【ポケモンプラチナ】失ったポケモンは二度と戻らない。【ポケモン視点】 作:null cedar
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トバリシティには一件の遊技場がある。そこではスロットを目玉商品としたゲームが置かれている。ゲームではコインを賭けることができ、勝てばその枚数を増やしていくことができ、その枚数に応じて景品と交換することができるシステムとなっている。
その遊技場の横にガフエルさんの墓を作ることにした。彼は仲間になってあまり時間を共にしていないが、人生を楽しむところがあったので、せっかくなのでこの街で一番楽しいであろう場所にひっそりとお墓を作ろうということになった。
そんな彼の散り様は俺にも少なからず影響を与えた。長く生きなくとも、たとえ一瞬の命であろうともその命を輝かせればその命は決して無駄ではない。
そして、戦闘においては有利な時こそ気を引き締める必要がある。有利というのは、そこに胡座をあき、慢心からの油断が生じる。不利な状況であれば初めから気は引き締まっている。油断なんて生じるわけがない。一部のミスも無いように立ち回る。手負いこそがベストコンディションであるのは戦闘において必然なのかもしれない。
だが、その有利からの慢心により命を落とす瞬間を目の当たりにしてしまった。代償こそ大きいが、俺は今後戦闘において油断することはないだろう。彼がそれを命と引換えに俺に見せてくれた。託してくれた。ならば精々俺の命のために使わせてもらうよ、その経験、知識を。
ところで、この遊技場ではスロットマシンの大当たり状態を10回継続することで豪華景品がもらえるらしい。その際に記念撮影をされて店内に飾られる。幾人かの写真が店内に飾られていた。
人間の顔なのであまり見分けはつけられないが、何かの本や新聞で見たことがある顔もちらほら見かけた。たしかホウエン地方チャンピオンのダイゴ、そしてギンガ団の幹部の顔も何人か見かけた。
そんな中、みつこやにしまつやが「あれ、こいつ確か……」などと会話をしていたがどうやら知った顔があったらしい。しかしここの写真はどれもこれも悪そうな顔をしている。人間の暗い欲望がにじみ出た写真ばかりだ。本来10回も大当たりを引いた直後なのだから歓びに満ち溢れた顔になるはずではないのだろうか? なのにここの顔はどれも笑っていない、或いは笑っていたとしても見下す笑顔であった。もしかしたら、特定の人物にしかこの10連続大当たりは門を開かず、会社の関係者……つまり接待のためにこのシステムは構築されているのではなりだろうか。
かくいうウチの大将のゆるすぎも9連続の時点で狙ったように大当たりの継続は途切れた。あまりにも計算されたようなタイミングでの大当たり中断により、大将は我を失い手にしていたゴツ盛りというラーメンカップを何度も何度もスロット台に叩きつけスロット台の破壊を試みていた。もちろん発泡スチロールで作られた容器ではスロット台は傷一つ付かず、カップのスープが叩きつける度に台にかかることで汚れていった。もちろんそれはそれで店側にとっては大迷惑であったので、事務室より出てきた黒服に連れられて大賞は店を退店することになった。「二度とくるかヴォケ」という怒声が町に響き渡ったが、この遊技場ではそういった悪態を付く人物も少なくはないらしく誰も振り向きすらしなかった。