黒川あかねと話すだけ 作:推しの子ハピエンで終わりそうですかね?
赤バーになってました。いつか目標にした日間一桁になってました。
本当にありがとうございます(土下座)
これからも楽しい物語を投稿できる様頑張っていきます!!
「前に写真撮ったの覚えてる?」
「覚えてるよ……というかまだ一週間も経ってないぜ」
「あれ先輩に見せたんだ」
「ほーんなんて言ってた? あかねはやらんって?」
普段図書館で勉強する時にはイートインスペースで昼食をとっている二人だが、今日は違っていた。
今二人が話しているのは、公園のベンチ。肩と肩が触れ合いそうな距離で隣り合って座っていた。
天気がよく、風が気持ちいいということで外で食べることになったようだ。
「んーとねぇ……んん、「何このイケメン?! あかねの彼氏?!」だってさ」
「劇団の人にもイケメンって言われるくらいだから、僕間違いなくイケメンだ」
「自信ついた?」
「元から青天井だった自信がすごいことになってる」
「ふふふ、もちろん私もかっこいいと思ってるよ」
「でしょ? 僕かっこいいんだよ」
「残念なイケメンって緋彩くんのためにある様な言葉だよね」
「??? 僕全然残念じゃないんだが? むしろ優良だが?」
「普段言ってること思い出したら心当たりあるんじゃないかな?」
「…………ないっ!!」
「なかったかぁ……!」
いい笑顔で答える緋彩とは逆に、がっくりと肩を落とすあかね。
残念なやつに残念なことをわからせるにはその程度ではいけない。もっとガツンと言ってやらなければ。
「だって考えてみてよあかねさん」
「私はいつも色々考えてるよ。緋彩くんと違って」
「あかねさんが毒を吐いてる…………?!」
「ごめんごめんつい本音が」
「本音が?!」
「それは置いておいて」
「流石に見過ごせないぞそれ?!」
「えー? 緋彩くんは仕方ないな…………はいこれあげるから許して、ね?」
「えっ? いいの? 唐揚げありがとう!!」
「緋彩くん流石にちょろすぎない?」
あかねに唐揚げを弁当箱に移してもらい喜ぶ緋彩。
もしかして私が見ておかなければ、緋彩は食べ物に釣られて悪い女についていってしまうのではないかと心配になった。
緋彩はあかねのことをちょろいちょろい言うが、食べ物で釣れる緋彩の方が低コストかつちょろそうである。
「おー! めちゃくちゃ美味しいね!」
「ありがとう。他の人のもらいについて行っちゃダメだよ?」
「うんわかった! 唐揚げ冷めてるとは思えないくらい美味しい」
「自信作なんだ。お菓子作りは緋彩くんに勝てそうもないけど、お料理は負けないよ」
「むむむ、これは勝てないなぁ……唐揚げは冷めちゃったらおいしくなくなっちゃう」
「ふふん、すごいでしょ?」
「これはすごい。今度教えてくれない?」
「また家に来るか、緋彩くんのお家にお邪魔させてくれたら教えられるよ」
「じゃあ今度は家に来なよ。歓迎するよ?」
「いいの?!」
「う、うん。ぜひいらっしゃい勢いすごいな」
月下家に行く約束を取り付ける二人。
約束してからあかねは、月下家は魔境なんじゃ……と思い出したが時すでに遅し。緋彩くんはうっきうきで家族に連絡している。取り消すつもりは元よりないが、雰囲気的にもう取り消すことはできない。
あかねには、嬉しそうにしている緋彩の顔を曇らせたいなんて欲求はない。
我々の様な心の薄汚れてしまった人間とは違うのだ。
弁当を食べながら再び話を戻す。
「で、なんの話してたんだっけ?」
「忘れてたの?! 完全に話戻そうとしてたじゃん!」
「まあ、忘れたってことは重要じゃなかったってことだよあかね君」
「なんで私が諭されてるの?」
「気にしない気にしない!」
「なんだか釈然としない気分……」
「あそうだ、さっきの唐揚げのお返しに好きなのとっていっていいよ」
「ほんと? なら……私も唐揚げ貰おうかな」
「どうぞどうぞ〜」
あかねから差し出された弁当箱に、唐揚げを移動させる。
「ありがとう…………緋彩くんのも美味しいよ?」
「そうかな? でもあかねさんのには劣るよ」
「私は好きだよ。冷たくなってるけど美味しいと思うけどなぁ」
「なんであれあかねさんの口にあったならよかったよ」
「……あのさ」
「ん?」
「その……卵焼き……もらってもいい? 私のもあげるから」
「いいよ。……はいどうぞ」
「ありがとう! 私のもあげるね」
「ん、黒川家の卵焼きはしょっぱめなんだね」
「月下家は甘いね」
「僕はしょっぱい卵焼き食べてきてなかったから知らなかったけど、これはこれでおいしいねぇ」
「しょっぱい方がご飯が進む気がしない?」
「確かに」
「でも甘いのもいいね。砂糖砂糖してるのはあんまり好きじゃないけど、これくらいの甘さは好き」
「戻ったら分量教えよっか?」
「いいの? なら教えてもらおうかな」
「おーけい! 良ければあかねさん家の分量も教えて」
「いいよ。たまに作ってみてね」
食事を終えた二人は、ベンチに座ったままぼんやりとしていた。
木陰になっており、風通しがいいこの場所はいい休憩スポットになったらしい。
「風が気持ちいいね」
「そうだね〜。葉っぱが擦れてザワザワしてるのもポイント高いよ」
「音で涼しく感じることがあるのって不思議だよね」
「風鈴が鳴ってると普段よりも涼しい気がする」
「あとは〜、打ち水するとしないとだと全然違うよ」
