その日、明久はずっとおかしかった。
「風見、あいつどうしたんだ?」
「気にしないほうがいいわよ」
そう、はっきり言ってアレと関わるのは得策ではない。
私もアレは苦手だ。話すらかみ合わないから。
「しかし授業中もあんな感じだとな・・・」
明久の状況はまるで希望が潰えた様な表情・・・
昨日は妹紅、慧音と共になだめたのだがそれでアレだ・・・
「なんて言うかな・・・明久の家庭の事情でもあるし、
多分聞いたら後悔するぞ?」
「明久の家庭の事情?どういうことじゃ?」
「さすがにアレは哀れすぎる。教えてくれないか?
さすがに昨日泊めてくれって言うメールの原因ぽいし」
・・・まぁこの三人(坂本、木下、土屋)ならいいでしょ。
「実はね、姉が帰って来るのよ」
「姉?それが何でアレに?」
「実はその姉に問題があってな・・・」
「問題ですか?」
この子たち何時の間に混じってきたのかしら・・・
「まあ、それは家庭の問題よ」
「とりあえず、あいつも苦労してるんだな・・・・」
まるで同類を見つけたような目。
そういえば坂本も母親に苦労してるって言ってたわね。
「そんなにひどいの?」
「慧音と喧嘩する位にはひどいぞ」
そう、あれは高校に受ける前。
明久が文月を受ける事を知り、私達も受けるために現代入りした時だ。
明久は両親には私達の正体を教えていたらしいがアレは知らなかったらしく、
顔合わせに行った日、それについて慧音と妹紅、紫と共に話したのだが・・・
あろう事か逆切れみたいに怒り、それを明久に向けた。
それにより、いつもなら温厚な慧音、そして傍観者の立ち居地を崩さない紫が切れてしまい、
危ういことになりそうになったが、明久の両親により鎮火。
しかもそのときの不用意な発言により明久も切れてしまい、明久は姉に対して苦手意識から嫌悪に近いものになりかけていると思う。
「あとあの人が来たら多分ね・・・」
「やるだろうな・・・」
たちの悪いことにあれに関しては・・・異常な愛情を明久に対して持っていた。
家族としてではなく、一人の男と明久を見ている。
ついでに異常な独占欲。
これが私達が彼女が苦手な理由。いや、苦手と言うより・・・
まぁこれについてはいいけど・・・
「でも気になりますね・・・」
「アキのお姉さん・・・」
この二人は話を聞いてなかったのかしら・・・
それにもし二人がアレと合ったら被害は絶対明久に行く。
とりあえず、1週間は明久は私か、慧音宅に泊まることは決まっている。
それに対して彼女がどういう対応をとるか・・・
頭が痛いわ・・・別に関わらなければどうでもいい。
苦手ではあるが、彼女は明久の家族だから。でも・・・
・・・そう・・・明久に手を出さなければそれでいいのだ・・・
でもアレは・・・あぁ・・・ホント苦手だわ・・・だって・・・
あまりにも苦手すぎて・・・
コロシタクナッテシマウ・・・
・・・ダメね・・・こんな顔、明久には見せれないわ・・・