バカと無気力で暇つぶし   作:プラスマイナス裏表

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清涼祭 ⑪

『勝者!2-F、坂本雄二君、吉井明久君!』

 

「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」

「……」

「あああああっ!やっぱり痛いぃぃぃぃ!」

 

 予想だにしない作戦とアクションに観客が湧き立ち、拍手喝采の幕引きとなる。

 ……負けた。

 全身が砕けた痛みは……これも負けた分は受けておこう。痛覚あんのすげー辛いな。

 

「俺たちの勝ちだな、シオン」

「……ああ。オレの敗北だ」

 

 上手くは言えないが……生身で同じ事をしていたとしても、オレは代表に視線が届かず予知出来なかっただろう。吉井の動きを予知していたとして、オレはその喉元に木刀を当てられただろうか。

 完全な捨て身の特攻……オレ自身がした事はあっても、された事は無かったかもしれん。

 拘束して一撃必殺。確実だ。必ず殺す必殺技。姉さんの殺し方と同じだな。

 生身であればライダーシステムを使用したオレはどうあっても木刀程度では死なない。抑えていた吉井の背骨を砕いて終わり。

 

「……」

「……プライムについては安心しろ。時間はかかるだろうが、適切なものを見繕ってやる」

 

 喧しいアナウンスと歓声を無視しながら代表の疑問に答える。

 約束を口にするが……負けた事実を、オレは若干、受け入れられないでいた。

 

 ♢♢♢

 

「ふぁ〜……やー、つーかれた。ねぇカメラマン、飲み物くれない?」

「…………飲茶」

「ありがとう」

 

 あれから少し。

 賞状授与だかなんだかを一通り済ませて清涼祭のラストスパートとなった。

 代表さんとバカはどっかに行っちゃったから他のメンツで店を回す。決勝に残ったクラスだからか初日序盤より賑わっているような気がする。

 

「ホラ須川!次来てるわよ!」

「待て待て!よし!」

「…………追加」

「はいっ!私が行きますっ!」

 

 ホールでは忙しなく客を捌くクラスのみんな。

 女子だけじゃ足りないからと追加された男子も足りなく、ホールとキッチンの分担も危うい人が数人存在してる。

 

「お疲れ様じゃの、ウタネよ」

「うん……木下さんもお疲れ様。最後までワガママに付き合ってくれてありがとうね」

 

 そんな景色を私も若干だけ仕事しながら眺めていた。

 同じ高校生でも、前の世界と比べれば全然違う。

 身内でさえ殺す冷酷な世界と違って、この世界は神秘を知らずにいる分、暖かい場所にいる。

 それを冷えさせるのも気が引ける。しんどいけど付き合おう。

 

「なんの、良い経験になったわい。して、シオンはどうしたのじゃ?」

「シオンは……今、ちょっと傷心かな」

「ベルトを使って負けたのに悔しがっておるのか」

「いや……それは多分関係無いよ。シオンならあの状態からいくらでも動けた。けどしなかった。エボルドライバーのみで戦った結果負けただけ。多分……戦略を読み切れなかったのが悔しいんだと思う。シオンは少なくとも、Fクラスを見下してるから……」

「……」

 

 1対多でもシオンは負けない。

 時間や思考を操作し、死を無かった事にし、未来さえコントロールする。

 ただの根性では本来負けるはずもない。

 

「まぁ……いいよ、気にしないで。さ、代表さんたちいないから張り切ってかないと」

「お主が言うならそうじゃな。最後までやり抜くぞい」

「ほら木下!ウタネ!サボらない!」

「はいはい……島田さんは元気ね」

 

 ♢♢♢

 

