バカと無気力で暇つぶし   作:プラスマイナス裏表

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強化合宿

「吉井!なんだその力ってのは!見せてみろ!」

 

 叫ぶオレにクラスの注目が集まる。

 が、知ったこっちゃない。それより優先するべき事実がそこにある。

 

「わっ!急にどうしたのフタガミさん!?」

「……その腕輪、何なんだ?説明しろ!」

「シオン、そんながっつかないの」

 

 食いついていたオレを島田が剥がす。

 そういえばムッツリーニも腕輪がどうこう言ってた気がするな。

 学園の存続に関わる腕輪……それは試験召喚システムの先にあるに違いない。

 

「う、うん、この腕輪は前の召喚大会の景品なんだ。まだ試してはないけど……」

「試してないけど何だ!?その力ってのは何だ!?」

「何々怖いんだけど美波!フタガミさんと何話してたの!?」

 

 試してないって事は大体の性質は把握してるはずだ。何がある?この学校で使うからには試験召喚システムに関する強化無いし便利アイテムだろ。

 吉井が島田に助けを求める。

 

「別に他愛無いガールズトークよ」

 

 それをバッサリ捨てる島田。

 

「そんなご無体な!お慈悲を!助けて!」

「その言葉、使う場面間違えてない……?まぁそうね、ウチもその腕輪見てみたいけど……シオン、とりあえずはやめなさい。戦争でも無いんだから」

「……なるほど確かに。試験召喚システムの装備だと言うのならそれは戦争の兵器に他ならないからな。戦争で生まれたものは戦争以外では表に生きるべきでは無い」

 

 腕輪はオレの試験召喚システムボトルと同様、試験召喚システムに存在を置くものだとすると、それを平時に使えというのは街中で銃を撃ってみろというもの。

 

「確かに歩けん老人に車を運転させるべきでは無いな」

「……何の話?」

「シオン、アナタ話トンでるわ」

 

『スーパーまで歩いて買い物に行けない』という事実は買い物へのサポートを優先させるべきと思うだろうが『自動車は時速60kmで動く1tレベルの鉄の塊』である事実をより優先するべきだという真実だよな。車という兵器足りうるものを兵器的運用する老人に使用させるべきではない。

 車で数人轢く危険性より1人の命を切り捨てるほうが恐らく感情的にも合理的だろう。つまり、試召戦争以外で腕輪を使うべきではない。

 自分の親が老衰、餓死するより近所の子どもが殺される方が損失が大きいのは当然。そしてガキより生産性の無い老人のために労働人口を割くのは現代では不毛極まりない事は明白だ。

 社会に生まれ、社会に育てられ、社会で生きてきたんだ……社会の足を引っ張るくらいなら、死んだ方がいい。

 

「……ん?何の話だったか」

「アキの腕輪のことでしょ。どうせ暫く戦争なんてしないんだから忘れなさいよ」

「……そうだな」

 

 ともかく、Fクラスは戦争の権利をしばらく失っている。

 どっからか宣戦されれば別だが、最下層にくる奴もいないだろう。

 ……どちらにせよ、オレが腕輪の力とやらを見るのは暫く先になりそうだ。

 

「お?何だお前ら、今日はずいぶん早いな」

「……代表。ちょうどいい。戦争まであとどのくらいなんだ?」

「お前……シオンか。そうだな、あと1ヶ月以上は宣戦できないから少なくともそれ以降だ」

 

 代表も代表で平然とオレを区別しやがる。

 

「規制が解除されればすぐにAクラスを狙うのか?」

「そんなに戦争をしたいか?俺たちは前回完璧に状況を整えた上で負けたんだぞ?」

「それはお前がヘマしたせいだろ。姉さんも変に出しゃばったそうで悪かったが」

 

 この反応だとしばらく様子見か?

