前世でやる気のない転生者が女神補佐を目指します。 step1 めだかボックス 作:呪壊 赤城
それはさておき。今回は球磨川先輩が鶴戯君との出会いを語ってくれます。(少しだけ)あまりに期待なさらずに見てください。
それでは本編どうぞ。
僕が鶴戯ちゃんと初めて遭ったのは箱庭病院だったんだよね。勿論、その時はそんなに仲良くもないし、正直な感想を言っちゃえばちょっと苦手だなっていうのが僕が思ったことなんだ。話し掛けてきて自己紹介したらさっさと行っちゃったんだもん。ま、今考えると鶴戯ちゃんだから、仕方ないって思うけどさ。それから9年後に箱舟中学で僕は鶴戯ちゃんと再会したんだよ。
______________________
[今言った所から転校してきた戦神鶴戯だ。取り合えず俺に関わるな。]
いや、なんで挨拶で関わるなっていうんだよ。僕はそう言われると、寧ろ仲良くしたいとかめちゃくちゃ関わりたいなぁとかって思っちゃうんだよね。・・・って戦神、鶴戯?うーん。どっかで聞いたことあるような・・・。ま、そんなことはどうでもいっか。
「・・・み、皆さん。これから卒業するまで戦神さんと仲良くしましょうね。」
そして、通路を通って一番後ろの僕の居る席の近くまで歩いてきた小さな小学生2~3年位の戦神君を見て何処であったか漸く思い出した。まぁ、本当はどうでもいいんだけど、僕ってそういうどうでもいいことに力を注ぎたくなっちゃうからなあ。
『あ』『ねぇ』『戦神君』『僕だよ球磨川禊』『覚えてる?』
[あ?ああ、なンだ。球磨川君よォ、俺の事覚えてたのかよ。]
初めて遭った時より数倍も柄の悪い戦神君を見て少しは驚いても可笑しくなかったんだけど、その時僕は何故かその彼を見て逆にしっくり来ていた。これが彼の地かって。まぁ、今思えばあの時は数倍ましだったんだけどね。
『そりゃあね』『あんな自己紹介』『そんなに簡単に忘れなれないさ』
[へー。そりゃあありがたいな。で?さっきも言ったが俺には関わんなよ?]
『んー』『どうかなあ?』『僕ってそういわれると』『逆に関わりたくなっちゃうからなあ』
[・・・好きにしろ。]
そして、そのまま放課後まで取り合えず話してみたりしたけど、会話とか続ける気は鶴戯ちゃんに無かったようで質問したら返すだけだった。ま、それでも、返してくれるだけ戦神君は律儀だろうけど。
______________________
『・・・って事が』『あったんだよ。』
自信満々に語り終えた禊だったが、今の話の時点では全く仲良くなっていない。起承転結で言っても精々『承』の部分だろう。しかし、それでも何故そこまで関わるなといったりしたのか、今の鶴戯からは想像できない訳ではないが、それでも意外に思うのは仕方ないだろう。
「で、そっから何がどうなって鶴戯先輩と仲良くなったんですか?」
『うん』『それは』『・・・取り合えずここを通ってからにしようか?』
そう言って会話を中断したみんなの視界には、巨大な植物の巨人が立ち塞がっていた。
「・・・機械的に言わせてもらいますが屋上はこれ程広いとは思えないのですが。」
「いや、まぁ、兄ちゃんだから、仕方ねーよ。どうせ、俺等が兄ちゃんと禊兄ちゃんが出合った切っ掛けでも聞いてる間にそんな余裕があるなら少しは難易度上げてやるぜって、ノリで飛ばしたんだろ。」
「え、じゃあ聞かなきゃこうはならなかったの?」
「そうだな。」
『取り合えず』『冥利ちゃんと冥加ちゃんはあの巨人の頭にある奴壊して』『高貴ちゃんと喜界島さんは僕と一緒に財部ちゃん達に来た蔓や攻撃を対処しよう。』
「オーケー!姉ちゃん行くぜ!」
「うん!」
それぞれに指示を出し禊も持ち場につくと一気に巨人が襲い掛かってきた。冥利と冥加を狙いつつも、凄まじい頻度で蔓を使って後継者のいる場所にも襲い掛かる巨人と蔓。些かここまでする鶴戯は大人気の欠片も無いように見えるが鶴戯となじみに鍛えられている3人にとってはそこまで大人気無いとは言えなかった。何故なら、鶴戯が本気で大人気なく足止めするときは本人が出るからだ。その本人が居ないということは、一応他の関門同様、難易度は頑張れば行けると言うことだろう。もっとも、鶴戯の気分が途中で変わらなければ、だが。
「・・・すごい。けど、雲仙先輩ってあんなに強かったんだ。」
冥利に1度襲われたことがあるからだろう。唖然としている喜界島に襲い掛かってくる蔓をネジで螺子伏せながらも、禊は答えた。
『違うよ喜界島さん。』『僕も』『だけど』『冥利ちゃんと冥加ちゃんも』『鶴戯ちゃんにめちゃくちゃ厳しく殺られてるから。』
まぁ、安心院さんからもだけどと心の中で付け足している禊だったが、それが聞こえる筈もなく(というか、聞かれないように心の中で言ってるだけなのだが)、殺られてるからと言う不穏な台詞を聞いた高貴が地味に確認をしてきたのを、取り合えずまた生えてきている蔓にネジを投げ、動きを止めてから答えた。
