バカと無気力で暇つぶし   作:プラスマイナス裏表

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シオンが言いがちな『プライムには資格を示せ』みたいな砂糖緑茶の言葉、Aクラス戦あたりでウタネも言ってたらしいことが判明。思い出したとか言ってたのに……その間で忘れてたとか……無理か。
瞬瞬必生だから許して欲しい。そもそも第五次世界でヴィーナスについてほとんど触れずに終わったのでね。
ヴィーナスは映画版みたいので短編にしてみてもいいかもしれない。シオンが進化する前に……


清涼祭(?)

 次の日。

 

「ふぁぁ……ぁ……やー……やっぱり学生っておかしいよ……なんで朝から活動するんだ……?無理矢理起きてもパフォーマンスが落ちるだけでしょうに」

 

 基本的に何故、明るくなり始めた頃に起きる……?

 

「……姉さんの基準に合わせてたら人類はここまで進歩してなかったろうな」

「夕方くらいに起きて日が暮れたら寝ようってだけなのに……」

「実動4時間無いからなそれ」

「なんでこんな寝てるんだろうね?」

「しらん。3時間睡眠のショートスリーパーってのがいるし姉さんはロングスリーパーなんだろ。極端過ぎるが」

「こればっかりは生前……シオンより前だからそうなのかも」

「……オレができる前か。そんな気にしてなかったが、どんな感じだったんだ?」

「んー……さぁね?変わってないと思うよ」

「……まぁ、オレができた時点で相当なもんだったからな」

 

 シオンがいなかった頃の私かー……

 正直殆ど覚えてない。能力に食われてたのはそうなんだども……他は多分、今と変わってない……はず。

 

「……あと姉さん、その酒はもう仕舞えな。家の中でなら何でもいいが今は学園を背負う立場だ。飲酒シーン公表なんてされたら如月プロジェクト関係無く学園潰れるからな」

「あぅ……」

 

 シオンに持ってもらってるカバンの代わりに持ってる缶を潰す。ゼロまで。

 

「ほら……私って無気力じゃん?でもアルコール入るとやっと人間らしい感情の機微が見られるっていうか……」

「感情が多少出るだけで生命の根絶を目論む根本が変わらねぇんだから無理だろ」

「死んでほしい……今すぐでも……」

「まてやめろ。やっとこ試験召喚システムに着手したんだ。せめてもう一つ得られるまで待ってくれ」

「まぁ……いつでもー……」

 

 正直、この世界は私にとって害にはならない……と思う。

 私を脅かす手段が無い以上、どうしたって別に……どうでもいいし……

 

「……何だ?お前ら」

 

 角を曲がり、登り坂に入ったところで……男性2人が私達を見下ろす。

 

「何だってのはつれねぇなぁ」

「テメェらには煮え湯を飲まされたんだからなぁ!」

 

 開口一番、暴言が飛び出す。

 

「……言ってる意味がわからない。イカれてるのか?」

 

 喧嘩腰だけれども、シオンにも心当たりの無い様子。

 同じ学園の制服にモヒカンと坊主……誰?

 

「双子だったなんてな。それ、不正だろ」

 

 あ……しまった、いつもの癖で普通に並んで登校してたけどこの世界じゃまだ私だけ……

 

「……いいだろう。今日がお前らの命日だ」

「待ってシオン。今殺しちゃダメ」

 

 仮にも通学路。パッと見人がいなくてもどこかしら視線は通ってる。

 

「……『世界(ザ・ワールド)』」

 

 時間が止まる……

 この能力でのシオンの停止時間は4秒ほど。

 

「仕方ない。戻るか」

「戻る?」

 

《ダブルガシャット!》

《ガッチャーン!ダブルアーップ!》

 

「おおお……」

 

 シオンの変身で私も同じドライバーで強制変身させられる。

 このドライバーはガシャットを正式に使うやつだ。

 

《ガッシューン》

 

「おおおおお……」

 

 シオンがレベル1に落として変身解除。

 すると私とシオンは互いに引き寄せられて……1人になって変身解除された。

 

(そして4秒経過……時は動き出す)

 

 時は動き出し……他人から見れば私が1人に戻った状態。

 

「あ……?お前、もう1人どこ行った?」

「もう1人……?何の話でしょうか。私は元から1人なんですけど」

「とぼけてんじゃねぇ!テメーの双子がいただろうがよ!」

「双子……はぁ、まぁ、いたとして……出生歴でも調べて頂いて構いませんが……私、1人っ子ですね。一人暮らしです」

「んが……!チッ!埒が開かねぇ!常村!やるぞ!」

「ああ!」

 

 2人が攻撃態勢で走ってくる……

 

「シオン……録画」

(ああ)

【防げ」「反撃】

 

 私は棒立ち。

 シオンには全体が映るように録画してもらって……

 

「おるぁ!」

「ほらぁ!」

「……」

 

 私は能力で全身を……空気の層で覆う。0.5ミリほど。

 その強度は鉄を超え……内部である私の体に一切の衝撃を通さない。

 そして……

 

