黒川あかねと話すだけ 作:推しの子ハピエンで終わりそうですかね?
なぜか書けなくなってました。ようやく書き上がった今話も短い。申し訳ない。
更新していない間もコメントありがとうございます。皆様の声のおかげでなんとか書き上げられました。
……ギリギリ約束に間に合ったはず。
更新してない間は受験で絶望したり新生活で死にかけてたりしました。
「今日もさっきまで練習してたんでしょ? お疲れ様」
「お疲れ様。緋彩くんも仕事が長引いたって聞いたけど……」
「あー、なんか電波幼女に絡まれてさ」
お前がこれ以上関わったら、物語の取り返しがつかなくなる! とか言われちゃってさ。と笑う緋彩。
「で、電波って……今どきつかわないよ」
「?! 電波人間は僕ら世代の必修科目じゃないのかっ?!」
「? ごめん、電波人間、ってなに?」
いや、それよりも絶対に話がとんでる、と確信するあかね。
日頃の緋彩との会話から、なんとなく話が逸れたことに気がつけるようになったらしい。基本的に緋彩との会話でしか発揮されることない無駄な技術である。
「まじかよ……」
そんなあかねの内心に気がつくことなく、本当に同じ年か? と驚きと疑いを持った緋彩であったがしかし、
「あ、そっか。あかねさんは小さい頃からずっと演技の勉強してたんだもんね」
「そうなんだ。だから小学生の頃も友達の輪に入れなくて……あはは」
「これ地雷ってことあるの?」
「で、でも最近は友達出来たし、ぜ、全然平気だよ!」
「かなりダメージ受けたように見えるけど……?」
「それに、頑張ってたおかげで緋彩くんと出逢えたからさ」
「あかねさん……!」
「それもこれも、全部今に繋がってると思えばなんてことないかな」
「僕と君が出会ったのは運命だってやつかな?」
「ふふふ、そう言われても私は疑わないよ」
地雷を踏まれたところから、うまくまとめるコミュニケーション能力を他人との会話で使うことができれば、もっと簡単に友達ができると思うが……これもあかねの一年の成長故にできることか。
「じゃあ、行こっか。遅くなっちゃった。時間もあんまりないしね」
「僕とあかねさん、二人とも初めてのイルミネーションにね!」
ライトアップが行われている通りを並んで歩きながら、白い息を吐いて話す二人。
「でさ、僕、あかねさんに感謝してるわけだよ」
「私もいつも誘ってくれてありがとうって思ってる」
「というわけで、僕にしてほしいことってない?」
「何がというわけでなのか、わかんないよ?!」
「今年はあかねさんがいてくれたおかげで楽しかったからさ。せっかくだし、何かさせていただきたいなって」
「それを言ったら、緋彩くんが話しかけてきてくれて、お昼を一緒に食べてくれたから関係が続いてるんだよ。私から話しかけるなんてできなかったと思う」
「まぁまぁ、いいからいいから。言ってくださいな」
「うーん、でも緋彩くんにしてもらいたいことかぁ」
「そ、割となんでもできるよ」
「そういえばハイスペックだったね」
「そういえばとはなんだそういえばとは」
「私も同じくらいできるから」
「……そう言われると確かに」
「でも、緋彩くんがいてくれたおかげで、色々できるのが楽しくなったんだよ?」
「ふーん? 僕もあかねさんといるのは楽しいよ」
「あはは、緋彩くんが思ってるのと、私が言ってるのはちょっと違うんだけどね」
「えー?」
「そうだねぇ……うん、私はしっかり成長できてる! って思っただけだよ」
「まぁ、とにかく。あかねさんには一生かけても、返せるかわからなくらいお世話になってるから」
「一生?! 私何かそんなにしたかな?!」
「僕の毎日に色をつけてくれたぜ」
「む、誤魔化したなぁ」
「なんのことかわかりませーん」
「ふぅ、おふざけは置いておいて、ほんとに恩とかそんなの気にしなくていいんだよ?」
「いやいや、感謝してもしきれないくらには思……おもってるからさ!」
「うぅん、なら考えておくよ。いつまで、とかある?」
「ない。いつでもいいよ! 僕にできることならなんでも守るから」
「私、初めてイルミネーションを見に来たけど、すごいね」
「うん、僕もこれは初めて来た」
「ふふ、初めて同士だね」
「お互い初めてなのは、これが初めてだったりする?」
「んー、そうだね!」
「緋彩くん……もっとこう、感想ないのかな?」
「感想ねぇ……じゃあ、あかねさんあそこ立って」
「え? まぁいいけど」
「ん、その辺り」
「ここ?」
「そう。いくよー、はいちーず」
「どう? 綺麗に撮れた?」
「撮れた。イルミネーション、今年一番鮮やかな景色だったね。あかねさんが映るだけで華があるよ」
「ふふ、私今日すごく気合い入れてきたから当然かな」
「だね。すごい綺麗だよ」
「……素直に認められると、反応に困っちゃう」
「お、僕と同じじゃん」
「いや、緋彩くんのほうが弱いから」
「褒められると弱いのは弱点だった?」
「弱いって言ってるもん」
「照れ隠しでは?」
「ここまで含んで照れ隠しだよ」
「素敵なアピールポイントだね」
「緋彩くんは、褒められると照れちゃう子は嫌い?」
