました!すぐ行きます!』
こいつ等はまともに仕事を行う気はないのか!?姫路は電話を切るとすぐにこの場から消え去った。
・・・・・あいつ、確か運動苦手なんじゃなかったのか?
「まっ明久に関しては風見達がいるだろうし、大丈夫だろ」
「ハイ、すいまセーン。お待タせしまシタ。チョッと撮影二手間取ってシマいましタ」
そうこうしていると、さらに面倒なヤツが現れた。さっきの似非野郎だ。
もう追いついてきたのか。ん?撮影?
「なんだ?さっきのバカップルでも撮影したのか?」
「イエ。アノあと、モウ1組みのプレミアムチケットの方タチがキテ、そちラの方々ヲ撮影しまシた」
「は?何だと。俺達以外に来ているのか?いったい誰が・・・」
あ、明久か・・・
「お話はソレで終わりですカ?では坂本雄二サン、お化け屋敷に行って下サイ」
「前後の文に脈絡がないからな。それにイヤだと言っているだろうが」
そんな危険地帯に自ら踏み込む気はない。
「断れバ、アナタの実家にプチプチの梱包材を大量に送りマース」
「やめろっ!そんなことされたら我が家の家事が全て滞ってしまう!」
あのおふくろは全ての梱包材を潰し終わるまで他のことは何もしないだろう。
なんて地味かつ微妙な嫌がらせをしてくれるんだ・・・・・!
結果的に入ったのだが・・・いきなり「俺は姫路のほうが好きだな、胸大きいし」という放送が流れ、さすがに翔子も切れたのか追いかけっこになった
確かに別意味でスリルあるな・・・
side明久
[時間は少し戻り・・・]
雄二と別れた後
「さてどこ行こうか・・・」
「といっても私も初めてだからな・・・」
そうなんだよね~
うん・・・今度から暇なときはみんな連れて、たまに遊びに行こう・・・
「オーウ、そこのカップルさん?写真なんかどうですか」
写真か・・・良いかもね(カップルさんのところは聞いてません)
「慧音、ついでだし写真撮ってもらおうよ」
「・・・・カップル(ポッ」
「慧音?」
「え、だ、大丈夫だ」
どうしたんだろう?
「でハ、撮りマース。お二人さんチカヅイテくださいネー」
「ほら慧音」
「・・・よし・・・」
すると慧音は腕に抱きついてきた。
「け、慧音!?」
「ほら、前を見ろ!!」(真っ赤
「はい、チーズ」
撮った写真にはちょっと驚いている僕と、その腕に抱きつきながら赤くなっている慧音が写っていた。
「スグに印刷しマース。そのまま待っていてくだサイ」
外国人の男はどこかにいってしまう。あれを印刷するのか・・・・恥ずかしいかな・・・
というか、もしあれが姫路さんや美波が見たら、・・・・僕はその場で死ぬのかもしれないな。
「お待たせしまシタ―――――サービスで加工も入れておきまシタ」
どれどれと僕達は写真を覗きこむ。
その写真に写っているのは先ほど説明した状態の2人とその2人と囲うようなハートマークと『私達、結婚します』という文字、それに未来を祝福する天使が飛び回っている・・・
そうだった・・・このチケットって・・・
「この写真とアト、ウエディングドレス、タキシードを着てでの撮影をおこなう事にシマシタ。それとこの写真をパークの写真館に飾っても良いデスか?」
あ、微妙に違かったみたいだね・・・・って、
「やめてください。それとそのフレーム・・・」
「かまわないが、ただそのフレーム外してくれ」
「慧音!?」
「OK、分かりました。ありがトウございマース。それでは、後ほどウエディング体験の方に移りタイト思うので、後でスタッフを向かわせマス」
「慧音、いいの?」
「まぁ、思い出程度にはな」
まぁ、そう言うならいいか・・・
『ドドドドドドドド!!』
「うん?」
「なんだ?」
向こうから・・・なにあれ・・・?
マスコットの面影すらなく、瘴気によって鬼のようになった2人の化け物が現れた・・・
「吉井君・・・・」
「アキ・・・」
「この声・・・姫路さんに美波?」
「どうしてここにいるのかと・・・」
「なんで先生と腕組んでるのか・・・説明してくれないかしら」
あ、まだ組んだままだった。
「さぁ、お話を『ガシッ』え?」
すると後ろから二人の肩を腕が捕まえ・・・
『お客様に迷惑かけちゃだめだよ』
ボイスチェンジャー使ってるのかな?マスコットキャラのノインが現れた。
『ほら行くよ?』
「ちょっと待ってください!まだお話が・・・」
「そうよ!お仕置きが・・・」
二人を引きずって行った。
「・・・・まぁ、行こうか」
「・・・だな」
side妹紅
ホントあの二人どういうつもりなのかな・・・
さっきの病院の音声もこの二人の案らしいし・・・あれじゃあ付き合うじゃなくて別れる方向になるよ・・・
『こちら咲夜、二人を捕獲したわ』
「ありがとう・・・助かった」
さて明久達は・・・お化け屋敷か・・・でも慧音大丈夫かな・・・
『こちら幽香、さっきの慧音結構だいたんだったわね』
「そうだね。久々に二人だからうれしいんだよ」
『こちらアリス、お化けやしきに来たから仕掛けをしながら警護するわ』
「頼んだ」
ふう・・・雄二達は食事中・・・その後ウエディングシフトか・・・
『こちら咲夜。ごめんなさい、上司の人に引き渡したら逃げられたわ』
「わかった・・・永琳」
「何かしら?」
「麻酔薬作って。二人見つけたらそれ使うから」
「わかったわ」
ホント、何考えてるんだか、あの二人・・・
side明久
ノインが二人を連れて行ったあと僕達はお化け屋敷にいるんだけど・・・
「う、うぅ・・・・」
「慧音、怖いなら非常口で出る?」
「だ、大丈夫だ・・・」
そうだった・・・慧音こういうの苦手だったんだ。さっきからずっと背中にしがみついてる。
「ひゃっ!?」
「結構リアルだね・・・」
「うわっ!?」
「お、びっくりした」
「えぐっ・・・・」
「って、慧音!?泣きださないで」
すると、上から、
『ボトッ』
「「・・・え?」」
生首の作り物が落ちてきた・・・
「・・・・きゅぅぅぅぅ・・・」
「あっ・・・・仕方ないな」
僕は気絶した慧音を背負い、外に向かうのだった。