黒川あかねと話すだけ   作:推しの子ハピエンで終わりそうですかね?

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感想・誤字報告ありがとうございます。

あと十話前後で完結できそうなので、ひとまず安心って感じです。
今話も二つ合わせて五千字くらいです。

これが終わったら「◯◯と話すだけ」って題名で他の作品も描きたいなあ。
原作俺ガイルで「川崎沙希と話すだけ」「平塚静と話すだけ」「雪ノ下陽乃と話すだけ」とか。語呂が良くなるようなキャラクター求。


黒川あかねとハロウィーン?

「お菓子をくれなきゃイタズラしちゃうぞ」

「?!」

 

 祖父の営む書店で、うつらうつらと船を漕いでいた緋彩は、突然耳元で声がしたことに驚き飛び上がった。

 本日の日付は10月31日。つまりハロウィーンである。

 

「え?? えっ?? い、いらっしゃいませ」

「ふふ、お邪魔してます」

 

 動揺しながらも、店員としての責務を果たすべく挨拶はしておく。店番であるのに、居眠りしそうになっている時点で責務は果たせていないことは明白である。

 

「あの、いつ入ってきたの?」

「んー? ちょっと前かな」

 

 びくぅ! とでも言う擬音が見えるほど驚いた緋彩を見て、あかねの秘められたナニカがアップを始めたような気がするが、多分気のせいである。

 

「入ってきたら鈴鳴るはずなんだけど」

「ほら、私の開閉スキルが高かったんだよ」

 

 キョロキョロと視線を泳がし言うあかねに、君そんなキャラだったっけ? と不審に思う緋彩。

 罪悪感だとか興奮だとか、嗜虐心だとかいろんな感情が湧いてきて、目を合わせないあかね。

 そんなあかねの内心に気がつくことなく緋彩は、つらつらと言い訳を並べ始める。

 

「確かに僕もうつらうつらしていたことは認めるが、流石に人が入ってきたら気がつくはずだ」

「ほんとー? 私緋彩くんが一回寝ちゃったらなかなか起きないって知ってるんだよ」

「そうだけどさぁ……なんでそんなこと知ってるんですか????」

 

 あかねの言によって、先ほどまで疑問に思っていた侵入方法など、一瞬で宇宙の彼方。それ以上に聞き逃さない言葉が聞こえた。

 若干……どころか割とドン引き案件な気がしている緋彩である。

 

「アレ? なんか距離が……?」

「あかねさんのことやべーやつだとは思ってたけど、まさかここまでとは思ってなかったよ」

「何?! 何が緋彩くんをそこまで言わせたの?!」

「もしかしてしらないうちにあかねさんと寝てた???」

「ねっ?! そんなことしてないもん!!」

 

 あかねは顔を紅くして否定する。

 

「じゃあなんで知ってるんだよ?!」

「それくらいわかるに決まってるじゃん!!」

「それがおかしいっていってるんだけどぉ?」

 

 うーんと唸る緋彩。なんで僕の生態を知ってるのかさっぱりわからない。エスパーだろうか。

 

「もしかして花火の時に言ってたアレ、あかねさんが僕にやってたってこと?」

「花火の時のあれ?」

 

 あかねは何か言っただろうかと考えるが、特別おかしなことを言った覚えはない。緋彩のエスパー地味た能力に驚いただけだったはずだ。

 

「ほら、盗撮だとか盗聴だとかGPSだとかってやつ」

「そんなストーカーみたいな事しないよ!!!」

「ほんとー?」

 

 それで盗み見たんじゃないのかぁ? と目を細めながら顔を近づけ、訝しむ。さながら犯人を追い詰める刑事である。この間抜けに務まるとは到底思えないが。

 そんな緋彩に対してあかねは強く否定する。

 

「そんなことしなくても私はわかるもん!!」

「は?」

 

 無断で位置情報取得やら盗撮盗聴やらも恐ろしいが、そんなものを用いずとも割り出せると言うあかねに、完全にドン引きである。緋彩が思うにあかねは恐ろしい変態である。

 

「…………あかねさん」

「……何? 私変態じゃないから」

 

 それ言ってももう遅いからと思ったものの、言わないでおいた緋彩はえらい。

 

「どんだけ僕のこと好きなの???」

「…………………………は?」

 

 やはりえらくなかった。

 数秒間の沈黙の後、あかねはその言葉を飲み込む。天才の脳でも処理するのに時間がかかる情報を飛ばすとは……緋彩も天才だったのだろうか? 

