僕達は旅館に遅れて到着すると鉄人が立っていた。
「すいません。遅れてしまいました」
「何気にするな。そうだ来てそうそう悪いが吉井、手伝ってほしんだがいいか?」
「え、あ、はい。いいですよ」
僕は鉄人について行った。
「すまなかったな。普通なら生徒にさせないんだが」
「いいですよ。何かあったら声かけてください」
「あぁ、もう戻っていいぞ」
僕が呼ばれた理由は、クラスごとの課題の振り分けだった。
僕が戻ると、
「おう、明久ちょうどいいとこに来たな」
「どうしたの?」
「・・・・・・情報が手に入った」
「ホント?」
「・・・・・・昨日、犯人が使ったと思われる道具の痕跡を見つけた」
「ほう、流石だな。それで、犯人はわかったのか?」
「・・・・・・(フルフル)」
雄二が尋ねると、ムッツリーニは申し訳なさそうに首を振った。
「・・・・すまない」
「気にするな。協力してくれるだけでも感謝している」
「・・・・・・“犯人は女生徒で、お尻に火傷の痕がある”という事しかわからなかった」
「「お前は一体何を調べたんだ」」
いけない・・・あまりの発言にお前って言ってしまった。
「…………校内に網を張った」
「網? 盗聴器でも仕掛けたのか?」
「…………(コク)」
ムッツリーニ・・・まぁ、今回は良しとしとくか・・・
<……らっしゃい>
<雄二のプロポーズを、もう1つお願い>
<毎度。2度目だから安くするよ>
<……値段はどうでも良いから、早く>
<流石はお嬢様、太っ腹だね。それじゃ明日……と言いたいところだけど、明日からは強化合宿だから、引き渡しは来週の月曜で>
<……わかった。我慢する>
「片方は、霧島で間違いないじゃろうな」
「だね。雄二のプロポーズを欲しがる上にお嬢様と来て、この独特の話し方」
「もう動いていたのかって事も驚きだが、強化合宿があって助かった……」
「で、問題のヒントってのは?」
「・・・・・・・これ」
<相変わらずすごい写真ですね。こんな写真を撮っているのがバレたら、酷い目に遭うんじゃないですか?>
<ここだけの話、前に一度母親にバレてね>
<大丈夫だったんですか?>
<文字通り尻にお灸を据えられたよ。全く、いつの時代の罰なんだか>
<それはまた……>
<おかげで未だに火傷の痕が残ってるよ。乙女に対してひどいと思わないかい?>
「なるほどね・・・」
「…………わかったのはこれだけ」
「でも、有力でもないぞ?場所が場所だけに確かめようとしたら間違いなく犯罪だ」
「まぁ、そこら辺は幽香達に事情を話して調べてもらおう」
「だな」
「そう言えば、風呂はどのようになっとるんじゃ?」
「えっと、こんな感じ」
僕はしおりを広げる。
~ 合宿所での入浴について ~
・男子ABCクラス…20:00~21:00 大浴場(男)
・男子DEFクラス…21:00~22:00 大浴場(男)
・女子ABCクラス…20:00~21:00 大浴場(女)
・女子DEFクラス…21:00~22:00 大浴場(女)
・Fクラス木下秀吉…22:00~23:00 大浴場(男)
※ただし木下秀吉が認めた男子なら一緒に入る事を許可する
「どうしてワシだけが扱いが違うのじゃ!?」
「いや、なんて言うか・・・前回のことが原因みたい・・・」
前回、体育の時秀吉の着替えを見て男子が倒れた・・・鼻血出して・・・
「でも秀吉の許可があれば一緒に入る事ができるみたいだな」
「・・・・明久・・・」
「アハハ、一人はいやだもんね。合宿なんだし」
『ドバン!』
「全員手を頭の後ろに組んで伏せなさい!」
すごい勢いで部屋の扉があけ放たれ、女子がぞろぞろと入って来た。
「な、何事じゃ!?」
「木下はこっちへ!そっちのバカ3人は抵抗をやめなさい!」
「逃げられると思わないことね! 外ももう包囲はしてあるわ!」
先頭に立つ美波と確かEクラス代表が、とっさに窓から脱出しようとした雄二達の機先を制した。
しかし3人って・・・僕も入ってるのか?
