黒川あかねと話すだけ   作:推しの子ハピエンで終わりそうですかね?

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オリ主と黒川あかねが話すだけです。
それでもいいって方は是非読んでください。

好評なら、『今ガチ』まで書きます。




黒川あかねと話すだけ

 黒川あかねは演技をすることが好きだ。

 自分ではない何者かになるのはとても楽しい。

 

 仕草は? 行動は? どんな過去を? 何を考えているの? 

 

 演技をする為ならどんな些細なことでも調べる。調べつくす。それが自分の長所だと、できることだと教えてもらったから。

 

 

 ─────────────────────

 

 それは高校生になっていくらか経っての事だった。

 クラスメイトからの辟易とする視線や噂に耐えかねて、せめて昼休みくらいは人目のないところで休もうと気分転換も兼ねて日当たりのいい校舎裏で昼食を取ろうとしていた時のことだった。

 

 影になったなと空を見てみれば、そこに居たのは、この学校の制服を纏った少年。ネクタイの色から自分と同じ学年の生徒であるとわかる。

 

「んん? まさか先客がいるとは思ってなかったなぁ」

 

 少年は些か気の抜けた声で言う。

 困ったなぁと続けるが、本当に困ってるとは思えないような言葉の軽さである。

 あかねはそんな分析をしていたが、ハッとして食べかけの弁当を片付け出す。

 

「ごめんなさい。いつもあなたがここを使ってるとは知らなかったの」

 

 ただでさえ学校でいい噂がないあかねだ。ここで意固地になって動かずに、今まで以上にクラス内で排斥されてしまったら、生来の性格からうまくやっていける自信はない。

 それに対して少年は、にへらと敵意のない笑い方をして答える。

 

「気にしなくていいよ。僕もここに来たのは今日がはじめて。ここを退くなら僕の方だ」

「あんなに常連さんみたいな雰囲気出してたのに?!」

「うん、僕は一見さんだよ? ここのところいい感じの場所探してたんだ」

 

 笑いながら近づきあかねのすぐ横に少年は座る。

 弁当を広げて食べながら話し始めた。

 

「それで、君はなんでこんなところでぼっち飯してるの?」

「ぼ、ぼっち……」

「ちなみに僕はなんとなく。クラスにもしっかり友達いるよ」

 

 こんなところに来たのだから……と思っていたあかねは少々ショックを受ける。

 

「私は……クラスの子からあんまり好かれてないから」

 

 そういうと、少年は驚いた顔をして固まり、気まずそうに視線を彷徨わせながら謝る。それに対してあかねは自嘲的に続けた。

 

「君も私の噂知ってるんでしょ? 嫌な女だって」

「うーん、まずは君の名前を知らないからなぁ……名前を聞けばわかるかもしれない」

「黒川あかね。どう? 貴方も私を嫌な女っていうの?」

 

 あかねの質問に少年は、箸を置き人差し指で顎を軽く叩きながら考え出す。いくらかして、へらっと笑ったかと思うと軽く答えた。

 

「いや、僕は普通の子だと思うよ」

 

 そもそも、と少年は続ける。

 

「僕は女の子のお友達がいなくてね。女の子同士のいざこざは耳に入ってこないわけだ」

 

 本当に残念だよと、演技掛かった声色や仕草で言う。

 とはいえ、わざわざそれにつっこむ必要もない。あかねはそっけなく返事をする。

 これ以上話すことは無いと、立ち上がり去ろうとしたところを少年は裾を掴んで止める。

 

「まあまあまあまあまあ、ほらここであったのも何かの縁だよ。せっかくだから一緒にお昼食べない?」

「ナンパ? しかも、手を出すんだ」

「失礼な、僕がナンパするような男に見えるの? 僕はその辺しっかりしてるぜ? 自分で言ったら世話ないけれど、一途だし尽くすタイプだし───」

 

 言い訳を並べているが、あかねの袖を掴んで止めたことには変わりない。いくら訴えようとも、やっていることは物語のナンパである。

 

「わかった。今日はここで食べるよ」

「本当? なら僕たちはもう友達だよ! 雨降ってなかったらお昼はここに集合ね?」

「それとこれとは話が別だよ」

 

 あかねがここで食べると言って弁当を広げれば、少年はさっきまでの言い訳で、何を言ったかなんて忘れてしまったかのようにケロリとしてる。あかねははじめて人を叩きたいと思った。

 

「お姉さん誕生日はいつ? 彼氏いる? 休日何してるの? 今度ご飯行かない?」

「やっぱりナンパだったんですね。私帰ります」

「まってまってまって!! 冗談だよ、冗談!」

「初対面で言うような冗談ではないと思うよ」

 

 ナンパを疑われていたにも関らずその冗談を選ぶセンスを疑った。

 そもそも何故、校舎裏ではじめて会った少年と二人で並んで食事をしているという状況を疑った。

 

「僕は教室だともっとクールな感じなんだよね」

「うそだ」

 

 先の会話から想像できないので咄嗟にツッコミを入れてしまった。

 嘘じゃないんだけどな〜と言って笑う少年を見て、やはり想像できないと思う。

 

「初対面でぼっちな人なら最悪クールでイケメン『僕』じゃなくても問題ないなって。気楽に話せる友達が欲しかったんだよ」

 

 確かにこの男の顔はいい。切れ長の瞳に、スッと通った鼻だち。艶のあるまっすぐな黒髪。小顔でかつ透き通るような肌。泣きぼくろがなんともいえない色気を発している。

 それを見てあかねはなるほどと納得する。

 

「解釈不一致ってこと?」

「らしいよ? この綺麗な顔は好きだけど、それに合った振る舞いを強要されるのはちょっと面倒臭いぜ」

 

 少年は食べ終わったようで弁当を片付けながら言う。

 役者のあかねからすれば、キャラクターになりきり演じ続けるのは当然のことであるので、少年の苦悩? はあまり共感できない。

 

 それ以降特に何か話すことなく、弁当を片付け終わったところでチャイムが鳴った。

 次の授業が移動教室であった事を忘れていた少年は、軽く挨拶をするとさっさと行ってしまった。

 あかねはこれを見て、本当にクールなキャラクターでいられているのか疑問に思ったが、本人がそう言うならそうなんだろうと納得して教室へ戻った。

 

 授業ノートを取りながら考えるのは、お昼の少年のこと。

 初対面なのに距離感が近かったなぁとか、なのに不快に感じなかったなぁとかそう言うこと。

 そういえば彼は明日もあの場所に行くのだろうか。

 そもそもそんなに仲良くないのだ。わざわざ私が行く必要はない。

 けれど、私はどうしようか。

 

 

 

 

 

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「あ、あかねさん来た! やっほー。また一緒に食べようぜ?」

 

 膝の上に弁当を置いて、律儀に待っている少年の姿があった。




オリ主
イケメン。クールキャラらしい。あかねさんに何かシンパシーを感じたらしい。そんなものあんの?

黒川あかね
天才。美少女。
オリ主のことは見た瞬間に適当に扱っても大丈夫そうだと思ったらしい。
キャラ崩壊かもごめんなさい。

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