呪術廻戦ーカースド・ガールズー   作:笛とホラ吹き

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7:領域展開

 変異を遂げた正繰の新たな姿……竜の時と同じ黄金の鱗を全身に纏うのは変わらないが、その姿はより人間に近くなっている。

 竜の時には無かった脚が生え、尻尾は垂れても膝までと短くなった。20mは下らなかっただろう体躯も2m程……大柄な男性と言える位のサイズまで縮んでいる。背中に新たに生えた翼を羽ばたかせ人型でも問題無く空を飛んでいた。

 

「さっきまではよくもコケにしてくれたな。たっぷりと礼を返してやるぞ」

「恩返しなんていらないんだけど?」

 

 雷撃を広範囲に拡散し、正繰は『銀世界』を相殺し影響を最低限に留める。呪胎からまた新たな姿に変わった影響か、ダメージを受けて失ったはずの呪力の大部分が回復してしまっている。第二ラウンドに向けて余力は十分といったところだろう。

 対して暁の方も、大技の連発で少なくない消耗をしているがまだまだ余裕はある。『龍涎』に冷気を流し込んで酸の効力を引き上げ、鱗の守りを斬り裂ける威力を確保。それに対して正繰も右腕をエストックのような形状に変化させ、防御を捨て攻撃に特化した新たな腕を作った。

 

 両者の得物が、ぶつかり合う。

 

「ほう……武器性能は互角、か……!」

「だったら、僕の方が上だ!」

 

 二振りの剣が火花を散らす。両者の武器性能はどうやら互角……それならば、有利不利を分けるのは洗練された立ち回り。

 二年の歳月でより技術を鍛えた暁と、呪胎の変異でよりポテンシャルを引き出してくる正繰。呪霊による強化量では正繰に軍配が上がるが、暁は馬力の差を技でカバー。刺突に刃を合わせて攻撃をいなしつつ小さく反撃を差していく。体術は費やした時間がものを言う技、互いの術式が打ち消し合いに使われている以上は暁に部がある。

 

「──ハアァッ!」

「くっそ、肝が冷える……!」

 

 技で上回り、正繰にマトモに攻撃をさせないように立ち回る暁。しかし圧倒的呪力量に裏打ちされた馬力は並大抵のものではなく、これを受け流し続けるのは至難の業と言えた。

 暁が10の攻撃で正繰のHP10000の10を削るとするなら、正繰は1の攻撃で暁のHP100の1000を削るだろう。即ち一発たりともマトモに攻撃を食らってはならない、リアルにオワタ式と呼べる状況である。こういうのはゲームだから面白いのであって、現実でやったところでただただ緊張感が増すだけだ。

 

 

 ──まったく、流石は特級だね!

 

 

 暁は心の中で悪態を吐いた。

 

「ぐうっ……!」

「ちっ、避けられたか」

 

 しかし何も、暁は特級呪霊と独りで戦っているという訳ではない。

 正繰が意識しなければならないのは、目の前の暁だけでなく海上から攻撃してくる彩花もだ。面倒だからと排除しようにも、そちらに意識を向ければ均衡が崩れたちまち凍らされてしまうだろう。そうなったらもう勝ち目は無いからこそ、正繰は妨害を甘受せざるを得なくなっていた。

 

「『火葬祈祷』──弱火」

「っぐう……!貴様ァ……!」

 

 意識を全く違う方向に向け続ければ、いつかはどこかに疎かになる部分が生まれる。暁は正繰が少しずつ散漫になってくるのを見逃さず、『銀世界』を崩さない程度に『火葬祈祷』を起動した。

 出力の弱い小さな炎だが、反転の性質を持つ蒼炎なら火力はそれでも十分。『龍涎』で腐食させた鱗は防御力がガタ落ちし、すぐに切り捨てて新しい鱗を再生せねば大打撃を食らうようになる。

 

 

 ──だが、その炎は普通の水で対策できる!

 

 

 呪胎変異前に見せた、海水を巻き上げる事による炎の鎮火。それを少しでもやりやすくするべく正繰は戦場を海面に近付けていく。彩花の攻撃が届きやすくなるリスクもあるが、そっちは大質量の放水には対応できまい……そう高を括っていた。

 正繰は知らない。自身を一撃で屠り得る手段である蒼炎の対策は海水でできる、だから海水を逸早く確保するため海面近くまで高度を下げる……それが暁達の狙いである事を。

 

「ああもう、水が邪魔過ぎる!」

「──ッ!隙を、見せたな!」

 

