【ポケモンプラチナ】失ったポケモンは二度と戻らない。【ポケモン視点】 作:null cedar
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自分の運の悪さを呪う。じゃんけんなんて三分の一でしか負けないのになんでよりにもよって二回連続で負けてしまうのだろう。いや……二匹でやった時に負ける確率が三分の一なのであり、今回は五匹でやったのだ。そうなると確率は……どうなるんだろう。分母は三の五乗だ。分子は言うまでも無く負けるパターンは三通り、つまりグーで負けるかチョキで負けるかパーで負けるかだ。そうするとその確率は、三の五乗分の三、約分をすることで三の四乗分の一。三の二乗が九だから、それが二かたまりで、九の二乗、つまりハチジュウイチブンノイチだよ?
パーセントにすると大体1.2%だ。そんな確率を引いてしまう自分はもしかしたら……今ポケモンクジを引いたら一等賞が当たるのではないか?
だがまぁ……事実としてその確率を引いてしまった。五匹から平等にただ一匹を決める。そのためにじゃんけんしようと言ったのは私だ。公平にしようとしたからじゃんけんにしたが……自分の運の悪さはもしかしたらじゃんけんという種目に置いては平等という目的のためには作用しないのではないか。そう考えずにはいられない。
アリエルはそんな詮無き計算をしながら歩いていた。
そう……私は今、ポケモンふれあいひろばで飼い主のゆるすぎの後ろを歩いている。
計算なりなんなり、とにかく別のことを考えながらじゃないととてもじゃないが間が持たない。
あんまりにも気が乗らない飼い主との散歩。そんなに共に戦ってないから私としてもまだ、ゆるすぎにどんな感情を示せばいいか分からない。つまりまだまだ他人なのだ。会って間もない会社の上司と一緒にランチを一緒にするような気まずさを感じる。
間が持たないので何かを見つけては拾いに行くなどして少しでも間をもたせる。
幸い拾うものがそれなりに役にたつものらしいからかどうなのかはわからないが、ゆるすぎは褒めてくれる。もしかしたら愛玩動物が何かを拾ってくるのが可愛いという絵面になっているだけかもしれない。
また、女の子とデートをしたことが無いであろうゆるすぎは、基本的に歩くペースが自分準拠だった。歩幅の小さい女の子に合わせて歩く速度を遅くするという器用さは持ち合わせていなかった。
ましてや、ミミロルは人間と比べても随分と小さい。そのためアリエルは着いていくだけでも微妙な小走りをしなければならなかった。
全力でも無く、歩く速度でもない微妙な小走りは普段しないので動きにくい。そのまま階段を移動すると足がもつれて躓く事も多々あった。
その度にゆるすぎは、デレデレとアリエルを気にかけてはいたが、それも今のアリエルにとっては気まずい事であった。
そんなポケモンふれあい広場での愚痴をにしまつやにしていたら、大声で笑われた。
このまま笑い顔が昇華してキマワリにでも進化するのではないかと思っていたら、にしまつやはそのままロゼリアへと進化した。
ゆるすぎは、にしまつやがチェリムへ進化するものかとばかり思っていたので、ロゼリアに進化した時は随分と驚いていた。流石に双葉からサクラは生えてこないだろうとツッコミを入れてはいたが、ポケモンの声は人間には届かない。
「でもバラだって大分類としては木なんじゃないの?」
とツッコミを入れたが
「私の品種は木にはならないんだよ」
と一蹴された。
「ま、強くなったんだからなんでもいいけどね……活躍期待してるよ、にしまつや」