──数年後。
「ツー……ツー……」
「……はぁー」
部屋でまだ眠っている狼の姿を見て、少女、『
全く、高校生になっても、寝坊癖は相変わらずだ……。
そう思いながら、光は幼馴染みである狼の体を軽く揺らした。
「ロウ。朝だよ、起きて……」
「……後、5分寝かせて」
「……」
そろそろ起きないと、学校に遅刻する。
そう思った光は一度、深呼吸をし、大きな声を出した。
「ロウ!早く起きないと、学校に遅刻するよ……!」
「……!?」
その叫び声に、少年、黒神狼は驚き、目を覚ました。
「はぁ……まだ眠い……」
「もう!ロウのせいで、遅刻しちゃうじゃん!」
「そう思うなら、ほっとけば良いだろ?」
「ッ、そういう訳にはいかないよ!私達、幼馴染みじゃん!」
「家が隣同士なだけだろ?」
「ッ、そうだけど……そうじゃないじゃん……!」
「……訳がわからん」
学園に向かいながら、狼はまだ眠気が覚めず、光は狼を起こしにいったせいで、危うく遅刻しかけていることに、狼に講義するも、狼は冷たく、ほっとけば良いだろ、と、突っぱねて言った。
しかし、家が隣同士で、狼の幼馴染みである光は、心から彼が心配で起こしにいったのに、当の本人は、彼女の気持ちを知らず、何故か、怒っている幼馴染みの様子に、狼は訳がわからない、と、頭を抱え、ぼやいた。
「ッ、もう良い!ロウの馬鹿!知らない!私、遅刻したくないから、先に行ってる!」
「おい、光……」
待て、と、言いかけたが、彼女は狼を置いて、小走りで先に学園に向かった。
「……相変わらず、足が速いな」
彼女の後ろ姿が見えなくなり、狼はそう思った。
『全く、狼は女心がわからねぇーな!』
「うるさいぞ、ボロフ……」
そんな彼をケケケッ、と、嘲笑う狼の姿をした悪魔、へルボロフ。
数年前、狼が初めて、TCGの一つ、『デュエル・マスターズ』、略して、『デュエマ』のパックを買い、そこから初めて手にした闇のクリーチャーの一体。
本来、デュエマのカードには、自我を持つクリーチャーは存在しない。
しかし、へルボロフいわく、極稀に、クリーチャー
原因はわからないが、一先ず、迷い込んできたクリーチャーは肉体を保てず、カードとなって、自分達と意思疎通ができるものと共同生活をすることを強いられている。
そんな
しかし、それは一瞬で、次のへルボロフの言葉で、狼は慌て出す。
『それはそうとよー、走らなくて良いのか?』
「ん?走る?……あ」
そこまで言われて、狼は思い出したかのように、冷や汗を掻き、慌てて走り出した。
「しまった!完全に遅刻だ……!」
そう言って、狼は急いで走り出すが、結局、学園には間に合わず、狼は遅刻した。