君という存在。   作:林田美琴

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4月 1-1

          ※

 また春がやってきて高校の入学式から早いことにもう一年が経った。一年生は特に何事も起きなかったが、あっという間に時が過ぎていった気がする。去年の今頃はこの学校の制服を着てもまだまだ初々しさがあった。まだ着こなせていないこの学校の制服な感じ。その当時は男の子だからまだまだ成長するという理由で少し大きめのサイズを買ったので、まだまだだぼっとしていた。だが今はあの頃と比べ、身長が七センチも伸び、ズボンの裾が短くなってきており、足首が少しだけ見える状態だ。まだ一年半ぐらい学校に通わなければいけないのでそろそろ新しい制服を買おうかと母さんと検討中だった。ズボンの裾が短い点で、おそらく僕は一年生ではないと思われていると推測している。なのでこれからは一年生の手本になるように過ごさなければならない。去年みたいにのほほんとは過ごせなくなってしまった。

 春は入学式や卒業式で環境がガラッと変わる人や、学年があがり、クラス替えなどが行われる季節だ。春は春夏秋冬のうち、緊張・不安・楽しみ・ワクワク・期待などさまざまな感情が飛び交っている季節だ。

 僕もこの五つの感情、すべてを胸に抱き、新しい学年の生活がはじまろうとしている。

 

         ※

ピピピッ。

アラームが鳴った。時計を見ると準備をしないといけない時間になっていた。僕は重い体を無理やり起き上がらせ、急いで学校に行く準備をした。今日は起きるのが遅かったせいでリビングに行くと父がもう食事をほぼ終えている状態だった。いつもは家族三人で朝番組を見ながらご飯を食べている。ご飯が終わると僕と父は途中まで一緒に歩いて行っている。だが、今日は僕が降りてきて十分ぐらいたった頃、「行ってきます。晴来、先行くぞ」という父の声が聞こえた。お父さん、今日は家を出るの早いなと思い、時計を見るといつもと一緒の時間だった。僕は急いでご飯を食べて父が家を出て五分ぐらい後に家を出た。そのあとは猛ダッシュをし、遅れた分をすべて取り返し、かつ時間に少し余裕ができた。だが、ご飯を食べたあとすぐに走ったのでお腹が痛くなってしまった。もう薬を取りに帰っているぐらいの時間的余裕はないし、そのままゆっくり歩いて学校に向かうことにした。だが歩いていてもなかなか腹痛は治らず、歩くスピードが遅くなる。少し余裕ができたということでベンチで休憩することにした。

すると通りすがりのおばちゃんたちが僕に声をかけてくれた。

「ねえ、若いお兄ちゃんどうしたん?学校に行かんくてもええの?」

「それが、ご飯食べてすぐに走ってしまってお腹が痛くなったんです。」

「薬とかはないん?」

「はい。持ってないんです」

「ほな、これでお腹あっためとき」

渡されたのはカイロだった。

「ありがとうございます」

カイロをお腹に当てながらもう数分だけここで休憩することにした。

 五分ぐらい休憩したことにより痛みが少し緩和されたので僕は学校に向かうことにした。

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