Tiny Dungeon ~next to generation~ 作:いどさん
ここ最近はコミトレ(同人イベント)とかがあってわちゃくちゃしてたので小説を書く時間がありませんでした(汗)
遅くなってしまいすいません
さて、本編はやっと授業開始です
お待ちかねのあの人が出ます!←
俺は登校する準備を整えて、部屋を出た。
寮の外に出るとちょうど出たばかりだったのか、リンセ先輩とニコ先輩が居たので俺は声をかける。
「おはようございます、先輩」
その声に気付いたのか二人は振り返って俺の方を見た。
「あ、おはようございます!青葉さん!」
「おはようございます、青葉様」
「先輩も今から登校ですよね、ほかの先輩方は一緒じゃないんですか?」
「時間が合えば一緒に行くこともありますけど、基本はみんなそれぞれ適当に出ていますね」
「そうですねぇ、ルルちゃんなんかは食堂の手伝いをしてるので遅くなりがちですし」
なるほど、みんなやはりそれぞれの都合というものがあるようだ。
そうして俺たちは三人でトリニティに向かった。
「そういえば、ルルウ先輩ってウルルさんの妹だって言ってましたけど」
俺は歩きながら思い出したように、二人の先輩に質問した。
こういうことは正直本人に聞いたほうがいいのかもしれないが、ウルルさんの朝の表情と俺がウルルさんに聞いたときにオペラさんが一切反応しなかったことをかんがみるにそれほど重たい話題ではない、もしくはすでに解決した問題だとわかる。
「ルルウは少し特殊なんですが、前竜王様の隠し子だそうで最初はウルル姫もオペラさんもその存在を知らなかったようです」
ニコ先輩が俺の質問に答えてくれる。
「しかもそれがわかったのが私たちがこの世界に来た頃、つまり約二年前なので竜界でもまだそのことはほとんど知られてないみたいで、このトリニティに来て初めてそのことを知った竜族の子たちがルルウを追いかけたりしてるんですよ」
それに続いてリンセ先輩が補足するように言う。
というかこの前話していたのはそれか。
そのあと、二人はかつてあったさまざまなことを簡単にではあるが話してくれた。
皇女先輩が選んだ未来の事やニコ先輩のこと、リンセ先輩とニコ先輩の種族のこと、それに最初ルルウ先輩は師匠のことを狙ってたとかそういうことなどだ。
そんなこんなを話しているうちに俺たちは学園に近づいていった。
そうして学園に近づくにつれ、周りには同じように登校してきている生徒が多く見えるようになった時だ。
俺はふと違和感に気付いた。
「ん?」
周りを見ると、なぜか何人かの生徒が俺の方を見てひそひそと話している。
一人や二人ならともかく、周りにいる数名が同じように俺を見てくる。
これはどういう状況だ?
「なんか、やけに見られてますね」
「そうですねー、なんででしょう」
俺とリンセ先輩は首をかしげながら考える。
そんな時、気付いたかのようにニコ先輩は口を開いた。
「……おそらく、昨日の青葉様の決闘が話題になっているんじゃないかと」
あぁ、と俺たち二人は納得した。
まあ新入生がいきなりあれだけ騒げば噂になるのは仕方がないか。
「昨日の青葉さんはすごかったですからね!噂になって当然です!」
俺とは考えが違うようでリンセ先輩は普通に俺が注目の的になっていると思っているようだ。
まあ多少はそういう目で見ている奴もいるのかもしれないが、俺はやはり人族なのでそういう楽観視はできない。
いやしないようにしている。
「まあ気にしてても仕方ないし、行きますか」
俺の言葉に二人は同意して、俺たちはトリニティの校舎の中に向かった。
当然階級が違うので教室は別の場所にあり、俺たちは途中で別れ俺は剣クラスの教室へ向かう。
昨日一度は訪れているから場所はわかっている。
だがまあ周りがどういう反応を見せるかはまだまだ分からない。
俺は教室のドアの前に立ち一呼吸おいて教室へ入った。
入った瞬間、注がれる視線、視線、視線。
ただ、それは少し異質な視線だった。
何というかこう珍しいものを見るような。
少なくとも昨日感じた、見下したような目線ではない。
昨日立ち寄ったのは置いておいて、俺がこの教室にちゃんとした形で入るのはこれが初めてだ。
だが、まあ入学式なんかでも騒ぎにはなってたし俺がこのクラスにいるということはすでにこのクラスのやつらはわかっているようだ。