 代表は少し悩むフリをして答えた。

 

「ふーむ、そうだな、俺のミスもあるが、フタガミがライダーシステムを使ったのに動揺したってのが大きいだろうな」

「雄二、今更になってそんな言い訳しても無駄だよ、あんな問題間違えてるようじゃ霧島さんに負けて当然だよ」

「そうね、流石にそれくらいの準備はあると思ってたわ」

「そもそもお前、大層な口叩いて小学生レベルの問題も満足にできんくせにオレに指示出す立場なのおかしくないか?」

 

 吉井と島田からも援護を貰えた。

 ライダーシステムの露出もだが何かと油断が多いな今回のオレ達。

 

「悪かったよ、しょーがくせーレベルも出来なくてよ。だが、この時代学力だけが全てじゃない。お前も分かるだろう」

「……そりゃそうだが、最低限も無いんじゃな。何も知らん奴が見えてる範囲だけでモノを語るから世界は滅びるんだ。認識する目は必要だ」

「……っ!あぁ……そうだな、その通りだ。だから覚悟してろ。次こそは勝つ。必ずな」

「……いいだろう。その時にはオレのシステムもより進化しているだろう。お前が何をするまでも無い」

 

 そもそも次の戦争なんてまだひと月先の話。

 それまでにはオレも新たなボトルを開発するくらい問題無い期間だ。

 

「おい貴様ら!何をくっちゃべっている!朝のHRを始めるぞ!」

「げっ、鉄人……」

 

 代表が心底嫌そうな顔をする。

 ……オレも気付かなかった。システムの話になると少し冷静さを欠くな。今後改善していかねば。

 

「ん?何だフタガミ、珍しいな」

「……生徒に対して珍しい、で済ませるのはどうかとも思うが……騒いですまなかった。今日からはまた真面目に出席する。雑用でも何でも使ってくれ」

「そうだな。休んだ分吉井より優先的に使ってやる。さて、学園の都合で予定が早まり、明日から始まる強化合宿のしおりを配る。前の者から順に後ろに回していけ」

 

 軽い冊子が前から配られていく。

 表紙には強化合宿のしおり、と小学生かと思う様なフォントが書かれている。

 強化合宿……丁度明日からなのか。テキトーに出席したはずなんだが、運命が決定されてる気がするな。

 

「まぁなんだ、お前たちもたまには羽を伸ばしてもいいだろう。折角の合宿だ、勉強は当然だが、そのほかでは学生らしいイベントと思い楽しむが良い」

 

 パラパラとめくる冊子の内容はスケジュールから準備物、合宿の理念などまぁそれっぽいのが書かれていた。

 

「行き渡ったな?では、まずスケジュールのページを開くように」

 

 まずは予定の確認か。

 合宿とはいえ学年全体の団体行動。大まかな方針を先に示さなければこの馬鹿どもは統率できんだろうからな。

 

「分かっているだろうが、クラスごとに集合場所も違う。くれぐれも間違えないように」

 

 クラス間の格差はこういう所にも表れるのか。

 まぁそうだろうな。それくらい出なければ対抗意識など生まれるはずもない。

 

「いいか、我々Fクラスは──現地集合だからな」

『『『案内すら無いのかよっっっっ!!!?』』』

 

 ……まさかの予想外、現地集合とな。

 上からランクダウンしていけばそうなるのだろうがあまりにもあまりにもだろう。

 集合も何も無いじゃないか?

 

 ♢♢♢

 

「やーはは、嬉しいねぇ、私なんかを誘ってもらえるなんて」

 

 ガタンゴトンと揺れる電車の中、Fクラス首脳陣の集まりに混ぜてもらうことができた。

 ……1人だったらワープでもしてく予定だったんだがな。ま、交流をと思えば多少はいいだろう。

 

「何言ってるのよ、アンタ1人ほっておいたらその辺でのたれ死んでそうだもの」

「ああ、島田がどうしてもフタガミも誘えって言うんでな」

「坂本!余計な事言わなくていいの!」

「へいへい。黙ってますよ」

 

 島田……と呼ばれたポニーテール。えーと……たしかこの子はシオンに執着してる子だ。

 

「にしても、やる事ねぇなぁ」

「電車だしねぇ」

「うん?島田、何待ってんだ?」

「ああこれ?心理テスト。子供騙しって分かってるけど、面白いわよ」

 

