パルワールドちゅきちゅき日記   作:埴輪庭

14 / 14
この更新分は続編「ヘルダイバー2ちゅきちゅき日記」の第一話と同一になります。



次の夢

 ◆

 

 男が『リベレイター』を構えてトリガーを引いた。

 

『リベレイター』は初期装備のアサルトライフルだが、汎用性が非常に高い。

 

 ハイ・ランクのヘルダイバーもこれを愛用するものがおり、困ったら取り合えず『リベレイター』を持っていけばよいまである。

 

 そして吐き出される弾、弾、弾。

 

 ばらばらに引き裂かれるオートマトンの雑兵。

 

 オートマトンとは恐るべき殺戮機械人形で、人類に対して非常に敵対的だ。

 

 男はオートマトンの影響下にあるとある星系のとある惑星に降り立って、とある任務を実行中だった。

 

 一人きりの任務ではない。

 

 3人の仲間と共に任務に挑んでいる。

 

 ◆

 

 庇護すべき一般人が数名駆け出し、逃げ出していく。

 

 それを見届けた男は「よし」と呟いてゲート解放のボタンを押した。

 

 すると横の鉄扉が開いて、そこからまた数名の一般人があらわれ、先程と同じ様に逃げ出していく。

 

 彼らは科学者の一団ということで、ナントカという理由でこの惑星に滞在していたが、ナントカとかいう理由で逃げ出さねばならなくなった。

 

 男たち4人のヘルダイバーはこの撤退を支援しなければならない。

 

『科学チーム救出』……それが任務だ。

 

 ちなみに男は科学者たちが何を研究してるのか、なぜ逃げ出さねばならないのか、そういった理由を全くしらない。

 

 説明はされたが何一つ読んでいなかった。

 

 男が分かる事は引き金を引く事、敵を殺す事、民主主義を護ること。

 

 ただそれだけだ。

 

 ──俺は戦う機械だ

 

 男はそんな事を思うが、ふと脳裏に不思議な記憶が蘇る。

 

 それは緑色の愛くるしい姿……

 

 だがすぐにその記憶はきえ、男の頭に闘争の戦気が充満した。

 

 敵の一団が輸送されてきたのだ。

 

「来たか、機械人形共! これが民主主義の味だ!」

 

 男は端末を取り出し、スーパーデストロイヤーに軌道精密砲撃の戦略支援を要請する。

 

 数秒後、遥か高空の機動戦艦から砲撃が放たれ、オートマトンの一団は木っ端みじんとなった。

 

 ◆

 

 15分後、科学者たちは無事に全員逃げ出し、男は任務が成功したことに安堵した。

 

 となりには最近ヘルダイバーとなったであろう新米の戦士(レベル1)が立っており、周囲を警戒している。

 

 男もまた新米なのだが、隣の者よりは多少経験を積んでいた(レベル6)

 

 残りの2人の仲間は既に帰還要請を出すべく、通信端末塔へ向かって移動中だ。

 

「よし俺たちも行こう」

 

 男が言うと、新人ヘルダイバーが頷いて駆け出す。

 

 ・

 ・

 ・

 

 通信端末塔に辿り着いた。

 

 ここには帰還の為に必要な通信要請を行う為の端末が置いてある。

 

 なぜ敵地にそんなものが建っているのかは知らない。

 

 男は "この世界" の事をよくわからないのだ。

 

 細かい事なんて生きて(プレイして)いくうちに分かるさというカジュアルなマインドで生きている。

 

 ──『こちらペリカン1、着陸態勢に入る』

 

 通信端末がそんな言葉を返す。

 

 ややあってから、上空から輸送船が降下して、後部ハッチが開いた。

 

 そこへ乗り込む4人のヘルダイバー。

 

 この状況に至ってようやく任務が完全に終了するのだ。

 

 作戦目標を達成しただけでは任務成功とはいえない。

 

「次も生きて帰ってこれるといいが」

 

 男がそんな事を呟く。

 

 するとこんな言葉が返ってきた。

 

「大丈夫、民主主義が私たちを守ってくれるわ」

 

 先程声をかけた新米ヘルダイバーだ。

 

 男は頷き──……

 

 ──民主主義ってこんなのだっけ? 

 

 などとふと思ったとか、思わなかったとか。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(必須:50文字~500文字)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。