それは昼過ぎ…
「…」
私はベンチに座り、人を…遠くを眺めていた。
「…つまらないわね…」
眺める景色、人はまるで決まった動きをする人形の様。
「…?」
しかし、その中違う動きをする小さな子。
その男の子は歩き疲れたのか、
「ふう…」
私の隣に座った。
茶髪にまるでどこか遠くを見ながらも吸い込まれるような目・・・
しかしおかしい…このベンチは境界をいじって見えないはず…
能力がとけたか?いやちゃんと発動している。
まさか…
「どうかしたの?お姉さん」
「何でもないわよ。君こそどうしたの?」
すると男の子は笑って、
「ちょっと道に迷ちゃて…疲れたからお休み」
「それなら、お姉さんとちょっとお話するかしら?」
「うん!」
この子は吉井明久というらしく、私達は他愛もない話をした。
しかし不思議と楽しかった。
だからだろうか…
「明久は妖怪と人が共に住む世界があるとして、どう思うかしら」
「人と妖怪?」
「あ、いや気にしないで」
いけない・・・まさかこんなこと聞くなんて・・・おかしい人と・・・
あれ?何で私こんなこと悩んでるのかしら?私は・・・
「う~んそうだね~」
「あ、だから気にしなくていいのよ?」
「友達になれたら楽しいかもね!」
「え?」
「なんか楽しそうじゃないかな?」
意外だ・・・こんな意見は初めてかもしれない。
「なら・・・」
「?」
「行ってみたいかしら?そんな世界があったら」
「いけるの?」
「・・・なら・・・案内してあげるわ」
私と・・・八雲紫と明久の初めての会合だった。
その後、明久を幻想郷に招待したのはいいのだが・・・
間違って迷いの竹林の投下。
「ミスっちゃったわね・・・」
「どうしたのですか?紫様」
「ちょっとね・・・落とす所ミスっちゃったのよ・・・」
しかしなぜだろうか?確かに人里に落としたはずなのだけど・・・
「まぁ、無事ならいいわね」
「・・・・・」
「あら?どうかしたかしら?藍」
「いえ・・・紫様が人を・・・外来人を心配するのを始めてみたもので・・・」
「・・・え?」
「もしかして気づいてらっしゃらなかったのですか?」
人を心配?え?なんで?
いつもならそこまで気にしないことだがなぜか、そう・・・まるで壊れてしまったかのように不可思議な思考に悩まされ始めた。
そんな悩みに惑わされながら数日後、明久を現世に帰すために用意を・・・
「・・・紫様・・・何を?」
「え?明久を現世に帰そうかと用意を・・・」
「紫様、風邪ですか?何か悩みでもあるのですか!?」
ひどい言われようね・・・
「何にも無いわよ。行ってくるわ」
________
「明久」
「あ、お姉さん?」
「ん?なんだ賢者か。どうかしたのか?」
「そろそろその子を現世に帰そうかと思ってね・・・あまりここにいると親が心配を・・・」
「・・・お前本当に賢者か?」
ここでもこんな扱いなの・・・?
「え?帰れるの?」
「えぇ」
「そうか・・・」
しかし今思うと不思議な少年だったわね・・・
いつも隙間から見ててヒヤヒヤものだったわ・・・時折手を出さなかったらどうなってたことやら。
「そういえばお姉さん」
「何かしら?」
「またここって来れる?」
「え?」
「だっていつもお姉さんってあったとこにいるわけじゃないんでしょ?」
「そうだけど・・・」
え?またここにくる?命の危険にさらされたりしたのに?
「でもいいのかしら?」
「何が?」
「貴方、わかってるかもしれないけどここでは死ぬかもしれないのよ?」
「う~ん、確かに怖いこととかもあったけど・・・」
「・・・」
「とっても楽しかったよ!それにみんなもいるしまた来たい」
「・・・待ってなさい」
私は即刻隙間に入ると札ぐらいの紙を取り出し、
「っ!!」
指を少し噛み切ると血で式を書き妖力を込め、劣化しないように施した。
この時間1分足らず・・・いつもなら手抜きで作るのだが、式のほころびは無いか?妖力は十分こもってるか?など何度も確認し、
「明久、はいこれ」
「?何これ」
「これを持って強くここに・・・幻想郷に来たいと思えば人里にいける境界が開くはずよ」
「ありがとう!!」
「・・・お前本当に・・・」
「言わないで・・・私もなぜか混乱してるのよ」
この時から、いや始めて会った時から、私はどうも明久に勝てない運命だったらしい。
【現在】
「・・・すぅ・・・」
眠る明久を見ながら私は昔のことを思い出していた・・・
「しかし明久も大胆なことをするわね・・・」
犯人を見つけるために罪をかぶるなんて・・・
「まぁこの子らしいといえばこの子らしいわね・・・」
私は明久の髪を撫でながらそうつぶやく。
しかし今日の悪戯はちょっと度が過ぎちゃったわね・・・
まさか村の前に落としたらちょうど妖怪が襲ってくるなんて・・・
しかしなんでだろうか、ちょっとかいk・・・(ゲフンゲフン
しかし明久が来てからいろいろなことが変わった・・・
例で出すなら、
幽香が変わった。というか明久と合って人付き合いもそれなりによくなった。
異変が起こったがそれもすぐに解決。
幽々子も変わったわね・・・
そして・・・
「私も・・・かなり変わったわね・・・」
ホント、この子はいろいろと変えた。悪いほうではなくすべてが良い方に・・・
「でも、さすがにあの時は痛かったわね・・・」
私は前の異変のとき、天子を、殺そうとした。
「止める為とはいって、乙女の頬に平手はどうかと思うわよ?」
それを止めたのは明久だった。
もう少しで取り返しの付かない失敗をおかしそうになった私を止めた・・・
しかし、平手は無いと思う・・・だからこそ、
「いつかこの責任取ってもらうわね。」
私は眠る明久を撫でながら、そうつぶやいた。
そう・・・だから絶対に貴方は傷つけさせない・・・周りが敵だらけだとしても私達は貴方の味方なのだから・・・