だからこいつもこのクラスなのかよ、といったような視線もあまり感じなかった。
ということは、消去法で行くとさっきの噂がもう教室にも広まってるということになるんだが。
そんな視線の中、周りを見たがリノとエルはまだ来ていないようだった。
朝食の時に見かけなかったし、まだ寮にいたのなら待っていてもよかったかもしれないなと俺は思いつつも、俺は適当な席に歩いていく。
すると、鞄を持って近づいてくる人の影が見えた。
「おはよう、青葉」
声をかけてきたのは昨日帰り際に話したボッチ神族のトレスだ。
「あぁ、おはようトレス」
「ねえ青葉、さっき小耳にはさんだんだけど昨日いきなりやらかしたそうだね」
トレスは俺の隣に座りこんで話をしてくる。
「やらかしたってなんだよ」
「バレッドと決闘したんだろう?」
「あぁやっぱりそれが噂になってるのか」
「うん、結構な噂になってるみたいだね。そりゃ入学早々、魔王の血族と決闘なんてやろうと思う人はそうそういないからじゃない?それも人族で」
「しょうがないだろ、喧嘩を売られたんだから。まあこちらとしては願ったりではあったんだけどな」
俺はため息交じりに返事を返す。
「それで結果はどうだったの?」
トレスは何気なく聞いてくるが、俺はちょっと驚いていた。
「なんだ、聞いてるんじゃないのか?」
「いや、僕が聞いたのは新入生の人族の男と同じく新入生の魔王の血族が決闘するって話だけだよ。その噂だけが飛び交ってて結果は全然聞かないんだよね」
なるほど、あの食堂での騒ぎが一番噂として流れてるってことか。
まあ決闘を見に来てたのは20人弱いたとはいえ身内を抜けば数人だったし、そうなるか。
「いやまあ勝ったぞ」
俺の一言に、トレス以外の周りにいたやつらも反応した。
トレスはへえ、さすが青葉、なんて言っているがほかのやつはどうにもそのことが信じられないようだ。
「おい、人族!お前何適当なこと言ってやがる!」
後ろにいた魔族の男が俺に向かってそう言ってくる。
「バレッドさんは魔王の血族だぞ!人族程度が敵うはずねぇだろうが!」
続けてほかの魔族も言葉を重ねる。
「どうせすぐにばれる嘘なんてつきやがって」
その裏で神族が俺に聞えよがしに言う。
そんな中、俺はどういい返してやろうかと考えているとバン、と教室のドアが開く音が聞こえた。
教室の中の全員が教室の入り口に目を向けると、そこには噂の中心人物のもう一人、バレッドが立っていた。
「?なんだこの空気は」
バレッドはこの緊張したような空気の中、不思議そうに首をかしげながら俺の方に向かって歩いてくる。
「おはよう、青葉」
そうして俺に挨拶した。
周りのやつらにとってはその何気ない挨拶が異様な光景にでも見えているようだ。
「おう、おはようバレッド」
俺もなんともなしに気軽にあいさつを返す。
「なあ、青葉。一つ聞きたいのだが、この空気は何だ?なぜか私、いや私たちが注目されてないか?」
バレッドは小声で俺に聞いてくる。
それに対して、俺は普通に周りに聞こえるような音量で返事をした。
「昨日の決闘が噂になってるようだぞ」
それを聞いたバレッドはあぁ、と納得したように頷いた。
そして俺の一言を皮切りにさんざんな雑談や質問が開始する。
「バ、バレッドさん!この人族、バレッドさんに勝ったとか言ってるんですけどそんなわけないですよね!」
「人族の嘘が一瞬ではがれるな」
「というかそもそもあのバレッドとか言うやつほんとに強いのか?」
いろんな奴がいろんな話を繰り広げる中、俺はそれを聞くバレッドを見守っていた。
バレッドは表情を一切変えずそいつらの言葉を聞いている。
隣りにいるトレスも俺と同じく様子をうかがっているようだ。
そして、少しの間騒いでいた連中にしびれを切らしたのかバレッドが口を開いた。
「黙れっ!!」
バレッドの一言で教室内は静まり返る。
そうしてバレッドは言葉を続けた。
「貴様らが言っているように私と青葉は決闘を行った。そして負けたのは私だ。決闘を行った私自身が負けを認めた。誰が何と言おうと、昨日の決闘の勝者は青葉だ。文句があるやつは私に言って来い。私自身の力で納得させてやる」
バレッドの放たれた言葉によって教室内の連中は引き下がった。
