バカと無気力で暇つぶし   作:プラスマイナス裏表

7 / 51
Bクラス ②

「…………Cクラスに動きがある」

 

 この世の不合理について呪詛を吐いていると既に日は傾いていた。

 

「ムッツリーニ、どういう事だ?」

「…………戦争の準備を始めている」

 

 代表さんの問いに答える忍者コス個人諜報部隊。

 何故にニンジャ?ニンジャなんで?

 

「俺たちかBクラス、勝った方を狙って設備を奪おうって魂胆だろうな」

「雄二、どうするの?」

「協定でも結びに行くか。どうせ俺たちが勝つとも思ってないだろう。簡単なはずだ。Dクラスを使えば更に漁夫の利をくらう訳だからな」

「代表さん、それ私もいる?」

「ああ。格上だぞ?代表が出向くんだ、盾となる肉はいくらあっても足りない。だから秀吉以外はついて来い」

「む?ワシはよいのかの?」

「もしものための万が一の作戦もある。お前の顔は見せない方がいい」

「了解じゃ。では先に帰っておるぞ。健闘を祈る」

「ああ。明日もよろしくな」

 

 何らかの思惑らしく男装じょ……女装だん……?女顔男子は鞄を持って教室を出た。

 あの子、普通に女子なのよね……女顔なんてレベルじゃない。女として設計されてる顔してる。

 

「よし、俺たちも行くぞ。サクッと終わらせてサクッと帰るぞ」

「了解……」

「はいっ」

 

 代表さん、私、もう1人の観察処分、諜報員さん、姫路瑞稀さんで行くことに。

 

「ちょっと吉井。アンタの血、ぜんぜん落ちないんだけどどうしてくれんの」

「それ、吉井が悪いのか?」

「あ、須川くん、島田さん。ちょうど良かった、今からCクラスに行くんだけど、ちょっと付き合ってくれない?」

「んー?別にいいわよ?」

「俺もいいぞ」

 

 速やかにパーティメンバーが2人増えた。

 

「Fクラス代表、坂本雄二だ。このクラスの代表はいるか?」

 

 Cクラスの教室は比較的普通。私の馴染みのある世界で言う結構良い教室って感じ。普通なら最上級、文句無しって感じなんだどもBとAはより狂ってるからなぁ……

 

「私だけど。なにか?」

「クラス代表として交渉に来た。不可侵条約を結ばないか?」

「不可侵条約……?そうね、どうしようかしら、根本クン?」

「「「……っ!?」」」

 

 Cクラス代表が振り返ると、奥からBクラスの代表が顔を出す。

 

「当然却下。酷いじゃないかFクラスの皆さん。協定を破るなんて。戦争に関する一切を禁じて翌日に持ち越す。それが達成されなかった……つまり、被害者はこちらだよな」

「な、何を言うんだ!僕らはBクラスに何も──」

「やめなさい、こういう輩に常識は通用しない。今は逃げるか殺すしかない」

「そうだ明久!話す暇があったら走れ!逃げるぞ!」

 

 餌に掛かった以上、選択肢は少ない。

 こんな餌を撒く奴にはこちらの言い分を聞く耳は無い。相手の理論も通ってはいる。

 私がここで潰すのは簡単だ。でもそれは試験召喚戦争ではなく戦争だ。

 それで得られる物は……何も無い。

 

「姫路さん!掴まって!走るよ!」

「っ、は、はいっ!」

 

 走れそうに無い姫路さんの腕を掴んで走り始める。

 シオン、後は頼んだ!

 

 ♢♢♢

 

『Bクラス芳乃が──』

『させるか!Fクラス須川──』

 

 背後に声を置いて走る。

 状況は大体わかった。とりあえず生存戦略だな。

 

「姫路!大丈夫か!後5分は走るぞ!」

「は、はいっ!頑張ります!」

 

 追手も何人か来ている。

 逃げ切るにはやはり、誰かが囮になるしかないか……既に1人失っている。

 姫路は戦力的に残すしかない。代表は当然。

 それを除いて十分に時間が稼げるとなると……オレか。仕方ない。ここで死んでも1日の拘束で済む。戦争に負ければ3ヶ月。

 

「だいひょ……」

「雄二!」

「何だ!」

「ここは僕が引き受ける!姫路さんたちを逃してくれ!」

「よし、頼んだぞ!ムッツリーニ!先行してルートを確保してくれ!」

「…………明久1人で残すのか」

「いいわよ土屋!私も残るわ!」

「…………承知した」

 

 仲良しチームはオレの思考速度を超え、即座に判断して役割を決めた。

 オレと姫路は走るだけ。

 

「代表、ならオ……私も残ろう。姫路を頼む」

「ダメだ。お前は万が一の明久の代わりだ。2つしかないコマを同時に使い潰すわけないだろ」

「ヤツらの点数じゃ突破される!私がいれば確実だ!」

「お前でも同じだ。それに、明久は大丈夫だ。信じろ」

「……了解。そこまで言うなら従うよ」

 

 追手の方が多いというのにこの態度。

 いいだろう。信用してやる。負けにはならないだろうしな。突破されたなら今度こそオレが止めるだけだ。

 

「代わりに姫路を頼む。疲れる」

「ああ。姫路、まだ走れるか?」

「は、はいっ」

 

 姫路を渡して最後尾に移る。

 ……一応、探知しておくか。

 あの観察処分者で止まってる様だな。具体的には分からんが、まぁおおよそ、あの回避能力で食い下がってるのだろう。

 

「代表!しばらくは持つだろうが相手は格上だ!このまま帰宅でいいのか!?奴らはやられても!?」

「それは無いだろうが構わない!奴らの目的は俺だ!お前は好きにしろ!」

「……だったらそうさせてもらう。少し時間が欲しい!せいぜい負けるなよ!」

「言われなくてもだな!」

 

 代表たちと違う道を走り、誰の視点にも入らないタイミングでオーロラカーテンを用いて自宅へ帰宅。

 ……前の世界の能力を取り戻す必要があるな。敵の策略もまぁまぁだ。姫路だけじゃ戦力不足だ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。