前世でやる気のない転生者が女神補佐を目指します。 step1 めだかボックス 作:呪壊 赤城
今回からはわりと後継者の中学生さん達も積極的に会話に加わってると思います。(たぶん)
財部さんが一番大変ですよね。ちなみに補足を先に述べさせていただきますが、財部さんは()が本音で線引きしている部分です。
それでは、本編どうぞ
時計台屋上まで登ってきた鶴戯と雲仙姉弟、生徒会役員と候補者の一行は、黒神めだかが居ないのを良いことに関門を作った鶴戯をみて候補者達以外はやっぱりこの人はそういう人だよなと思っていた。一方の候補者達はこういう人なんだ・・・。という認識になったところで禊が鶴戯に問い掛けた。
『鶴戯の舞って』『鶴戯ちゃんが踊るの?』
[なわけあるか。武器の剣に迷路の迷で剣の迷だよ。ま、名前から分かると思うが、ちょっと待てよ。]
そう言って少し皆から距離を取ると、鶴戯はスキルを発動した。すると地面に幾本もの剣が刺さった状態で現れた。
[剣を造るスキル『剣刀鋳(ミスタースミス)』と物質を増殖させるスキル『豪夥絢乱(グローマター)』で造ったマジ物の剣だ。ま、試しにお前ら一本ずつ抜いてみろ。]
「あの鶴戯先輩、まさかこれで戦えとか言う訳じゃありませんよね。」
[取り合えず、抜いてみろよ。それで何するか分かる筈だぜ?]
『高貴ちゃん』『鶴戯ちゃんが1度そう言ったら』『もう教えてくれないよ』
そう言って真っ先に禊が西洋の剣を引き抜いた。見たところ抜いた剣先には特段変わった様子は見受けられない。すると、刺さっていた方の地面から黒い封筒が出てきた。一同は一瞬戸惑ったが取り合えず、禊はその中身を確認することにした。封筒の中には紙が入っており、開くとそこには赤黒い文字でこう書かれていた。
『対なる妖刀は何処かに。紅く暮れ行く空の端にて、蒼天穿つ大剣と黒鉄喰らいし餓狼の狭間。逝くべき道は血の道か。忌むべき道は地獄の門か。対なる刀の銘は[妖刀村正]』
『・・・』『えーっと』『どういう意味?』
[ようは、トランプみたいに揃えていくってことだよ。あ、俺は向こう端にいるから、取り合えず、俺のいる場所まで来たらお前らの願いを叶えてやるよ。じゃな。]
そう言うと、有無も質問もヒントも出さずに剣の海と化した場所の反対側に行ってしまった。
「え!?鶴戯先輩・・・行っちゃった。」
「(マジで意味わかんねーよあの先輩。頭可笑しいんじゃねーの?何さっさと行きやがってんだよ。)ま、まぁ仕方ないですよね。」
財部依真が恐らく他の候補者も思っているであろう本音を線引きして建前で取り合えずこの現状をどうにかしようと促し、いつもだとなかば諦めている禊が先程鶴戯が言っていた一人ずつ抜いてみろ言っていたのを思いだし、皆に提案した。
『取り合えず』『このままだと進めないだろうし』『皆も一本ずつ抜いた方が良いんじゃない?』
「しかしながら、球磨川殿。実際のところこの関門をクリアするには問題があるのではありませんか。」
「ウィ。機械的に言えばこれだけの剣を持ち進むのは困難だと思います。」
確かに、実際に持ちながら進むのは戦う気が有る無しに関わらず危険だろう。そう思っている一同に気付いたのか、はたまた言い忘れただけなのか分からないが、禊が抜いた剣はいつの間にか布に巻かれ、小刀と差ほど変わらない大きさに縮んでいた。それを見た禊と冥利はコソコソと相槌を打った。
「小さくしたからささっと来いって言ってる気がするのは俺だけか禊兄ちゃん。」
『いや』『冥利ちゃん』『僕にもそう言ってるように聞こえるよ。』
「遅くなったらご飯抜きかも。」
冥加の呟きを聞いた2人は沈黙した。何故なら、鶴戯なら本当にやりそうだったからだ。
「『・・・。』」
「協力するしかねーよな?」
『・・・』『だよね』
「れっつごー。」
そう言うと、冥利と冥加はそれぞれ適当に剣を引き抜いた。それにならい他の面々も一斉に剣を手に取り抜き始めた。
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さァて、善吉の奴は今何処に居ンだろォな。
最低で見積もっても、禊達は2~30分は掛かるだろォし、ちょっくら見てくっか。・・・つーか、開始地点にいる人影はどう見ても善吉だよな?おいおい、遅いなンてもンじゃねェだろ。・・・まァ、善吉は頑固だからな。ある意味頭は硬ェンだろうな。ンじゃ、毎度お馴染み『腑罪証明(アリバイブロック)』で顔出してくるか。
[よォ、善吉。大分詰まってンじゃねェか。]
「・・・あー、鶴戯先輩。静かにしてください。今もう少しで解けそうなんすよ。」
・・・あ、これは絶対に善吉解けないな。
あれだ。これは1度嵌まると抜けられなくなる問題だからな。
[・・・ま、1度休ンで見れば意外と見えてくると思うぜ?]