「何故お主らは咄嗟の行動で窓に向かえるのじゃ……?」
「それよりどうしたの?こんな時間に」
「全くだ。仰々しくぞろぞろと、一体何の真似だ?」
「よくもまぁ、そんなシラが切れるものね。貴方達が犯人だってことくらい、すぐわかるというのに」
そこへ出て来て高圧的に言い放ったのは、確かCクラスの代表だったかな?
その後ろでは、大勢の女子たちも腕を組んでうんうんと頷いている。
「それより犯人って何の事だ?俺達は今さっきここに到着してからずっと部屋にいたが」
「そんな嘘が通用するとでも思ってるの!? コレの事よ!」
小山さんが僕らの前に何かを突き付けて来た。
「・・・・・・CCDカメラと小型集音マイク」
これがどうかしたんだろうか?
「女子風呂の脱衣所に設置されていたの」
ふむふむ。 コレが女子風呂の脱衣所に・・・
「え!? それって盗撮じゃないか! 一体誰がそんなことを」
「とぼけないで。あなたたち以外に誰がこんなことをするっていうの?」
この台詞を聞いて、秀吉が小山さんの前に歩み出た。
「違う!ワシらはそんな事をしておらん!覗きや盗撮なんてそんな真似はせん!!」
「そうだよ! 僕らはそんな事はしないよ!」
「・・・・・・・・・・・・!!(コクコク)」
秀吉の反論に合わせて前に出た僕とムッツリーニを冷ややかに見る小山さん。
「そんな真似はしないって言いきれる?」
「あぁ、言い切れるぞぃ」
「・・・・・・・・・・俺達はそんな事やっていない。それにそんなショボイ物は使わない」
「まさか、本当に明久君達がこんなことをしていたなんて・・・・・・」
いや!?してないからね!?てか全く聞いてない・・・
「アキ・・・・・・信じていたのに、どうしてこんな事を・・・・・・」
「美波、信じていたなら拷問器具は用意してこないよね?」
思いきりぼこる気満々じゃん・・・
「もう怒りました!よりにもよってお夕飯を欲張って食べちゃった時に覗きをしようなんて!い、いつもはもう少しそのスリムなんですからねっ!?」
「う、ウチだっていつもはもう少し胸が大きいんだからね!?」
いや、知らないよそんなこと・・・
「し、翔子、俺を信じてくれ!!」
「・・・・・・本当?」
「本当だ!!」
「・・・・・・わかった。雄二を信じる」
「なっ、霧島さん!?どういうことよ」
「・・・・・・私は雄二のことを信じるだけ。風見が好きなら相手を信じなきゃって言ってたから」
「・・・・・翔子」
一途だなほんと・・・
「こいつたち以外に誰がこんなことをするっていうの?」
「そうよ」
「土屋君もいますから否定できません」
「皆、やっておしまい」
話全く聞く気ないな・・・・!?美波、姫路さん人の腕ってそんなふうに扱ったら折れるんだよ!?
「さて。 真実を言いなさい!!」
「すぐにはいたほうがいいですよ?」
これって・・・石を足に乗せて行くやつだよね?
「だからやってないって」
「1枚目」
うわ・・・聞く気ないな・・・てか姫路さんまで乗せてるし・・・
はぁ・・・さすがにこれ以上はきつくなるだろうしな・・・
さすがに理不尽すぎるし・・・
そう思っていると・・・
『ドカッ!!』
壁が砕ける音と共に、
「貴女達、なにしてるのかしら?」
「姫路達・・・お前らもだ・・・」
「明久に何してるのかしら?」
幽香達が殺気立ちながら立っていた。