 それと同時に、とてつもない羞恥心があかねを襲う。

 

 アレ? 私なんだかすごいこと言ってなかった? 緋彩くんのことならなんでもわかるよって重たすぎるよね?! 緋彩くんと私が付き合ってるカップルならまだしも、私たちはまだ仲の良い友達なわけで。そんな女が言うにはあまりにも重いしストーカーに思われても仕方がないことを言っている?! 確かに緋彩くんの事は(以下略)

 

「これは、ちがっ! その違わないけど!」

 

 目をぐるぐるにしながらあたふたとして、要領を得ないあかねの言葉を右から左に流した緋彩。とりあえず焦っていることはわかった。

 

 ……………………あれ? あれで焦り始めるって、それってつまり図星ってことでは? だとしたらあかねさんは僕を……? 僕もあかねさんのことは、まぁその結構という? かかなりというか? あれだし…………変なことを考えるな落ち着け僕! 落ち着くんだぁっ! 

 

 普段はあほばかな思考しかできないくせに、こういう時だけ妙に鋭くなるご都合主義な頭脳。

 

 忘れようにしても二人とも記憶力は高いし、大きく感情を揺さぶられているので忘れることはないだろう。

 

 生ぬる〜い空気が二人の間を流れる。

 先ほどまでの興奮した様子はどこへやら、仲良く並んで沈黙。

 

 そんな残念な二人であったが、客が入ってきたことでそんな空気も無くなった。未だ顔は火照っているようではあるものの、怪しまれない程度には復帰したようだ。

 

 その様子を奥から見守る緋彩の祖父は、若い子が青春している姿を見ていくらか若返ったそう。

 

 

 

 

 

 

 

「…………イタズラされたくないからお菓子をあげよう」

「……ありがと」

 

 イタズラされたくないと言った緋彩であったが、そもそも、トリックオアトリートの言い方がイタズラでないだろうかと思う。あかねもそう思っているのか、微妙な反応である。

 

「下手なイタズラよりも変な空気流れたけどね」

「緋彩くんが変なこと言うのが悪いんだよ」

「えぇ? 僕は思ったことを素直に言っているだけ」

 

 バリバリと煎餅を食べながら言う。

 

「ふーん、まぁそんな事はおいておこうよ」

「そんな事はだったかー」

「今日はハロウィンなわけだけどさ」

「うん」

「緋彩くんとハロウィンっぽいことしたいなって」

「ハロウィーンっぽいことぉ?」

「そう」

 

 普段突拍子もないことを言うのは緋彩であるが、今日はあかねの日のようだ。緋彩に似てきて少し不安である。

 

「イタズラはもうされた? し、お菓子もあげたし何か他にあるっけ?」

「もう、緋彩くんは鈍感さんだなぁ」

「大事な時には鋭くなるから大丈夫」

「今は大事な時間じゃないって言いたいの?」

「そんなわけないじゃん」

 

 とはいえ、失礼な言いようになってしまったかもしれないと反省する。

 

「それで、まだやってないハロウィーンっぽいことって何」

「ん? 緋彩くんまだ言ってないじゃん」

「何を?」

「トリックオアトリートって」

「えぇ? そんなことぉ?」

「私にとっては重要なの」

「それは申し訳ない…………このキットカット三つあげるよ」

「え? いいの? ありがとう」

 

 手元に確保しておいたキットカットを三つあかねに渡す。元から自分の分は少なめに取っておいたため、緋彩の下にはあと二つしか無い。少ししょんぼりとしている。

 

「トリックオアトリートお菓子をくれなきゃいたずらするぞ」

「あーげない」

「ぅえ?」

 

 あげない? ここにきてあげないとかあるの? 