「あの、球磨川さん。やられてるって・・・殺られてるってことで間違いありませんか?」
『うん』『そう言うことだね。』『えいっと』
これで終わりかな?とは思ったものの、実際にそれを言うと絶対フラグ・・・立てたな?とか言って鶴戯が出てきそうなので、禊は言わなかった。それは、なんとか巨人を倒した冥利と冥加も同じだったのだが。
「こ、これで終わりだよね?」
もがなのその台詞を聞いた3人は、あー、言っちゃったよ。これは、もう難易度MAXになったよなぁ。という落胆を浮かべつつ、次に来るであろう、鬼畜的攻撃に身構えた。
[・・・そう思って安心したのも束の間、喜界島もがなは背後に人の気配がして振り返った。]
「え!?つ、鶴戯先輩?」
[しかし、振り返ってもそこに戦神鶴戯の姿は見えない。いったい何事かと、辺りを見回し、周囲を警戒する一同。しかし、声が聞こえるばかりで一向に戦神鶴戯は姿を見せない。球磨川禊、雲仙冥加、雲仙冥利の3名はいつでも迎撃を撃てる構えを魅せては居るのだが、依然、敵の姿は見えない。]
「チッ、兄ちゃん何処に隠れてんだよ。」
「・・・霧?」
『皆』『離れないように手繋いで』
[そう。雲仙冥加が真っ先に霧に気付き、それを見た球磨川禊は敵の意図に気付いたが、時既に遅く先程までいた筈のメンバーの姿は今は何処に居るのかすら分からない状態であった。]
そう言う鶴戯は見えていれば恐らくニヤニヤした笑みを浮かべていることだろうが、その姿は依然として見当たらない。恐らく出てこないだろうと感じながら禊は話をする。
『やれやれ』『鶴戯ちゃんにはしてやられたね。』『それで』『次の関門は?』
[次の関門なンてねェよ。関門は始まった時に言ったろ?だが、強いてヒントを言うなら・・・『迷うな。迷えば道を違える。正しき剣の道の標となるは自らの望む望みのままに。望みはそれ相応の対価を支払うべし。』って所だな。じゃあ、お前らラスパ頑張れよ。]
そう言うだけ言うと、鶴戯の声は全く聞こえなくなった。鶴戯の言い方だと、全員に言っているのだろうけれど、そのわりには他の声が聞こえない。冥利や冥加辺りなら何か聞いたりしていても可笑しくないのだが、その声が全く聞こえないとなると、皆別々の場所に飛ばされたのだろう。
『はぁ』『全く仕方ないなぁ』
溜め息を吐きながらも、禊はヒントの意味を考えた。
『自らの望む望みのままに』ということは、もしかしなくてもこのレクリエーションの始めにめだかに言っていた副賞の事だろうけど、そんなに安直な意味だったら鶴戯ちゃんはわざわざヒントを出さないよなぁ。それに、レクリエーションの始めだと冥加ちゃんと冥利ちゃんが居ないし。
と言う風に考えていると、分かれ道に行き当たった。右と左の他に真ん中があり、それぞれの道の脇にはドラクエのような標識が立ててあった。
標識にはそれぞれ次の事が書かれていた。
左には『この先にロトの剣納められたし。この道正しきロトの剣が標となる。』と書かれていた。
真ん中には『この先に眠るは妖刀村正。しかし、血塗られし刀を持つ者よ心せよ。血濡れし道は対価を伴う。』と書かれていた。
そして右には『先に進みたければ、その血で購え。』とだけ書かれていた。
いやいや、何故にロトの剣?いや、別にいいけど・・・。それにしたって、なんで右だけ剣とか関係してないの?明らかに罠だよなぁ。と思った禊は暫し迷った末に、真ん中の妖刀村正が眠ると書かれた道を通っていった。その道を抜けると、禊の周りの霧は徐々に晴れていき、元の屋上に戻ってきていた。どうやら、正解だった様だ。
だが、そのわりに肝心の鶴戯の姿は見えない。
冥利、冥加、候補者の中学生達、もがな、高貴は居るのにも関わらずだ。
『あれ』『鶴戯ちゃん居ないんだ?』
禊のその問い掛けに答えたのは神妙な顔をした冥利だった。
「すぐに戻るっつって、黒神ん所行ったみたいだぜ。」
それを聞いた禊は青い顔をしながら真面目に皆に意見を聞いた。・・・まぁ、まず原作では禊はこうは言わないだろうが。
『・・・逃げる?』
「大丈夫・・・だろ?流石に。」
流石に中学生がいるから、そこはわきまえるだろうと、僅かな希望にかけている様子の冥利と絶対ここから逃げた方が良いんじゃないかと冷や汗を流す禊。どちらも内心冷え冷えなのだが、意外にも冥加だけは普通に待っていた。というか、普通に候補者の中学生達ともがな、高貴と仲良く話をしていたりする。で、すぐにというわけではなかったが、約10分後に、サッカーゴールを片手で持った鶴戯とサッカーのユニフォームに身を包んだめだかとなじみが時計台屋上に登ってきた。
それを見た一同の顔は少しひきつっていた。
[あー、お前ら悪いな。黒神さンがすぐに来てくれるって言ってくれなくてよ。ちょっと少しだけ語ってたンだよな?]