 ぴらぴらと薄っぺらい本を振る島田さん。

 心理テスト……?ああ……なんか昔に流行ったアレか。連想されるなんちゃらーみたいな。

 

「面白そう!美波、何か問題だしてよ!」

「まぁ、いいわよ。そうね……じゃあ、次の色でイメージする異性をあげて下さい。①緑②オレンジ③青」

 

 緑、オレンジ、青……

 オレンジはアレかなぁ、正義の味方。

 リバイブのどっちかがオレンジだった気がする。ん?どっちかが青だった気もする……

 緑かぁ……えっちゃん……は異性じゃな……んー?私はシオンでもあるからシオンから見て異性……だけどそうすると正義の味方が同性になる……ある?異性って何だ?私って男?女?肉体的には女だけど場合によっては男性の肉体で生きてた時もあったし……そもそもこの世界のこの体は私のものと言えるのか?あのクソカスゴミショタロリコンに与えられた慰み物のオモチャでしかないんじゃないのか?今この私の意識だって、あの致命変態幼児体型小児性愛の作り出したコピーでしかないかも……

 ……姉さん、何でこんなもんでショートしてんだ。今さらショタロリコンの存在なんて覚えてるやついないぞ。

 

「……シオ……ウタネ?大丈夫?次行くわよ?」

「んあ……?あ、ああ……ごめん。次どうぞ」

 

 転生してる原因に腹を立てていたら答えを聞きそびれてしまった。

 

「じゃあ次ね。1から9までの数字を思い浮かべた順番に2つあげて下さい」

「俺は56」

「ワシは27」

「僕は14」

「私は39です」

「んー、私は42」

 

 数字で数えるなら1だけど……2つは無いからね。

 42は『死に』とも言えるから、ピッタリではなかろうか。

 

「はじめの数字はいつも周りに見せているあなたの顔を表します、だって。5はクールでシニカル、2は落ち着いた常識人、1は死になさい。3は温厚で慎重……」

「おっと、僕のは罵倒じゃないかな?」

「で、ウタネの4は惨たらしく死になさい」

「わー!エスカレートしてる!僕の次の結果が既に提示されてるー!」

 

 いつも惨たらしく死ねなんて見せて……るか。この世界でもう何人か殺したし。

 

「で、次の数字は、あなたが普段見せない本当の顔。6は公平で優しい人、7は色香の強い人、4は惨たらしく死になさい。9は意志の強い人……」

「やっぱり確定してたぁ!」

「2は落ち着いた常識人、シオンのことね」

「私に常識無いとな」

「無いでしょ。シオンいないと生きてけないくせに」

「人と会わなきゃ問題無いんだけども」

「そう言えばフダカミ、シオンは来てないのか?」

「うん……?シオンの名前は名簿に無いんだからシオンは参加しないよ」

 

 シオンいたらいたで説明しろとか言うんだから。

 

「そうか。少し話したいことがあったんだが、まぁいい」

「うん?代わりに聞こうか?」

「女のお前に言っても意味が無い。ん……?」

「ムッツリーニ?」

「…………空腹で起きた」

 

 何やらの相談があるみたいだけど……シオン、どーする?

 ……話す気が無いんだろ。ほっとけ……まぁ、変わってくれ。

 りょーかい。

 

「そう言えば、そろそろお昼の時間ね」

「あ、それなら私……お弁当を」

「ああっ!そういえば儂、今日期限の物を買うてしもってな!」

「…………調理済み」

「俺も今日は自分で作ってきてしまってな。悪いんだが、明久に振る舞ってやってくれ」

「ふふん、実は今日、僕も惣菜パンを……」

 

 ♢♢♢

 

「……どこにあるんだ?そんなもの」

「雄二キサマ!信じられん速度で僕の300円を浪費したな!?絶対に許さんぞ!」

 

 目を開けると絶望に怒る吉井とその持ってきたパンを早食いしたであろう代表がいた。

 

「……何やってんだ?代表」

 

 見れば各々食品を提示している。

 ムッツリーニは何を誇らしげにカップ麺を見せびらかしてるんだ?この電車内での給湯能力をか?

