黒川あかねと話すだけ   作:推しの子ハピエンで終わりそうですかね?

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……日間6位になってました。信じられません。めちゃくちゃ嬉しい。
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黒川あかねと勉強するだけ②

「あ、あかねさん……」

「どうしたの緋彩くん? そんなに苦しそうな声出して」

「も、もう勘弁してくれっ! これ以上はもう限界だよ……」

「ふふふ、だーめ。まだまだやるよ」

「可愛く言っても、本当にもう限界だよっ!」

「ええー、情けないなぁ……ほらもう少しだけだから……ね?」

「うう、もう無理だ。あたまわるくなる…………僕はお昼にしてくるからな!!」

「あ、緋彩くん! …………もう! 私も行くからちょっと待って!」

 

 たくさんやらせすぎちゃったかな? と呟きながら追いかける。

 頭悪くなることはないと思ったあかねだが、いちいち突っ込んではキリがないのでスルーした。緋彩との会話のコツである。

 そんなことはともかく、二人が勉強していた席には、チェックマークが付いたたくさんの紙と問題集。どうやら残された紙は全て、計算問題を解いた跡のようだ。

 開館してからおおよそ四時間。延々と計算問題を解かせられ、その上間違え続けた緋彩のメンタルはもうボロボロのようで、あまりの苦痛に逃げ出してしまった。

 あかねは緋彩のことを情けないと言っていたが、苦手なものを四時間解かせられ続けるのはただの苦行である。

 

 

「緋彩くんなんで逃げ出したの?」

「……あかおには「あかねさんは鬼」の略称だった?」

「なんて事言うの?!」

「はぁ、かわいい鬼になら食べられてもいいとは思ったことあるけど、食べられる前にパンクさせられるところだった」

「君、失礼な子だね」

「シンプルな罵倒はダメージ結構入るんだよね」

「教えてあげてるのにあんなこと言われたら私もショックだよ」

「ぅっ、それはそうだけどさぁ……」

「あーあ私緋彩くんのせいで傷ついちゃったなぁ〜」

「でも、あの量は許されないよ!」

「私が普段やってるのと同じ量だよ?」

「まじか」

 

 あかねの勉強量に素直に驚く緋彩。どうやって時間を捻出してるのかぜひ知りたいものである。あかねさん本当に休んでる?? 

 

「あれどれくらいの時間でこなせるの?」

「うーん二時間くらいかな」

「ぼ、僕の半分……おかしいなあれそんな早く終わる量じゃないぜ?」

「まだまだ私には及ばないようだね緋彩くん」

「なんでチャートが単元二つ分全部解き終わるの??」

「実力じゃない?」

「無慈悲な宣告……!」

「大丈夫だよ。あれも結局は、最終的にできるようになればいいんだからね」

「そう考えれば、やらないこともない……か?」

「私が教えるし、応援してあげるからね? 頑張ってやろう?」

「うん。わかった!」

 

 あかねは小学校低学年を相手するような接し方で諭す。

 緋彩は毎回、逃げ出したり途中で自力で解くことを諦めたりしているが、根気強く教えてくれるあかねに感謝するべきだろう。

 あかねさんが優しくて良かったな。

 

「そういえば、今日の卵焼きはあかねさんに教わったやつになってるよ」

「そうなの? 私も緋彩くんに聞いたレシピで作ってきたんだ。奇遇だね」

「同じ分量で作ったはずなのに、味見したら微妙に違ってたんだよね」

「ええ? そんなことあるかなぁ」

「ほら、一口あげるからさ」

「一口? 一個じゃなくて?」

「今日一つしか入ってない、というか入れてきてない」

「一つしかないのにもらっていいの?」

「半分ね! 一口って言って全部持っていかないでよ?!」

「私そんなことしないよ!」

「でもあかねさん食いしん坊だから」

「…………ふん、いいよ。緋彩くんがその気なら私が食べちゃうから!」

「え? ……あっ、あっあっあっ!」

「うん、美味しいじゃん。確かに私が作ったのとは味が違ってるね」

「ああ……僕の卵焼きがぁ」

「大丈夫。私三分の二くらいしか食べてないから」

「食の恨みって怖いってことをわからせてやる!」

「あっ! 私の取らないでよ!」

「ばーかばーか! 僕の食べたんだからこれであおいこだよ!」

「私のが…………いいよ、私は大人だから全然怒ってないから」

「お、そう? じゃあもう一個もらうね!」

 

 べしん! 

