Tiny Dungeon ~next to generation~   作:いどさん

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TinyDungeonの二次創作小説です。

この小説は本編プロローグにも書いておりますがEndlessDungeonの後の話になります。
主人公、ほかヒロインも完全オリジナルです。
設定もかなりオリジナル含んでます。(姫たちの卒業後を勝手に考えた上での小説なのでかなりオリジナル性が高いです)
そういった作品が苦手な方はお控えください。
原作主人公、ほかヒロインらもおそらくほぼ全員後々登場します。
かってにアフターストーリー書いてみたぜ!的なものとお考えください。
できるだけさくさく更新していきたいと思います。
大体1万文字弱くらいの分量で。
正直こういった小説をあげるのは短編以外では初なのでかなり読みにくいかもしれませんがご了承ください。
誤字脱字は注意しておりますがそれでもかなりあると思います。
すいませんがそのときはご指摘のほうよろしくお願いいたします。
もしよろしければ感想もどうぞよろしくです。



プロローグ&第一章:憧れた世界とその始まりの一日

 

 

プロローグ

 

この話は、元勇者ゲンと現勇者の白鷺姫が戦い白鷺姫が勇者の称号を引き継いだ後、3階級に上がり妹の皇女やリンセ、ニコたちがトリニティに入学してきたあのころから数えて、二年後。

 

受け継がれ紡がれる、勇者白鷺姫の後輩たちの物語。

 

 

第一章:憧れた世界とその始まりの一日

 

 

「ここがトリニティ……四界において戦士や勇者を目指す者のほとんどが集まる学園。そして去年師匠が卒業した場所か」

俺は学園の門へと通ずる大通りで立ち止まりその巨大な城のような建物を見上げた。

ここは四界からトップクラスの実力を持った同年代のやつらが集まって一般教養とともに戦闘技術を学ぶための場所、トリニティだ。

今日はその入学式。

はれて今日からこの俺、仙城青葉もこの学園の生徒というわけだ。

この時をどれだけ待ち望んだことか。

去年のちょうど今頃、それ以前からこのトリニティに関心はあったけど明確にこの場所を見据えたのはまさにあの時、がむしゃらに強くなろうとしてたあの時にあの人に出会ってからだ。

そう思うと感慨深くもある。

「青葉、学園に行く前にひとつだけ覚えておくんだ。かつて俺たちが学園に通っていた頃よりはましにはなってるだろうけど、基本的にほかの種族は人族にたいしての目は厳しい。日常の中で常に差別的な目で見られるだろう。辛いだろうし厳しいだろうけど、周りの目なんてのは気にするな。わかってくれるやつはわかってくれるし、味方になってくれるやつも絶対にいる。それに世間の目なんてのは己の力で変えることもできる。だから、頑張って学園生活を送れよ。」

学園に入学が決まってすぐに師匠に言われたことを思い出す。

そうだ、学園に来れたからって浮かれるな。

この場所は俺にとってあこがれ望んだ場所なんかじゃないかもしれない。

「よし」

俺は覚悟と期待を同時に内に秘めるような思いで、立ち止まっていた脚を動かそうとした。

「あんた、こんなところで立ち止まって何してん?入学式に遅刻するで?」

「え?」

歩き出そうとした刹那に声をかけられ、俺は驚いて即刻出鼻をくじかれてしまった。

振り向くとそこには茶髪のメガネをかけた竜族の女の子が立っていて、不思議そうな顔をこちらに向けている。

「あ、いや何でもない。ちょっと感慨にふけってただけだ」

「そうかい、まあ確かにここでこうやって実際のトリニティを見るとすごいもんなぁ。写真とは比べ物にならへん」

竜族の女の子は気軽な口調で俺の話に乗ってくる。

俺の髪の色はもろに黒だし、身体的にも完全に人族よりだ。

この竜族の女の子は確実に俺を人族だとわかって話しかけてきている。

「まあとりあえず歩こや、ほんまに遅れるで」

「あ、あぁそうだな」

よくわからない関西弁のようなしゃべり方をするこの竜族の女の子はいったい何なのか。

俺の中では思考がぐるぐる回る。

ついさっきこの世界は甘くないと覚悟しなおしたばかりなのだ。

どうしてもこういう疑り深い目で他種族を見てしまう。

だが一応神族と魔族に比べれば竜族はかなり人族に友好だったはずだ。

だがかといってここまで親しげに話しに来るものなのか?