誰も彼女の強い言葉に反論できなかったのだ。
何より、納得がいかいないものは自ら相手をするとバレッドは言った。
そこに挑戦するほど酔狂なやつは現時点のこの教室にはいなかったようだ。
「やるね、彼女」
トレスは隣で感心したようにつぶやく。
ふん、鼻息を鳴らしたバレッドは言いたいことを言い終えたようで、俺の真後ろの席に座った。
丁度その時、教室からエルとリノが入ってきて、
「え、なになんでこんな静かなん?」
「??」
と、二人はつぶやきながらバレッドとは別の意味で不思議そうな顔をしている。
教室内は俺に向けられた蔑みなど感情とバレッドの言葉を信じられないといったような戸惑いが満ち溢れた異様な空気で満ち溢れていた。
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「おはようございますわ、みなさん」
バリアリーフ先生が教室へやってきて俺たちが授業を受けるトリニティでの最初の一日が始まった。
先生はホームルームで今日一日の予定や授業の流れなどを説明していく。
そもそも俺も昨日もらった書類にほとんどの事が書いてあったのでそれをなぞって軽く確認している感じだ。
「続いて今日の午後に関してですが、本日の午後の授業は戦闘訓練の授業です。この授業は3階級と合同で行うことになっておりますわ。ですので、初めは3階級の戦闘訓練の見学をすることになります」
先生の発言に小さくざわめきが起こった。
やはり先輩の実力というのは気になるものだろう。
それは当然、自分たちがトリニティを進んでいけば得られる力と同義なのだから。
「ですが、私は3階級の戦闘訓練の担当でもありますので、あなたたち1階級の生徒には別の教師が付くことになります。彼も戦闘に関してはかなりの実力ですからそこは安心していいですわ」
俺たちの戦闘訓練の担当はバリアリーフ先生じゃないのか。
周りを見るとその事実に何人かは不服を持っているようだが、別で俺たちに付く先生の実力は今まさしくバリアリーフ先生が保証したばかりだ。
誰も表だって文句を言うやつはいないらしい。
まああのバリアリーフ先生に口答えする勇気がそもそもあるかどうかがまず疑問だが。
「ですので皆さん、午後の授業はしっかりと3階級の実力を目に焼き付けることですわ。そのあとで、1階級は1階級で訓練が始まると思いますが、それぞれの実力を出し切って精進してほしいと思います。特に今年の生徒はなかなか優秀なものがそろっているようですし」
そういってバリアリーフ先生は何人かの生徒に目を向けた。
特に俺とバレッドに長く目線が向けられる。
これは昨日のことを軽く注意されてるな。
俺は苦笑いを浮かべながら目線をそらしたのだった。
「それとほどなくしたらトリニティに入学して最初の大きな課題、迷宮試験がありますわ」
先生が新しい話題を振ると何人かが反応する。
やはり知っている奴は知っているのだろう。
俺も当然師匠たちに話は聞いているから概要だけは知っている。
「1階級最初の試験ですから難易度はそこまで難しいものではありませんわ。ですが、それでもそれなりの難易度ではあるので皆さん覚悟して試験に臨むように。それと詳細に関しては時期が近づき次第追々説明していきますわ」
バリアリーフ先生の言葉を教室にいる全員が静かに聞き、それぞれの覚悟を浮かべる。
脅しというわけではないが、新入生を引き締めるには十分な言葉だったようだ。
「それではさっそく授業を始めますわよ」
そういって、午前の授業が始まったのだった。
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「失礼しまーす」
そういって学園長室に入ってきたのは竜族王女のウルルとそのメイドたるオペラだった。
「いらっしゃい、ウルルにオペラさん」
ヴェルは二人を笑顔で出迎える。
そう、二人はまさしくヴェルの仕事の手伝いに来ていた。
「二人が来てくれて助かるわ。フォンはまだ時間がかかるみたいだし」
「ウルルもそう聞いてます。それで、えーと今日は迷宮試験に関して、ですよね」
二人が頼まれた仕事とはまさしく迷宮試験に関して。
まだ一応日にちがあるとはいえ、トラップの設置位置やモンスターのレベル、それにそもそも迷宮に不備がないかなど確認しなければならないことは山ほどあるのだ。