「ふっ、そうだな。私も貴様と血肉躍る語らいをしているとついつい楽しくて時間を忘れたよ。」
[まァ、そのお陰でミミズの涙程度には互いの親交が出来たンじゃないンですか?]
ビキビキと互いに青筋を浮かべながら説得力の欠片すら見当たらないのはまだいい。それより、お互いに満身創痍とまではいかないが、それでも互いに傷があるのにも関わらず、まだはバトルをし足りなさそうな2人に、なじみを含む一同はビビっていた。まぁ、それを遮ったのは他でもないなじみだったのだけれども。
「ま、まぁ、バトルは兎も角として、めだかちゃんは関門やるんじゃなかったっけ?」
「そうだったな。・・・貴様は邪魔をするなよ。」
[あ?何が楽しくて黒神さンの邪魔をしなきゃなンないンですかァ?暇潰しにだってやらねェよ。]
「ほぅ。あくまでそういうか貴様。本当に貴様とは気が合わんよ。」
[珍しく気が合うなァおい。俺も黒神さンとは世界が逆転しようが崩壊しようが気が合わねェのに賛成するぜ。]
「そうだな。だが、貴様と意見が会うなんて全く嬉しくない。」
そういい終わると、またバトルを再開しようとし始める2人。いやいや、冗談じゃない。というのが見ている者達の正直な反応だろう。まぁ、巻き込まれれば確実に死ぬだろうし、それより先にめちゃくちゃ怖い思いするのは言わずもがなであるだろう。だからと言うか、恐る恐ると言うか、そんな感じで禊がヘラヘラもしないでめだかに言った。
『あのねめだかちゃん。』『僕らが置いてきぼりになってるし』『時間も押してるだろうし』『そろそろ始めようよ』
そう言われると、めだかも戦おうとする気を押さえて黙るしか無かったようで、皆のいる方に振り向き、関門を始めた。
「そうだな。それでは、これよりボーナスステージ『めだ関門』を開始しよう!」
凛!という音が似合いそうな凛々しさでめだかが言うと、言わなければ良いのに鶴戯は思わずツッコミをした。
[いや、『めだ関門』(笑)。]
「ほぅ。そう言うか。」
刹那、互いにダンッと地面を踏み抜き、牽制しあう。ギリギリッ!という音とミシミシッという地面の音を聞きながら互いに押し合う2人を流石に見ていられなかったのか、はたまた地面が崩れるのを止めるためか、禊、冥利、冥加、なじみの4人は鶴戯を取り合えず引っ張っると、なじみと冥加は鶴戯を押さえ込み、禊と冥利は乱神モード化しためだかを押さえた。
[お前ら、何すンだよ!]
「そうだ。些かあやつには我慢ならん!」
しかし、それでも、もう一度互いに掴み合おうとする2人をなじみと禊が止める。
「取り合えず、鶴戯は茶々をいれない!分かった?今は関門を進めてもらおう?ね?つ・る・ぎ?」
『ほ、』『ほら』「めだかちゃんは今生徒会長として後継者作りの一環としてレクリエーションやってるでしょ?ここは冷静に、落ち着こうよ。ね?」
一方は真面目に怒るからね?という意味で嗜め、一方は嘘ではない本心からの懇願。そんな言葉を互いに聞き、取り合えず一旦落ち着いた。
まぁ、今ので鶴戯を止めたなじみとめだかを止めた禊の株は凄まじいまでにはね上がったりしたが、それは兎も角、めだかは一旦深呼吸をし、乱神モードを解くと今度こそ、と、皆のいる方に振り向き、関門を始めた。
ちなみに余談ではあるが、その関門には禊、鶴戯、冥利、冥加、なじみは参加せず、5人で仲良く大富豪をして待っていたりし、関門の結果はもがなの勝利で幕を下ろしたのであった。
~大富豪の勝者~
鶴戯[ほら。上がりな。]
なじみ「・・・うぅ。なんか鶴戯が僕にばっか集中砲火してる気がするよ?」
鶴戯[あれだぞ。麻雀でも1度やられると続いたりするもンだぞ?]
禊『いや・・・』『て言うか』『麻雀やるの?』
鶴戯[まァ、やるぞ?]
冥利「ケケッ!つーか、なじみ姉ちゃん最下位じゃね?」
禊『僕は4位だね。』
冥加「ドンマイ。」
なじみ「むぅ。もう一回だ!もう一回やれば勝てるもんね。」
鶴戯[お前。負けず嫌いか。]
※1位鶴戯
2位冥利 冥加
4位禊
最下位なじみ