「なぁ、君は竜族だろう?」

「うん?そりゃ見たらわかるやろうに。この獣耳は偽物じゃないで?」

「いや別に竜族であるとこを疑ってるわけじゃないんだが、何故俺に話しかけた?」

不思議に思い、俺は直接聞くことにした。

「何故って、まあ道のど真ん中で突っ立ってたら気にもなるやろ」

「いやまあ、そうなんだが。こういう言い方はどうかと思うんだが俺は人族だろう?」

「せやな、まあそっちも見たらわかるわ」

「人族が他種族からどういう目で見られてるのか知ってるか?」

「あーまあ知ってるしわかっとるけど、今はその風潮だいぶ和らいできてるやろ。それこそ四界宣言で」

四界宣言。

半年ほど前、各世界の代表ないし代表格が同時に宣言した協定だ。

協定の内容は細かいところを言い出すと様々なものがあるが、一番大きいのは四界の代表をそれぞれを選出し、一つの四界の代表組織を設立することにある。

それぞれ各界が様々なことを提案し実行しようとしても、その実行には当然行う世界の代表とその組織に属したほかの世界の代表の同意を得ない限り実行できないというものである。

四界で四竦みの中、可能な限り協力を行おうという案の元に設立されたそれは全世界でかなりの衝撃を及ぼした。

当然、その各界が行うさまざまなことというのは今はそこまで細やかに厳しく設定されているわけではない。

主に戦争が起きた場合の処置などが対象だ。

一番の理由はやはり滅界戦争の再来を防ぐ、というのことなのだと思う。

そしてその組織に名を連ねたのが、魔族より魔界の黒翼ヴェル・セイン、竜魔の紅刃フォン・テルム、神族より神界の銀月ノート・ルゥム、神界第二王女アミア・ルゥム、竜族より最後の金竜ウルル・カジュタ、そして人族より、俺の尊敬する現勇者白鷺姫。

