バカと無気力で暇つぶし   作:プラスマイナス裏表

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観測する者も、観測される物も無い世界。
それは、争える全てを殲滅した末の永遠。
観測する者も、観測される物も、変化し続けるが結果は変わらない世界。
それは、進化に中立である故の永遠。
観測する者も、観測される物も、干渉無く確立される世界。
それは、他害を、同一化を抑止する果ての永遠。

殲滅。中立。抑止。
愛、夢
それは永遠だ。


誤解戦争 その⑦

「なぁ島田」

「美波」

「あぁ……美波」

「なによ」

「Dクラスとの戦争、止まりそうだろ」

「みたいね。よかったじゃない。それだけ?」

「ならもうフリとかいいからさ、今日、家来ないか」

「……!?っ!?」

「おお、急に赤くなるなよ。別にそんな意味じゃない。少し話したいだけだ。多少ならもてなしてやる」

「けっ、けどその、あっ、あれよね?家にって……ご、ご両親とかいて、少し話すだけみたいな……」

「あぁ?親はいない。姉さんだけだ。その辺は知らんのか?姉さんが邪魔だってなら外してもらうが」

「なっちょどっ……!はやはやはやはや早すぎないかしら!?まだ付き合って一週間も経ってないわよ!?」

「……まぁ、嫌ならいいんだ。オレ達は支配しない」

「……」

「何ならいつ来てもいい。少しでも話そう」

「……」

「そんな真っ赤になっても何もしねぇよ。チャオ」

 

 ♢♢♢

 

「……で、こんなので良かったか?」

「またストレートに誘ったな」

 

 一応の経過報告を代表に済ませる。

 

「知らん」

「まぁムッツリーニから清水に届いたらしい報告を受けてる。これなら慎重な根本より先に清水が動く。上出来だ」

「そうかい」

「不満そうだな?」

「……こんな状況で、オレだけで戦うと言えばお前は却下するだろう」

「当然だ」

「……まず間違いなく勝てるとしても?」

「勝てるか?お前が」

「……合宿で何を学んだんだ?安い挑発なら殺すぞ」

「そうだな。お前がやったのは3人以下の対人戦、50を超える男子を相手に武器を爆破しただけ」

 

 しただけ……だけか。

 それをするのにどれだけの能力が必要か?オレ以外にできるか?それで戦争に負けうるか?

 

「……それが何だ?たかがDクラスを相手に何を慎重になる必要がある?」

「まぁ、悪かった。たしかにお前の能力ならまず勝てるだろう」

「だったら」

「それじゃあ……意味が無いんだ」

「……?」

「俺がAクラスに勝ちたい理由、話した事あったか?」

「……少なくともオレ達には無い。もしくは覚えていない」

「そうか。まぁ、あんまり言うような事じゃねぇんだが」

「言えよ。隠したって意味無いし、それによっちゃ指示は聞くんだ。口の硬さは保証する」

 

 オレは当然、必要で無いなら喋らないし、姉さんはそもそも銘記すらしないだろう。

 

「ああ。俺は、学力だけが全てじゃないって証明したくてこの学園に、このFクラスに入った」

「ふん……?自分のバカさ加減を誤魔化したいからか?逆張りは幸福にならないぞ?」

「ちげー……とは言えないな。昔、俺は勉強だけが力だと思っていた。遊んでる奴らより、勉強してテストの点を伸ばすことだけが全てだと。けどそのせいで、今も後悔している。勉強も当然必要だが、それだけが全てじゃないと、昔の俺みたいなこの学園に認めさせる」

「……そうか。じゃあ俺が10000点取ってやろう、と言う提案も却下だな」

 

 コイツの言い分で通すなら、優秀な数人で戦うより、バカの群れで成し遂げることが最重要。

 つまりは、オレが動けば動くほど方針から逸れる。

 観察処分やムッツリーニ、秀吉みたいな学力以外で人の上に立てる、負けない部分がある……違うな。

 コイツは学力を殴り倒したいんだ。

 簡単に推測するなら自分の学力、それに伴う信用だけで解決できない事態に追い込まれ、こいつは一度敗北した。

 学力を絶対の基準とする社会そのものを殴り倒して、過去の自分が間違っていたと自他共に明確にしたいんだ。アーチャーかよ。

 

「取れるんなら最初のAクラス戦でして欲しかったがな」

「……まぁいいじゃねぇか。今後はそうしろと言うならそうするんだ。学生の一度の失敗で人生を縛るのか?」

「なんでそう、誤魔化すときは口が難しくなるんだ」

「さぁな。とりあえず、今日は進展は見込めないだろ。帰るぜ」

「あぁ。帰り際から夜までやるとかじゃなけりゃな」

「……そんなことあんのか?」

「いや、ないだろう。多分な」

「不安になることを言うな」

「悪い悪い。じゃ、ゆっくり休めよ」

 

 代表は狙ってFクラス代表の座に座った。

 それは学力という指標を絶対では無いと証明するため。

 ……なんだよ。まだやれるじゃないか。

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