ホント最悪な状況だよ。
僕は久保君の鎌をナイフで弾き、工藤さんの斧をバク転で避け、
壁に張り付きながら思う。
いくら操作して慣れているとは言え、いかせんどうしても動きと思考に差が出る。
『吉井君、右から来ます!!』
『アキ左よ!!』
「え?え!?」
僕は前に飛ぶように避けると、さっきまでいた場所に、
鉄球と光線が通り過ぎていった。それにしても、
『瑞希、美波!!操作できないのか!?』
『ダメ! コントロールできない!』
『にしてはほかの召還獣より息合い過ぎでしょ・・・』
『というより島田さんに関しては武器も変わってますね・・・』
しかしホントこの二体が一番きついのも確かだ。
何度か隙があり斬りかかろうとしたが、あまりにも的確に、
しかも殺さないギリギリのような攻撃をしてくる。
『島田、姫路。ホントに操作できないのか?』
『ちょっと!?ウチ等を疑うの!?』
『・・・いつもの明久に対する行動と同じ』
『土屋君ひどいです!!』
雄二とムッツリーニですら召喚獣の行動にデジャヴを感じたみたいだ。
そう言ってる内に工藤さんの召喚獣が紫電をまとわせた斧で斬りかかってきた。
僕はそれを避けようと・・・
「ぐっ!?」
感覚の差だろうか・・・動きがずれて掠ってしまい、フィードバックにより体が痛みを訴える。
しかし、それだけでは終わらなかった。
『明久!!避けて!!』
「え?」
そう工藤さんを挟んだ向かい側から見波、姫路さんの召喚獣が、
「まさか!?」
工藤さんを巻き込み、そのまま僕に攻撃してきた。
「がはっ!!」
『『『明久!?』』』
驚きによって僕は避けきれず直撃。反動で壁に叩きつけられた。
「っ・・・口切っちゃったか・・・」
まさか仲間巻き込んで攻撃してくるなんてね・・・
少し眼を放した隙にどうも久保君の投げた鎌によって壁に腕を拘束されてるみたいだ。
『吉井君!!』
『アキ!!またくるわよ!!』
上を見上げると美波が鉄球を振り回し、姫路さんが腕をこちらに掲げ、
久保君は何かを召喚していた。
「やば・・・耐え切れるかな?」
『何か対策は!?』
『明久!?』
『くっ!?何もできないって言うの!?』
『こういうときにまた何もできないなんて・・・』
そうこう言ってるうちにチャージが終わったのだろう・・・
3体は一斉の僕に向かって攻撃を打ち出した。
『『『いい加減に・・・』』』
オーバーキルだな・・・これ・・・
『動けっての・・・』
『動きなさいよ・・・』
『動きなさいって言ってるでしょ・・・』
『『『この!!凡骨召喚獣!!』』』
それは一瞬の出来事・・・
突如上から炎塊と砲撃とナイフの雨が現れ、
姫路さん達の攻撃を弾き飛ばすと、そのまま一帯を破壊した。
「え・・・」
『『『『なっ・・・』』』』
『先こされましたね・・・』
『そうね』
そして現れたのは三体の召喚獣・・・
『なんだ・・・』
『やろうと思えばできるじゃない・・・』
『あせりましたよ・・・本当に』
妹紅、幽香、咲夜の召還獣だった。
彼女達は僕に近づくと拘束していた鎌を引き抜き、
僕を立たせた。
『まさか、暴走状態の召喚獣を制御するなんて・・・』
『これは前代未聞だね・・・・』
『当たり前よね』
『そうだな』
『わかりきったことじゃないですか』
本当・・・僕にはもったいないくらいだよ・・・
『明久、僕にはもったいないとか思ったでしょ?』
「・・・心読まないで、紫」
『わかりきってることでしょ?』
『そうよね。わかりきったことじゃないですか、明久君』
私達の絆は機械で崩されるほど脆くは無いわ
5人はまるで誇るようにそう言った。