当然補佐が何人も存在しており、その中には魔族デイル・グラン、ラーロン・ハデラ、竜族オペラ・ハウス、人族白川紅、秋みや、神族サン・ミリオなどの名前がある。

それとは別枠の名誉顧問の名目で現魔族代表トリア・セイン、現神族代表ルアン・ルゥムの両名が連なっている。

まさしく各界のトップレベルの集まりというわけだ。

そういった人らが集まって我々はそれぞれを尊重し共存し合うべきだ、という宣言を行った。

これにより各界の人らは衝撃を受け受け入れるもの、反対するものと意見は数多く出たものの、世間はある程度、その協定と組織をよしとする方向に向かっている。

それより魔族と神族の犬猿の仲や人族を差別するといった風潮も徐々にだが和らいでいる。

まあ内情を知ってる方からすると、ただ姉さん達が師匠と一緒にいたいってだけで立ち上げた組織にしか見えないわけなんだが。

「それにもともと竜族と人族の関係はめちゃくちゃ仲いいとは言わんけど悪くはなかったはずやろ?」

「それもそうか」

さすがに考えすぎだったのかもしれない。

いくら忌み嫌われてる人族だとはいえ俺が思ってるほどではなかったということなのだろうか。

「さてそれじゃ中入ろや、確か入学式は直接闘技場に集合やったよな?」

「あぁ、闘技場にクラスでわかれて待ってればいいはずだ」

「あ、あんたクラスどこよ?って、そういや名前も聞いてなかったな」

「俺は仙城青葉だ、ちなみにクラスは剣」

「おぉ!クラス一緒や!あ、うちはエル・ミラドールっていうんよ、エルって呼んでくれたらええで」

「俺も青葉で構わない」

「おけ!てか思ったんやけど当然新入生やんな?」

「新入生じゃなきゃトリニティの校舎に感慨なんか受けないだろ」

「そうやんな!いやー入学式って在学生も出席するらしいしもしかして新入生じゃないっていう可能性も……って今思ったんやけどまあ違うわな」

「とりあえず闘技場へいこう。そろそろ時間がやばい」

そう俺が言った途端に予鈴のチャイムが鳴りだした。

「ほんまや、はよいかな!」

そういって俺たち二人は闘技場に向かって歩き出した。

闘技場は人で埋め尽くされ、正直どこがどのクラスなのか一切わからない状況だ。

「これどこが剣クラスなんだ?」

「人多すぎて何が何やらわからんなぁ」

ざわざわと騒ぐ生徒たちの中でとりあえず新入生の集まっている場所らしきところには着いたが、その後俺たちはどこに行ったらいいのか一切わからない状況だった。

そんなときにだ。

「おい、また新しい人族が来たぜ!」

その声は俺の近くにいた魔族の生徒から放たれた一言だった。

また?

つまりすでにここには何人かの人族がいるというわけだ。

それもこのあたりはおそらく新入生が集まってる場所だから在校生じゃなく新入生で俺以外に人族がいるということ。

珍しい、正直ここに来てる人族は俺一人だけだと思っていた。

「ん?なんだ、何か用か?」

師匠が言っていた差別的な目線。

まさしくそれを受けながら俺はあえて挑発するようにそっけなく返答してみせた。

「何で人族がこんなところにいてんだっつってんだよ!」

「ここにいたらいけない理由でもあったのか?俺はちゃんと入学試験をパスしてきたんだが。あぁそれとも俺が入るクラスはこの場所じゃなかったか?」

「はぁ!?何言ってやがる!」

今度は別の魔族も騒ぎ出した。

「ここはトリニティだぞ!わかってんのか、人族なんて言う雑魚が来るような場所じゃねぇっつってんだよ!」

「青葉、さんざんな言われようやな。すまん、さっきの言葉、撤回するわ」

「いやまあこんなもんだろとは思ってたけどな」

「何竜族とぺちゃくちゃしゃべってやがる!今すぐここから消えろ人族!」

 

---

 

「なあ、あっちの新入生の方なんだか騒がしくないか?」

カミシアちゃんが私に怪訝そうな顔をしながら言ってくる。

「確かに、騒がしいかも」

私もその方向に目を向けると何やら新入生が騒いでいるようだ。

「また人族がどうのって言ってるぞ、あれは。おい、皇女、実行委員としてあれは注意しないといけないんじゃないか?」

「あーうん、ヴェルさんもここに来るのにもう少しかかりそうだし、っていうかカミシアちゃんも実行委員でしょ」

「いやー私は何というか、ああいういさかいを止めるのは苦手というか、逆に炎上させてしまうだろう?」

「まあ言いたいことはわかるけど」

「というか、この光景を見るとまさしく私たちが入学した時のことを思い出すなー。あの時はフォンちゃんやヴェルママが止めてくれたけど、今回は皇女、お前が止める番だ!」

「それもそれでどうなのかな」

まあカミシアちゃんに任せるのも心配ではあるから結局私が行くんだけど、なんというか釈然としない感じ。

「ほら、カミシアちゃんも実行委員なんだから一緒に行くよ!」

「しょーがないなぁもう」

新入生の方に歩き出して、騒ぎを起こしてるところを除くと一人の人族の男の子と魔族の男の子数人が言い合いをしてるみたいだ。

その一人の人族の男の子を見て私は気が付いた。

「あ、そうかあの子が」

「ん?どうかしたのか皇女」

「ううん、何でもない」

「なら早く止めに入れ、余計に騒がしくなるぞ」

「あーうん、でもちょっと待ってもう少し様子を見よう」

「??」

カミシアちゃんは不思議に思ってるだろうけど、私はもう少し見てみたいのだ。

あの子がこの学園に来て、この現状を見てどう対処するのかを。

 

