人類史の汚点がヒーローを目指すようです   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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引っ越し

「実技試験の結果が出ました」

 

 雄英高校のヒーロー科の採点をするのはプロヒーローの先生方であり、各々意見を言っていく

 

「今年は例年よりも個性がすごい面子が揃ったな」

 

「炎を操る豪炎寺君、雪女って個性だけど男の子の氷叢君、自身も光の速さで動ける光円君、強力な電気で電磁波を発生させて攻撃できる雷鳴さんも凄かったけど」

 

「お邪魔ヴィランを破壊したのはいつぶりだ? 凄い個性だな」

 

「土井那智、個性『ナチス』ナチスができる現象を再現できる個性」

 

「空を飛んで、爆弾をばら撒いて、最後は砲撃だったものね」

 

 先生方が那智を褒めるが、校長先生は

 

「それだけじゃないのさ! 彼女の万能性は良いヒーローになれる! ナチスという個性の関係上誹謗中傷も凄かっただろうけど、個性を使って他人を傷つけないようにする配慮が見られた。爆弾を誘導爆弾にしたのはそういう巻き込まないようにする配慮からだろうね!」

 

「クラスの割り振りはどうします?」

 

 校長先生は

 

「今回は上位5名を固めてみたいな。勿論他の子も粒ぞろいだけど、人を容易に殺せる個性だけに、上位5名は特に安全を考えられる先生を付けたい。13号先生、頼めるかい?」

 

 これに対して13号先生は

 

『お任せください。初の担任ですが、安全管理は僕の得意分野、きっちりと植え付けます』

 

「頼もしいね。A組は相澤先生が担任で、6位から15位までの子と推薦の1位2位の子でバランスを取ることにしよう!」

 

 校長の鶴の一声でクラス分配は決まり、A組担任は相澤先生が、B組担任は13号先生がクラスを受け持つこととなった

 

 ちなみにだが那智の試験結果は仮想ヴィランを破壊したポイントの80ポイント

 

 レスキューポイントという人助けをしたりするともらえるポイントは0

 

 まぁ爆撃していただけだし、助けるという行動は一切していないからこの点数である

 

 ただ受験生では1位の成績であった

 

 

 

 

 

 

 

 フシューとガスを振り撒きながら那智は船の中を進む

 

 受験が終わっても那智は公安の任務を続けている

 

 今回の任務は大陸からのトリガーという違法薬物の売人とブローカーの殺害である

 

 オールマイトや他のヒーローが頑張っているとは言え、裏で悪さをする連中は後を絶たない

 

 そういう連中を潰すのも公安の仕事である

 

 船上パーティという表向きの理由で裏社会の大物達も集まる事を掴んでいた為に今回の強行突入でもある

 

「死ねぇ!」

 

 下っ端と思われる者が小銃で攻撃してくるが装甲化した肉体で弾く

 

 その間にもガスが船内に充満し、バタリバタリと死んでいく

 

 まぁガスに耐性がある個性の者も居るが、そんなのは少数であるし、無味無臭の毒ガスが蔓延している時点でもうこの船の客は詰んでいる

 

 船外に出ると脱出艇で逃げようとしている者達が居たので容赦なく機関銃を放って確実に殺して沈めていく

 

 断末魔や恨み言が聞こえるが何も感じないし、気にしない

 

 船の中に戻り、パーティ会場と思われる場所に行くと奇麗に着飾った人々が眠るように亡くなっていた

 

「···呪われた個性だな。殺せば殺すほど個性が強くなることを実感できる」

 

 おもむろに那智は死んでいるふくよかな男に体から管を伸ばし、刺す

 

 すると男はみるみると痩せていき、最後には皮と骨だけが残った

 

「一体どんな個性だよ。亡骸を吸収して強くなる個性とか···」

 

 個性『ナチス』の能力

 

 兵隊の錬成

 

 那智本体よりは弱いし能力に制限はあるが、ガスマスクを着用した兵士を創り出す

 

 これには多くのエネルギーか、死体から吸収したエネルギーのどちらかが必要になる

 

 なお捕らえた死体の魂は体内にある強制収容所にて強制労働に従事させられ、那智にさらなるエネルギーを与える

 

「死者をもて遊び、悪人には浄化し、天に召されることも許さない···悪魔的な個性だね」

 

 腹の底から助けてくれとか死なせてくれとかの声が聞こえてくるような気がするが無視をし、船内に落ちている死体を全て吸収し、販売用のトリガーを押収し、最後は船に時限爆弾を設置して、潜水艦に肉体を変え、潜水しながら脱出する

 

 客船は大爆発を起こして船体が真っ二つに折れて沈没していった

 

 

 

 

 

 

 

 

「室長、今回の任務の成果です」

 

「···うむ、流石だリヴァ、やはり室内の多数の暗殺はお前が適任だな。様々なガスを使い分け、無力化と死体の隠蔽を同時に行える個性は限られているからな」

 

「死体を多く吸収したお陰で更にできることが増えました。より強力なヴィランも退治することができるでしょう」

 

「そうか」

 

「セーラーとリコのアシストありきですがね」

 

「最近はもっぱら移動と事務仕事が多いとボヤいていたぞ」

 

「あはは、でもガス使うと2人も危ないからな」

 

「順調にホークス二世に育って何より、それとホレ」

 

「手紙···雄英高校からですか」

 

「開けてみろ」

 