のんびりやっていては間違いなく間に合わない。
「そう、今日は二人に迷宮に入ってもらって破損してる場所がないかと、トラップの設置場所を決めてきてもらいたいのよ」
「確認しながら迷宮を回ってきたらよろしいのでしょうか」
「ええ、そうね。今回はトラップに関しては全部オペラさんに任せることにしてるからそっちはよろしくね」
「はい、話は伺っております。このオペラ・ハウス、全力でトラップを設置しますね」
前々から話していたことだけれど、オペラさんはトラップが自分の得意分野であることから結構ノリノリでこの話を承諾してくれていた。
「在校生の試験は新入生の後だし、最初は入ったばかりの新入生用だからあんまり力は入れないようにね」
ヴェルはやんわりとオペラの自重を促す。
こうでも言っておかないと本気を出しかねないのだ。
「とりあえず今から行って来てくれる?職員に言って話を通して迷宮を開けてもらっておくし、見てきてくれないかしら」
「わかりました。行こう、オペラ」
「はい、ウルル様」
「頼むわね」
そういって二人は学園長室を出ていった。
「さて、これで迷宮試験のことはとりあえずいいとして」
ヴェルは独り言をつぶやきながらウルルたちが来る前までやっていた仕事に再び手を付ける。
「今日は午前中までに今日中の仕事を片付けないとね」
そういいながらいそいそと仕事を再開し始めるのだった。
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「終わったー!」
そういいながら両腕を伸ばし伸びをしているのは俺の前の席に座るエルだった。
今丁度午前の授業がすべて終わったのだ。
「さて、お昼ご飯いこ!」
「そうだな、腹減ったし」
俺は同意しながら筆記用具なんかを片付ける。
「僕もご一緒して構わないかい?」
隣りで話を聞いていたトレスが俺たちの話に入ってくる。
エルとリノは誰?という顔でトレスのことを見ていた。
朝は紹介している時間はなかったし、なんだかんだで他の休憩時間もこいつのことを話タイミングがなかった。
俺の隣に座ってるのは誰だろうと不思議には思っていたようだが、二人も聞くタイミングを逃していたようだ。
「あぁ、こいつはトレス・サーテンス。昨日帰りに知り合ったんだが、ただのボッチ神族だ」
俺は二人にトレスのことを紹介する。
「ボッチ神族はひどいんじゃないかな」
トレスは苦笑しながら言う。
俺も冗談で言っているので間違ってないだろと笑いながら返す。
「紹介を受けたとおり、僕はトレス・サーテンス、神族だ。よろしくね」
二人に向けて改めてトレスが自己紹介をする。
「よろしゅうなー、うちはエル・ミラドールっていうねん」
「あ、あのリノ・ルイヴィス・A・ヴァーモントです」
二人も答えるように自己紹介をする。
ふと思い至って、後ろに座っているバレッドにも声をかけようとすると彼女はすでにほかの生徒から声をかけられているようだった。
邪魔をしては悪いなと思い、それじゃ行くかと3人に言いながら俺たちは席を立った。
当然食堂に向かうためだ。
食堂は賑わっていたが、席の数はそれなりにあり俺たちは一つのテーブルに着く。
それぞれの好きなものを頼み、雑談しながら飯を食べた。
話題は当然、午後の戦闘訓練の授業についてだ。
「午後からは運動やからなー、しっかり食べとかな!」
「なんだエル、戦闘は苦手とか言ってなかったか」
「まあ戦闘自体はあんま得意ちゃうねんけどな、まあそれでもうちの力がどれだけ通用するんかはやっぱ気になるやん」
「なるほどな。というか俺は二人の実力が一番気になるんだけど」
そういって俺はリノとトレスを見た。
「僕はそれほど大したことないよ?」
「わ、私も、大したことないです」
二人は謙遜してなのか俺の言葉を適当に流す。
「その銀髪含有率で何言ってやがる」
そんなトレスに俺はつっこみを入れる。
「リノも一応はこの学園に来ているんだからそれなりには戦えるんだろう?」
「私なんかは、あの、まだまだなので」
まあ、それも授業が始まればわかるか、と思い俺はこれ以上聞くことをやめた。
「せやせや!リノちゃんに青葉、今度時間があるときえええから儀式兵器見せてぇな!」