 緋彩の脳内大混乱である。

 

「どういうこと? お菓子くれるんじゃ無いの?」

 

 わけもわからないままあかねに尋ねる。

 するとあかねは、瞳を輝かせ妖艶に笑う。

 

「私にいたずら…………する?」

 

 場が凍りついた。

 奥から何かをこぼしたような音と共に食器の割れる音、緋彩がぼりぼりと食べていた煎餅は机に落ちる。

 

「は、ははは……冗談がお上手なことで」

「冗談……だと思うの?」

「流石に冗談でしょ」

「ふふふ」

「待て待て待て! 何その反応?! ねぇ?!」

「あ、お母さんに帰ってきなさいって言われちゃった」

「ここで?! このタイミングでなの?!」

「ごめんね?」

 

 うがーと頭を抱える緋彩。それを見て笑っているあかね。おそらく掃除しているであろう祖父。完全にカオスな空間となっている。

 

「じゃあね!」

「まて! まつんだあかねさん!!」

「待ちませーん! 学校でね!」

 

 さっさと荷物を持って店を出ていくあかねを、何もできずに見送ることとなった緋彩。

 

「なんなんだあの子は……」

 

 嵐に全てを持ってかれたような雰囲気を出している。

 ふと、あかねが座っていたところを見れば一枚の手紙がある。忘れたのかと思い手に取ってみると

 

『緋彩くんへのお菓子はお爺さんに渡してあります。イタズラできなくて残念だったね!』

 

「………………完全に手玉に取られた」

 

 どこかでくすくす笑った声が聞こえた気がしたが、きっと気のせいだろう。

 緋彩はがっくりと肩を落として店の奥に消えていった。




月下緋彩
前回よりも吹っ切れた……のだろうか?
好きと気になるの違いは何?って感じ。九十九割好き。

黒川あかね
もう開き直ってる感。
好き(Like)でも好き(Love)でも、仲良くしたい気持ちに間違いはない。ならアピールしてもいいよね?


──────有馬√

「ここが現場なの?」
「そうよ。普通の人は入れないんだから感謝しなさい」
「ふーん、ぼくたのんでないけどね」
「うるさい」
「はーいしずかにしてまーす」
「あんたねぇ」

 緋彩はかなに連れられて撮影現場に来ていた。来るまでに車で寝てしまっており、気づけば既に現場入りである。

「あ、お兄さんお姉さんおはよーございます!今日はさつえーの見学にきました!月下緋彩です!よろしくお願いします!!」
「あら、かわいいわね。よろしくね」
「あー君が……よろしくね」
「はい!ほら、かなちゃんもご挨拶しなよ!」
「私はあんたが車で寝てた時にしてあるわよ!」
「あ、そうなの?!すごーくえらいね!」
「ふん、挨拶するのなんて当然のことを私ができないわけないじゃ無い」
「?!………うんうんそうだねそうだねえらいねぇ」

 若干上の空で返事する緋彩。自分が寝ている間に済ませていることを聞いて、着いてからどれくらい時間が経っているのか、少し怖くなったなんて事はない。
 かなが紹介して緋彩が挨拶をする流れを一通り繰り返した。

「ご飯の人かなちゃんと僕になんかびっくりしてたね?」
「ご飯の人?…………………五反田監督ね」
「うん」
「人の名前くらい覚えなさい」
「お腹空いてたから」
「仕方ないわね………これあげるわよ」
「チロルチョコだ!」
「それ食べて大人しくしてなさい」
「はーい」

 そう言って包みを開けようとした緋彩。そこで近くの部屋から大きな声が聞こえてきた。

「ママぁぁああぁ!ママのどごがえりだい!!」

「「?!」」

 突然の大泣きに驚く二人。顔を見合わせる。

「すごい演技だね!!」
「どう考えても演技じゃないわよ!!」
「演技じゃないの?!」
「ちがうわよ!まだ撮ってないもの!」
「そうなんだ?」

 声のした方をじっと見つめる緋彩。

「じゃあどんな子が大泣きしてるのかみてあげよう!」
「はぁ?何言ってんのよ」
「泣いてる子は放っておいちゃダメって近所のおねえさんがいってた!」
「あ、ちょっとまたなさい!」

 かなの制止も虚しく、扉を開ける緋彩。

「早く帰ってバブりたい!!ママの胸でオギャりたいよー!!」
「アイとは撮影日が違うんだよ」

 緋彩とかなな目に飛び込んできたのは、よくわからないことを言う少女とそれを嗜める少年。

「私をオギャバブランドに返してー!!!」

「「…………」」

 これには、かなも緋彩も言葉が出ない。言っている言葉も初めて聞くようなものばかりで、意味がわからない。

「「あっ」」

 かなと緋彩、少女と少年、お互いに見つめ合う。
 その空気を壊したのは緋彩。少女の方を指さして声を上げる。

「変な子いる!!!」

失礼なガキである。これには少女反論せざるを得ない。

「変な子じゃない!!」
「オギャちゃんも見学にきたの?一緒だね!」
「オギャちゃん?!オギャちゃんって私のこと言ってるの!?」
「うん!おぎゃ……おぎゃ…おぎゃらんどに行きたいんでしょ?あだ名ってやつだよ!」
「違う!私にはルビーってママのつけてくれた名前があるの!」
「ふーん?ルビーちゃんって言うんだ?よろしくね!」