 瞬時にペーパーナイフを創り出し、手紙を開ける

 

 中には立体映像装置と書類が入っており、装置を再生すると白い小動物が映し出された

 

『ネズミなのか犬なのか熊なのか···その正体は···校長さ! 土井那智君、君は筆記、実技共に優秀な成績を残したね。なんと首席だよ! おめでとう! ただ君の個性は素晴らしいけど同時に危ういと僕らは思ったんだ。雄英高校でその危うさを取り除いて欲しいのさ!』

 

『入学式や雄英体育祭等首席として代表のスピーチを行ってもらうから両方考えておいて欲しい。あとは今後も努力を怠らず1位を維持して欲しい。ボクからは以上さ!』

 

「まぁ当然だな」

 

「いやいや、結構危なかったと思ってますよ。私は···実技で私並みに荒稼ぎしていた人が何名か居たらしいですし、私の会場にも電撃で荒稼ぎしていた人居ましたし」

 

「ほう? 今年は豊作かもしれないな」

 

「まぁでも、1位になれたからにはこのまま1位を維持したいと思います」

 

「頑張れよ」

 

 

 

 

 

 

 

「リヴァ静岡暮らしかぁ、今からでも東京から通わん?」

 

「リコ、リヴァ困っとるやろ。第一うちらの住んでるの公安の足が付いとる場所やで。そこから通ってたら分かる人にはわかるで、公安関係者だって」

 

「わからないでしょ〜」

 

「はぁリコはいつも甘いよな」

 

 荷物をキャリーバッグに詰め込む

 

「まぁ一人暮らしみたいなのは慣れてるし、3年後にはこっち戻ると思うし、2人は寿退社できるように頑張ってよ。私を待ってたら結婚の機会を逃しちゃうよ」

 

「リヴァ余計なお世話や!」

 

「じゃあ皆元気で」

 

「リヴァ頑張ってね」

 

「応援してるで!」

 

「行ってきます」

 

 

 

 

 

 

 

 雄英高校の学生は全国各地から集まってくる

 

 その為雄英高校と提携するマンションやアパートに住むか、雄英高校のOBの中にはそういった学生を預かって日常生活を支援してくれる人も居る

 

 那智は広めの平屋を借り、荷物を持ち込んだ

 

「建物自体は少し古いけど、ネット環境も整ってるし、街や駅にも近い。雄英高校までも自転車で20分、バスを使えば10分かからず行けるからね···おっとあーあー、せっかく高校生になるんだから高校生らしい言動にしなきゃ···」

 

「同級生とかどんな人達なんだろう! 超楽しみだな〜」

 

 荷物を置き終わり、せっかくなので県内のショッピングモールに向かうことにした

 

 

 

 

 

 

 電車で30分、県内最大のショッピングモールに到着した

 

 人で賑わっており、家族連れが多い印象だ

 

「えっと必要な物はっと」

 

 那智は結構お金を貰っている

 

 一応立場は公務員だったので危険手当込みで毎月30万円は貰っていた···まぁ危険度を考えれば安いが、衣食住が提供されていたためそれで相殺だろう

 

 雄英高校に通うのも任務扱いなので危険手当は外れるが、月に15万円ほど支給される

 

 それと今までそこまでお金を使うこともなかったので貯金も貯まっており、多少高い買い物をしても懐はそこまで傷まないだろう

 

「そう言えば趣味らしい趣味も無かったから···高性能なパソコンでも買おうかな。調べ物も捗るし」

 

 パソコンショップで組み立て済みのパソコンとモニターを購入し、モニターやヘッドセット等の機材も同時に購入をした

 

「兵器を身体に合わせるのに絵も今までみたいに描きたいし、液タブも買おうかな」

 

 何気に那智は絵が描ける

 

 暇つぶしと絵が有った方が兵器や道具の創造がしやすいからである

 

「今日のご飯は何にしようかな。昼はここで買い食いで、夕食は簡単にチャーハンにでもしようかな」

 

 料理も簡単な物なら一通りはできる

 

 洋食もできるが、どちらかと言うと日本食が好きなのは舌は日本人なのであるからであろう

 

 個性でいくら白人に見えても中身は生粋の日本人

 

 米と醤油と味噌をこよなく愛する民族である

 

 布団や枕、学校で必要なノートやファイル、筆記具等も購入していったら荷物が膨れ上がり、帰る頃にはこれから山に演習に行く軍人みたいに荷物が山盛りであった

 

「よいしょっと」

 

 個性で作り出した自転車にリアカーを取り付けた物を出し、自転車にモーターを取り付け、足のボイラーと接続する

 

 個性の個人使用はある程度は許される

 

 まぁ那智のやっていることは動力付き牽引車なので普通に道路交通法でアウトだが、まぁこれくらいならバレないようにやっている人は多い

 

 体が車両みたいに足がタイヤの人が免許を持っていないから公道を動いてはいけないと言われたら困るだろう

 

 まぁパット見、那智の自転車も普通の電動付き自転車にしか見えないからグレーであるが、黒ではない(やってることは黒だが)

 

 荷物や食材をリアカーに置いて1時間ちょっとかけて帰宅し、買ってきた荷物を置いていく

 

「ふう、これでよし」

 

 ついでに引っ越してきたということで近所(と言っても周りの家も雄英生が殆どだが)に挨拶をしていく

 

 こうして引っ越しは順調に終わるのだった

 

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