人類史の汚点がヒーローを目指すようです   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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個性把握テスト

 個性把握テスト···13号先生の説明だと中学の頃にやる個性禁止の体力テストに個性を使っても良いというもので、全8種目ある

 

 中学にかよって居なかった那智もこのテストは受けている

 

 まぁ同時に個性使用バージョンであるこちらも受けた事があるが···

 

 個性を使用して良い関係上、治療体制がしっかりしている雄英高校や士傑高校でないとこういうテストはやっておらず、プロヒーローになってから実費を支払ってテストを受けるみたいな人も居るらしい

 

 説明が終わり、最初は50m走を行う

 

 まぁというか強個性組は凄い記録をバンバン立てていく

 

 例えば光円君はスタートと同時に光となり、瞬間移動

 

 記録は0.05秒

 

 雷鳴さんは電磁力で身体を浮かす電磁浮遊状態で移動してこちらも素早い1.5秒

 

 手足から炎を吹き出しジェットエンジンみたいに移動する豪炎寺君も2.5秒と好タイム

 

 氷叢君も地面を凍らせてスケートの要領で滑り、走るよりは早いタイムを出していた

 

 他には個性『豹』の豹柄進君や推薦組で『風神』の個性を持つ東風紅葉さんなんかも早かった

 

 私も足にロケットエンジンを創り出してロケット推進で2.6のタイムを出した

 

 

 

 次の種目は立ち幅跳び

 

 飛べたり浮けたりする個性勢が強い

 

 電磁力で浮ける雷鳴さん、風に乗れる東風さん、個性が『プテラノドン』という鳥系の恐竜の倉野翼竜君、推薦入学者の個性『バゼルギウス』という飛行しながら体からイボの様な爆弾を出せる広爆翼君、そして私は体力が続く限り飛んでいられることから∞という記録が出た

 

 勿論豪炎寺君も好記録を出したが、飛行時間がネックらしい

 

 

 

 

 ボール投げは個性が効きづらいらしく皆苦戦

 

 例えば雷鳴さんなんかの個性は一見良さそうに見えるが、電気を使うとボールの中に埋め込まれている距離測定装置がバグってしまうらしく電気系の個性は使えない

 

 空を飛べる系の個性の人達は円形から出てはいけないので空から投げるという行動ができなかった

 

 そんな中で記録が出たのはパワー系と発射系等の個性

 

 豪炎寺君が炎の勢いで遠くに飛ばしたり、東風さんが風にボールを乗せて遠くに飛ばしたりしていたし、桜花日帝君は触れた物を高速で飛ばす『発射』という個性で遠くに飛ばしていたし、個性『怪人化』というパット見が冴えない中年にしか見えない柳田快斗君もボールを持ち前のパワーでぶっ飛ばしていた

 

「ほへぇ、皆凄いっすね」

 

「確かに皆凄いね···でも私も凄いよ」

 

「頑張れっす那智さん」

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいおいあれありかよ」

 

「確かに線から身体は出てないけど」

 

 体からは巨大な銃身が伸び、ムカデの足みたいに幾つもの突起が並んでいた

 

 ボールが装填され角度を付ける

 

「V3···ムカデ砲や」

 

 ドン、ドドドドドド

 

 ムカデ砲、ナチスが開発した大陸を攻撃するための巨大兵器であり、那智が出したのは、あくまでそれをスケールダウンした大砲である

 

 この大砲はとにかく遠くに飛ばすことを目的とした大砲であり、ムカデの足みたいな突起にも火薬と着火装置が入っており、タイミングよく連鎖爆発をすることで通常の大砲よりも遠くに飛ばすことが可能である

 

 普通の大砲の射程距離が2キロから3キロ程度の所を、ムカデ砲は88キロほど飛ばすことが可能である

 

 まぁ遠くに飛ばすだけならパリ砲とか列車砲とかもあるが、それは残念ながら大きすぎるし、円から飛び出る

 

 なので小型化しても遠くに飛ばせるムカデ砲を那智は選んだ

 

『ピピ、8.5キロメートル』

 

「すっげぇ! とんでもない記録が出たの!」

 

「8キロとかヤバすぎるだろ」

 

「流石新入生代表、規格外だろ」

 

 しかもこのムカデ砲、連射ができる

 

 ドン、ドドドドドド

 

『ピピ、8.6キロメートル』

 

「すっげぇ! まだ伸びるのかよ!」

 

「角度を微調整していたのか」

 

「あんな高速で攻撃されたらヴィラン死んじゃわない?」

 

「私だって金属片ならあれくらい飛ばせるのに」

 

 色々な意見はあるが、那智は今日始めて1位の記録を取れた

 

 

 

 

 

 

 

 まぁ長距離走では光円君が圧倒的な成績を残し、会場を室内に移動する

 

 握力測定では柳田君が1トンという記録を出していたが、私は握力計をぶっ壊したので1位

 

 反復横跳びでは光円君の記録が早すぎて採れないという珍事が起きたが、反発という個性を持つ韓反転君が活躍していた

 

