なんかUA凄い伸びてるんですけど!お気に入り数が跳ね上がってるんですが…!?
書かなきゃ…書かなきゃ…書きました。
ありがとうございます!毎日更新は流石に無理ですが、ちょっとずつでも書き溜めて更新します!
「夢と現実、精神と物質の狭間の場所。どこにあるかも分からない、誰が訪れるとも知れないその場所に。ある問題を抱えた部屋がありました―――。
“ベルベットルーム”。
この部屋が抱える問題……それは―――。
物件XXX『混沌』
築0年…どころか数十秒。何処からともなく女性の美しいコーラスが聞こえてくるその部屋は、土と漆喰の壁、襖に囲まれた小さな6畳間。
襖をあけて先ず目に映るのは、目が痛くなる程の青。青い壁、青い天井。
青いテーブルクロスの被さった、とても大きな木製テーブル…いや、コンセントがなく無用の長物となり果てた炬燵が、ただでさえ広くないスペースを圧迫しています。
そんな炬燵の周りには高級そうな生地の、Vの字が金糸で刺繡された青い座布団が4枚。フカフカでふわふわな生地は大変素晴らしい触り心地ですが、一枚一枚が相当な大きさの為、生活スペースなんのその。これまた部屋を圧迫します。
更に、壁に一つだけ空いている小窓から差し込む、これまた青い光で荘厳に輝く畳の床。美しささえ感じる光景ではありますが、その照返しに目が悪くなってしまいそうです。あまりの光量にブルーライトカットをしても追いつきそうになく、対策のしようがありません。
そしてそんな部屋の中で何より目を引くのは、青い額縁に入り、デカデカと『パンケーキ』と無駄に達筆な字で書かれた美的センスの欠片もない掛け軸。
広さはともかく、ギリギリ『青い和室』とも呼べなくもなかったその部屋で、たった数文字のパンケーキがひときわ異彩を放っておりました……。
この混沌極まりない部屋にお住まいなのは、鼻の長い奇怪なご老人と、蝶の髪飾りをした年端もいかぬ少女が一人。
こんな混沌とした部屋では、今後を過ごすことはできない。
そんな問題を解決すべく、今、一人の匠が立ち上がりました!
―――――――――というところまでは思いついたんだけど、ここから先が思いつかない。どうしましょう」
「ここへ初めて足を踏み入れ戸惑いの反応を見せる客人を見る機会は数あれど。
このベルベットルームで劇的ビフォーアフターを始めようとする方を見るのはこれが最初で最後かもしれませぬなあ…。嗚呼、それと我々に敬語を使う必要はございません。ありのままで対話すると致しましょう」
「やはり爆破解体の匠のように一思いにしてしまった方がよいかと。
「6畳間の広さで
「鍛え方が足りませんよ、トリックスター候補生」
「いや俺って
「世の変革を担い、成し遂げる者への称号ですので。立場は問いません」
布団のない炬燵を囲み、出されたお茶をズズズ、と飲みながら喋る。
「モノマネお上手ですね」
「それほどでもない」
特徴的なナレーションのモノマネを披露したことで器用さが磨かれた気がする。
しかし初手でボケをかました俺が言うのもなんだが、人間の世界には疎い面のある彼らが何故ビフォーアフターを知っているのだろうか。深く考えない方がいいかもしれない…
そもそもベルベットルームで戦闘したりする場面もあるので、恐らくちょっとやそっとじゃリフォームなんぞ不可能だろうという事に気付くのはこの部屋を出た後の話。流石に6畳間で戦闘は無理だろうが。
―――――仕切り直して、数分後。
「いやはや、珍しい。本当に珍しい事にございます…。まさかこれほどの短期間にベルベットルームにもう1人、少しとは言え『力』を覚醒させた客人がいらっしゃるとは。それもこの部屋が本当に『ただの部屋』を模るとは……」
未来の話とは言え、『ただの部屋』は『牢獄』より珍しいのだろうか。思わず質問が出そうになるが話が進まないので我慢する。
「主」
「おっと、これは失礼を。申し遅れましたな。私の名はイゴール。
この部屋…夢と現実、精神と物質の狭間の場所…意識と無意識の狭間を揺蕩う部屋。
”ベルベットルーム”の主を致しております。そして、こちらは…」
「ラヴェンツァと申します。以後、改めてお見知り置きを」
窘められた部屋の主人とその従者が軽く会釈をしながら自己紹介する。
簡素なものだったが、その名はよく知っている。
従者のラヴェンツァはともかく、主のイゴールに関しては偽物の記憶が強く、ほとんど知らないに等しいが…。
「貴方はこの場所の事も、我々のことも既にご存知のようだ。そして在るかもしれない少し先の未来の事まで。しかし、運命の流れは既に変わってしまっているようですな。
フフ、それでこそ人生ですかな。道端の小石一つで進む道は右にも左にもなる。
投じられたのが巨石ともなれば、それこそ新たな道が開けることもありましょうな…」
流石に別次元の魂がINしてます、とは言えない。とはいえ魂を見分けるような力を持っていてもおかしくない彼らなら何かに気付いていてもおかしくない。
少し警戒したのがバレたのか、主従の二人に可笑しそうに笑われた。
「ご安心召されよ。貴方の行く道を手助けすることが我らが務め…例え貴方がどの様な存在であれ、それを咎める様なことは致しません。