エルがなぜか突然興奮するように言い出した。
「?いやまあそれは構わんが」
「は、はい。私もこの前約束しました、し」
「いやーほんまうれしいわ!一回じっくり見てみたかったんよ、儀式兵器!」
「エルちゃんはそんなに儀式兵器が気になるのかい?」
「いやー、人族の最高傑作やで、儀式兵器は!その生成方法から、クオリティまで、最高の出来や!どうやったらこんなん作れんねんと思うほどやで」
「他種族から見ればそういうものなのか?」
俺はエルの反応に戸惑いながらトレスを見る。
「いや、まあ確かに興味深いとは思うけど、ここまで興味が引かれるわけではないかな」
トレスも若干戸惑いながら俺の言葉に応える。
「まあ別に俺たちにとっては珍しくもないし今度見せてやるぞ」
「約束やからな!」
テンションの高いままエルが言う。
と、その時丁度校内にチャイムが鳴り響いた。
「昼休みも、もう終わりだね。教室に戻ろうか」
「そうだな、午後の授業の指示があるだろうし」
そういって俺たちは教室に戻っていった。
そこからは、すでに黒板に指示が書かれており俺たちは指示通りに更衣室に向かって戦闘服に着替えた後、闘技場に向かった。
そこではすでに3階級の先輩たちが軽く訓練を開始している。
すると俺たちに向かって大きな声が放たれた。
「1階級はこちらに並べ!お前たちにはまず3階級の訓練の見学をしてもらうからな」
え、と俺はその声に驚きを覚えた。
聞き覚えがあったのだ。
というか、何度も聞いたことのある声だ。
声の先を見ると、やはりというべきか、なんというか。
そこに立っていたのは俺のよく知っている人物だった。
声で予想はできていたものの、想定外の出来事で頭が追いついてこない。
俺は驚きを隠せないでいた。
「ラーロン兄さん、だとっ!!?」
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「お前たちの戦闘訓練の教師を担当することになった、ラーロン・ハデラだ。私のことは、教師ラーロンと呼ぶがいい」
俺たちは並んで、前に立っているバリアリーフ先生が言っていた戦闘訓練担当の先生の話を聞いている。
それなりの実力者だとは言っていたが、まさかラーロン兄さんだとは。
名前を聞いた生徒の中には少ないが何人かは驚いているようだ。
知名度的に言えばラーロン兄さんはそりゃヴェル姉さんとかに比べたら低い方ではあるのだが、そもそも四界宣言に名を連ねている一人であることは確かだ。
そういう方面で知っている人がいてもおかしくはない。
知っている人は知っているというやつだ。
「さて、それでは3階級の生徒がこれから本格的に訓練を開始する。よく見ておけ、これが二年後、お前たちがこのトリニティを進んでいけば手にできるであろう力だ」
そういってラーロン兄さんも俺たちと同じように3階級の訓練を見始める。
俺たちもそれと同時に3階級の訓練を見始めた。
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「お、1階級の生徒たちが来たみたいだぞ」
カミシアちゃんが1階級の子たちがいる方を見ながら私に言ってくる。
「毎年恒例だからね。私たちもあそこで姫兄たちを見たんだし」
「そうだな、今度は私たちが見せる番だぞ?」
「そうだね、張り切らないと」
「そうです!青葉さんにかっこいいところを見てもらわないといけませんから!」
リンセもいつも以上に気合が入っているみたいだ。
「ニコも、頑張ります」
ニコもそれに触発されるように意気込んでいる。
「それでは、私の御相手をお願いできますか?」
「よろしくお願いします!ルルちゃん」
どうやらリンセとルルちゃんが模擬戦をするみたいだ。
「生徒リンセに生徒ルルウ、1階級の前だからといって、あまりやりすぎて周りを巻き込んではいけませんよ!」
バリアリーフ先生が軽く注意してくる。
まあしょうがないよね、この二人の戦闘だし。
はーいと二人は軽い返事を返し、模擬戦をするために離れていく。
さて、私はどうしようかと考えているとどうやらニコはカミシアちゃんと模擬戦をするみたいだ。
「ニコ、今日は本気で来てもいいぞ?」
「え、いやそれはさすがに」
「ふふん、心配するなニコ。今日はとっておきがあるのだ」
