それは、争える全てを殲滅した末の永遠。
観測する者も、観測される物も、変化し続けるが結果は変わらない世界。
それは、進化に中立である故の永遠。
観測する者も、観測される物も、干渉無く確立される世界。
それは、他害を、同一化を抑止する果ての永遠。
殲滅。中立。抑止。
愛、夢
それは永遠だ。
「なぁ島田」
「美波」
「あぁ……美波」
「なによ」
「Dクラスとの戦争、止まりそうだろ」
「みたいね。よかったじゃない。それだけ?」
「ならもうフリとかいいからさ、今日、家来ないか」
「……!?っ!?」
「おお、急に赤くなるなよ。別にそんな意味じゃない。少し話したいだけだ。多少ならもてなしてやる」
「けっ、けどその、あっ、あれよね?家にって……ご、ご両親とかいて、少し話すだけみたいな……」
「あぁ?親はいない。姉さんだけだ。その辺は知らんのか?姉さんが邪魔だってなら外してもらうが」
「なっちょどっ……!はやはやはやはや早すぎないかしら!?まだ付き合って一週間も経ってないわよ!?」
「……まぁ、嫌ならいいんだ。オレ達は支配しない」
「……」
「何ならいつ来てもいい。少しでも話そう」
「……」
「そんな真っ赤になっても何もしねぇよ。チャオ」
♢♢♢
「……で、こんなので良かったか?」
「またストレートに誘ったな」
一応の経過報告を代表に済ませる。
「知らん」
「まぁムッツリーニから清水に届いたらしい報告を受けてる。これなら慎重な根本より先に清水が動く。上出来だ」
「そうかい」
「不満そうだな?」
「……こんな状況で、オレだけで戦うと言えばお前は却下するだろう」
「当然だ」
「……まず間違いなく勝てるとしても?」
「勝てるか?お前が」
「……合宿で何を学んだんだ?安い挑発なら殺すぞ」
「そうだな。お前がやったのは3人以下の対人戦、50を超える男子を相手に武器を爆破しただけ」
しただけ……だけか。
それをするのにどれだけの能力が必要か?オレ以外にできるか?それで戦争に負けうるか?
「……それが何だ?たかがDクラスを相手に何を慎重になる必要がある?」
「まぁ、悪かった。たしかにお前の能力ならまず勝てるだろう」
「だったら」
「それじゃあ……意味が無いんだ」
「……?」
「俺がAクラスに勝ちたい理由、話した事あったか?」
「……少なくともオレ達には無い。もしくは覚えていない」
「そうか。まぁ、あんまり言うような事じゃねぇんだが」
「言えよ。隠したって意味無いし、それによっちゃ指示は聞くんだ。口の硬さは保証する」
オレは当然、必要で無いなら喋らないし、姉さんはそもそも銘記すらしないだろう。
「ああ。俺は、学力だけが全てじゃないって証明したくてこの学園に、このFクラスに入った」
「ふん……?自分のバカさ加減を誤魔化したいからか?逆張りは幸福にならないぞ?」
「ちげー……とは言えないな。昔、俺は勉強だけが力だと思っていた。遊んでる奴らより、勉強してテストの点を伸ばすことだけが全てだと。けどそのせいで、今も後悔している。勉強も当然必要だが、それだけが全てじゃないと、昔の俺みたいなこの学園に認めさせる」
「……そうか。じゃあ俺が10000点取ってやろう、と言う提案も却下だな」
コイツの言い分で通すなら、優秀な数人で戦うより、バカの群れで成し遂げることが最重要。
つまりは、オレが動けば動くほど方針から逸れる。
観察処分やムッツリーニ、秀吉みたいな学力以外で人の上に立てる、負けない部分がある……違うな。
コイツは学力を殴り倒したいんだ。
簡単に推測するなら自分の学力、それに伴う信用だけで解決できない事態に追い込まれ、こいつは一度敗北した。
学力を絶対の基準とする社会そのものを殴り倒して、過去の自分が間違っていたと自他共に明確にしたいんだ。アーチャーかよ。
「取れるんなら最初のAクラス戦でして欲しかったがな」
「……まぁいいじゃねぇか。今後はそうしろと言うならそうするんだ。学生の一度の失敗で人生を縛るのか?」
「なんでそう、誤魔化すときは口が難しくなるんだ」
「さぁな。とりあえず、今日は進展は見込めないだろ。帰るぜ」
「あぁ。帰り際から夜までやるとかじゃなけりゃな」
「……そんなことあんのか?」
「いや、ないだろう。多分な」
「不安になることを言うな」
「悪い悪い。じゃ、ゆっくり休めよ」
代表は狙ってFクラス代表の座に座った。
それは学力という指標を絶対では無いと証明するため。
……なんだよ。まだやれるじゃないか。