 

「痛ったー?!」

「ふふふ、初めてだよ私が人を叩きたいと思ったのは!」

「も、もう手がでてます……」

「ごめんね。痛かったよね? 私本当はこんなことするつもりじゃなかったの」

「DV彼女?」

「私DVなんてしないよ? だから浮気したらダメだからね?」

「そうやって油断させてまた叩くんでしょ! 知ってるから!」

「私がそんな事するわけないじゃん。するとしたら……」

「あっ! また僕の取った!」

「ん、ご馳走様」

「……お粗末さまでした」

「もーそんなに落ち込まないでよ」

「落ち込んでるのは数学のせいだから大丈夫」

「ここで数学に戻るんだ」

「戻るよ」

「この独特な会話のテンポが緋彩くんって感じがする」

「これについて来れるとは……あかねさんもやるね」

「伊達に四ヶ月付き合ってないって事だよ」

「伊達巻き食べたくなってきた」

「やっぱりついていけないかもしれないや」

 

 緋彩の言葉にニヤリと笑って返したあかねだったが、ついでの言葉にがっくりと肩を落とした。

 

「なんで急に伊達巻き食べたくなったの?」

 

 女神あかね、しっかりと緋彩の話を聞いてあげようとする。間違いなく幼稚園児を相手してる気分であろう。対応が幼児と戯れる時のそれである。

 

「卵焼きの話してたことと伊達ってでてきたから」

「伊達と卵で伊達巻きに連想したってこと?」

「そう言うことだね」

「突拍子もない発想すぎる」

「みんなは理解できたかな?」

「私しか聞いてないよ」

「様式美的なサムシングだよ」

「その使い方面白くないよ」

「女の子にそう言うこと言われるのすごいダメージ入るの知ってる??」

「攻撃は効果的に決めてくのが重要なんだって」

「攻撃ならぬ口撃だね」

「でも女の子に責められるのが好きって人もいるって」

「僕は決してそんな深い業は背負っていない」

「先輩が耳元で囁けば男はイチコロだって」

「くっ、確かに囁き声は刺さるかもしれない」

「ご飯食べ進めたらどう?」

「あかねさんも僕と同じくらい独特なテンポしてると思うよ」

 

 

「「ご馳走様でした」」

「さ、戻って勉強するよ」

「リフレッシュは十分だ。やれるぞ!」

 

 

「お、終わりましたか?」

「うん。よく頑張ったね。今日は時間きちゃったみたいだしここまでかな」

「黒川先生いつもご指導ありがとうございます」

「いいのよ月下くん。私も教えてて楽しいから」

「ちなみにどんなところが?」

「緋彩くんが解けて喜んでるところを見ること」

「変なこと言うんじゃないかと思った自分を殴りたい……!」

「自分を大切にね?」

「これはいい先生だ」

「でしょ?」

「それで今日は家で何をやってくればいいの?」

「今日使った公式を証明まで含めて復習してきてね」

「ん、承知した」

「あとは寝る前に暗記が必要な科目ね」

「それはいつもやってるから心配無用」

「しっかりやっててえらいよ」

「あかねさんほどじゃないよ……いや本当に」

「時間を上手に使えれば、緋彩くんもいろいろやれることが増えるよ」

「お店のカウンターでぽけっとしてないで勉強しておく」

「それは許してもらえるの?」

「あかねさんと話してても許してくれるから勉強も許してくれるはず」

「あ、早く出ないと注意されちゃう」

「それはまずい、急げ急げー」

 

 

 

「うーん、夕方とはいえ夏は暑いねぇ…………」

「私はタオルがないと外に出られないよ」

「僕もタオルは必需品だと思う」

「私は日焼け止めも塗らないといけないんだ」

「僕も塗ってる。肌があんまり強くないから日焼けで大変なことになっちゃうんだよね」

「長袖着てるのも?」

「嘘かまことか、日焼け対策ができるらしいやつきてる」

「効果はあるの?」

「知らん。あるといえばある気がするし、ないといえばない気がする」

「えぇ?」

「そもそもあまり外に出てないから」

「そっか。私といる時くらいってこと?」

「だね。あかねさんと会わなくなったら多分そうそう外に出ないと思う」

「インドア派だね」

「キャンプとか海は好きだよ」

「私はキャンプしたことないなぁ」

「今度行ってみたら? 外で色々やるの楽しいよ」

「憧れてはいるんだけどね」

「ぜひ行ってみてくれ」

「その時は緋彩くんも来る?」

「流石の僕でも家族旅行にでしゃばる気はないぜ」

「それもそうだね」

 

 

 

「じゃあそろそろ帰る」

「ん、バイバイ。次はお祭りでね」

「はーい。またね」




いちゃついただけ。

次回はお祭り行かせます。今話いらなかった感。

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