 ---

 

「はぁ」

俺はあほくさくなってため息をついた。

こいつらはこんなくだらないことを言って何が楽しいんだろうか。

「おいなんかいったらどうだ!人族ってのはみんなこうなのか?さっきのあいつもずっとだんまりだしよぉ!」

「さっきのあいつ?」

「あそこにいる子ちゃう?」

エルの指さした方に顔を向けると、背の小さな金髪の女の子が一人震えながら立っていた。

神族の金髪とは違う、いわゆる俺の住んでいた日本とは別の国の髪の色、人族の世界で言う外人だ。

神族は魔力を有するがゆえに白っぽい金髪になるがこの子は茶髪よりの金髪だった。

「お前もトリニティの新入生なんだよな?」

俺は魔族の相手なんかを一切無視してその女の子の近くまで歩み寄った。

「よろしく、俺は仙城青葉だ」

「え、あのえと」

女の子は恐怖でか、緊張でなのか声を震わせていてまともに返答ができていない。

「おいてめぇ!!俺たちを無視してんじゃねぇぞ!!」

突然だった。

後ろにいた魔族が無視したことにキレたのか、腰につけていた剣をぬいて俺に後ろから切りかかろうとしてきたのだ。

だがまあ俺もそんなことにいちいち驚いたりもしない。

そもそもそんな殺気ダダ漏れで後ろから攻撃したところで、今から攻撃しますよと言っているようなものだ。

一瞬。

相手の動きを完全に制したうえで。

俺は後ろの魔族が剣を抜き切る前に自分の剣を抜いて相手の魔族の喉元に突き付けていた。

突然の出来事に周りの連中が唖然としている。

一種の居合術だ。

足運びは何度も練習していたし剣を抜く速度も師匠と姉さんたち直伝で教わっている。

「おまえら程度じゃ俺には勝てねぇよ」

やっと状況を把握したのか、剣を突き付けられた魔族の男は一歩後ろに下がろうとして足をからませしりもちをついた。

「次は斬るぞ」

そういい終わってから俺は見せつけるかのように俺ができる最速の速さで剣を収めた。

「君たち、何してるの!」

そこでタイミングを見計らったように外から声がかかった。

「ここで騒ぎを起こしたら、私が入学式実行委員の権限で強制退場させます。わかった?」

おそらく、三階級の先輩だろう。

声の主をたどるとそこには黒髪の人族の女性と金髪の神族の女性が立っていた。

これはまさか。

「白鷺……皇女、先輩か」

俺は小声でそうつぶやいた。

---

 

(へぇ、さすが)

私は内心で感心していた。

あの子、仙城青葉君の実力にだ。

今ならともかく、明らかに私が一階級だった頃なんかよりは圧倒的に強いだろう。

ほんとにさすがは、って感じだね。

「ふふっ」

自然と笑みがこぼれてしまった。

「何だ、急ににやけだして」

「いやいや何でもないよ」

「それより、何かやけにあの人族の少年を気にしていたようだが」

「後で話すよ、ともかくもうすぐにヴェルさんが来て入学式始まると思うから、私たちも自分の場所に戻ろう」

「そうだな」

 

 ---

 