「はぁ、そうですか。わかりました、それでは全力でいかせていただきます」
本格的に相手がいなくなってしまった私はとりあえず4人の戦闘に目を傾けることにした。
少しの間見ていると、神族の男の子に声をかけられた。
「あの、白鷺さん。もしよければ自分の相手をしていただけないでしょうか」
戦闘を見ていたとはいえ、私も手が空いていたし快く引き受ける。
今の3階級の中で人族を邪険に扱うような人は姫兄の影響もあってほとんどいないので、こうして私にもいろんな人が模擬戦を申し込んでくれる。
「それじゃ、始めようか」
「よろしくお願いします」
こうして私たちのそれぞれの模擬戦が始まった。
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悪いことではないのだがやはり、俺の目は知り合いの戦闘に一番目を向けていた。
今もリンセ先輩とルルウ先輩の試合を見ている。
見るとどちらもパワー型のようだ。
ルルウ先輩は竜族だからわかるが、リンセ先輩の戦い方はヴェル姉さんとフォン姉さんを掛け合わせたようなスタイルだろうか。
どちらかというとフォン姉さん寄りではあるかな。
まあフォン姉さん自体が竜族と魔族のハーフであるため、模範例としてはかなりの完成度の人がすでにいるわけだから、そこに戦闘スタイルが似るのは当然なのかもしれない。
今朝まさしく第5種族とか言ってたわけだし。
パワー型同士の戦闘はいかに一撃を入れるかによって決まる。
両方ともほぼ一撃必殺の面があるからどちらが先にその一撃を入れるかで勝負が決まるのだ。
今のところは一進一退。
両方が足さばきや魔法の防御壁、気麟などで攻撃を弾き、避けている。
「すごい戦いだね」
たまたま隣にいたトリスも俺と同じところに目を向けていた。
思わず感想が漏れてしまったようだ。
「あぁ、二人ともかなり強い。両方ともパワー型みたいだが、その強さを最大限に活かす戦闘技術を持ってる」
俺もトリスの意見に返事をする。
これが3階級の実力か、と二人して驚きながら戦闘を見ていた。
「シャイニングストライク!!」
お、ルルウ先輩が勝負に出たようだ。
「勝負に出たね」
「あぁ、これで決まるかもしれん」
俺たちはより注目して二人の試合を見る。
ルルウ先輩の攻撃にリンセ先輩もそれにこたえるように剣をふるう。
「お父様のお説教!!」
ふるうのはいいがあの魔法名は何なんだろう。
と俺がしょうもないことを考えているうちに決着はつきそうだ。
両方の攻撃が衝突した瞬間、リンセ先輩の剣の動きがかすかに傾く。
これはルルウ先輩の攻撃に押されてじゃない。
自分の魔法を使って、ルルウ先輩の攻撃を受け流したんだ。
「からの空間割砕!!」
そもそもが二段構えの攻撃。
「きゃあああ!!!」
ルルウ先輩はそれを食らって、戦闘不能。
模擬戦はリンセ先輩の勝ちのようだ。
リンセ先輩は最後の攻撃、最後の最後で方向をずらしていた。
ルルウ先輩はリンセ先輩の攻撃の余波で吹き飛んだ形だ。
まあその辺はさすがに模擬戦だから当然である。
戦闘が終わるとリンセ先輩はルルウ先輩に駆け寄って手を差し出しているようだ。
「最後のあれ、お前なら対処できるかトリス」
俺は何気なくトリスに聞いてみる。
「竜族の先輩の一撃かい?無理だね、多少は威力をそげるかもしれないけど余波に吹っ飛ばされて、それを立て直すよりも早く追撃されてチェックメイトだと思うよ」
「あぁ、俺も避けれる気がしないな」
そんなことを二人で言い合いながら、俺たちは次の戦闘に目を向けることにした。
リンセ先輩たちの戦闘を見ながらも横目でちらちらと見えていた、ニコ先輩とカミシア先輩の試合だ。
こちらは何とも言い難い、よくわからない試合になっていた。
ニコ先輩は宙に舞うナイフ数本と両手に持つかなり大きめのククリナイフを武器として戦っている。
あのナイフは魔法で操っているのだろうけれど、どういう魔法なんだろう。
正直物体そのものを操る魔法はあまり見ないので珍しい。
自分の持つ武器に魔法を付与することはよくあるがあれほどの数を操るのはかなり難しいはずだ。
そのナイフをカミシア先輩に何度も放っていくが、カミシア先輩はというと。
全力で走って逃げまわっていた。