貴方はまだ、旅路の出発点にすら立っていない…。ここが『ただの部屋』であるというのは、そういう事にございます。いずれ貴方のワイルドの『力』が完全に目覚める時初めて、貴方の本当の旅が始まるのです」
「…ワイルドの力が、目覚めていない…?」
話の内容がふざけている場合ではなくなってきた。
ペルソナは使えた。感覚的なものではあるが俺は恐らくペルソナを複数所持し、それを使い分けることもできるだろう。それでも目覚めてないというのはどういう事だ。
俺のシャドウも、なんだかんだ言いながら「力はくれてやる」と言っていたはずだ…。
「全てを我々がお伝えすることはできません。しかし覚えておいてください、トリックスター候補生。
ペルソナとは元より“己"の心の力。他者と絆を育み、多くのペルソナを使い分けるワイルドの力を覚醒させた者とて、それは変わりません」
一息つき、茶を啜るイゴールの代わりにラヴェンツァが答えてくれる。
実際他者との絆でペルソナの力は上がるが、絆そのものがペルソナになるわけじゃない。
心の力自体は自分の物。当然といえば当然の話だった。
「それは、まあ分かる」
「ええ、ですので。貴方に必要なのは他者に関わることは勿論の事ですが……何よりも、自分を見つめ直すこと。きっとここは、その為に必要な部屋なのです」
「ペルソナがそもそも自分を見つめ直した結果じゃないのか?」
我は汝、汝は我。文字通りペルソナも自分自身のはずだが。
茶を飲み終えたイゴールがここで会話に戻ってきた。
未来の偽物を知っているととてもじゃないが比べられない穏やかな笑みを浮かべている、ように見える。
「間違いではございません。しかし人の心はあまりに多くの側面を持ち、また各々が移ろい行くもの…。だからこそ、真に揺るがない『何か』をみつけるのは、本当に難しい…」
「…」
それを見つければ、ワイルドは完全に解放されるのだろうか…。
「今宵から貴方は、このベルベットルームのお客人だ。これをお持ちなさい」
鍵を手渡された。
「この部屋に入るための『契約者の鍵』…この契約に、貴方が支払うべき代価は1つ。ご自身の選択に相応の責任を持って頂く事…。勝手ながら、貴方の運命を占わせていただきました。
『死』の正位置…物事の終わりと始まりを指し示すカード…不思議なことに、何度引いてもこのカードが現れる。貴方の運命は、既に定まっているようだ」
偉く不吉な占いをされてしまった…。
「話し込んでしまいましたな。今宵はここまでに致しましょう…」
「未来のトリックスター。またお会いできるのを楽しみにしております」
ごきげんようと最後に声が聞こえて、意識は闇に溶けた。
次の日。ベルベットルームで言われたことに悶々としながら朝食を取る。
その後学校へ。まあ中学1年生なので。テストもあったが、中一程度の授業であれば学力は大丈夫だ。高スペックボディに白鐘式のスパルタ教育を叩き込んだからな!
英語なんてほぼアルファベットに単語、ちょっとした基礎英会話だし。国語は古文だろうが現文だろうが変わらないし。歴史もほぼ一緒だし。理科も専門科目が出てくるまでならまだいける。数学も点Pが動き始めるまでは問題がない。
あの点Pはきっとフライングパンケーキだ。間違いない。
学校はともかく今日の夕方は「鳴上悠」さん、或いは「花村陽介」さんのどちらかと接触したい。
何故かって?「クマ」から散々聞いたからだ…!
こっちの世界に戻してくれたのは本当に感謝しているが、初手「謎は全て解けた!犯人はこの中にいる!クマと君しかここにはいないから君が犯人クマ!」は酷いと思う。
PQ2で知ってはいたがCVが高校生探偵(ガチ)な事もあって高校生探偵(予定)の俺としては尚酷いと思う。いくらなんでもその推理はないだろうと。
何の犯人か聞いたらどうやら現実で起きてる連続殺人はこっちに人が入った結果起こってる物で、テレビに人を放り込んでる犯人がいるという。
理不尽だと思うが流石にキレたら謝られて出してもらえた。しかしこのままだとマジで犯人扱いされかねない。
「センセイとー、ヨースケに犯人捕まえるの協力してもらってるんだクマ!」と言ってたからまずこの二人に話を通しとかないと疑いの目でずっと見られかねない。
テレビに入れる野良ペルソナ使いなんてヤツが仲間内以外から出てきたらそりゃあ確かに犯人だとも誤認するわ。
とはいえ知らない年上の人の家に行っていきなり、「〇〇君あーそぼっ」なんて言えるほど俺の度胸はライオンハートでもない。いや聞き込み調査とか仕事ならやるけども。
結果として商店街や神社、河川敷と回って最終的にジュネスでバイトしている花村さんを見つけた。
「すいませーん」
「ハイハイ何かな!今ならソーセージ特価価格で安いぜ!試食あるよ、一つどう?」
「ああどうも。じゃあ一つ頂きます…。テレビの世界について聞きたいんですが、お時間よろしいですか?」
「ああテレビね、家電なら上の階に………ハ!?え、すまんちょっと待って、ターーンマ!!!」
「後ペルソナについて聞きたいんですけど。クマから何か聞いてません?」
「(うおおおおおい情報の氾濫が止まんねえよ!あんまデカい声出すなよ聞かれる!?)」
「周り人いないし大丈夫じゃないですかね」
「それはそれで従業員としては複雑ッ!!」
打てば響く突込み、この人さては面白いな?
