人類史の汚点がヒーローを目指すようです   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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入学式

「大きなドア」

 

 雄英高校の本校舎

 

 どの角度から見てもHに見える4つのビルが連なっている

 

 1-Bの教室に入ると時間が早かったのかまだ人が居ないように思えた

 

「まぁホームルームまで1時間近くあるし、まだ誰も···いや、おはようございます」

 

 最初は気が付かなったが、小さな足音と空気の流れから違和感を掴む

 

「へぇ、私の事がわかるっすか」

 

 ゆらりと少女が現れる

 

「はじめましてっすね! 初見で私に気づくとはなかなかっすね! 私は東條桃子っす! 気軽に東條と読んでほしいっす」

 

「たまたまだよ〜、私は土井那智。よろしくね東條さん」

 

「いやぁでもよく私の個性の『気配遮断』がわかったっすね。私の親でもたまに忘れられるのに」

 

「空気の流れと音、あと良い匂いがしたから。香水···いや、シャンプーかな? 結構高いの使ってたりしない?」

 

「へぇ、わかるっすか」

 

「まぁ多少は」

 

「私は個性開示したけど那智さんの個性も教えてくれないかな」

 

「したたかだね東條さん。私の個性は『ナチス』。まぁどんな事ができるかはおいおいね。口で説明しても分かりづらいと思うから」

 

「ナチス···ドイツの方の?」

 

「うん、ヒーロー向きの個性でしょ?」

 

「いやいや冗談キツイよ。真逆でしょうに···まあでもここに居るということは本気でヒーローを目指すんでしょ? 将来同じ職業に付く仲間かつライバルとしてよろしく」

 

「ええ、東條さんよろしく」

 

 よろしくと握手を交わし、そこからは女子トークである

 

 どんなシャンプーを使っているの、どんなヒーローが好き? 

 

 好きな芸人は? 等など年頃の女子らしい会話をしていると次第にクラスに人が集まり始め、席に着く

 

 席から周りを見ると皆クラスの空気を掴みかねて静かにしている感じがひしひしと伝わってくる

 

 予鈴少し前に宇宙服を着た先生がやって来て

 

 彼女のヒーロー名は13号

 

 スペースヒーローという見た目だが戦闘よりも災害救助で活躍するヒーローである

 

 というのも彼女の個性は『ブラックホール』であり、それを戦闘に使おう物なら相手を塵にしてしまう危険な個性である

 

 それを防ぐための宇宙服である

 

『10分前に全員が着席しているとは立派ですね。始めまして僕の名前は黒瀬亜南、ヒーロー名は13号、気軽に13号先生と呼んで欲しいな。予鈴前だけど今日の流れを説明するね』

 

 そう言うと電子黒板を操作し、スケジュール表が出てくる

 

『まず入学式に参加して、次にそれぞれを知ってもらうために教室で自己紹介をしてもらいます。その後授業の流れを説明した後にグラウンドで個性把握テストを受けてもらいます』

 

『本格的な授業は明日からだけど僕のクラスのモットーは仲良くです。将来ヒーローとして独立した時に頼れるのはなんだかんだ共にヒーローの勉強をした学友です。3年間同じ仲間で行動するのですから良き友であり、ライバルとして切磋琢磨しましょう』

 

 13号先生の自己紹介が終わり、予鈴が鳴る

 

 そのまま名前順に整列をし、入試でも使われた大講堂に移動し、入学式が始まる

 

 何故か知らないがもう一つのヒーロー科の1-Aの姿がない

 

 新入生達もざわついて居るが先生方は特に気にすること無く入学式が始まる

 

 長い校長先生の話が終わり、新入生代表の挨拶として私が呼ばれた

 

「春の息吹が感じられる今日···」

 

 無難な言葉から始まるが、自身の思いを本文で伝える

 

「この学校はヒーローになろうと言う人やヒーローに関連ある職業で働きたいという人、有名大学に進学しようという人が達で構成されると思います。今世の中はヒーロー飽和社会と呼ばれ、ヒーローが溢れかえっています」

 