「あかねさんの照れてる顔は好きかな」
「私も緋彩くんが顔逸らして赤くする仕草好きだよ」
「「………………」」
「ちょ、ちょっと緋彩くん向こう向いてて!」
「わか、わかった!」
こほん、と咳払いを一つして落ち着かせたあかね。
まだ二人とも頬が赤くなっている気がするが、きっと冬の冷たさのせいだろう。
「私の先輩におすすめしてもらったわけだけど、イルミネーションはどうだった?」
「そうだな……写真で見るより明るくて驚いた」
「あ、そっちにいくんだ」
「ん? 僕がどっちにいくと思ったの?」
驚いたように言ったあかねに、なんで驚かれたのかわからないという風な表情の緋彩。
緋彩の返事は普通におかしいので、もはや反応もしなくなったあかねは、緋彩との会話に毒されてしまったらしい。
「きれいとか……かわいいとか?」
「急にかしこさ下がったな」
「??? 緋彩くんは賢くないでしょ?」
「そんなことを言いながら純粋無垢な瞳で僕を見るな!」
「ふふ、冗談だよ」
正直冗談には見えなかったが……きっと演技だろう。そうしておこうと、心を守るためにそう思うことにした緋彩。
「…………僕、やっぱりこう……都会の都会都会した明るさじゃなくて、自然の暖かみのあるというか、そういう光の方が好きかなって」
「ごめん、緋彩語は結構わかってきたつもりだったけど、気のせいだったみたい。私、初めて人を理解できないと思ったよ」
「キラキラギラギラみたいな明かりは落ち着かないんだよね」
「続けるんだ。というか、わかりやすく言ってるつもりかもしれないけど、何も変わってないよ?」
「そんなっ?!」
「そんな?!」
「もっと、その、原始的な? ……火のゆらゆらする感じの方がすき!」
「あぁ、そういうこと」
影の揺らぎで表情の変わる緋彩を想像してみれば、異様に様になっていたので納得したあかね。
「わかってくれる?」
「わからなくはないけど、私はあんまり気にならないかな」
「……今度一緒にキャンプ行こうね」
「それはいいけど、急だね」
「焚き火を見たらわかるはず……! 綺麗だって!」
「緋彩くんといたらなんでも綺麗だけどね」
「ん、なんかいった?」
「イルミネーションみに来たのにそれを言ったら終わりじゃないかなって」
「確かに、わがまま言っただけになっちゃった」
「いいよ、私は気にしてないし…………見たいものは見れたしね」
写真は一枚もないけれど、見たかったものは記憶にしっかりと焼きついている。
「?」
「なんでもない!」
その後もふらふらと二人は歩いて周り、そろそろ帰ろうかといった時間。
緋彩は不意に足を止めて、バックから包装されたプレゼントを取り出し、あかねに差し出す。
「はい、これどうぞ」
「えっ? 何、これ?」
「クリスマスプレゼントだよ」
「私に? もらっちゃっていいの?」
「あかねさんのために用意したからね」
「……これ、万年筆?」
「うん。似合うだろうなって思って」
「……ありがとう」
「どういたしまして。クリスマスだし、日頃の感謝ってやつだよ」
「友達からもらったの初めて」
思わずというふうに言葉をこぼす。それを受け取ったあかねは、柔らかく繊細な宝物を扱うように、優しくゆっくりと胸の前で抱える。
あかねの胸に到来した感情は様々。緋彩に今の表情を見られてしまうのは、とても恥ずかしい。
咄嗟に下を向いて顔を隠してしまう。
緋彩はそんな様子のあかねを見て、オドオドしている……なんて事はなく、自信たっぷりのようである。
「普段からメモ取ってるんでしょ? ボールペンみたいに書き始めの出が悪くなったりしないし、いいかなって」
「うん、本当にありがとう」
「私、緋彩くんから貰えてすごく嬉しい」
顔を上げたあかねの、あふれんばかりの笑顔に見惚れてしまった。
そんな緋彩の様子を見て、決めた。
「ん、緋彩くんにお願いする事決まったよ」
「そう? 任せて、僕にできることならなんでもやるぜ」
「これからもずっと、私と仲良くして」
そう、ずっと。
「なんというか……あかねさんって無欲だよね」
「そんなことないと思うけどなぁ」
「私ズルっこだし、すっごく欲張りなんだよ」
「ふーん? あかねさんがそう言うならそうってことにしておくけど」
受け取ったプレゼントをハンドバックに入れて、くるりとまわり緋彩の瞳をまっすぐ見つめる。
「それで、緋彩くんは私とずっといてくれるの?」
不意に近づいてきたあかねに
先の質問に対する返事は、考えるまでもなく決まりきっている。
きらきらと輝く瞳を覗かせるあかねの手を優しく引き、胸に抱き寄せる。
緋彩の腕が背中に回され身体が触れ合い、二人の鼓動が重なった。
「言われなくても……前からそのつもりだった」
その言葉にあかねは、身体をあずけ、息が詰まるほど強く緋彩を抱きしめ返す。
「ふふふ、実は私、そう言ってくれるって知ってたんだ」
スランプ中にダンまちとリゼロを息抜きに書いたせいで、文章の雰囲気がそっちによっているかもしれない。
ゴールは決まってるので、どうにか完結させたいですね。
感想まってます!