第18話「準備運動」
(実験したい事もできたので、久しぶりに聖域に悪魔憑きを持って来た。悪魔憑き狩りは久しぶりだったが、明らかに数が減っていた。やはりシャドウガーデンが悪魔憑き治療により勢力を拡大しているからだろう。)
ネル「これはこれはネス殿。お久しぶりです。」
ネス「ネルソンか。いや、今は司祭代理だったか?」
(ドレイク司祭の黒い噂がありすぎて、王国の監査が入ることになっていたからな。少し強引ではあるが、ドレイク司祭を捨て駒にするのは悪くない手だ。)
ネス「今日は7人だ。3人は実験に使う。実験が上手くいけば、1人は余るから、その場合はそれも渡す。」
ネル「7体も。ありがとうございます。この頃はシャドウガーデンとやらが悪魔憑きの運搬の邪魔をしておりまして。」
ネス「大丈夫だ。先日、奴らの幹部の1人、七陰のガンマを殺った。少し時間はかかるかもしれないが、奴らを全滅させるのはそう遠くないはずだ。」
ネル「流石、『最恐』のネス殿でございます。」
ネス「さて、今回はしばらく聖域に留まるつもりだ。何かあったら協力できるぞ。」
(やはり、魔力を封じるというのは魔力に頼りがちなこの世界において便利なものとなるだろう。聖域の防衛システムだってその機能があるし、強欲の瞳での学園襲撃でも、キーとなって働いた。)
(だが、そのいずれもが魔力操作によっては突破できるような物だというのが問題だ。もっと、魔力そのものを攻撃するような物が必要だ。その原案はいくつか考えてある。あとは検証だ。)
(最初は、試作弾の方からだな。)
1人目の悪魔憑きに向かって、試作弾を装填したサクラを撃つ。
(問題なく貫通。一応、対照実験もしておこう。)
次は、通常の弾を撃った。
(こっちも貫通か。腕輪の皮膚片を使った方が合うな。)
腕輪にやや魔力を通し、膨張した皮膚片に試作弾と通常弾を撃つ。
(よし、試作弾の方だけ貫通したな。だが、これも魔力を強固に練られると意味をなさないからな。あくまでも一対多用で、幹部相手にはあまり使えないだろう。それに、魔力のあるこの世界では銃弾も遅いと言えるからな。)
(そういえば、強欲の瞳は魔力を吸収する機能しかなく、容量の限界になると爆発するから、制御装置で魔力の吸収と放出を止めたという事だったな。)
(・・・よし、この案なら懸念点をかなりカバーできるはずだ。もう1つの技の検証を終わらせたら、作って試すとしよう。)
(さて、新たな魔力封じの技の検証をするとしようか。)
・・・
(検証は成功だ。これなら、すぐにでも使えるだろう。)
・試作弾
通常弾の弾頭を改造して、強欲の瞳を付けただけの単純設計。