「雄英高校に入学したということは国内最高の環境で勉強ができるということ。この学校で使える機能やサービスは余すこと無く使い、自らを磨いていきましょう。自分を磨く時間が十分に取れるのは学生のうちだけです」

 

「その時間を無駄にしないようにしましょう。以上、新入生代表土井那智」

 

 私の中でこれも本心である

 

 幾つもある本心の1つであるが···

 

(さて、私はこの学びの時間をいかに活かせるかな)

 

 

 

 

 

 入学式が終わるとオリエンテーションが始まる

 

 まぁそんな堅苦しいものでは無く自己紹介が殆どであり、座席順にしていく

 

 特に印象に残ったのは4人

 

「豪炎寺友道、個性は『火炎』炎を手足から射出することができる。目標とするヒーローはエンデヴァー、好きな事は昔のスポーツの大会の映像を見ること」

 

 豪炎寺、熱血系が多い炎使いにしてはクールな感じがした

 

 あとめちゃくちゃイケメン

 

 ヒーローになったらアイドル系でも食っていけるだろうなぁと思った

 

「僕は氷叢雪雄です。名前の通り男です。女に間違えられますが男です! 個性は『雪女』で女みたいな顔や身体は個性によるものです。空気中の水分を凍らせて氷塊を作ったりすることができたりします」

 

 氷叢、見た目は完全に美少女であるが男らしい

 

 つるつるぷにぷにの肌は女性としては羨ましく感じる

 

 氷叢の氷を作れるとのことだがどれくらいの範囲なのかわからないが、雄英高校の入試をパスしたということは相当な出力があるのだろう

 

「俺の名前は光円輝! 皆のよろしくな! 個性は『光速化』光の速さで動ける···と言っても光そのものじゃないから思考速度も高速までいかないから良くて雷と同速程度だけどな! 圧倒的なスピードでヒーローになってやるからよろしくな」

 

 こちらは熱血系イケメンで陽キャオーラが眩しいほど出ている

 

 光になれるは応用が色々とできそうな個性である

 

 彼も要チェックだろう

 

「私は雷鳴音々、個性は『電撃』、電気の発生と操ることができるわ。私の近くに居ると髪の毛が逆だっちゃう事があるから先に誤っておくね」

 

 電気使いはヒーローでなくても社会インフラに必要で高収入になりやすい

 

 私の両親もエネルギー系だったから金が稼げる事は嫌でもわかる

 

 まぁ両親や妹の個性と似ているからと彼女を嫌うとかは無いが

 

 他には白身すりちゃんや葱とろろちゃんといった学食のランチラッシュ先生の後継者になりたいという料理人ヒーロー志望の子が2人も居て、本人達も驚いていた

 

 自己紹介が終わるとヒーロー科のカリキュラムについての説明があり、授業は平日7時間、土曜日も午前中4時間授業がある

 

 で毎日2時間ほどヒーローになるための授業があり、そこに体育も組み込まれている

 

 1年生で基礎を学び、2年で資格仮免習得を目指し、3年で本免とどの様なヒーローとして売り込むかを決めるらしい

 

 本免が取れなかったら自動的にヒーロー科のある大学に進学かサイドキックとして働きながら本免合格を目指す

 

 雄英高校のヒーロー本免合格率は95%

 

 毎年1人居るか居ないかで落ちたらスタートダッシュに躓いたと同意義なので3年の後半は既に先を見据えた人と今に必死な人の温度がヤバいとも聞く

 

『成績によっては1年生でも仮免試験を受けに行かせるし、僕としては全員が1年で仮免を持ってもらって、3年時には余裕のある状態にしたいと思っているんだ。その分1、2年はキツイと思うけど頑張ろうね!』

 

 と13号先生が言う

 

『とりあえず1学期の目標は雄英体育祭と期末テストになると思う。期末テストで落ちたら夏休みが殆ど補習で潰れるし、雄英体育祭は将来にそのまま直結するからね』

 

 そんなこんなでガイダンスが終わり、体操服に着替えて個性把握テストに移るのだった

 

 

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