君という存在。   作:林田美琴

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4月 1-2

 登校途中、あくびがとまらなかった。昨夜は全然眠れず、たったの二時間しか寝れなかった。学年の変わり目は毎年睡眠時間が少なくなってしまう。これが僕の小さな悩みの一つだ。去年はほぼ寝ずに入学式を迎えている。高校一年生という新しい環境に変わるのでいつも以上に緊張や不安の気持ちがあり、全然寝れなかった。

 僕、一ノ瀬晴来は高校二年生になった。一年生の時には友達ができなかった。原因はもう分かりきっている。自分にあるのだ。自分の性格が問題なのだ。みんなが話しかけてきてくれてもうまく対応ができず、呆れられてみんなが僕のそばから離れて行ってしまった。時には話しかけてくれるけれどそれは業務連絡といった類の会話だった。高校二年生になったらとりあえず友達が欲しいというのが今の僕の大きな目標になっている。それをクリアしたら次は恋愛をしたいと考えている。僕はまだ恋をした時の気持ちがわからないのだ。憧れの感情は持ったことあるがその先の感情までいったことがない。今年こそは恋愛もしたいなという気持ちでいる。

 信号を待っているといろいろな人の姿が見え、いろいろな会話が聞こえる。中には友達と合流をし一緒に登校している人もいた。そのような人たちを見ると少し羨ましいなという思いになる。誰かと登校したのは小学校の班登校ぐらいだ。

 僕は色々考えながらしばらく歩いた。この高校は家から二十分ほど歩けば着く。近くもなく遠くもない距離と言える。この高校は僕が行っていた中学の区域内に入っているため何人かは中学から一緒の人もいる。まあ、顔は見たことあるが喋ったことはないという、とても薄い関係だが。僕は中学区域外をいくつか受けたがすべて落ちてしまった。結局最後はこの高校しか残らなかった。別に僕は中学校でいじめ等をされたわけでもないが、中学校で共に時間を過ごした人は長く、幼稚園から一緒の人もいるので、少し新しい人との出会いを求めた自分がいるのだ。

 僕の学校はここからまっすぐ行ったところにある信号を渡り、次の曲がり角で左に行って少し歩いたところにある横断歩道を渡ればある。

このあたりまで来ると同じ制服を着た子たちが大勢いる。僕の前を歩いている子たちは女子三人組、やや後ろを歩いているのは女子三人の中に男子一人という幼馴染らしい四人グループだった。また電話している人や音楽を聴いている人、勉強している人など様々な人がいる。門の前には何人かの生徒がいる。逆方向の子たちは門の前で待ち合わせをし一緒に教室まで行くらしい。僕にも同じ方向の友達がいればいいんだけど残念ながら今は友達すらいない状況だ。

 目の前の信号を渡れば学校に着く。学校が見えた瞬間、僕は緊張からかまたお腹が痛くなりだした。もらったカイロもだいぶ冷めてきている。

 去年は僕の前を同じ制服を着た人が歩いているだけで安心できた。今年は僕もそういう存在になりたいなとは思っている。今現在できているのかは不明だけれども。

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