「新入生のみんな、入学おめでろう」

学園長の話はそんな一言から始まった。

登場するや否や、主に新入生から驚きの声が上がる。

なぜかというと、このトリニティの現学園長は、魔族王女、別名魔界の黒翼と呼ばれしヴェル・セインなのだ。

本来会うことすらほぼ無理な人物であるし、まさに四界宣言で時の人となっている。

この驚きは当然のことだろう。

「あれが魔界の黒翼。なんというか、さすがやな」

小声でエルが俺に話しかけてくる。

「あれが実質上の現魔族トップだ。トリアさんは名目上は現魔族代表だけど、ほとんど仕事を押し付けてるからな」

「そうなん?てかトリアさんて、知り合いちゃうねんからそんな気安く呼んだらだめやって」

一応は知り合いなんだが。

「これで私の話は終わりだし、入学式は終わりよ」

学園長の話がちょうど済んだようなので俺たちも私語は慎む。

「あ、そうそう忘れてたわ。これはただの連絡事項なんだけど新入生の仙城青葉、入学式が終わったらすぐに学園長室へ来なさい。それじゃ」

「以上で入学式を終了といたしますわ。学園長に呼ばれた生徒仙城以外は皆、それぞれの教室へ移動すること」

学園長が下がり、ピンクの髪をした竜族の女性が生徒に指示を出した。

「ちょ!あれデモンハントやん!滅界戦争の英雄やん!」

「バリアリーフ・クリート。ここにいるってことは、おそらく教員なんだろうな」

「さすがトリニティやなー、化け物みたいなのがごろごろいるわ」

「確かにな」

「確かにて、青葉もさっきの何よ。あんだけ速い居合も相当化け物やと思うで?」

「へぇ、見えてたのか」

「辛うじて、やけどなー。けどあんなもん避けれるきせぇへんわ。気麟でガードすんのがやっとやと思うし」

「あの速度に反応できると確信してる時点でエルも大概だと思うぞ」

「そんなことないて、正直戦闘はそんな得意ちゃうんよ。まあでも人族よりは戦闘には特化されてるのは確かやなぁ、気麟もあるし。だからさすがに魔族の子が切りかかってきたときは対応しようとしたけどそれよりも早く青葉が動いとったからなぁ」

「まあさすがに対処しないと今後的に問題が出そうだったからな」

「というかこんなのんびり話してる場合ちゃうやろ!なんか学園長に呼び出しくらっとったやん!魔界の黒翼の呼び出して、死刑宣告みたいなもんやん!今後のこと考える以前に何したんやあんた!」

「いや、単純に話がしたいだけだろ」

「そ、そんな軽いもんなんか?うちが呼び出されたりなんかしたら持てるだけの最強装備で理事長室向かうけどなぁ」

「最強装備ってお前な。というかそろそろ移動しないといけないだろ。俺は学園長室に行ってくるしエルは先に教室に行っといてくれ」

俺はエルにそういうと振り返って学園長室に向かおうとする。

すると振り返った先にはさっきの小柄な人族の少女が立っていた。

「あ、あの」

「え、あ、あぁ、さっきは大丈夫だったか?俺が来る前に何かされたりしてないよな」

「は、はい。大丈夫なのです」

「そうか」

「この子も人族やんな!うちはエル・ミラドールっていうねん!新入生同士よろしくな!」

「あ、あう、よ、よろしくお願い……します」

俺の後ろにいたエルが意気揚々と少女に話しかけてくる。

やはりこいつの人族への反応はいささかおかしいと思うんだが。

「そういえば、まだ名前を聞いていなかったな」

「わ、私はリノ・ルイヴィル・A・ヴァーモントと申しますです」

ルイヴィス・A・ヴァーモントだと?

偶然か?

それとも親族かなにかか?