「あ、・・・鶴戯先輩話し掛けないでって言ったじゃないっすか。また分かんなくなっちまった。」
[ほら、コーヒー。1度飲ンでから見てみろって。思考を止めて新しく見なきゃ解ける物も解けなくなるぞ。]
「・・・。分かりましたよ。」
[ン。じゃあな。]
ンで、もう一度『腑罪証明』っと。今ので掛かったのは5分か。・・・って、おいおい、アイツ等もう5分の1来てンじゃねェかよ。どンだけ必死なンだよ。そこまでして景品欲しいのかよアイツ等。・・・つーか、禊と冥利が率先して纏めてねェか?大分成長してきたな。ったく羨ましい限りじゃねェかよ。俺は前世も今も大しいて変わらねェ糞野郎だってのによ。・・・あ、前世は野郎じゃなかったか。正直そンなことは大して大事でもなンでもねェンだけどよ。仕方ねェ・・・まだまだ掛かりそォだっつンなら少し寝てただろォけど、アイツ等が必死こいて解いてンだし、俺もこれからの予定を考えとくか。
なじみの奴が考えてる作戦と合わせて進めてくと良い感じになるだろォしな。
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鶴戯が生み出した剣の迷路の進んでから約1時間後。抜いた剣の片割れを見つけないと進めなくなっている場所があったりトラップ付きの剣があったりしたが、概ね冥利なり、冥加なり、禊なりが予想していたりしていたこともあり、大事に至らずになんとか半分まで進んできていた。しかし、一同の顔には僅かながら疲労の色が浮かんでいた。
「ケッ!漸く半分だな。」
何故か悔しい顔をしている冥利に賛同するように冥加も相槌をうつ。
「うん。もう1時間経ってる。」
『仕方ないよ冥加ちゃん』『力不足とはいえ』『抜いてしまった剣の対を全部合わせなきゃ』『途中から先に進めなかったんだからさ』
溜め息混じりにそう言う禊に励ますように言葉を掛けたのはもがなだった。
「寧ろ早い方なんじゃないかな私達。」
しかし、もがなのその言葉は高貴の言葉で打ち消された。
「確かに普通に考えたら早いだろうけど鶴戯さんなら遅いとか言いそうだよ。」
『確かに』『高貴ちゃんのいう通りだね』『鶴戯ちゃんならそう言うよ』
「だな。」
結局鶴戯だから、という理由で帰結した雲仙姉弟と生徒会メンバーだが、ここで不思議だと思うのはほぼ初対面の後継者達だ。それを代表するかのように与次郎次葉が雲仙姉弟と生徒会メンバーに聞いた。
「でも、聞けば聞くほどすごいですよね。戦神先輩って。」
そんな問いに改めて思い出したのか、もがなもその話に乗ってきた。
「そう言えば。すごいで思い出したけど、阿久根さんと禊ちゃんって中学から知り合いなんだよね?鶴戯先輩と。どういう人なの?」
「うーん。俺はあんまり知らないな。(というか、中学時代は絶対に関わらないように球磨川さんから忠告されてたからな・・・。)」
苦笑いでそんなことを返す高貴に比べ禊は少し考えてから話した。
『鶴戯ちゃんは』『中学時代あんまり目立ちたがらなかったからね。』『ま』『友達は少なかったよ。』『あと言うなら小さかったよ』
「あ、そう言えばそうでしたね。今あれだけ大きくなってるから忘れそうになりますけど。」
小さかった。その言葉を聞いて信じられないと言った顔の彼らに賛同したいのは、それを言った本人達も同じだったようだ。
『ま』『そんなに気になるなら最初に鶴戯ちゃんが言ってたかもしれないけど』『話ながら行こうか?』『まだ先は短いようで長いし』『僕が鶴戯ちゃんと初めて遭ったときの事をさ』
気になる!と言う目で禊の話を促す皆。その中には意外と高貴も混ざっていた。禊の言うことを冗談半分、嘘半分でもいいから、聞いてみたいのだろう。戦神鶴戯と言う人間の過去と言うものを。
そして、禊は語り始めた。鶴戯と初めて遭った箱庭病院での出来事を、そして、鶴戯と再会した中学での出来事を。
~その頃の亜沙と半袖~
亜沙「袖ちゃんのお家でお菓子パーティ楽しみなのデスよ!」
半袖「ありゃ?亜沙ちゃん、彼処に居るのって、怒江ちゃんじゃない?」
亜沙「はいデスよ。そうだ袖ちゃん。怒江ちゃんも一緒に来ないか誘ったらどうなのデス?」
半袖「それもそうだね♪おーい、怒江ちゃーん。」
怒江「へ!?あ、袖ちゃんに亜沙ちゃん。どうしたの?」
亜沙「今から、袖ちゃんのお家でお菓子パーティするデス。」
怒江「そうなんだぁ。」
半袖「怒江ちゃんも来ない?」
怒江「うーん。そうねぇ。じゃあ、行っても良いかな。」
亜沙&半袖「「勿論!」」