前回ラストのアルコーンが予想以上に反響を呼んでくれてニヤニヤしてました。
厄ネタではありますが、一つお伝えするならコイツに関しては〇〇〇〇〇〇本体ではありません。
ちゃんとした『白鐘吾郎』のもう一人の自分です。勿論転生やら環境やら神様やら色々な影響を受けた上でのこのペルソナではありますが……。
後、偽の神という事で記載しておりますが、流石にP5Sに関しては今回は関係ありません。いや、呼び名としては同一の存在であることは理解しているのですが、流石にあのAIはまだ生まれてさえいませんので…。
ご了承ください。
「ペルソナ
俺の声に応えたペルソナ・アルコーンの鏡の身体が、その全身で花村さんのペルソナであるジライヤを映し出した。
途端にアルコーンの周りに黒いモヤの様な影が発生し、その姿を包み隠す。影は全身を覆う様に形を変えていき……次の瞬間には姿形をジライヤを模倣したナニカへと変えた。
「…へぇ。なるほど、こうなるのか」
それは
ジライヤは本来体は白色の服装で、顔は黒。脚の裾と手は迷彩色、ヒーローの様な赤いマフラーに胸の金色のV字の装飾と、同じく金色の手裏剣の様な装飾が特徴のペルソナだ。
忍者+ヒーロー、正直言って俺の
だが今回アルコーンが擬態したジライヤ・偽神の体色は
黒いボディに白いマフラー、手足も白。手や胸の装飾がある箇所にはアルコーンの名残か鏡の装飾。更に全身に不可思議な幾何学模様が浮かんでいる。頭部に関しては形だけは一緒だが、本来顔があるはずのそこには何もない。元が
そして、当然アルコーンが映し取ったのは姿形だけじゃない。それだけなら、そもそもコピーなんてする意味がない。
ジライヤ・偽神に突っ込んでくるシャドウへ向けて手を向けさせる。
イメージ通りに動いてくれるもう一人の自分。思いの外、操作するのは簡単だな!これならすぐに慣れそうだ。
「吹き飛べ、マハガル!」
両手の鏡から吹き出た緑色の可視化された強風が、迫ってきていたシャドウ達全てを容易に消し飛ばした。
アルコーンは、そのペルソナの現在の能力値やスキルを全てを映し、纏う影を構築する。恐らく自分の成長具合によって映し取れる上限はあるだろうが…。今はそこまで考えなくても良さそうだな。
尤もその姿を取っている時のみの変化である為、元に戻せば能力値や使えるスキルも一緒に戻るだろう。コピーしたペルソナが持っていた能力をアルコーンが使える様になるわけじゃない。
初使用で能力全てを把握できてるわけじゃないけど、そう間違えてはいないはずだ。
「あれは…ペルソナチェンジか?しかし俺のとは何かが…」
「いやアレ、俺のジライヤだろ?色とか全然違うけど!2Pカラー!?」
1more!
シャドウ達を吹き飛ばした勢いでそのまま奥にいる別のシャドウへ突っ込む。腹に穴が開き、鍵の様なものが見えた警官風のシャドウが手に持った銃を突きつけてきた。
相手の動きがさっきよりもなお遅く感じる。多分だが擬態している
銃弾を撃ってくるが、相手の正面直線上を避け余裕をもって側面へ回り込むことで回避に成功。俺はまだ小さく、身体が出来上がってないために威力には全く期待できないが、敵の体勢を崩すために蹴り飛ばす。
―――このシャドウの弱点は――――
「ソイツは火炎が弱点クマ!攻撃は銃ばっかだクマ!」
「ナイスサポートだよクマ!だったら…!