「逃げ回っているだけでは、勝てませんよ!」
ニコ先輩がカミシア先輩にそういいながら次々とナイフを放っていくが、カミシア先輩は気にも留めず逃げまくる。
「狙いがあるのか」
「まあそうじゃないと、あの先輩が言った通り逃げ回っているだけじゃどうにもならないね」
俺とトレスはそうつぶやきながらも試合を見る。
そして、その準備が整ったのか急にカミシア先輩が立ち止まった。
「よし、魔法演唱完了だ!」
そういってカミシア先輩はおもむろに腰に下げていた剣と鞘から抜いた。
「何をする気ですか!」
ニコ先輩はカミシア先輩が何かやらかそうとしているのを察して突撃する。
「あれ、あの剣って」
俺は小声でつぶやいた。
あの剣には見覚えがあるのだ。
そう、あれは師匠の。
「パパとの縁をつなぐ魔法!発動!」
するとカミシア先輩から魔力光が放たれ、その直後、突撃してきたニコ先輩がカミシア先輩を攻撃する。
振り下ろされたククリナイフにどうにもできずに終わるのかと思わせたが、しかし。
カミシア先輩は持っていた剣でその攻撃を受け止めていた。
最初から今まで、見た限りではカミシア先輩はそういう武器を持った戦闘はしないタイプだと思っていた。
足の動かし方や体のつくりで完全ではなくともある程度は相手の実力は図れるものだったりする。
だからこそ、カミシア先輩は魔法を使って相手を倒す典型的な神族のタイプだと思っていた。
逆にニコ先輩はそれなりに体を鍛えていたようだし、今朝話を聞いた限りでは竜族の特徴も受け継いでいるらしい。
なのでその体力や筋力はかなりのものだと思う。
だから正直驚いた。
そのニコ先輩の攻撃を真正面からカミシア先輩が受け止めてみせたのだから。
「どんな魔法を使ったんですか?」
ニコ先輩は不思議に思ってカミシア先輩に問いかける。
「大したことじゃない。私の持つ特殊な魔法を応用して使って、パパの力を私に憑依させているだけだ」
「主様の力、ですか」
「あぁ、そうだっぞ!」
そういってカミシア先輩はニコ先輩の剣を払って攻撃に入る。
「せいせいせいせい!」
「こ、これは!本当に主様の!」
相手に攻撃の糸口を与えない連打。
カミシア先輩がニコ先輩を追い込んでいく。
「それでもニコは負けません!」
ニコ先輩はナイフを使い何度もカミシアに攻撃を入れようとするがカミシア先輩は攻撃をしながらもそれすら避けてみせる。
俺はそれを見ながら驚いていた。
あれは完全に師匠の動きだ。
全く同じといっていい。
師匠ならあの場面でああいう動きをするだろうという動きをカミシア先輩は忠実に再現している。
これがカミシア先輩の狙いだったんだろうか。
「ここですっ!!」
そんな攻防の中で、ニコ先輩が無理やりにカミシア先輩の攻撃を弾いて中断させ、大ぶりな一撃を入れようとする。
「ふふん、その一撃を待っていたぞ!」
カミシア先輩はそれもわかっていたようにニコ先輩の攻撃に合わせて剣をふるう。
まさしく、あれは俺も習得したカウンターだ。
「なっ!?」
ニコ先輩は予想外だったようで、カウンターがきれいに決まる。
「私の勝ちだな」
首元で剣を止めたカミシア先輩がニコ先輩に対して言った。
「負けてしまいました」
ニコ先輩の言葉を聞いてカミシア先輩が剣を収める。
「なんというか、魔法でも出すのかと思ってたけどこんな剣術で終わるとは思わなかったな。なんで最初逃げ回っていたんだろう」
「いやたぶんあれ、わけありだと思うぞ」
まあでもはたから見ればそうなるな。
俺も正直そう思わないでもないが、たぶんあれはカミシア先輩自身の戦闘技術じゃない。
俺は師匠を知ってる分余計にそう思う。
あれは何かしらのカミシア先輩のからくりがあるはずだ。
魔法にしろ、何にしろ。
まあ俺でも内容をほとんど把握できない試合だったわけだし、ほかのやつには何とも不思議な試合に映っただろう。
まあこの件は後で聞けばいいとして、俺はまた新たな試合に目をやる。
今度は今まさに戦い始めようとしていた皇女先輩の試合だ。
相手は神族の男のようだ。
3階級の、それも人族の試合というだけあって今まで他の試合を見ていた1階級の生徒もこの試合に目を向けていた。
さて、師匠の妹さんの実力。
しっかりと見て参考にさせてもらおう。
はい、というわけで
ラーロンさんの登場です!!