「長いなぁ、リノって呼んだらええの?」

「はい……そう呼んでいただけたら」

俺は一瞬聞くべきか迷ったがそれ以前にもうおしゃべりしている時間がなさそうだ。

「っと話の途中で悪いがそろそろいかないとやばい」

闘技場にいる生徒のほとんどはもう出ており俺たちもすぐに移動しなければならない。

「話はまた後で昼飯でも食べながらしよう。俺はとりあえず学園長室に行ってくる。すまんがエル、リノのことを頼む」

「ほいほい、任された。それじゃ青葉もいってらっしゃいなー」

そこで俺は二人と別れ、少し急ぎ足で学園長室へ向かった。

トリニティに来ること自体初めてなので学園長室がどこにあるのかわからなかったが途中の案内板なんかを見ながら、とりあえず俺は学園長室にたどりつきドアにノックする。

「入ってー」

中から声が聞こえ、俺は失礼しますと声をかけながら部屋の中に入っていった。

「久しぶりね、青葉」

「御無沙汰してます、ヴェル姉さん」

中にいてるのは当然、現学園長であるヴェル・セイン。

「どう?トリニティは」

「そりゃ師匠とかそれこそヴェル姉さんとかほかの姉さんから聞いてたから知識としては知ってたけど、やっぱすごいね。校舎見たときは感動した。っとそうだ。正式な学園長就任おめでとう」

「ありがと、まあ完全に母様に仕事押し付けられてるだけなんだけどね」

「まあトリアさんだしな」

俺は苦笑しながらトリアさんの顔を思い浮かべた。

「あぁ、そうそう。あの子も正式な女子寮の管理人になったわよ」

「あの子って、ノート姉さんか」

「そ、今はまさしく新入生の受け入れでてんやわんやしてるでしょうけど、まあなんだかんだでもう管理人代理の時から数えたら三年目だから大丈夫でしょ」

「後で、挨拶に行ってくるよ。修行の際はノート姉さんにも世話になったし」

「というかね、青葉。あなたの寮なんだけど、そのノートがいる女子寮なのよ」

「ん?」

「いや、今年は例年よりも男子が多くってね。申し訳ないんだけど女子寮に入ってくれない?」

「俺に師匠の真似事をしろと?」

「あぁ、大丈夫よ。今回はちゃんと相部屋じゃなくて一人部屋だから」

「そういう問題ではない気がするんだが」

「ん、まあ正直なところどうしたってあなたは人族なわけだし今年は男子の人族ってあなただけなのよ。それなら少なくともノートのいる女子寮の方がまだましかなって。それに今年の人族の入学者はあなたともう一人いるんだけど」

「リノだな」

「あら、もう会ったの?」

「一応、少ししゃべった程度だけど」

「そう、私はまだちゃんと顔を合わせたことがないんだけど。まあその子のこともあるし、できたら青葉には女子寮に入ってほしいと思ってるわけよ。言った通りあなたのためでもあるのよ?」

「ふむ、まあ今更変更もめんどくさいだろうから、それで構わないよ。ヴェル姉さんやノート姐さんの仕事を増やすのもなんだし」

「助かるわ。そもそもあの子は本来ならここに来るような子じゃないのよね」

「ルイヴィス・A・ヴァーモント、聞いた時は正直偶然かとも思ったけどやっぱり違うんだな」

「えぇ、あの子はHDOのトップであるキンストン・ルイヴィス・A・ヴァーモントの一人娘よ」

キンストン・ルイヴィス・A・ヴァーモント。

この名前は人族の中ではかなり有名な名前だ。

滅界戦争終了後、荒れた人族の世界をここまで立て直したのはこの人の功績だと言われている。

年はそれこそトリアさんたちと同じくらいだったはずだ。

今現在、人族は数多くの国によって成り立っている。

なので以前、はるか昔は国同士で戦争を起こしたりをよく繰り返していたそうだが、ほかの世界からの影響が出始めたころから他の人種とかかわりができ、それにより人族の中に何々人という国ごとの人間という区切りではなく大きく種族としての人族という共通認識が生まれた。

そのころに生まれたのが主に他世界への外交などを務める組織。

ある程度の力のある国が人選をし、他世界との交渉、貿易など様々なつながりを管理し決める組織である。

その組織の名をHDO。

俺の国の言葉に直訳すると人間代表機構だ。

まあこの場合は人族代表機構となるんだろうけど。

ともかくとして、その組織の現代表、トップがこのキンストンだ。

だが問題はそこじゃない。

「人族の代表の娘がなんでよりによってトリニティなんかにきてる?そりゃ、ヴェル姉さんやノート姉さんとかウルルさんとかならわかる。そもそもが戦闘に特化している、ないし特化させられる能力を持っているからこそ、いても不思議はない。けど人族に関しては例外だろ?」

そう、まさしく俺が今聞いたことだ。

何故そんな子がこの学校に来ている?