「うおっ!?」

「何だこいつ!?ビクともしねぇ……!」

「っ……!しかも俺の手の方が切れてやがる!」

「俺もだ!何した!?」

 

 触れたものをさっくり切るようにして、殴った方が傷を負う。

 とは言っても傷は浅く、血が滲むくらいのもの。絆創膏でも貼ってれば何ともない。

 

「何、とは?私、運動神経悪くって、お2人の動きについていけませんでした。いやぁ」

「ふざけてんじゃねぇぞ!」

「大会でも不正で勝ちやがって!どうなってもいいんだなぁ!?」

「大会……?ああ、あなたたちか、Fクラスの邪魔してたの」

「けっ……今更気付いたかよ。これだからバカは」

「どうなってもいいんだよね。私達の邪魔もするなら」

 

 どーしてどいつもこいつも自分から争いに走るんだ……

 

「今ここでテメェを潰せば後は坂本と吉井だ。決勝戦をトンで2-Fの評価は更に落ちる!そして代理で準決敗者の俺たちが優勝する!お前らの負けだ」

「そうね。机上の空論にしては出来が悪い。一応動機だけ聞いておきますよ、先輩」

「動機だぁ?」

「何か行動するならその理由があるはずだ。別に何でもいい。イラついてたから、暇つぶしで、とか」

「ケッ、言う必要はねぇな!」

 

 追加で拳を握る2人。

 救えないなぁ……殺す前に交代。

 

「……よし。録画終了」

「……っ!」

「……もう十分だ。無抵抗の下級生に殴りかかるとは本当に文明人か?常村3年生、夏川3年生」

 

 思い出した。コイツらは確か、準決勝でやった奴らだ。

 何かと敵対心持ってると思ったがここまでとはな。これもアレか?ヴィーナスってやつか?

 

「録画……だとぉ……!?」

「ああ。初めから今までずっと撮っていた。然るべき機関に渡せばお前らの……お前らの身内も人生終了だ。法治国家で良かったな。無法地帯なら命も無かったが」

「……!それを渡せ!」

「おいおい先輩、20年近く生きてきて自分のした事に責任も待てないのか?よくそんな人間が自信たっぷりにAクラスだなんて威張れるもんだ。まずジョーシキから学んだ方がいいんじゃねぇか」

 

 殴る蹴るとされ放題だが流石は姉さんの能力だ。

 画面の向こう側のように一切が届かない。フラつきさえしない。ライダーシステムで防御するとどうしても目につくからな。

 そしてこの状況も録画している。カメラは一つとは限らない。

 

「いやぁおめでとう常夏3年生。今後はお前らみたいな傲慢なバカに見下される人生を謳歌してくれ」

 

 たった数分の記録で詰む法治国家。実に素晴らしい。

 2人の脇をくぐって学校へ向かう。

 

「ふざけ……!くそ!何だコイツ!俺たち2人引きずって……何て力してやがる!?」

「くそ……!何としてでも止めるぞ夏川!」

 

 2人がそれぞれ腕を掴み止めようとするが……姉さんの能力の前には無力。

 手から血を流して懸命なことだ。この年から保身に忙しいとは世知辛い……あ。

 

「……お前ら、ウェイトレス攫ったカス共がどうなったか聞いてないのか?」

 

 そう言えばなんだが、あのゴミどもを仕向けたのがコイツらなら何故オレ達に自分から向かってくる……?

 

「あ……?何の話だ?」

「……まぁトボけるのも仕方ない。だから独り言を聞いておけ……奴らはもうお前らの前に表れない。日本中探しても見つからねーだろうな」

「「……!」」

「なに……しやがった」

「何、とは?ゴミ捨て場に置いたゴミの行き先を知りたいのか?」

「あんだぁ……?」

「オレはお前らみたいに他人の邪魔して利益を得ようとしてる奴が嫌いでね。いずれ妨害できない相手が現れた時負けるのに何故そんなことをする?オレの結論ではお前らは死ぬからだと思っているが違う理由があるなら教えてくれよ。その答え次第ではここで解放してやる」

 

 人間含む全ての生命はどれだけ問題を抱えようと死ねば終わり。

 解決できる個体が子孫を残していく以上自分が死ぬほどの問題はそもそも解決する意味が無い。残った個体が進化して解決する。

 そんな感じだと思ってる。今のオレはな。

 

「さぁ言えよ。死にたくないんだろ?」

「けっ、それが手っ取り早いし確実だからに決まってんだろ」

「ほう?」

「他を叩き落としてのし上がるなんてのは昔からあるだろうが。何が悪い」

「……なるほど?個を優先するためか。いいだろう。今回はそれで納得してやる。じゃあな。黒幕には失敗したって言うんだぞ。命は助かる」

「「……」」

 

 念の為直死で機械のサーチ、録画機器等が無いのを確認して2人を捨て置く。

 これでまだ歯向かうようなら……もういいだろ。

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