 せっかくの蒼炎も防がれてしまう、その苛立ちが隙となって現れるのを正繰は見逃さなかった。

 ガラ空きになった胴体に、エストックの一撃を呪力を大量に込めて叩き込む。胸を貫くどころか上半身と下半身を完全に分けられる一撃、しかしこれを暁は胸に呪力を集中させてガード。致命傷を避けた上で反動で海に叩き落とされた。

 

「海に落ちたな!ならばこれで終わり──」

「残念、間に合ってるんだな」

 

 海水を電気分解し、塩素ガスを発生させて暁と彩花を毒殺する。空中で戦っていた時は『銀世界』の相殺に使っていた雷を、その影響下から離れた事で攻撃に使えるようになった。反転術式が使えるとしても解毒は至難の業……苦戦させられたが、この呪術師達との戦いも終わりだと確信した。

 しかしまだ終わっていなかった。落下した暁は作戦通り彩花が影で回収し、海の藻屑になるのを防いでいた。海中で直接塩素ガスを叩き込む思惑は外れてしまったが、それでも海面にいるなら距離は十分に近──

 

「やーっと、ここまで降ろせた」

「ここまで来たなら、海面を土台として使える!」

「何を……」

「これで終わらせてやる──領域展開!」

 

 

 領域展開──『零下空真諦

 

 

 一面氷の領域が広がる。海面を土台とする事で組み立てた『零下空真諦』は、彩花の影ごと凍土を作り出し新たな足場を形成。塩素ガスに分解するための海水に手出しをさせなくした上で、術式の必中効果が正繰を襲う。ちなみに彩花も巻き込まれるがそちらは『簡易領域』で対応済み。

 領域内の必中効果には、強化された『銀世界』だけでなく『空霜図』で作り出した氷も含まれる。この領域に入れば最後、『銀世界』に全ての熱を奪われ氷となって散るか、『空霜図』の絨毯爆撃によってミンチにされるかのどちらかとなる。呪霊に取れる対策は同じ領域展開のみ──だが発生したてで経験の少ない正繰は、まだ領域展開ができる程のステージに至っていなかった。

 

 それ即ち、冷気を防ぐ術が無いという事。

 

「身体が凍る……!クソッ、クソォ!」

「抵抗すんな、さっさと死ね!」

 

 有り余る呪力を抵抗と防御に回し、正繰は領域からの脱出を試みる。暁の使う『閉じない領域』は構成上逃げ道ができるため、範囲外に逃れる事さえできれば冷気を振り切れる。

 しかし生命維持に呪力を使っている今、術式で反撃する事も、機動力を上げてさっさと領域から抜け出す事も叶わない。呪霊の身体そのものである呪力が削られていくのを実感しながら、正繰は少しずつその身を氷に侵されていった。

 

「ふざけるな……!私は正繰、台風を司りし真夏の恐怖の化身!こんなガキ如きにィ……!負けて祓われるような木端とは違うのだ!」

 

 完全に氷漬けになるその直前、台風を司る呪霊としてのプライドが逆転の一手を生んだ。己の殻を破り生まれ変わる、三度目の呪胎変異である。竜の要素として残っていた黄金の翼や鱗はすっかり消え、顎の下の逆鱗だけが残っていた。もはやその姿形は人間とほぼ差異が見えない。

 卵から幼体へ、幼体から蛹へ、そして蛹から今成体へと生まれ変わった正繰。竜から竜人と変わった時にカタコトだった口調が流暢になったように。暁の『霜天ノ式』に対策してみせたように。姿が変わる度に、正繰は今習得するべき技を得てきた。ならば次に使えるようになるのは当然……

 

 

 領域展開──『阿迦死勢天(あかしせいてん)

 

 

 領域展開だ。

 それも『零下空真諦』から逃れるために展開した急造の領域、練度は大したものではなく暁ならすぐに破壊できる程度のものである。だがその破壊されるまで間を耐え抜くだけで十分。一撃を放つだけの時間さえ確保できたなら──

 

「零下空真諦を……破壊した……!?」

「ははははは!これで、私の勝利が確定した!」

 

 霜天ノ式……と言うより『銀世界』には一つだけ弱い点がある。

 それは、冷気は消費される事で対象の熱を奪っているという事。あまりにも膨大な熱量に対しては奪い切れない事があるのだ。領域展開によって出力が向上しているとは言え、それは相手も同じ……先程までも雷撃と冷気で相殺されていたように、二つの領域は互いを打ち消し合い対消滅した。

 

 領域展開後の術式の焼き切れる期間中は、基本の呪力操作しかできなくなってしまう。そうなるとまた格闘戦となるが、暁は領域でさっさと戦闘を終わらせるつもりで回復を後回しにしていた。手負いの状態で満足に動けるかと言えば否。このまま馬力の差で押し潰す……そんな事は彩花がさせない。