 

「シオンか。いたんだな」

「姉さんはオレだからな。いつでもいるさ」

「別人と思ってたんだがな」

「別人ではあるんだがな……その辺の説明が面倒だからしばらく出る気は無かったが……話とは何だ?」

「あぁ、少し方針について話しておきたいことがあったが……他人に聞かれるのも何だから、着いたらでいい」

 

 戦争についてか。クラス首脳陣にさえ隠そうって事は余程の事なのか?

 

「あの、明久君……これ、良かったらどうぞ」

「う、うん、そうだね、いただくよ……」

「ああ、丁度昼時なのか」

「シオンは時間わからないの?」

「意識の中だと基本的にはな。んで、何だ吉井。いらんのなら断れよ」

 

 時間なんて意識してなかったな……実体があるわけではないし……

 

「うぇ!?い、いや……」

「あ……迷惑、でしたか……?」

「ちっ違うんだ姫路さん!シオンの登場に驚いてただけなんだ!ありがたくいただくよ!」

 

 何かしらの理由があるのか?

 

「だったら吉井、オレの……姉さんの弁当もやるよ。姉さん食う気ねぇから捨てるもんだから」

「え?」

「何じゃそれは。食う気の無いものを持ってきたのか?」

「ああ。折角普通の高校生なんだ。イベントならそれらしい所持品をとオレが持たせた」

 

 滅多に無い機会である事にはかわりないからな。

 たまの暇つぶしにはいいかと弁当を用意してみた。

 とは言えこの合宿、特に戦争に関連も無い学力強化合宿の様で何も無いなら姉さんに丸投げするつもりだったんだが……まぁいいだろう。

 

「……フタガミさんもお料理を……あの、良ければ、私にも……御相伴に……与らせて……頂いても……?」

「……?あぁ、同じ釜で食うのもいいだろう。姫路も弁当分けるんだからな。オレの弁当も提供する。まぁ基本的なもんだし腹の足しになればってトコだ」

 

 内容物は照り焼き、卵焼き、ポテトサラダ、にんじんしりしり、追加でブロッコリーとツナの和え物。

 ……弁当ってこんなんでいいよな?姉さんが唐揚げより照り焼きの方が好きなんでそっちにしたが、本来ならチキン南蛮になっているはずだった。タルタルソースに使う分の卵が卵焼きとポテトサラダに喰われたせいで急遽代用……ということだ。買い物面倒だからな。

 ま、食い盛りの高校生には物足りないかもしれないが。

 

「あ、じゃあ遠慮なく!僕のお昼雄二(バカ)に食べられちゃったからさ〜」

 

 吉井がオレの出した弁当箱に手を伸ばす。

 

「おい待て。ふざけてんのか」

「……はぇ?」

「何スッとぼけた顔してやがる。先に出したのは姫路だ。なのに後から出したオレの方に手を付けるのは礼儀がなって無いんじゃないのか?」

「ぬぐっ……」

「ま、そりゃそうだ。明久、俺たちは勉強を軽んじることはあっても仁義を捨てた事は無いよなぁ?」

「雄二キサマ……!」

「あぁ……!?」

「……」

 

 何故この2人は放っておくと喧嘩を始めるのだろうか。

 

「じゃあウチも出すわ。シュウマイだけど、おかずにはなるでしょ」

 

 島田が出したのはミッチリ詰められた焼売。

 何をしてそこまで焼売を詰めようと思った?

 

「そ、そうだね、あとで貰うよ。ひ、姫路さん、頂きます……」

「はいっ!召し上がれ♪」

 

 吉井が震える手で口に運ぶ。

 

「……」

 

 肉巻きに何をそんな震える事が……?栄養失調か?

 

「ぶぁっ!!!!!??」

「「「……」」」

「……?」

 

 白目をむいて力無く沈む吉井。

 何があった……?何なんだ?この世界は……

 

「姫路、オレも貰っていいか?」

「あ、はい!どうぞ」

(ま、まてまてシオン、明久の惨状が見えてないのか!?)