弾けるキャンディラーロン・ハデラさんです!
自分ラーロンさん大好きなのでこれからもちょこちょこ登場すると思います←w
まあそれは置いておいて、
本来ならこの更新で皇女ちゃんの模擬戦と1階級の戦闘訓練も書いてしまう予定だったんですが、
思ったよりここに行きつくまでに文字数を使ってしまった;
こういうところ苦手なのですよね(汗)
それと、ちょこちょこ呼び方がおかしい場面があるかもしれません。
ニコに関しては名前を呼ぶ場面が本編上で少なく、姫のヒロインたちは大体何々姫やさんづけだったり、皇女は妹さまとかだったりするんですが、、、
ニコのカミシアに対する呼び名だけ本編に出てこない(汗)(ちなみにラーロンさんとデイルも名前を言われない)
リンセはカミシアちゃんカミシアちゃんと何度も言ってるのに!
エンドレスダンジョンを何度やり直してもニコがカミシアの名前を呼ばない(汗)
それと本編では皇女はカミシアのことをさん付けで呼んでいますが、トリニティですごし、さすがにさん付けでは他人行儀じゃないか?というカミシアの一言から皇女はカミシアのことをさん付けではなくちゃん付けで呼ぶようになったっていう裏設定がこの小説ではありますのでご了承ください。
というより、皇女のしゃべり方や性格上、同級生にさん付けがどうしても不自然にしか見えないのでそういう風に書かせていただきました。
リンセとかニコを呼び捨てなのにカミシアのことはさん付けってどうよって感じです。
あと、後々キャラデザをあげるかもしれませんが実はこの小説の皇女は髪が長いです。
ロングです。
誰もその変化を知ることがないため(カミシアたちは常日頃から見ているため髪を伸ばしていることを知ってる、そして青葉たちは逆に短いころの皇女を知らない)本編では語られていませんが、2年たってちょっと大人っぽくなってます。
ちなみにほかのキャラも微妙に変化してます。
まあ二年たってますから変わらない方がおかしいんです。
竜族だけは例外ですが。
とはいえそんな大きな変化ではなく、竜族以外のみんなが大人びてるくらいです。
ヴェルもちょっと背が伸びてます←ww
ただ竜族に変化はありません。←w
寿命の関係上、竜族はほとんど変化しませんからその血を受け継いでるルルウ、リンセ、ニコ、フォン、ウルル、オペラなんかは全く変化はありません。
あ、一番成長したのはアミアちゃんですかね。
どこがといいませんが、ウルルにドヤ顔できるくらいには成長してます、実は。
姫歓喜ですね←wwwwwwwwww
まあそんな感じで、時間があればその辺のキャラデザ、あと普通に挿絵なんかも描きたいと思いますんでちょこちょこ追加していきたいと思います。
ではでは今回は本編も結構長いのにあとがきもかなり書いてしまいまって、読んでくださった方には感謝いたします。
次回は皇女の3階級としての実力とエル、リノ、トレス明かされてない新入生の実力、能力のお披露目会です。
ぶっちゃけ更新がいつになるかわかりませんができるだけ早く書き上げたいと思います