「確かに。僕の家でも打ち水やってるわ。水撒いた時のジューって音好き」
「あはは、緋彩くんは子供だなぁ」
「失礼な。あれは老若男女、生きとし生けるものなら皆好きな音だよ」
「相変わらず……なんと言うか大袈裟な表現が好きだよね?」
「意識して使ってるわけじゃないけど、勝手にでてくるから好きなんじゃない?」
「てきとうだなぁ」
「適当だよぉ?」
風が吹き、木の葉が擦れる音が鳴る。図書館の中とは違った、自然な涼しさに身を任せてゆったりとした時間を過ごす。
二人とも言葉を発することはなく沈黙が続いているが、ゆったりとした心地いい沈黙であった。
しばらくそのままゆっくりとしていると、何か思いついた様であかねが口を開いた。
「秋になったら紅葉狩り行こうね」
「お、いいねぇ! 僕はライトアップも見に行きたいな」
「私は普通に昼間ハイキングコースを歩きたいなぁ」
「なら二回はいけるね」
「昼間見る日と、夜見る日?」
「あかねさんの余裕があれば……だけどね」
「絶対作る」
「無理しちゃダメだよ?」
「してないし、これからもしないよ。体調崩したらその分色々できなくなっちゃうから」
「ならいいんだけどさ……」
「そんなに無理してる様に見えるかな? ……これからはもうちょっと気をつけるよ」
「だって料理教室、稽古、僕と勉強に遊びに行く。他にも役作りのための勉強もしてるわけでしょ?」
「そうだね」
「過密スケジュールがすぎると思うんだけど」
「そうかな? 緋彩くんと会ってるのはお休みの日だし、緋彩くんといるとリラックスできるから全然苦じゃないよ」
「そうなの? ……そう言ってくれると僕も嬉しいよ」
「んー! よし! ご飯食べて十分ゆっくりしたね!」
「じゃあ戻って続きの勉強しますかぁ!」
「あかねさん、これ僕かなり成長してると思うんだ」
「うん。もう直ぐに私と同じくらいできる様になりそう」
「ほんと?! よかったぁ……これで伸びてなかったら泣いてたよ」
「あとは細かい計算ミス無くすことと、公式の意味を理解した方がいいと思う」
「公式の意味」
「うん。公式の意味が分かってれば、もし忘れちゃっても自分で作れたりするから、覚えておいて損はないよ」
「そうなんだ。初めて知ったよ。公式は教科書に載ってる結果の部分しか覚えてないや」
「せっかくなら証明まで覚えておくと、意外と使えたりするよ」
「へーわかった。これからはしっかりやっとくね」
「うん。夏休み明けのテストは私と緋彩くんでツートップを狙うんだからね!」
「それ本気で言ってたの?!」
「当たり前だよ。やるなら本気で……でしょ?」
「む、そうだね」
「大丈夫。私が教えたし、緋彩くんも頭がいいからいけるよ」
「確かに。あかねさんの教えが素晴らしい事を証明するためにも、明けのテストは100点取るよ!」
「一緒に頑張ろうね!」
「任せておいてよ! やる気になった僕はすごいから!」
「よし、いい感じだね」
「頑張るってやろうと思ったら、普通にできた」
「すごいよ緋彩くん! 夏休み初めとは全然違う。もはや別人だよ!」
「うへへ、そんなに言われると僕も照れるよ」
「学校から配られたプリントは全部しっかり解けてるね」
「やー始めたばっかりは辛かったけど、今は問題がすらすら解けて楽しい」
「うんうん。私は緋彩くんが数学嫌いを克服してくれそうで嬉しいよ」
「解けると楽しいのはやっぱりどの科目も同じだね」
「演劇もそうなんだけど……知らない作品よりも、知ってる作品の方が楽しめるものだからね」
「確かに! 何をするにせよわかってた方が楽しいねぇ」
「私も最近教えるのがうまくなってきた気がする」
「始めたばっかりの時もよかったけど、最近は教え方に磨きがかかってる」
「劇団でも、演技指導が上手になってるって褒められたよ」
「僕の介護がそんなところで活かされたんだ」
「ずばっとはっきり言った方が、教えられている方もわかりやすいんだね」
「わかりやすい。遠慮がちに言われてもどこを直せばいいのかわからないんだよね……」
「緋彩くんを教えててよかったと思ったよ」
「こちらこそ、と言うか僕の方がお礼を言いまくるべきなんだよなぁ」
「緋彩くんは毎回お礼を言ってくれるから、私も嬉しい」
「挨拶お礼は人間関係の基本だぜ。これくらい普通だよ」
「普通のことを普通にやるのが意外と難しいじゃない?」
「ま、それもそうだね」
「緋彩くんが数学いい感じになってきたので、今度からは予習もやります!」
「……予習?」
「まだ授業でやってないところを、私が教えてあげるよ」
「あかねさんできるの?」
「もちろんできるよ! 私勉強も得意だからね」
「やっぱりあかねさんとんでもないな」
「安心して、しっかり教えてあげられるからさ」
「疑ってないよ。僕は全面的にあかねさんを信じてるよ」
「じゃあ今日はこれでおしまい!」
「ありがとうございました」
「じゃあまた明日やろうね! 教科書ちょこっと読んでくるだけでいいから」
「まかせて! しっかりやってくる。明日驚くなよ!」
「それなら楽しみにしておくね」
「それじゃああかねさん、バイバイ」
「またね緋彩くん!」
月下緋彩
チョロイン。好きなおかずでついてくる。
黒川あかね
悪い女に緋彩くんが引っかからない様に、私が一緒にいてあげないと!
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