 

 代表が小声で止めてくる。

 この弁当に何か秘密があるのか。そういえば以前は食わずに……代表が全部食ったとか言ってたな。なるほど。

 

「別に。たかだか学生のお子ちゃま調理だろ。全世界の劇物を克服してきたオレに食えんわけが無いだろう」

「お、おいまっ……!」

「失礼。ん……」

 

 克服はしていないがまぁ自在に解毒できるなら似た様なもんだろ。

 吉井と同じ様に肉巻きを取り、さぁ、口の中へ。

 

「「「ど、どうだ……!?」」」

「……んー、まぁそうだな……硫酸やら……ん……これ……王水か」

 

 ……お子ちゃまレベルでは無くテロレベルの兵器だった。

『無かったこと』にしてなければ今頃座席まで溶けてたかもしれん。

 何でコレ食って吉井や代表は人の形をしてられるんだ。

 やはりギャグ時空なのか……?とは言えこのまま放っておけばいずれオレや周囲に届くな。落としたら終わりだ。

 

「……姫路、色々工夫もいいが入れ過ぎると味が濃すぎる。料理の基本は薄味から。まずは塩と砂糖、酒の3つのみからスタートしてみろ。火加減とかは問題無いから、味付けだけ調整してやればコイツらも喜んで食うようになる」

「ほ……ほんとですか!?」

「ああ。コイツらは何かとスポーツマン的な所があるからな……過剰な塩分や糖分を恐れて食うに食えずにいるんだ。次から試してみると良い……ま、とりあえず今日はオレが貰っとく。姫路、代わりにオレの弁当やるよ」

 

 吉井が死んだから余った弁当を引き換えに劇物を回収。

 ほんと、調理加減は完璧なんだよな……見た目も火の通りも何もかも。劇薬仕込んでる以外はマジで。逆にどうやってんだよ。この弁当箱や素材は何を持ってカタチを保ってんだ。

 

「え、あ、ありがとうございます……で、では……お、美味しいですぅぅぅ!!」

「え、えっ!?嘘!瑞稀!私にもちょうだい!ん……お、美味しい!何これ!」

「ん……ああ、別に……言った通りたまにはと思って作っただけだ。流石に合宿ともなると、何も食わないのは不自然だと思ってな……って言ったか」

 

 基本的な味付けしかしてないつもりだったが……どこぞの正義の味方の腕はこの世界でも通じるらしい。

 アイツももう別世界の存在。プライムライダーの力以外も映し出すことができる。

 

「フタガミさんは日頃からこんな味を……!きょ、強敵です……!」

「やる気無い感じ出しながら的確に差し込んでくる……!」

「ちなみにフタガミ。それ作るのどのくらいの周期なんだ?」

「あ……?あぁ、オレは食わないし姉さんも……月2くらいか。どうした?」

「……いや、明久と同等、それ以下の食生活でよく生きてられるな、と思ってな」

「お前もそうしてやろうか?食事など必要無い高次元の存在に」

 

 オレ達ともなれば食事どころか呼吸さえ地球環境に依らず可能だ。

 自身の存在さえあれば生存に外部要素は必要無い。それが永遠。

 

「いや……お前と同じになるのは遠慮しておこう」

「そうか?永遠を手にできるというのに。ま、無理には言わないが……そうだ島田、お前の焼売もひとつ貰っておこう。せっかくだ」

「あら、シオンから手を出してくれるのね?いいわよ、アキにあげるつもりだったけど全部食べちゃいなさい」

 

 箸を伸ばすと弁当箱ごとこちらに寄越す島田。

 

「……お前、オレに対してなんか庇護的な態度無いか?」

「そう?特にそんな意識してなかったけど。アンタがだらしないからじゃない?」

「……だらしないのは姉さんでオレは普通だろ」

「アンタもよ。まともに食べてもないんでしょ。ちゃんとしないとウタネにも悪影響だわ」

「……そーかよ」

 

 オレがいないと発狂するだけなんだがな……

 

「よし、じゃあ女子3人はそのまま食っててくれ」

「なんだ?何しに行く?」

「明久の蘇生だ」

「……了解」

 

 そういえば泡吹いてんの忘れてたな。

 アレどうやって蘇生する気なんだ……?

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