「そうなのよね。けど正直私にもわからないのよ。一応、本人による希望でということらしいんだけど」

魔族に脅されて震えてるような子だぞ?

ここに来たくて来たとは思えないんだが。

「正直なところそういう事情もあるから、あなたにあの子のことを頼みたいのよ」

「……まあ、しょうがない。請け負うよ」

「悪いわね、めんどくさい事情に巻き込んじゃって」

「まあしょうがないだろ。それにこれからはリノもこの学園の一階級の中では俺を除く唯一の同族なんだ。同じ人族としてリノに事情があろうとなかろうと普通に手助けくらいはするよ」

「まあ何かと大変だろうけど、何かあったらこっちも手を回してあげるわ。そういえば入学式でも騒がれていたんでしょ?」

「まああのくらいなら俺一人でどうにかなるし、最悪の場合は頼むけど、とりあえずは頑張ってみる」

俺がそういうとコンコンと突然にドアをノックする音が聞こえた。

「失礼しますわ、学園長」

そういいながら中に入ってきたのは入学式でも見たピンク髪の竜族、デモンハントと呼ばれたバリアリーフ・クリートだった。

「あら、バリアリーフ先生どうしたの?」

「学園長、一応わたくしもかつてのように生徒ヴェルと呼ばないように注意していますのに、あなたがそのままの呼び名で私を呼ぶのは示しがつきませんわ」

ため息交じりにバリアリーフは答えた。

「えーいいじゃない、別に。おかしくはないんだし」

「そこはちゃんと示しをつけませんと。っと、あなたは生徒仙城でしたね」

「はい」

「私は1階級剣クラスの担任のバリアリーフ・クリートです。先ほど教室では紹介をしてきましたが、あなたはここにいたようなので、改めて」

「仙城青葉です。滅界戦争の英雄に会えるのは光栄です。何卒ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします」

「ええ、よろしくお願いしますわ」

「それでどうしたの?」

「あぁ、わたくしがホームルームをしている間に生徒仙城が帰ってこなかったので、まだここにいるのかと思って、連絡をしに来たのですわ」

「すいません、わざわざ手間を取らせてしまって」

「いえ、構いませんわ。それとこれは入学に際してや今後の授業などに関する書類ですわ。今日はもう寮に帰ってかまいませんから、明日に備えて体を休めておきなさい。明日からはすぐに授業が始まりますから。それと寮の場所や教室の場所もそちらの書類に記載されていますわ。しっかりと目を通しておくように」

「了解しました」

「私の話は以上ですわ」

「私からもこれ以上は特にないわ」

「それじゃ、俺行ってくるわ」

「はい、行ってらっしゃい」

失礼しました、と言いながら学園長室のドアを閉め、俺はバリアリーフ先生から受け取った書類を見て女子寮に向けて歩き出した。

 




基本的には原作で出てる部分は忠実に行きたいと思ってます。
一応名前とかもw
ちなみに主人公の仙城青葉の名前は白鷺姫が姫路城であるように仙台城(別名青葉城)からとってます。
リノはアメリカの州とか地名を並べて作ってます。
エルはまんま遺跡の名前です。(残念ながらオーストラリアの遺跡じゃありません。オーストラリアにいい感じの名前がなかったので;)

とまあこんな感じなのですが、逆にここおかしいんじゃね?ってところがあったら教えてくれれば直します
原作大好きなので原作は壊さずあくまで忠実にまさしくアフターストーリー的な感じで進めていくんでどうぞよろしくです!
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