 ……オレは負けた。

 戦術的に負けた事はあっても、自分自身が負けたのは……いつぶりなんだ。

 バーサーカーを相手にしても、オレは最後まで立っていた。

 我が救世主にキャスターを殺された時も、オレは最後まで動いていた。

 史上最大、神性と融合したギルガメッシュ相手にさえ、オレは生き延びた。

 ……そんなオレが、よく分からん馬鹿2人に負けた。

 生身では負けなかった、ではない。生身でなかったから負けたんだ。現実ではない状況に、奴らは適応した。それに相応しい作戦を立て、本来有り得ない勝利を得た。

 フウシャボトルだけでは不足だった……とは言えない。相手の武器をそのままコピーするなら、相手の数だけ手数を持てる。2人なら倍。

 相手の点数に依存する点から、同じ以下に点数を抑えられると効力は半減。自分以下なら、使う方がマイナスだ。

 だからオレは点数を抑えた。点数を上げても良かったが、オレが目指すのは能力の進化だ。点数で勝つだけじゃあ何も変わらない。いずれオレより高い点数の奴が出てくる。

 いかなるモノにもそれを上回る能力でもって対応出来なければならない。

 それが出来なかったら殺される。殺され続ける。

 それは絶対に回避しなければ……

 

 ♢♢♢

 

「よぅババア、こっちは店忙しいんだが、それを知って呼びつけたんじゃねぇだろうな」

「……どこまでも救えないガキさね。やれやれ……まぁ、なんだ……よくやったよ」

「ほう、意外だな。素直に認めるとは思わなかったぞ」

「で?何ですか?何かご褒美でも──」

「無いね。顔を見たかっただけさ。召喚大会の優勝者をね」

「……」

「なんですかそれ。じゃあお店戻りますよ、いいですね」

「ああ、構わないよ。今日はもう召喚獣は使用されない。存分に清涼祭に励みな」

「……懸命だ。じゃあなババア」

 

 ♢♢♢

 

「エンタータイナー!会いたかったよ!見事なエンタメデュエルだった!」

「……?」

 

 聞いたことあるような声の男の子……が私に話しかけてきた。

 エンタメ……?

 

「俺もエンタメデュエルをやってるんだ、それでアナウンスを引き受けたってわけ!いやぁ凄かった!君のモンスター!」

「えーと……失礼、お名前は?」

「おおっと失礼!俺は榊遊矢!相棒はオッドアイズペンデュラムドラゴン!」

「ペンデュラム……あ」

 

 シオンがサーヴァント複数召喚しようとしたやつだ。

 シオン……?お相手来たよー。

 

「あれ……あれ?」

「ん?どうかした?」

「あーいや、貴方にピッタリなエンタメが……おっと」

 

 ♢♢♢

 

「……お前、デュエリストか?この世界にいたとはな」

「この世界?ペンデュラム次元は変わってないと思うけど」

 

 ペンデュラム次元……?

 

「何の用だ。こっちは店が忙しい。何か頼むか?茶化しに来たなら帰ってもらおう、アナウンサー」

「ひとつ……勝負をしよう。エンタメデュエル!大会のエキシビジョンマッチだ!」

 

 急に出されて何かと思えば何だコイツ……

 召喚大会を他のなんかと勘違いしてないか……?

 

『お?何かするのか?』

『あの子決勝戦出てた子だ、まだ何か見せてくれるのか?』

 

「さぁさぁ皆さま!これからはこの僕!榊遊矢と!決勝戦で熱いデュエルを見せてくれたフタガミウタネ!これからエンタメデュエルを開始します!」

「……」

 

 ……コイツ……殺すか……?

 

(ここで殺すのは最悪でしょ)

 

 ……だよなぁ。注目も集まってる……やるしかないか。集客になる……か?金落として貰えりゃ……いや、姉さんの貯金でどうとでもなるし……それを入れる口実にすりゃいいか。

 

(デュエルってアレでしょ?我が魂を揺らす……)

 

 ……覚えてたのか、ソレだ。

 

「……いいだろう。かかってこい。貴様の(サイフ)も我が貰う。さぁ、生贄のデュエルだ」




アナウンサーで使っちゃったし後で実はーーとかが出来ないのは確定。
ならば!答えはひとつゥ!


デュエルってどう書けば良いんだ。
4000で考えよう双子葉植物。
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