 少女改め、オギャちゃん改め、ルビーの手を取って握手する。ルビーは緋彩の勢いにタジタジである。
 かなと少年はそれを呆然とした様子で見ている。緋彩の勢いに固まっているようだ。
 私の時はそんな勢い無かったじゃない???

「ママのあいって人とはぐれちゃったんだよね?僕らが一緒に探してあげるよ!」

 緋彩の中でルビーは、ママと逸れてしまった子供である。さっき挨拶した人にそんな人いたっけなぁ?と考え始める。

「えと……君たちは?」

 そこで硬直から回復した少年が緋彩とかなに尋ねる。

「私は有馬かな。今日の共演者よ」
「ぼくは月下緋彩です!かなちゃんのコシ?で見学きました!」
「コネよ!いや、コネじゃないわよ!」
「そうなの?なんでもいいかなぁ……しょーねんは?」
少年……アクアって言うんだよろしくね」
「ルビーちゃんもそうだけどすごいあだ名だね!ほーせきと水でしょ!!」
「ほ、宝石……」
「み、水……」
「うん!そう言うのなんて言うんだっけ?」
「芸名よ」
「そう!それ!」

 まぁ緋彩からしたら、芸名だろうと本名だろうと呼べればなんでもいい。
 アクアは、アクアマリンの名前を知られたらどんな反応されるのか少し怖くなった。
 「水海(みずうみ)ってこと?湖くんっていうだ!英語じゃなくて日本語でいいのにね!変わってるね!」くらいだろう。呼び方はアクアくんからアクアマリンくんに変わるだけだ。

「あっこの子あれじゃない?」

 緋彩の勢いがひと段落したところで、ルビーがかなを指差す。

「重曹を舐める天才子役……?」
「10秒で泣ける天才子役!!」
「いやー僕って知らぬ間にそんなにゆうめーになってたのかぁ!」
「君のことは指してないわ!」
「指してないの?!」
「なんであんたのことだと思ったのよ」
「んー?なんとなく!」

 世間様にぼくの天才さが知られてるのかと思ったのに……と意気消沈気味な緋彩を横目に、アクアに口出しするかな。

「あなたコネの子でしょ!」
「次こそぼくのことでしょ!!!」
「うぅぅ!あんたは黙ってて!」
「はーい」

 かなに黙ってろと言われたので、ルビーちゃん泣いてたでしょ?チロルチョコ食べる?と餌付けを始める緋彩。ルビーもチョコを受け取り二人で食べている。
 かなが渡したのは一つだけだったが………緋彩に持たせていたバックから勝手に取り出して食べている。
 かなは、二度と誰かにバックを持たせないと心に決めた。

「あ、アクアくんとかなちゃんも食べる?」
「いいのか?」
「うん、どーぞ」
「私のなんだけど!」
「バックくれたから食べていいよってことかと思ってた」
「違うわよ!」
「ご、ごめんねかなちゃん………また今度お菓子あげるね?」
「そんなにしょんぼりしなくてもいいじゃない……気にしてないわ」

 申し訳なさそうにする緋彩に、なぜか罪悪感を感じたかな。悪いのはどう考えても緋彩であるからそんなもの感じる必要はない。

「そう?ならかなちゃんはアクアくんと仲良くしてるんだよ?」

 僕はルビーちゃんと眺めてるからと言う緋彩。このガキンチョは本当に反省しているのだろうか?

「………なんだか言う気がなくなったわ」
「そ、そうなの?」

 緋彩とのやり取り疲れ切った様子のかな。アクアに何か言う気持ちも起きないらしい。




───────────────────────

ぶっころまで行かなかった。

少年緋彩
気づいてはいけない事実に気がついているけど、誰も否定修正しないから仕方ないね。まさかの時限爆弾と化す主人公。アイを見たとしても、お母さんとおばぁちゃんの方が美人だとか思う。

ロリ馬かな
緋彩被害者。人に物を預けないようにすると決意した。挨拶大事なの理解した。
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