「後で時間作るから!あ、中学生か。そっちこそ時間大丈夫か?結構遅くなるかもよ」
しかも優しいな?実はモテるのでは?
「友達の家にいることにすれば問題ないですよ。怒られるにしろ、今はどう考えてもこっち優先ですし」
そう言うと納得したような顔になる。
殺人犯を追ってるんだ、そりゃ事の重大性は分かってるよな。
「ちょっとツレがいてな、そいつを呼ぶよ。タイムセールもうすぐ終わるから、その後なら時間取れると思う。悪りーけど、ここの屋上で待っててくれねーか?」
「ええ、こちらこそ仕事中なのに押しかけてすいません」
「OK!こっちも聞きたいことあるからさ、頼むわ!」
花村さんは少し興奮した様子で仕事へ戻っていった。
聞きたいこと、と言われても何を聞かれるか見当もつかないが…
流石に犯人知ってるかとは言われないだろうし。
とにかく、今は何か食べながら屋上で待つとしようか―――お、新メニュー発見伝。
数十分後。
花村さんの仕事が終わったらしい。
慌てた様子でこちらへ駆けてくる。
「スマン!マジで遅くなった!」
「いえ、思ったより早かったですよ。メニュー制覇しませんでしたし」
「お、おお。予想外の喰いっぷり…というかさっきから年下にペース持ってかれっ放しでカッコわりーな。花村陽介だ、よろしく」
「すいません、自己紹介してませんでしたね…。白鐘吾郎です。どうぞよろしく」
そういえば一方的に知ってるだけだったわ…いや、そういえば向こうも義姉さんと俺が巽さんと接触してる場面見てたな。なんかコソコソしてたから覚えてる。聞きたいのってアレか?
「オレ達の事はクマから?」
「ええ、まあ。テレビに落っこちたところを助けてもらいまして。何やら犯人扱いされたんですが、誤解は解けまして…。そのあとに、「ヨースケ」と「センセイ」という人物に手伝ってもらっていると…。知ってましたか?この八十稲羽でヨースケって実は花村さんだけなんです」
「マジかよ衝撃の事実だぜ…。いやもっと衝撃的なの色々あるんだけどな?」
いくつかの情報をお互いに交換していく。
花村さんからは、現実の殺人事件と今回の行方不明事件がリンクしていること。向こうの世界のこと。
俺からは、今まで何があって、クマから何を聞いたのか。巽さんのこと。
マヨナカテレビの噂を聞いてワクワクしながらテレビを見てたら映ったのがアレだったことに、花村さんに死ぬほど同情された。表情が見てわかるくらい「うわあ」って感じを表現していたし。眼が「こいつはきっとこの世の何よりも可哀そうな生物なんだ」みたいな目をしていた。
ふと、後ろから独特な気配を感じた。自分と近いような、それとも全く違うような不思議な感じ。
振り返ると目が合った。向こうも何かを感じたのか、こちらをジッと見つめている。
「おお、わりーな急に呼び出しちまって。この子吾郎君っていうんだけどさ、ペルソナとかあっちの世界の事知ってるみたいなんだ。今話聞いてたとこ」
「成程、君が……。イゴールから聞いている。鳴上悠だ。よろしく」
「白鐘吾郎です。こちらこそよろしく」
目を離さずに互いに手を出し、ガッシリと握手をした。
―――きっと、これが俺の「本当の旅路」に繋がる第一歩だと。妙な確信が、胸に浮かんだ。
書いてて思うのが、このキャラ喋り方どんなだっけ…こんなこと言う人だっけ…っていう葛藤が凄いです。
イゴールが特に難しい。抽象的に喋って、でも本質は突いてて?言い回しが独特。
因みにこの段階ではちゃんと本人です。流石に4でイゴール不在は色々まずいので。担当:ラヴェンツァ。うーん、5がどんどん乖離していく…。
書いてて楽しいのは陽介ですね。この子は何言っても何やってもリカバリーしてくれる安心感があります。多分クマも。まだ全然書いてないけど。
番長はちょいブレるかも…。普段喋らない主人公ですので。そっとしておこう…。
フワッとしたプロットに肉付けしていくと、自分で気づけるほど矛盾点が出たりするので怖い。多分気づけてないのも沢山ありそうで。何かおかしければご指摘ください。