 

「神纏──『脱兎』」

「弾幕……ッ!?だが、この程度なら効かん!」

 

 彩花は風雲線に品々物之比礼の紋様を付け、十種影法術の式神『脱兎』の力を矢に纏わせて放つ。その効果は付与した核を破壊されない限り、際限なく増殖し続けるというもの。

 これだと貫牛を付与した時のように火力が上がらないため、弾幕を分厚く張ろうと変異で『龍涎』の腐食から逃れた正繰の硬度は貫けない。だがここで大事なのは目を眩ます事であり、正繰が矢の雨に気を取られている内に彩花は暁の所まで影を伸ばし彼女を回収する事に成功した。

 

「助かった……!ありがとう」

「どうする?さっきみたいに貫牛で貫通させてから炎を通してみる?」

「流石に警戒されてる。一度取った戦法で安易に二度目をしたって防がれるよ」

「じゃあどうする……呼ぶ?」

 

 呼ぶ、と彩花が言うのは十種影法術の式神の中でも最強の切り札の事。通常式神は一度呼び出した上で1対1の戦いに勝利し、調伏した上で初めて自由に使用が可能となる。性質上必ず術者が単独で調伏に当たる必要があるが、式神の呼び出し自体はいつでも可能。

 この性質を利用して最強の式神を呼び、自分諸共敵を殲滅して貰うのが十種の切り札である。しかしそれをやるにはまだできる事を残していると、暁はその提案を却下した。霜天ノ式は焼き切れて使えなくなっているが、まだ暁には己の術式である火葬祈祷が使えるのだから。

 

「『入滅灼拓』の中にアイツを入れる……!そのためにも奴を地上まで誘導する!」

「ここで使ったら海の藻屑だもんね!んなら誘導はわたしに任せておきな!」

「頼んだよ……くっ!」

「何だ、選手交代か!?」

 

 敢えて反転術式は使わず、傷を負ったまま彩花と前衛を入れ替わる。戦えないから退がったと思われるようにそういった演技も忘れない。

 彩花は呪い断ちと返して貰った龍涎の二刀流で正繰と対峙する。狙いは二つ……再生した肉体強度を龍涎の酸で弱める事と、あわよくば暁まで回さずにこのまま祓う事。以上を念頭に置いた上で港まで退がりながら戦っていく。

 

「神纏──『円鹿』、そして『玉犬』」

「あの冷気が無ければ、貴様らなど……!この雷を食らって死ね!」

 

 神纏で呪い断ちに『円鹿』を、龍涎に『玉犬』を付与して戦う。円鹿の能力は反転術式、自分でやるよりも出力は落ちるが、代わりにフルオートでどんな異常にも対応してくれる。塩素ガスを受けるリスクが有るからこその事前準備。反転効果で呪霊に対する特効も得るが、正繰の防御には単体では今一つの火力にしかならないだろう。

 そして玉犬の能力は、とてもシンプルに呪具の性能の強化。攻撃の要である龍涎の性能を強化する事で防御を腐らせやすくするのだ。

 

「二刀で火力をカバーするか……だが!貴様如きの呪力で私を傷付けられると思うなァ!」

「うるせぇんだよ、大人しくくたばっとけ!」

 

 正繰のエストック状の右腕は、変異で更に鋭さに磨きを掛けていた。正繰自身の慣れもあってかその刺突は段々と鋭さを増し、彩花が受け切れず傷を負う場面が増えてくる。防御用に取り出した呪具もすぐに破壊されてしまうため、円鹿の反転術式頼りに立ち回りが少しずつ歪んでいっていた。

 

「『雷昂(らいこう)』」

「いっちょ前に名前なんて付けちゃって……ッ!」

 

 そうこうしている内に、状況は更に正繰の有利に傾いていく。領域展開直後で焼き切れていた術式がここで回復してしまったのだ。

 名前を付けられた雷撃は、どうにかその起こりを読んで影に潜り回避する。そのまま反撃に移ろうとするが既にそこに正繰の姿は無く、背後に回られてそのまま一撃を貰ってしまう。

 

「っぐ……!」

「『雷上動(らいじょうどう)』……そして、これで右腕は使えんぞ」

 

 エストックに右腕を貫通され、その痛みで握りが緩んだ呪い断ちを海に沈められてしまった。反転術式が使える円鹿を宿した刀を失い、回復手段が無くなった彩花は大ピンチに陥る。

 だが彩花はその痛みに耐えた。後もう少しで地上までの誘導が完了する、それが分かっているからこその忍耐力。もしも終わりが見えていななければ分からなかったが、もう一息と分かっているならその間くらいは我慢はできるのだ。

 

 

