審判「アーク•ヤックノウ対ハイカ•ヤックノウ。試合開始!」
(楽しみにしててと言っていたからな。先手は譲るとしよう。)
ハイ「やぁー!」
ハイカが一気に踏み込み、超スピードで接近する。
(技では勝てないと踏み、速度を優先したか。だが、まだまだだな。足は追いついても、手が追いついていない。手が追いつけないから、あらかじめ剣を横向きにして強く握る。持ち得る力としての選択は良いが、磨き足りないと言ったところか。)
そして、アークは斜め下向きに剣を構え、ハイカの剣を受ける。
それによって、ハイカの剣が下へと流され、バランスを崩す。
そこに剣を後ろから回し、首元に剣を向ける。
審判「勝者、アーク•ヤックノウ!」
ハイ「あっさり負けてしまいましたか。」
アー「戦術としては良い判断だ。さすが学術学園にも誘われた程だ。」
ハイ「ありがとうございます。お兄様。」
アー「そういえば、放課後に図書室で学術学園の生徒と勉強していたりするんだってな。魔剣士学園じゃなくて、学術学園に通ってもよかったんじゃないかな?」
(学園では人脈を広げるように意識しろと、ネスとして言ったからな。)
ハイ「いえ、ヤックノウ家は代々魔剣士を輩出する家系ですので。」
アー「それもそうか。」
アー「じゃあ、僕は引き続き剣術大会の観戦と試合をするけど、ハイカはどうする?」
ハイ「お兄様と一緒に観戦したくもありますが、私は図書室の方に行ってきます。」
アー「そうか。しっかりとな。」
そして、クレア対ローズの試合が終わり、
審判「勝者、ローズ•オリアナ!」
(最初はやや接戦ではあったものの、最後は実力でローズが勝ったか。技とかに関しては特に何もなしって感じだが、今回こそは勝つと言っていた理由はどこにあるんだろうか。)
そして、決勝戦のアーク対ローズでは難なくアークが勝った。
(ローズ•オリアナ。今回の剣術大会に出た奴の中では最強格だろうが、前回の剣術大会でアイリス王女に次ぐ実力のアークとしては、勝たざるをえないからな。いくら熱心で勤勉と言っても、トップ3辺りで安定するつもりだったんだが、結局は最強の位置付けになったか。)
(トップ3とかであれば、下の奴以上、上の奴未満の実力を出せばちょうど良い手加減をできたが、アイリス王女の実力が表世界において傑出しすぎなせいで、上限を自分で調整しなければならないからな。ただでさえ手加減は苦手だと言うのに、面倒くさいことこの上ない。なぜアイリス王女に次ぐ実力と言われ出したのやら。)
(だが、それでも睡眠の魔力回復への置き換えによって、重しを付けたような動きになれるのは便利だ。)
(3年生の課外活動ももうすぐになって来たか。つまり、ルスランがそろそろ動く頃合いか。人脈といえばそうだな、ファーストにシェリーと交流を持たせておくか。つつがなく成功すれば必要なくなるだろうが、何かあった時には有効活用できるだろう。特に、ルスランを上手く使えばな。)
ネス〈もうすぐ痩騎士が動くだろう。その前に学術学園のシェリー•バーネットと軽くでも交流を持っておけ。何かがあれば便利になる。〉
ファ〈分かりました。〉
この世界に来てから俺は、悪役らしい武勇伝を持つ奴に出会えずにいた...