ジライヤ・偽神の胸部についた鏡が光り、今度は天城さんのペルソナ、コノハナサクヤを捉えて映す。アギ系のスキル持ちなのは先ほど確認済みだ。
偽神・ジライヤの体がドロドロと溶けるように崩れ、アルコーンが現れる。そしてまた影が纏わりつき、姿が再構成されていく。
当然、出てくるのはコノハナサクヤを模した
先ほどと同じく、全身に幾何学模様の入った白と黒の配色で構成された身体、黒一色の顔。本来桜の花びらで出来た様な綺麗な羽は全て鏡へと置き換わっており、ガチャガチャと割れてしまうんじゃないかと心配になる様な音を立てている。
「アギだ!燃えろ!!」
コノハナサクヤ・偽神が鏡の羽を広げ、その羽から火の玉を飛ばして行く。
蹴っ飛ばされて体勢を崩していたシャドウは避けることもできずに直撃。結果として、文字通り影も残さず焼滅した。
魔法攻撃の威力が段違いだ。コノハナサクヤは魔法特化タイプのペルソナかな…。
「今度はコノハナサクヤを!?」
「やるー!なんか見た目怖いけど強いじゃん、あのペルソナ!」
そして、今俺が倒したシャドウで今回の襲撃は最後だったらしい。
戦闘終了か―――。
ふう、と思わず息を吐いてしまった。
人生二回目だろうが初戦闘じゃなかろうが、慣れてないせいかどうにも緊張してしまっていたみたいだ。
或いは、アルコーンの力を初めて自覚して使用したからか…。
何はともあれ、一歩前進できた気はする。
鳴上さん達は自分たちを襲ってきた分は既に倒していて、いざとなったら助けようとしてくれていたみたいだ。戦闘態勢を解いたこちらへ駆け寄ってきた。
「すいません、勝手にお二人のペルソナを使ってしまって」
とりあえず花村さんと天城さんに謝罪。
ペルソナにコピー能力があったとは知らなかったとは言え、やっぱり事前に言っておきたかった。自分の
「いや別にそこは気にしてねーよ。ああいう力なんだろ?…ってかスゲーな!実質、鳴上みてーにペルソナの入れ替えが出来るって事だろ!?即戦力じゃねーか」
「私も大丈夫だよ。でも凄いね。まだ中学生なのにしっかり戦えてるし」
普通に許して貰えた。ありがたい。
戦力としても認めて貰えた様だし、年齢の事で不安だったけど頼めば今後も同行を許して貰えるかもしれないな。
「アルコーン…だっけ?あのペルソナ出てきたときはなんかちょっと怖かったけどさー。鳴上君もそうだけど色んなペルソナ使えるってズルくない?」
ワイルドですので。完全覚醒してないらしいけど。
ワイルドだろぉ!とモノマネしようかと思ったが…まだこの時代ブレイクしてなかったっけ?そろそろだった様な気もする。
「センセイだけじゃなくて、ゴローの力も特別って感じがするクマね!でもゴローの方はちょっとゾワゾワっとするクマ。毛皮が逆剥け?する感じー」
「『毛が逆立つ』、な。どんな拷問だよそれ…」
特別…ワイルド能力の事だろうか。ゾワゾワはまあ…俺もなんとなく察しはついてる。ペルソナの事だろう。…今は何も言わないけど。
「他人のペルソナをコピーして使役する…か。アレが、吾郎のワイルドの力か?」
「どうなんでしょう…多分ペルソナ固有の力だとは思うんですが。ただ、何故かコピー以外で鳴上さんみたいにペルソナを増やせる気がしないんですよね。元々ペルソナを使い分けられる気はしてたんですが、今使用してみた感じだとこのコピーの使い分けの様な気もしてますし…何となくですが…」
「イゴールが言っていたワイルドの不完全な覚醒というのが関係しているのかもな」
「ワイルドに関しては現状どうしようもないですね…」
だとしたら通常のペルソナチェンジよりかなり不便だな…。
『ペルソナコピー』はアルコーンの固有スキルだと思われる。
とどのつまり、気力を…SPを使用する。
先程の戦闘で使用した感じ、恐らく一度のコピーやコピーの切り替えを行うのに必要なSPはアギ、ジオ、ガル、ブフなどの初期魔法と同じくらいの消費量だ。
ペルソナ使いとして熟達し、特大ダメージを与えられるような魔法をバンバン打てるようになる頃ならまだしも。ペルソナ覚醒したての半覚醒ワイルドとかいうクソ雑魚ナメクジ状態だと燃費が悪すぎる…!
ペルソナを使い分けてるだけでガス欠になるワイルドなんぞ笑い物にもならないぞオイ。
間違いなくゲームテンポ悪い!とかクレームが出るやつだ。
貼る大気功下さい。もう小気功でもいいのでSP回復装備を下さい。いやホントに。切実に。
このままだと雑魚敵相手に戦ってるうちにガス欠となり、ボス戦では後衛で腐ってるだけのお荷物になりかねない。HP消費の物理系攻撃とかもないし……とはいえ現状成長していく事以外に解決策が出ない以上は、コピーやスキル使用を抑えるしかないか。
本当、どうしようもないな…。
と、ここで鳴上さんが手を打って全員の注目を集めた。
「よし、皆聞いてくれ。吾郎のペルソナ能力も把握した。俺のペルソナチェンジと合わせれば、間違い無く得難い戦力だ。無茶をさせるつもりはないが、吾郎にも特別捜査隊に入ってもらいたいと俺は考えてる。異論はないか」
「もち!よろしくな吾郎、頼りにしてんぜ!」
「さんせーい!いやー、年下の子が入ったからにはこっちも頑張っていいとこ見せないとね!」
「うん、一緒に頑張ろう!ようこそ特別捜査隊へ!」
「え、まだ仲間じゃなかったクマか!?そっかー、クマてっきりとっくになってたと思ってたクマ」
年齢差なんざ関係ないとばかりに、あっさり受け入れられてしまった。
昨日からずっと思っていたことだが。ここは、彼らは本当に暖かい。
白鐘家や、いつかの家族達を思い出す……ッ…!