 ──でも、左腕でコイツに龍涎を当てられる気がしないんだよな……

 

 

 現状一番の問題は、左利きの暁と違って彩花は右利きであるという事。無事だったのが左腕の方なのでこちらを使わざるを得ないが、右腕と同じだけのパフォーマンスは到底期待できない。

 蒼炎をできる限り高い威力で当てたいので、もう少しでも正繰の防御を削っておきたいが。彩花は今の自分ではそれは無理だろうと考えていた。

 

「彩花!」

「暁……ッ!」

 

 地上に降りた暁が彩花の名を叫ぶ。一瞬自分を心配しての事だと思ったが、その表情と構えを見てそれは違うとすぐに気付いた。

 薬師如来印の構え──後は自分に任せて、今すぐに離れろと警告している。零下空真諦と違い海上では炎を消されるため、地上で入滅灼拓を使うという話だったのに解決策でも立てたのだろうか。

 

 

 ──信じるよ。でも……まだ、わたしの仕事は終わってないんだよね!

 

 

「神纏──『脱兎』!」

 

 脱兎の増殖の力を龍涎に纏わせ、更に自壊の縛りを掛けることで効果を増幅。弾け飛んだ刀身から大量の酸を吐き出させ、それを正繰に被せた。左腕を満足に扱えないのなら、腕を使う必要の無いやり方で攻撃を通せば良いのだ。

 酸を被った正繰は、しかしそれを気にせず彩花に『雷昂』をぶち当てる。彩花の身を守るように集まる影を貫通して重傷を与え、彩花はそのまま影と共に海中へ沈んでいった。服に円鹿を纏わせながら海底まで堕ちていく彩花は、荒れる潮の流れの中で海面が氷に閉ざされていくのを見ていた。

 

あぼば(あとは)……ばがぜば(まかせた)!」

 

 その叫びは聞こえていたのか……暁は応えるように呪力を解放する。

 

 

 領域展開──『入滅灼拓

 

 

「炎の領域だとっ……!?」

「散々手こずらせてくれたなぁ、正繰。呪霊にゃあこの炎は防げねえよ!」

「ならば、私の領域で……ッ!?」

「防げねえって言ったろ!コイツはあらゆる呪いを焼き尽くす!」

 

 展開された領域に、正繰は『阿迦死勢天』で対抗しようとするが……火葬祈祷はあらゆる呪いを焼き尽くす蒼炎、全てを呪力で構成される空間など格好の餌に過ぎない。

 領域の綱引きすら起きず、『阿迦死勢天』は結界ごと焼失した。己の領域が消えた事で必中効果がそのまま正繰を襲う、領域外に逃げようなどと考える時間すら与えなかった。

 

「彩花の影を地面と見做せば、海上に居た時から同じ事はできたけど……それだと影を焼いちゃって二人とも海に落ちちゃうからね」

 

 暁の領域展開は、結界を使わない分土台となる地面を必要とする。全てを凍らせる『零下空真諦』なら海面でも十分だったが、炎故に水で消えてしまう『入滅灼拓』はそうもいかない。影を使っての展開も巻き込み事故が起こるためできず、だからこそ地上への誘導をしていたのだが。

 誘導に苦戦する彩花を見て、ここで暁は一つの案を考えた。それが霜天ノ式で海面を凍らせて土台を確保するというもの。呪力で作った土台故に一瞬でその部分は焼けてしまうが、その一瞬で正繰を焼ければそれで十二分。龍涎による腐食も十分にできたと見て暁は彩花に離脱するよう叫んだが、離脱は離脱でも戦線離脱してしまった。

 

 そして、沈みゆく彼女を目で追いながらこの作戦を実行に移したという訳である。最後に残してくれた置き土産を無駄にはしない──その一心で。

 

「あ……ああ……」

「──『銀世界』」

 

 残った燃え滓を『銀世界』で一掃し、ここで正繰の呪力が完全に消え失せたのを確認する。特級相当呪霊『正繰』の祓除がここに完了した。

 

「ごめん、彩花……!仇は討ったからね……!」

「いや生きてる!生きてるから!」




【正繰】
変異を何度も繰り返しその度に強くなるが、火葬祈祷の蒼炎はどうにもならず遂に祓われた。ここで対処できていなければ、五条悟が来るまでに多くの犠牲を出していただろう。

【東江彩花】
しれっと海中から戻って来た。円鹿で回復し、影で潮の流れから身を守り、蝦蟇で海底に張り付いて耐え貫牛の勢いで戻って来た。ちなみに【神纏】は一度にできるのは二種類まで、同じ道具に重ね掛けは不可能、【渾】も不可能。出力は式神をそのまま使った時の九割程度になる。
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