 上体起こしは身体を抑えるペアを組んだ人がダメージを受けそうなので殆どの人が個性を使わなかった

 

 最後の長座体前屈では、私は手を物理的に伸ばして大記録を立て、全種目終了

 

『まぁ個性を使えると言っても体力テストに使いづらい個性の人達も居たからこのテストで何かが決まるってわけではないから安心してね。ただ個性をどう使いのかという発想力を鍛える勉強にはなったハズです。今日の授業はこれで終わりですが明日からは本格的に授業が始まります。頑張っていきましょう』

 

 今回のテストで目立っていたのは那智を入れても12名、料理人系ヒーローを目指している白身すりさんや葱とろろさんといった者や個性が気配遮断で気配を消せる東條さんは仕方がないとしても、そういう個性が戦闘向きでなくても300倍の入試を突破した猛者達である

 

 例えば

 

「治療するから怪我した人が居たら教えてください」

 

 ナース服が似合いそうな修善寺治癒さんはリカバリーガールの親族で個性『回復』

 

 体力や疲労回復、自然治癒能力の向上などリカバリーガールの上位互換的な個性を持っており、入試ではヴィランを金属バットで倒しながら、隠しポイントである人助けやヒーロー的な行動をしたら貰えるレスキューポイントでポイントを稼いで合格を勝ち取った人

 

 個性を使わずに道具や発想力を武器にポイントを稼いだ人など直接戦闘でなくても活躍した人は多い

 

 最近のヒーローは直接的な戦闘力ばかりが目立ってしまうが、ヒーローは本来助ける事を主題とする職業

 

 助けることに特化した人はこういう戦闘系の試験やテストは厳しいだろうが、それを承知で入学している覚悟ガンギマリ系達である

 

 事実大記録はでなくてもしっかりと鍛えていることがよくわかる

 

 順位は光円君が有利過ぎて2位だったが、クラスメイトを覚える良い機会となった

 

 

 

 

 

 

 

 

 授業が早く終わったので親睦会をすることに決まり、雷鳴さんが会場を用意してくれることとなった

 

 で、お金をカンパして夕食の買い出しに白身さんと葱さん、荷物持ちの柳田君、韓君と共に出かけていた

 

「あれ? スーパーに行くんじゃないのか?」

 

 柳田君が白身さんに聞くが

 

「スーパーよりも少し遠いけど魚市場の方が安いし、量も揃えられるからね」

 

「ん? 白身さん魚捌けるの」

 

 と韓君が聞く

 

「あたぼうよ! とろろちゃんもできるらしいからぱぱっと作っちゃうよ〜」

 

「とろろもできるよ〜任せて〜」

 

「頼もしい女性陣だな···あ」

 

「あってなによ! 悪かったね二人に比べて料理できなくて」

 

「あ~、いけないんだ男子〜」

 

「そうだそうだ〜」

 

「柳田、その発言は良くないぞ」

 

「クソ、敵しか居ねえ」

 

「まぁ料理場の提供は代わりにするから」

 

 柳田が聞く

 

「料理場の提供って?」

 

「私の個性で白身さんととろろさんの要望に沿ったキッチンをカスタマイズするってこと。人数も20人居るから料理しやすい環境の方が良いでしょ」

 

「有り難いんだよ〜」

 

「個性で大砲ぶっ放していたけど便利な個性だよね那智ちゃんの個性」

 

 とろろさんと白身さん追従する

 

「まぁ個性『ナチス』だから偏見にまみれた個性何だけど」

 

 とろろちゃんが

 

「でも力がある個性は羨ましいんだよ! 私の個性は物体をとろとろにする個性だから人には向けられないんだよ〜、料理にはミキサー要らずで便利なんだけどね〜」

 

「とろろちゃん、わかるわ~、私の個性も『切断』だから人に向けられないんだよね。小さい頃は危ない個性って言われてたけど、料理に便利な個性でそっち方面のヒーローになろうって決めたんだよね〜」

 

 韓君が

 

「確かに強い個性イコール危ない個性と表裏しているからどうしても偏見を持たれるよね。那智さんも個性の名前で苦労したでしょ」

 

「幼稚園から小学校の頃は辛かった。皆理性が育ってないから思った事口にするし、言葉で傷つけている自覚が無いから」

 

「だよね~私も似たような事はあったわ」

 

「とろろも〜」

 

「俺も怪人化だぜ、いつもヴィラン役やらされたわ。多分うちのクラスの奴らもそういうの多いと思うぜ。あ、光円は多分違うけどな」

 

「陽キャオーラ全開だったもんね。キラキラ熱血系イケメンとか性格完璧かよ」

 

「1日でわかっちゃう光円君の性格は確かにヤバいね」

 

「まぁ3年間クラス替えもねーし、よろしくな皆」

 

「「「「うん」」」」

 

 

 

 その後雷鳴さん家の庭で行われた食事会は焼き魚や刺し身、つみれ汁などが出され美味い美味いとご飯が進み、皆との親睦が深まった気がした

 

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