「どうした?」
「…いえ、何でも。今日からよろしくお願いします!」
ここに
今はただ、仲間へ加えて貰えた事を喜んで、前へ進もう。
―――ふと、不思議と響く声が聞こえた。
我は汝…汝は我…
汝、新たなる絆を見出したり…
絆は即ち、まことを知り運命へ抗う一歩なり。
我、愚者のペルソナの生誕に祝福の風を得たり
自由へと至る、更なる力とならん…
そうか、『コープ』か。アルカナは『愚者』、か。
ワイルドが半覚醒状態でも出来る関係なんだな。てっきり旅路とやらが始まってからなのかと…。
あれ…でもこれ取引じゃなくね?それに個人との取引じゃなくて特定のグループへの加入でコープ発生なんてあるのか…?
今度ベルベットルームで聞いてみるか。
しかし、改めて考えてみればだが。
参ったことに俺が本当にコピー以外でペルソナを入手できないのであれば、それはペルソナ合体ができない事を意味する。
だって俺のペルソナはコピーして姿が変わってるだけで全部アルコーンなわけだし…。
つまりコープで取引を進め、絆を深める事で入るはずの経験値や能力の底上げは起こせない。なんなら絆MAXで解放されるペルソナも作れない。ついでに言えばアイテム化や特訓も無理と。
アレ、これ結局俺のワイルド能力宝の持ち腐れでは…?ベルベットルームの機能も殆ど使えないし、ベルベットルームの住人と話せる事くらいしかメリットなくないか。いやそれは大分アドバンテージか…。
ふと、鳴上さんと目が合った。同じワイルド能力者故か鳴上さんにも今の声が聞こえていたらしく、こちらに向かって微笑んでいる。
俺が特別捜査隊へ加入した事を本気で歓迎してくれている様だ。
ワイルド同士の挨拶はこれでいいだろう。俺も鳴上さんに向けて笑みを浮かべ―――
「コンゴトモヨロシク」
「オレサマ、オマエマルカジリ」
「イヤそれどんな挨拶だよ!?」
この時点で番長がこの挨拶を知っているのはまあ、ご都合主義という事で…。イゴールが言ったことにしときましょう(!?)
戦闘シーンはギャグ入れるの難しいですね…。
『ペルソナ・コピー』:アルコーン固有スキル。消費SP4。仲間の誰かが現在装備中のペルソナの能力を完全コピーできる。コピーしたペルソナの名前は、○○(ペルソナの名前)・偽神となる。賊神みたいな感じ。
とまあ書きましたが、ぶっちゃければペルソナチェンジの完全下位互換だと思います。1ターンに1回しかチェンジできない所か、チェンジしたらそのターンは行動終了。作中でも書きましたがスキルなのでSP消費在り。
装備中のペルソナという制限があるので、主人公の手持ちペルソナの誰にでもなれるわけではなく、今戦闘に出しているペルソナ限定。
リアルタイムバトルじゃないとこんなに使いこなせません。対戦バトルならコピー中にスキを突かれてやられますね。
完全に『仲間依存』な力。だからもうちょい自分を強く持ってもろて。
ちなみにアルコーンの本体の所持スキルはコピー以外にコウハとエイハ、レベルアップしていくと万能属性も覚えます。でもステータスは全体的に貧弱なのでお察し。ペルソナ界のヒマナッツ。
だからこの世界を遊んでるプレイヤーは、直斗が仲間になったときにやっぱり姉弟なんだってなるわけですね。そしてその後明かされる義姉弟設定。
序盤はすぐにSP切れするから温存か、雑魚散らし要員。何ならコピーせずに万能属性覚えさせて経験値狩り要員として採用される子なわけです。
後半になったら?ええまあ、今後をお待ちくださいという事で……。